2030アジェンダを強化するインチョン戦略
2015年の持続可能な開発のための2030アジェンダの採択は、アジア太平洋障害者の「権利を実現する」インチョン戦略との相乗作用(シナジー)を活用する機会をもたらした。この2つの枠組みは、地方の潜在能力と現実を考慮しつつ個別の開発目標を達成する際の、国のリーダーシップを奨励する。インチョン戦略および2030アジェンダはともに人権尊重を基礎に、人間中心でジェンダーに配慮した開発アプローチをとる。
相乗作用(シナジー)が認められる内容を分類した方法
図は各目標を表示しているが、下記の基準に従い、それぞれのターゲットの類似する内容に沿って関連が描かれている。
個々のインチョン戦略ターゲットが個別の持続可能な開発目標(以下、SDGという)ターゲットを下支えしていると言える場合とは:
1.SDGターゲットが障害について明確に言及しており、インチョン戦略およびSDG双方のターゲットが類似した内容に触れている
そして/もしくは
2.SDGターゲットが障害に関連した概念について明確に言及している(次の概念を含むが、他にもある):
a.インクルージョン/すべての人々のために
b.アクセシビリティ/ユニバーサル(普遍的)・アクセス
且つ、インチョン戦略およびSDG双方のターゲットが類似した内容に触れている
そして/もしくは
3.インチョン戦略ターゲットに係る施策の実行結果について、充分に情報収集したうえで推論ができうることは、類似した内容のSDGターゲットを今後達成していくために役立つ:
a.注:インチョン戦略とSDGは共通する包括的目標のもとに成り立っているので、双方のターゲットの文脈を考慮して差し支えない。
次の図は、インチョン戦略および持続可能な開発のための2030アジェンダの複数のターゲットによる相乗作用(シナジー)を示している。
<図タイトル> 障害インクルーシブな開発:2030アジェンダを強化するインチョン戦略
≪図 下≫ インチョン戦略とSDGの個々のターゲットの内容に応じて関連づけをしている。
≪図 左≫ インチョン戦略 アジア太平洋障害者の「権利を実現する」2013-2022
※SDGターゲットへのリンクを見るには、インチョン戦略目標をクリック
目標 6 性(ジェンダー)の平等と女性のエンパワーメントを保障すること
目標 9「障害者の権利に関する条約」の批准および実施を促進すること
≪図 右≫ 持続可能な開発目標
目標8.* 働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク) と経済成長
目標1. 貧困の終結
目標10. * 不平等を是正する
目標16. 平和、司法及び強力な制度
目標5. ジェンダーの平等
目標4.* 質の高い教育
目標9. 産業、イノベーション及びインフラ
目標11.* 持続可能な都市及びコミュニティー
目標3. 良好な健康と福祉
目標13. 気候対策
目標17.* 目標のためのパートナーシップ
* 障害のある人への明確な言及は、SDGの17目標のうち5つ(目標4,8,10,11,17)にあり、更に6つの目標にも「誰一人取り残さない」とのSDGの誓いから、障害を持つ人を非明示的に関連づけている。
インチョン戦略 | 持続可能な開発目標 |
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日本障害者リハビリテーション協会 仮訳
原典:UN ESCAP."Incheon Strategy strengthening the 2030 Agenda". make the right real!.
http://www.maketherightreal.net/incheon-strategy-strengthening-2030-agenda (cited 2016-09-02).
「インチョン戦略目標」
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/twg/escap/incheon_strategy121123_j.html
「2030アジェンダ」
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/intl/un/transforming_our_world_jp.html