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SDGsワーキンググループの議長による文書

2014年2月21日 ニューヨーク

閣下

 2012年6月にブラジルで開催された国連持続可能な開発会議において、各国政府首脳は総会での合意に向けて、グローバルで持続可能な開発目標の策定を目的とした、すべてのステークホルダーに開かれた、持続可能な開発目標に関するインクルーシブで透明性のある政府間交渉プロセスを立ち上げることを決議しました。この点に関して各国政府首脳は、公開作業部会を結成し、第68回国連総会に対し、持続可能な開発目標案を記載した報告書を提出し、検討と適切な行動を仰ぐことを決定しました。

 2013年1月には、持続可能な開発目標(SDG)案の策定を進める公開作業部会が、総会によって設立されました。共同議長を選出し、作業方法と作業計画を採択した作業部会は、2013年3月から2014年2月までに計8回の会合を持ち、リオ+20の成果文書で確認されたさまざまなテーマを検討しました。これらの会合は、公開性、透明性、包括性、そしてコンセンサスの原則を指針としていました。さらに、会合の合間を縫って、さまざまなステークホルダーとの特別午前セッションが開催され、彼らの見解を聞き、その貢献を得ることができました。

 協議を通じて、貧困撲滅およびその他の重要な社会目標に関する未完のミレニアム開発目標(MDG)事業の成就を、SDGの枠組みの中心に置かなければならないという幅広い理解が得られました。さらに協議では、環境と開発に関するリオ宣言のすべての原則、とりわけ、原則7と『我々が望む未来』のパラグラフ15、および2013年9月に開催されたMDGスペシャルイベントの成果文書に記されている、共通だが差異ある責任の原則も考慮されました。

 会合は、SDGが行動指向で、簡潔かつ伝達が容易であり、限られた数の、野心的でグローバルな性質を持つ、すべての国に適用可能な普遍的なものでなければならないこと、その一方で、さまざまな国の現状、能力および開発段階を考慮し、国の政策と優先事項を尊重したものとしなければならないというコンセンサスに導かれていました。SDGは、持続可能な開発の経済面、社会面および環境面とそのインターリンケージ(相互連携)を、バランスよく取り上げ、組み入れたものでなければなりません。

 討議を通じて、作業部会は、貧困撲滅、国内および国家間の不公平な開発および環境保護が、今世紀人類が直面している持続可能な開発に関する最も差し迫った課題であることを強調しました。また、作業部会は、持続可能な開発の達成に必要な実施手段が不十分であるがために、多くの国が直面している課題を詳細に検討しました。公開作業部会は、持続可能な開発の実現に関する実施手段を検討する一方で、この目的に向けた他の関連プロセスが果たしうる貢献についても認識を深めてきました。

 作業部会は、あらゆるレベルにおいて持続可能な開発に関する課題への取り組みが進行中であることを認める一方で、持続可能な開発に関して特に意欲的に取り組むべき重点分野での行動を通じて、これらの問題に対する国際社会の注目が高まり、これらに対処する行動を強化できるということも強調しました。これらの問題には、総合的かつ全体的に、バランスを取りつつ、一体となって取り組まなければなりません。最重要点は、会合の最後に覚書として発行された要約に記載されています。

 作業部会は、加盟国およびその他のステークホルダーによって提供された有用な情報から恩恵を受けてきました。共同議長は、コンセンサスを築く作業を始めるために、付録文書にあるように情報をまとめ、公開作業部会に提供しています。公開作業部会が次の作業段階へと進むにあたり、採用された作業方法が、引き続きプロセスの指針とされるでしょう。また、共同議長は、SDGの草案策定において、リオ+20の成果文書に反映されている国際的な合意を尊重し、そのパラグラフ246に詳しく記されている原則を守るというコミットメントを繰り返し述べています。

 付録文書は、作業部会が第68回総会への提出を義務付けられている報告書の素案となるものではありません。この文書についてはさらなる検討が勧められますが、ここで明らかにされている重点分野がすべてを網羅しているわけではありません。したがって、それらの重点分野は、テーマ別会合で議論されたにもかかわらず、ここには記載されていない他の問題を含めることを妨げるものではありません。

 私たちは、これらの持続可能な開発の重点分野においてさらなる行動がとられれば、強く求められてきた変革の重大な影響に国際社会が気づく可能性があると考えています。これが、豊かで平和な、回復力に富む社会、そして同時に、地球を守る社会を築くために必要なのです。

 最後に、共同議長は加盟国に対し、3月初旬の公開作業部会第9回会合において、この文書に基づき、SDGとそれに伴うターゲットを定めるという重要な課題に着手することを求めます。今後、適切な時期に、また、作業部会内での議論を踏まえて、より簡潔な文書を提供する予定です。

閣下、私たちは最高の考慮を払うことをお約束します。

国際連合ケニア共和国政府代表部
常駐代表
マチャリア・カマウ(Macharia Kamau)

国際連合ハンガリー政府代表部
常駐代表
チャバ・ケーレシ(Csaba Körösi)

ニューヨーク 国際連合加盟国 常駐代表
(総会決議67/555付録に記載)

cc:ニューヨーク 国際連合 全常駐代表および常駐オブザーバー


原文:
Letter from the Co-Chairs of the Open Working Group on SDGs, 21 February 2014
United Nations Sustainable Development Knowledge Platform : Sustainable Development Goals (SDGs) : Open Working Group (OWG)
http://sustainabledevelopment.un.org/focussdgs.html
http://sustainabledevelopment.un.org/content/documents/3272cochairsletter.pdf