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障害保健福祉研究情報システム(DINF)・メールマガジン バックナンバー

第44号(2010年1月18日配信)

□…… DINF: 障害保健福祉研究情報システム・メールマガジン ……………□
                第44号(2010年1月18日配信) 刊行:不定期
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 DINF(Disability INFormation Resources)は、
 財団法人日本障害者リハビリテーション協会が
 障害者の保健と福祉に関わる研究を支援するために、
 国内外から広く関連する情報を収集し障害者関連の情報を
 提供しているサイトです。
 【 DINFホームページ 】http://www.dinf.ne.jp
 【 お問合せ 】webmaster@dinf.ne.jp
 【 配信停止の申請 】
 メールの件名に「配信停止の申請」と書き、
 登録されているメールアドレスよりお送り下さい。
 webmaster@dinf.ne.jp
 【 プライバシーポリシーについて 】
 個人情報を適切に保護するため、お預かりした情報は取扱いに
 つきましては細心の注意を払っています。
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■ 目次
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【1】新着情報
【2】セミナー案内
【3】ウェブ担当者コラム
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【1】新着情報
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【世界の動き-国連および関連国際機関の障害者に関する活動】
(1月5日 新着)
ミレニアム開発目標と障害
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/intl/un/091203_un_mdg.html
  「MDGの政策、プロセスおよびメカニズムにおける障害問題の
   主流化に関する国連専門家グループ:すべての人のための開発」は、
  現在実施中あるいは企画段階にある国際開発におけるすべてのMDG関連計画、
  プログラムおよび政策の企画、監視と評価に、
  どのように障害問題を盛り込むことができるかを示した
  「ロードマップ」の開発に取り組みました。
2009年12月3日  国際障害者デー
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/intl/un/091203_un.html
  2009年の国際障害者デーのテーマは、
  「ミレニアム開発目標(MDGs)をインクルーシブに:
   世界中の障害者と障害者コミュニティのエンパワメント」でした。
【情報アクセス-転載「マリタイムス」】
(1月6日 新着)
マリタイムスDINF掲載にあたり
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/newsletter/maritimes.html
マリタイムス No124 2009年10月30日発行
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/newsletter/maritimes_0910.html
マリタイムス No125 2009年12月25日発行
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/newsletter/maritimes_0912.html
  ダウン症の岡本真理さんは17年間、継続してマリタイムスを発行してきました。
  マリタイムスは、日常生活や社会で起こった出来事に対して、
  真理さんが感じたことを自分自身の言葉で綴り、
  手書きで封筒に1人1人の宛名を書き、
  季節の切手を貼ってポストに投函しています。
  DINFでは真理さんが心をこめて執筆しているマリタイムスを
  多くの方々に読んでいただきたいと考え、
  マリタイムス124号(2009年10月号)よりDINFで紹介します。
【調査・研究-障害者保健福祉推進事業(障害者自立支援調査研究プロジェクト)】
(1月13日 更新)
障害者の福祉サービスの利用の仕組みに係る国際比較に関する調査研究事業報告書
厚生労働省 平成20年度障害者保健福祉推進事業
(障害者自立支援調査研究プロジェクト)
平成21年3月
財団法人 日本障害者リハビリテーション協会
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/resource/jiritsu/hikaku-h20/index.html
  補足資料を追加しました。
【会議・セミナー】
(1月14日 新着)
障害者放送協議会セミナー「地上デジタル放送の今後への期待」
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/conf/20090315seminar/index.html
  障害者がテレビ放送を円滑に利用するためにはハード面、ソフト面において
  幾つかの課題があります。
  2011年7月の地上デジタル放送への移行を契機に、
  これらの課題が少しでも改善されていくことを強く期待し、
  2009年3月15日に標題のセミナーを行いました。
【情報アクセス-読みやすい図書に関するガイドラインと取り組み】
(1月14日 新着)
すべての人のための図書を製作する方法(HTML版)
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/guideline/lesersokerbok/index.html
すべての人のための図書を製作する方法(PDF版)
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/guideline/lesersokerbok/Howtomakebooks_endeligutgave.pdf
  2006年にノルウェー語で発行されたこのマニュアルは、
  2008年に著者により英訳されました。
  本書は、フィクションおよびノンフィクションの両方に適用できる
  製作ガイドラインを提供することを目的として書かれました。
  オーディオブックの項目でDAISYが紹介されています。
  http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/guideline/lesersokerbok/audio.html
【協会発ジャーナル】
(1月7日、14日 新着)
<新着目次>
月刊ノーマライゼーション 2010年1月号(通巻342号)目次
 特集「新政権への期待」
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n342/index.html
<バックナンバー新規掲載>
月刊ノーマライゼーション 2007年1月号(通巻306号)
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n306/index.html
  ノーマライゼーションは、各省庁の障害者施策に関する情報や動き、
  全国各地域での実践例の紹介、移動・コミュニケーションなどの生活情報、
  「第2次アジア太平洋障害者の十年」「障害者権利条約」など
  国連をはじめとする世界の障害のある人を取り巻く動きを紹介した、
  障害者福祉総合情報誌です。
  http://www.normanet.ne.jp/~info/m_norma/
  DINFでは、1995年10月号から2007年1月号までの目次と記事本文、
  2007年2月号から最新号までの目次を掲載しています。
  バックナンバーの記事本文は、
  紙媒体の発行から3年が経過したものを順次掲載していきます。
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【2】セミナー案内
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●国際セミナー「障害者の新しい雇用 -インクルーシブな雇用の実現-」
■趣旨:
近年、社会的企業に対する関心の高まりのなか、
障害者分野においては、ソーシャル・ファームなど、
障害者福祉の領域を超えた新しい雇用形態が世界各国で生まれてきている。 
わが国においても、ソーシャル・ファーム・ジャパンが設立されるなど、
障害者の新しい雇用に対する取り組みがはじまっている。
本セミナーでは、これまでの実績を踏まえ、先進国の専門家を招聘し、
わが国の障害者の雇用を促進するための
インクルーシブな雇用の取り組みを発展させるための具体的な方策について、
事例にもとづく検討を行う。 
■主催:財団法人 日本障害者リハビリテーション協会
    日英高齢者・障害者ケア開発協力機構
■助成:全国労働者共済生活協同組合連合会(全労災)
    東京都民共済生活協同組合(都民共済)
■後援:英国大使館
■期日:平成22年1月31日 (日) 10:30-16:40
■会場:全国社会福祉協議会・灘尾ホール
    http://www5.cao.go.jp/2000/c/1019c-volunteer/map.html
■定員:200名(定員になり次第締切)
■参加費:無料
■パソコン要約筆記あり。手話通訳・点字資料・磁気ループが必要な方は
申込みの際にご記入ください。
■周辺レストランは日曜日で休業ですので、各自ご用意下さい。
■申込先・問合せ:
日本障害者リハビリテーション協会 情報センター内
TEL:03-5273-0796 FAX:03-5273-0615 メール: dinf-j@dinf.ne.jp
URL: http://www.normanet.ne.jp/info/seminar100131.html
■担当:有田・野村 
■登壇者
炭谷茂(社会福祉法人恩賜財団済生会理事長、
    前環境事務次官、日英障害者・ケア開発機構副委員長)
ゲーロルド・シュワルツ
 (MDG・F(国連ミレニアム開発目標達成のための基金)と
  セリビア政府による共同プログラムコーディネータ)
デビッド・バーカー (Digital White Box創始者)
寺島彰(浦和大学総合福祉学部教授) 
フィリーダ・パービス (リンクス・ジャパン会長)
上野容子(東京家政大学文学部教授)
宮嶋望(農事組合法人共働学舎新得農場代表)
桑山和子(NPO法人 ぬくもり福祉会たんぽぽ会長) 
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●障害保健福祉総合研究成果発表会
■日時:平成22年2月3日(水) 9:00~16:40
■場所:戸山サンライズ 大研修室
     東京都新宿区戸山1-22-1
■発表者:
 ・平成21年度で3年研究の2年目が終了される研究代表者/研究分担者
 ・平成21年度で2年研究の1年目が終了される研究代表者/研究分担者
 ・平成21年度で研究を終了される研究代表者/研究分担者
■発表内容:厚生労働科学研究費により実施した研究成果を主体とした内容
 http://www.normanet.ne.jp/info/happyokai100203.html
■事務局:
財団法人 日本障害者リハビリテーション協会
〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1
TEL 03-5273-0601・0894
FAX 03-5273-1523
E-mail: soumu@dinf.ne.jp
担当:栗山貴司・村上博行
HTML申込書:http://www.normanet.ne.jp/info/happyokai100203moushikomi.htm
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●国際セミナー「CBR―コミュニティにおけるインクルーシブ開発を深める」
■趣旨:
2009年3月8日に、WHOの障害とリハビリテーションでCBRを担当している
チャパル・カスナビス氏を招いて、CBRに関するセミナーを開催し、
CBRがコミュニティでのインクルーシブ開発に有効な戦略であることを学びました。
今回再びカスナビスさんを講師にお招きし、CBRガイドラインについて、
現場ではどう使われるのか、インクルーシブ開発の具体的事例、研修の内容、
また障害者権利条約とCBRとの関係などについて
ご講演いただくセミナーを以下のように開催します。
さらに途上国のコミュニティでの活動に関する事例も紹介いたします。
途上国でのインクルーシブ開発の実現のためには、
コミュニティでの様々な分野間の連携、限られた資源の活用、
障害のある人・家族・支援者・住民とのネットワークの促進、
それらを実現するためのファシリテーションなどが考えられます。
途上国と日本のコミュニティでの取り組みに共通点はあるのかどうか、
皆様といっしょに考える機会になればと思います。
質問・ディスカッションの時間も設けますので、
皆様の積極的なご参加をお待ちしております。
セミナーの最後に、2009年2月に設立されたCBRアジア太平洋ネットワークおよび
国内ネットワークについて進捗状況をご報告いたします。
■日時:2010年2月14日(日) 10:00-17:30
■場所:戸山サンライズ2階大研修室
■主催:財団法人日本障害者リハビリテーション協会
■後援:東京都民共済生活協同組合
■参加者:130人(定員になり次第締め切ります)
■参加費:無料
■申込先・問合せ:
日本障害者リハビリテーション協会
Tel:03-5273-0601
Fax:03-5292-7630
E-mail:tsuzuki.momoko@dinf.ne.jp
URL:http://www.normanet.ne.jp/info/seminar100214.html
担当:都築
【プログラム】
10:00 主催者あいさつ
10:10-12:00
チャパル・カスナビス氏 講演 (同時通訳付き)
 CBRガイドラインについて、現場ではどう使われるのか、
 インクルーシブ開発の具体的事例、研修方法、
 障害者権利条約とCBRとのかかわりなどについて
12:00-13:00 昼食(各自でお取りください。持ち込み自由)
13:00-15:30
途上国のコミュニティでの支援活動の事例発表
 コーディネーター:高嶺豊氏(琉球大学教授)
          沼田千妤子氏(日本発達障害福祉連盟事務局長)
講演1)Raja Pratap (ラジャ プラタップ)氏:(同時通訳付き)
   インド アンドラ・プラデシュ州での
   貧困削減事業にかかわるプロジェクト上級役員
   【講演内容】
   世界銀行による貧困削減事業の中の障害者自助グループと
   その連合体を作るプロジェクトについて 
講演2)中村 信太郎(なかむら しんたろう)氏: 
   JICAシリアプロジェクトCBR専門家 
   【講演内容】
   JICA(国際協力機構)によるシリアでのCBR支援について
講演3)田畑 美智子(たばた みちこ)氏: 
   世界盲人連合 アジア太平洋地域代表執行委員
   【講演内容】
   世界盲人連合アジア太平洋地域協議会がパートナーとなり、
   デンマーク政府開発援助の支援で実施している、
   アジア地域と国レベルでの能力開発プロジェクトと、
   モンゴルのコミュニティにもたらした変化
講演4)尻無浜 博幸(しりなしはま ひろゆき)氏:
   松本大学準教授
   【講演内容】
   松本近辺でのコミュニティでの取り組みと
   スリランカでのCBR支援を通して見える接点などについて
講演5)西尾 雄志(にしお たけし)氏: 
   早稲田大学 平山郁夫記念ボランティアセンター助教         
   【講演内容】
   中国のハンセン病回復者の定着村での日本と
   中国の学生のワークキャンプをとおして見えた、
   ハンセン病回復者およびコミュニティの人々の変化など
15:30-15:45 休憩(質問用紙に書いていただき、休憩時間中に集めます)
15:45-17:00 質疑・ディスカッション、コーディネーターによるまとめ
17:00-17:20
CBR APネットワークと国内ネットワークに関する経過説明と報告:
上野悦子 日本障害者リハビリテーション協会 (障害分野NGO連絡会事務局) 
17:20-17:30 閉会のあいさつ
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●国際シンポジウム「デイジーの活用による情報アクセスの保障と促進」
■趣旨:
デイジー(DAISY: Digital Accessible Information System)は、
視覚障害、発達障害、知的障害、精神障害など、
様々な「読むことに障害がある人々」の問題解決のために、
DAISYコンソーシアムにより国際的に開発と普及が進められている
アクセシブルなマルチメディアである。
デイジー形式のマルチメディアにより、見る、聞く、触る、のどれか一つができれば、
読むことを保障できるので、欧米では教科書等を中心に急速に普及している。
日本では、本年1月1日に施行された著作権法の改正により、
障害がある人々の読書環境が大きく改善され、
これまで著作権法の制約でデイジーを利用できなかった
様々な読みの障害がある人々の関心が急速に高まってきている。
そこで、デイジーと改正著作権法を最大限に活用して、
これまで読書から疎外されてきたディスレクシア等の様々な読みの困難がある
人々の支援を進めるために、世界中で普及が進むデイジー技術と、
その姉妹技術である新しい電子出版の標準規格ePUBとに着目して、
海外から研究開発の最前線に立つ専門家を招聘してその動向を学び、
日本におけるデイジーの今後についてのシンポジウムを開催する。
講師には、デイジーコンソーシアム会長のほか、
ePUBの開発と普及を進めるIDPF次期会長、
フランスを拠点にするDAISY技術開発チームリーダー、
自らがディスレクシアでもある第一線のデイジー製作・閲覧ソフトウエア開発者、
e-Inclusionを積極的に進めるスウェーデン国立録音点字図書館のデイジー開発者を
予定している。
DAISYを軸とする「誰もが読める」電子図書とデジタルライブラリーの現在と
将来に関する講師の発表の後に、教科書のデイジー版提供を法律で
出版者に義務付けている米国の事例等を参考に、法律・制度の問題も含めて、
日本におけるデイジーの活用についてパネリストと講師による意見交換を行い、
日本における「誰もが読める」社会の実現を展望する。
■主催:(財) 日本障害者リハビリテーション協会
■助成: 大阪府民共済生活共同組合
■日時:2010年2月19日(金) 13:00~17:00
■会場:日本財団ビル 大会議室
 (〒107-8404 東京都港区赤坂1丁目2番2号 日本財団ビル)
■定員:150名(定員になり次第締め切りとする)
■参加費:無料 
■情報保障:同時通訳要約筆記あり。
      希望に応じて手話通訳・点字プログラム・磁気ループを用意。
■申込先・問合せ:(財)日本障害者リハビリテーション協会 情報センター内
TEL:03-5273-0796 / FAX:03-5273-0615  /e-mail: ic@dinf.ne.jp
URL: http://www.normanet.ne.jp/info/seminar100219.html
担当:吉広・長田
■プログラム(予定) *変更の可能性があります。
13:00-13:10
開会挨拶 金田一郎(財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 会長)
13:10-13:30
基調講演 河村宏 (DAISYコンソーシアム会長・国立障害者リハビリテーションセンター特別研究員)
13:30-15:00
世界の動向に視点をあてて(1人約20分)
 ジョージ・カーシャー(IDPF会長・DAISYコンソーシアム事務局長 - 米国)
 クレッグ・カーニー
 (西オーストラリア盲人アクセスメディア協会マネージャー - オーストラリア)
 ロマン・デルトワ(DAISY 変換技術開発チームリーダー - フランス)
 マーカス・ギリング
 (DAISYコンソーシアム技術開発部長・スウェーデン国立点字録音図書館(TPB)
  ‐スウェーデン)
15:00-15:20 休憩・展示   
15:20-17:00
パネルディスカッション「日本におけるDAISYの普及」
 モデレータ:河村宏(DAISYコンソーシアム 会長)
 パネリスト:
  外国の講師陣
  長尾真(国立国会図書館長)
  石川准(静岡県立大学国際関係学部教授)
  神山忠(岐阜県立関特別支援学校)
  井上芳郎(障害者放送協議会著作権委員会委員長、LD親の会)
  野村美佐子(日本障害者リハビリテーション協会情報センター長)
17:00 閉会
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【3】ウェブ担当者コラム
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●講演会「読みの困難な児童・生徒に向けたDAISYによる支援」
 http://www.normanet.ne.jp/info/seminar100109.html
1月9日に表題の講演会を開催した。
当日は、関係者を除いて約100名の参加があった。
はじめに情報センター長の野村より、
DAISY版教科書提供の取り組みと現状について報告した。
DAISYと当協会のDAISY事業に関する歴史的な事柄に始まり、
2008年から行っているDAISYによる教科書製作プロジェクト、
今年度福祉医療機構の助成で行っている
「読みの障害児・者に向けたDAISY版教科書支援研究事業」
を中心とした報告であった。
2009年末にDAISY版教科書を提供している先生や保護者にアンケートを行なったが、
その結果の一部も紹介した。
詳しい分析はこれからだが、ここから利用者の傾向が浮かび上がってくる。
DAISY版教科書提供の取り組みと成果、今後の進め方に焦点をあてた報告となった。
事例報告では、DAISY版教科書提供の事例と成果について、
実際にご利用いただいている学校の先生3名と保護者2名からご報告をいただいた。
栃木県鹿沼市立みなみ小学校の荒川先生のご報告は、
実際にどのようなお子さんにDAISYを利用して、どのような変化があったのか、
ていねいに説明してくださったのが、印象的だった。
ニーズの多様性にどのように対応していくのか、
また読みには改善が見られたので、書字にもつなげられればというご要望もいただいた。
また、通常学級でも活用できればというご意見もいただいた。
静岡県浜松市立神久呂中学校の矢田先生は、中学校での導入について。
当該学年用だけでなく、「学び直し」のために
下の学年のDAISY教科書を希望するということだった。
現在、当協会が製作しているDAISY版教科書は、国語が中心であるが、
英語や歴史でDAISYとあわせて補助プリントを活用して
効果が上がった例をご紹介いただいた。
札幌市立北九条小学校の山下先生は、「まなびの教室」で
DAISYを導入するためにどのような準備を行なったのかのご報告であった。
教育委員会からの働きかけで導入が始まったが、担当者によるDAISY体験、
本人の体験、パソコンの設置、NPO法人かかわり教室との情報交換など、
細やかに手順を踏んで導入している。
家庭訪問してセットアップし、本人がひとりでできるように教えるとのことだった。
調布デイジー代表の牧野さんは、お子さんのディスレクシアについて、
そして、DAISYと出会った経緯(調布市立図書館の紹介)、
ATDOの講習会を受けてDAISYの製作ができるようになったことを語った。
DAISY製作技術を身につける親御さんは日本では比較的いらっしゃるのだが、
コメンテーターの渡部テイラー美香さんは米国ではそういったことはないので、
この事実にとても驚いていたのが印象的だった。
兵庫県LD親の会「たつの子」代表の山中さんは、今回のために
会のメンバーのDAISYに対する声をICレコーダーで録音してくださった。
それを当協会でDAISY化し再生した。
いろいろな保護者の方の声が聞けたと同時に、
DAISYを自分も活用していることを実感した。
筆者は、音声よりも文字の処理の方が得意な傾向にあり、
講演会におけるパソコン要約筆記は、見ていると安心できるのだが、
音声とテキストを同時に出せるDAISYは、
音声に強く文字に弱い人だけでなく、
音声に弱く文字に強い人の支援にもなるのではないかと
自分の経験から感じるのである。
パネルディスカッション「どのようにしてDAISY教科書を普及していくのか」では、
モデレータの河村さんから、ルビ、読み、数式、図表、
動画、インタラクティビティなど、今後のDAISYの開発の可能性が示された。
まだ国内の再生ソフトでは対応できていないが、現在の技術で、
テーブルと分数は読ませることができ、現在日本語化が進んでいる。
コメンテーターの渡部さんは、モンタナ大学障害学生サービス部コーディネーターとして
どのような学生支援を行なっているか、特にDAISYと関わりのある
代替図書を中心にお話くださった。
井上さんは、1月1日に施行された改正著作権法について、
寺島さんは、高等教育における発達障害者への支援の課題について、
田中さんは、昨年までの公立中学校特別支援教育コーディネーターとしての実践と
現在、親御さんとの関わりで見えてきたこと、
石井さんは、盲学校での支援について。
コンテンツ製作の制度化、人材養成・研修、当事者を含めた参加、
図書館の活用の可能性、本当に必要な本人に伝わるような情報発信など
課題も多いが、ともにDAISYが広がっていくしくみをつくっていけたらと願う。
なお、本講演会については報告書をまとめて参加者に発送し、
DINFにも同内容を掲載予定です。
□□■ 編集後記………………………………
本号が2010年に配信する最初のDINFメールマガジンになります。
すっかり中旬ですが、本年もよろしくお願いいたします。
1月9日に早速主催講演会があり、
さらに、まだまだ続きます。
もう年度末進行がはじまっているような日々です。
………………………………………………………………………………
●障害者福祉の総合情報誌
月刊『ノーマライゼーション』(定価800円)
最新刊 1月号
 特集「新政権への期待」
http://www.normanet.ne.jp/~info/m_norma/
●障害者福祉専門職の方必読!
季刊『リハビリテーション研究』(定価1200円)
最新刊 141号
 特集「第32回総合リハビリテーション研究大会」
CD-ROM版発売中(1号~100号分、ブックレット付。9500円)
http://www.normanet.ne.jp/~info/rihaken/
………………………………………………………………………………
 発行元:(財)日本障害者リハビリテーション協会 情報センター
 〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1
 TEL:03-5273-0796 FAX:03-5273-0615
………………………………………………………………………………■■■

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