障害者にやさしい福祉社会をめざして
NO.1
-沖縄県障害者福祉長期行動計画-
沖縄県
項目 | 内容 |
---|---|
立案時期 | 平成6年6月 |
計画期間 | 平成6年度~平成15年度(10年間) |
はじめに
昭和56年の国際障害者年を契機に、障害者の「完全参加と平等」の実現を図るため、昭和58年に沖縄県障害者対策長期行動計画を策定し、障害者に関する施策を推進してきたところであります。
その間、障害者自身の主体的な努力、障害者に対する県民の理解と協力及び行政施策の充実等により各分野において多くの成果を収めてまいりました。
しかしながら、社会経済情勢の著しい変化と、障害の程度の重度化、重複化あるいは障害者の高齢化に伴うニーズの多様化や障害者自身の自立意識、社会的意識の向上に伴い新たな問題が生じてきました。
このため、障害者や高齢者を含む全ての県民が、安全かつ快適に生活できる福祉社会の実現をめざした施策の展開が求められております。
また、平成5年には、国において「障害者対策に関する新長期計画」が策定されるとともに「心身障害者対策基本法」が「障害者基本法」に改められ、障害者の自立と社会参加に関する施策が積極的に推進されることとなり、さらには、「アジア・太平洋障害者の十年」がスタートし、国際的にも新たな動きがみられました。
本県においては、このような福祉を取り巻く状況に対応するため、来る21世紀に向け、障害者福祉の向上を県の重要課題として位置づけ、障害者にやさしい福祉社会をめざし、今後10年間の「沖縄県障害者福祉長期行動計画」を策定いたしました。
この計画は、県の障害者福祉施策の基本的方向を示す指針であると同時に、国や市町村との密接な連携を図りつつ、県民や民間企業等に対し広く理解を求め、障害者自身はもとより、全ての県民の自主的、主体的な行動の指針となるものであります。
今後、計画の推進に当たっては、県民の皆様を始め、市町村及び関係者と一体となって取り組んでまいりたいと考えておりますので、ご理解とご協力をお願い申し上げます。
終わりに、本計画の策定に当り、貴重なご意見をお寄せいただいた沖縄県社会福祉協議会をはじめ、障害者関係団体や関係者の皆様方に厚くお礼申し上げます。
平成6年6月
沖縄県知事 大田昌秀
目次
沖縄県障害者福祉長期行動計画の構成
第1章 計画策定の背景
第2章 計画の基本的な考え方
第3章 施策目標と課題
第4章 施策体系と課題別行動計画
施策項目別
課題別行動計画
- 啓発広報活動の強化
(1) 広報活動の推進
(2) 福祉教育の推進
(3) ボランティア活動等の推進 - 保健・医療の充実
(1) 保健サービスの充実
(2) 医療サービスの充実
(3) リハビリテーション・社会復帰体制の充実 - 教育・育成の充実
(1) 早期教育の充実
(2) 学校教育の充実
(3) 生涯学習・社会教育の充実 - 雇用・就業の促進
(1) 雇用の促進
(2) 就労の場の拡大
(3) 職業リハビリテーションの推進 - 福祉サービスの充実
(1) 在宅福祉サービスの充実
(2) 施設福祉サービスの充実
(3) 福祉人材の養成・確保 - 生活環境の整備
(1) 福祉環境の整備
(2) 住宅環境の整備
(3) 移動・交通手段の整備
(4) コミュニケーションの確保 - スポーツ・レクリエーション及び文化活動の振興
(1) スポーツ・レクリエーション活動の振興
(2) 文化活動の振興 - 国際交流の促進
(1) 国際交流・協力活動の促進
沖縄県障害者福祉長期行動計画の構成
第1章 計画策定の背景
第2章 計画の基本的考え方
計画策定の趣旨
計画の性格
計画の期間
計画の内容
計画の推進
第3章 施策目標と課題
啓発広報活動の強化
保健・医療の充実
教育・育成の充実
雇用・就業の促進
福祉サービスの充実
生活環境の整備
スポーツ・レクリエーション及び文化活動の振興
国際交流の促進
第4章 施策体系と課題別行動計画
- 施策体系
総括
施策項目別 - 課題別行動計画
第1章 計画策定の背景
我が国の障害者に対する行政の本格的な対応は、1949年(昭和24年)の身体障害者福祉法の制定により始められ、その後、精神薄弱者福祉法(昭和35年)や心身障害者対策基本法(昭和45年)等関係法令の整備を基本にして推進されてきた。
こうした中で、国際連合は、1981年(昭和56年)の国際障害者年における「完全参加と平等」の趣旨をより具体化するため、翌年、「障害者に関する世界行動計画」を採択、その実施を図るとともに、1983年(昭和58年)から1992年(平成4年)までの10年間を「国連・障害者の十年」と宣言し、各国において行動計画を策定して障害者の福祉の増進を図るよう、加盟各国に要請した。これを受けて我が国においては、昭和57年に「障害者対策に関する長期計画」を策定するとともに総理府に障害者対策推進本部を設置し、諸施策の展開が図られてきたところである。
本県においても、昭和58年3月、「沖縄県障害者対策長期行動計画」(以下「行動計画」という。)を策定、さらに昭和63年9月には、これを見直す形で「沖縄県障害者対策長期行動計画後期計画」を策定し、これに基づいてこの間の障害者に関する施策を推進してきたところである。
この「国連・障害者の十年」は1992年(平成4年)で終了、それと同時に「行動計画」の実施期間も終了したが、その間国際的にも国内的にも障害者に対する理解と関心が高まり、障害者施策の面でも、世界の先進諸国においては大きく前進し、本県においても、障害者自身の主体的な努力、障害者に対する県民の理解と協力、行政施策の充実等により各分野において一応の成果を収めたところである。
しかしながら、近年の社会経済情勢の著しい変化と、この間における障害の程度の重度化、重複化あるいは障害者の高齢化に伴うニーズの多様化や障害者自身の自立意識・社会参加意識の向上に伴い新たな問題が派生する等、障害者施策を推進する上でなお解決すべき課題が数多く残されている状況である。
こうした中で、平成2年には社会福祉関係8法が改正され、市町村が在宅福祉、施設福祉の一元的実施主体として、個々の障害者に対し、各種サービスを総合的にきめ細かく提供する体制が整えられてきたところである。
さらに、平成5年6月には、精神保健法が一部改正され、同年12月には「心身障害者対策基本法」が改正された。同法は「障害者基本法」と改められ、その目的を「障害者の自立と社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動への参加を促進すること」とし、法律の対象に精神障害者が位置づけられ、てんかん、自閉症および難病患者についても付帯決議によって同法の障害者の範囲に含まれるものとされた。また、政府に障害者施策を総合的かつ計画的に推進するために障害者に関する基本的な計画を策定させ、毎年国会へ報告させるとともに中央障害者施策推進協議会に障害者等の参加を明定している。さらに都道府県及び市町村に対しては、これに準じた努力規定を定めた。
また、国際的には、1992年(平成4年)4月、国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)第48回総会において「アジア・太平洋障害者の十年」の決議が採択され、1993年(平成5年)から2002年(平成14年)までを期間として、これがスタートしたところである。これに因んで、1993年(平成5年)10月には本県で、海外17か国を含む県外及び県内から1,000人余の参加のもとに『「アジア・太平洋障害者の十年」キャンペーン93国際NGO会議・障害者の社会参加に関する沖縄会議』が開催され、国際的な視点から障害者の問題が論議され、県内障害者の自立と社会参加への意識を高める一つの契機になった。この大会において「完全参加と平等」および「万人のための社会」の実現に向けて、「啓発」から「行動」へと重点を移すことが今求められているというアピールが採択された。
さらに1993年(平成5年)12月には、国連において「障害者の機会均等化に関する標準規則」が採択された。これは10年前の「世界行動計画」を発展させた極めて重要な決議として認識されている。一方、県内においても、平成4年9月に「第3次沖縄振興開発計画」(以下「第3次振計」という。)が政府決定され、スタートしたところである。これは、平和で活力に満ち潤いのある沖縄県づくりを目指すもので、福祉についても、地域福祉活動の強化及び福祉施設の整備拡充を図るとともに、老人・児童福祉の充実・向上のほか、障害者福祉については「障害者が地域社会の中で安心して日常生活ができるよう、きめ細かな在宅福祉サービスの充実とあわせて障害者の自立と社会参加を促進するための各面の条件整備を推進する」と位置づけている。
このような福祉を取り巻く内外の社会情勢のもとで、これらの変化に対応し、来たる21世紀に向け・障害者福祉の向上を県の重要課題と位置づけ、障害者福祉の一層の推進を図るため、沖縄県障害者福祉長期行動計画(以下「本計画」という。)を策定するものである。
第2章 計画の基本的考え方
1 計画策定の趣旨
これまでの障害者福祉施策は、国際障害者年のテーマである「完全参加と平等」を目標に推進されてきた。その根幹をなすものは、いうまでもなく、すべての障害者が障害をもたない者と同等に生活し、活動する社会を目指す「ノーマライゼーション」の理念と、ライフステージのすべての段階において全人間的な復権を目指す「リハビリテーション」の実現にある。
しかし、本県では、「行動計画」期間を終えた今日でも「完全参加と平等」という目標と理念がまだ十分でないとの認識も多いことから、今後、さらにその推進に取組んでいく必要がある。本計画では、この目標をさらに県民各層に浸透、定着させるとともに、この目標を達成するための手段方法を示すことが求められている。
そこで、本計画では、次のような基本的な考え方に基づき、施策の基本的方向と具体的な方策を明らかにするものとする。
(1) 障害者の主体性と自立性の確立
すべての障害者は、障害の種類・重さを問わず、障害を持たない人々と同じように社会の主権者の一人として自らの意志に基づいて自らの人生を選び、社会活動への参加を含む多様な生き方を選ぶ権利を持っている。しかしながら、これまで障害者は、障害に起因する合理的な理由なしに、その基本的人権が十分に尊重されなかった面が見受けられた。
したがって、「障害者の自己決定権」を保障するとともに、その基本的人権を擁護するシステムを確立する施策を進めていく必要がある。
障害者施策の基本は、「完全参加と平等」をめざすとともに、障害者が主体性、自主性を確保し、社会活動へ積極的に参加できる「うまんちゅのための社会」を実現することである。
(2) 「うまんちゅの参加」によるうまんちゅのための社会づくり
- 障害者を取り巻く社会環境においては、交通機関、建築物等における物理的な障壁、資格制限等による制度的な障壁、点字や手話サービスの欠如等による文化・情報面の障壁、障害者を庇護されるべき存在としてとらえる等の意識上の障壁がある。
これらの障壁を除去し、特に街づくり等を含む生活環境の改善や技術の進歩に応じた福祉機器の研究開発、普及を図ること等により、障害者が各種の社会活動を自由にできるような平等な社会づくりをめざす。 - 障害者が住みよい、障害者のための社会をつくっていくことは、すべての人が住みよい、すべての人のための社会をつくっていくことにほかならない。このような観点から、平等な社会づくりに際しては、障害者を対象とした特別の措置を構ずるだけでなく、障害者の参加や利便を前提とした一般的な措置を構ずるよう努める。
- 平等な社会づくりに際しては、行政はもちろん、社会のすべての構成員、特に一般市民が障害者問題を理解し、主体的に取り組んでいく必要がある。このような全員参加による取り組みを進めていくため、地域住民、企業等に対する啓発広報の充実により一層努める。
(3) 障害の重度化・重複化及び障害者の高齢化への対応
- 障害が重かったり、重複している等のため、常時援護や保護を受けている障害者の割合は、増加する傾向にある。
これらの者が基本的人権を持つ一人の人間として生活ができるよう、その生活の質の向上に努める。 - 人口構造の高齢化に伴い障害者の高齢化が進んできており、また、高齢者の中にも障害のある者が多くなっている。このような状況に即応した施策の展開に努める。
(4) 施策の連携
- 今日、障害者及び障害を持たない人が高齢化する中で病気その他の原因により中高年で障害を受ける人が増える傾向にあり、障害者問題と高齢者問題の関連がより広がっている。また、「うまんちゅのための社会」を目指し、人生の各段階で適切なリハビリテーション施策を推進する観点から見ても障害者施策と高齢者施策を一体として推進することが求められている。したがって、現行制度のもとで可能な限り両施策の一体的な推進に努める必要がある。
- 障害者施策は、福祉、保健医療、教育、雇用、生活環境等幅広い分野にわたるため、関連施策の連携を図るよう努める。
(5) 「アジア太平洋障害者の十年」への対応
「アジア太平洋障害者の十年」については、第3次振計に示された「本県の地理的、歴史的特性を生かし、近隣アジア、太平洋諸国等との我が国の南における国際交流・協力拠点の形成を図る」という趣旨の方針を踏まえて、特に障害者問題を中心とした国際交流・協力に係る諸施策を推進する。
(6) 市町村の役割の増大
平成5年4月から身体障害者福祉法等福祉関係八法が全面的に施行され、障害者福祉行政における市町村の役割が増大してきている。ノーマライゼーションの理念を実現するためには、生活の基盤である地域社会に最も身近な自治体である市町村が、障害者の二ーズに応じてきめ細かなサービスを提供する必要がある。もちろん、このことは県の役割、責務を縮小するものでなく、県は、市町村との役割分担を明確にし、引き続き積極的な施策の充実に努めていく必要がある。
本県は、多くの離島を抱えており、障害者の「完全参加と平等」の目標は、これらの離島市町村を含む全市町村において、平等に実現しなければならないものである。したがって、本県の障害者福祉の推進に当たっては、離島の持つ地理的不利性の克服に努めるとともに、その地域に適した施策の推進を図る必要がある。
2 計画の性格
(1) この計画は、昭和58年に策定した「行動計画」に引き続き策定するものであり、基本的には現行の行財政制度を前提としながら、21世紀に向けての長期的展望のもとに、県の障害者福祉施策の基本的方向を示す行政の指針となるものである。
(2) この計画は、県民や民間企業等に対し広く意見を求め、障害者自身はもとより、すべての県民の自主的、主体的な行動のための目標、指針となるものである。
(3) この計画は、国に対しては、計画内容の実現のために必要な要請を行い、市町村に対しては、計画と一体的な施策の推進を求めるものである。
3 計画の期間
平成6年度から平成15年度までの10年間とする。
4 計画の内容
この計画は、次の8項目を柱とし、課題と行動目標を明らかにした上で、施策内容を示していく。
- 啓発広報活動の強化
- 保健・医療の充実
- 教育・育成の充実
- 雇用・就業の促進
- 福祉サービスの充実
- 生活環境の整備
- スポーツ・レクリエーション及び文化活動の充実
- 国際交流の促進
5 計画の推進
- 計画を総合的に推進するため、障害者施策推進本部を設置し、関係部局の連携のもとに全庁的な取り組みを行うものとする。
- 国及び市町村との協力を図り、体系的効果的に推進する。
- 障害者施策の推進に当たっては、関係機関団体、企業及び県民の理解と協力のもとに推進する。
- 計画実施の中途で障害者を取り巻く情勢に著しい変化が生じた場合には、見直しを行い、障害者の福祉がより効果的に推進されるようにする。
- 沖縄県障害者施策推進協議会において、障害者福祉施策の推進に必要な事項を調査審議する。
第3章 施策目標と課題
1 啓発広報活動の強化
障害者を含むすべての人が住みよい平等な社会づくりを目指すためには、ノーマライゼーションの理念に基づいた広報活動を展開していくことが大切である。すなわち障害者が障害を持たない人と違った特別の存在ではなく、障害のない人と同じく一人の人間として基本的人権を有し、かつ大きな可能性を持った同じ社会の構成員であるということと、障害者の問題は、障害者だけでなく、すべての人々自身の問題であるという視点に立った啓発・広報活動の推進が必要である。
また、障害者の実態に即した施策を推進していくためには、障害者の実態調査や広聴活動、情報提供機能の充実等も重要な課題である。
さらに県民一人ひとりが正しい理解のもとに助けあいの心を育て、心の通う福祉社会を築いていくためには、学校教育の場に限らず一般市民を対象とした福祉教育の充実を図る必要がある。加えて障害者を含むボランティア活動の推進は、障害者自身の社会参加を促進するとともに、一般市民とのふれあいの機会ともなることから、その一層の充実を図る必要がある。
一方、障害者の立場を県民が正しく理解していくためには、実際に障害者とふれあう機会と場を数多く持つことが必要であり、また障害者自身が地域の各種イベント等に参加する気運を高めるため、積極的に交流活動を推進する必要がある。
〔課題〕
- 広報活動の推進
- 福祉教育の推進
- ボランティア活動等の推進
2 保健・医療の充実
保健・医療の分野においては、その基本となる障害の予防、早期発見と早期療育、自立のためのリハビリテーションを可能とするための諸条件の整備を積極的に推進する必要がある。
障害の予防、早期発見のためには、妊産婦に対する健康教育及び健康診査、先天性代謝異常検査、乳幼児健康診査等の母子保健対策のほか老人保健法に基づく脳血管障害等成人病予防のための健康診査、健康教育等各種の健康・保健対策の充実を図っていく必要がある。
原因疾患等の早期発見から早期治療・リハビリテーション医療、早期療育や各種福祉施策への誘導が適切になされていくよう、本人及び家族に対する各種サービスに係る相談体制や支援体制の充実、保健・医療、福祉の各般の施策の有機的な連携を図る必要がある。
また、障害者に対するリハビリテーションについては、単に運動機能の回復を目指すリハビリテーション医療だけではなく、障害者の自立自助を援助し、全人間的復権を目指す医学的、心理学的及び社会的な総合的対応としてのリハビリテーションの実施体制を充実させていく必要がある。
さらに精神障害者については、地域における精神保健相談員、訪問指導、社会復帰に対する支援、心の健康づくり等の地域保健対策を推進していく必要がある。
〔課題〕
- 保健サービスの充実
- 医療サービスの充実
- リハビリテーション・社会復帰体制の充実
3 教育・育成の充実
障害者一人ひとりが、いきいきと個性を発揮し、その可能性を最大限に伸ばしていくためには、障害の種別、程度、能力、適性等に応じた適切な教育・学習の場と機会を生涯にわたって用意する必要がある。
本県における心身障害児に対する教育は、医療・福祉の各機関との連携を保ちながら、盲・聾・養護学校の、いわゆる特殊教育諸学校と小・中学校の特殊学級で、それぞれ行われているところであるが、特殊教育は、こうした特定の学校あるいは学級まかせではなく、全教職員体制の中で、県民全体の理解と協力の下に推進されるものである。
特に近年、障害を持つ児童生徒が他の児童生徒とできるだけ共通の場で教育が受けられる統合教育についての関心が高まっているところであり、就学指導の適正と交流教育の充実が一つの課題となっている。
また、社会教育においては、障害者問題に対する県民の正しい理解と認識が深められるような啓発学習の充実を図るとともに、障害者が生涯にわたる学習によって、自立と社会参加を図り、自ら生きがいを見出すことができるような学習機会の提供に努める必要がある。
〔課題〕
- 早期教育の充実
- 学校教育の充実
- 生涯学習・社会教育の充実
4 雇用・就業の促進
働く意志と能力のあるすべての障害者が、その適性と能力に応じた就業の場を生かし、その能力を十分に発揮して、社会経済活動に参加することは、障害者自身にとって、生きがいのある人生を送る上で極めて重要なことであり、基本的かつ根本的な課題である。
したがって、今後、障害者自身の職業的自立への自覚と意欲を高めていく努力はもとより、事業主をはじめ社会一般に対する啓発活動を一層促進し、障害者の雇用・就労の気運の醸成に努めるとともに、各種援護制度を活用するなどで、職域の拡大を図る必要がある。この場合、特に重度の障害者についての雇用・就労の条件整備に配慮する必要がある。
また、一般雇用の困難な者については、授産施設の充実等、福祉対策との連携を図りながら、多様な就業形態による幅広い対応策を構ずる必要がある。それとともに自営業で自立を図る者に対しても、その育成のための基盤整備に努める必要がある。
さらに就業能力の開発については、職業能力開発校や職業能力開発促進センター等における訓練科目、内容の充実等に努めていく。
〔課題〕
- 雇用の促進
- 就労の場の拡大
- 職業リハビリテーションの推進
5 福祉サービスの充実
障害者が一人の人間としての権利が保障され、誇りをもって幸せな人生を過ごすには、自ら選んだ地域で暮らすことが最も望ましいことである。そのためには、障害者が社会生活を送る上での基本的な生活二ーズに対応し、障害の種別、程度等に応じた各種のサービスが行える在宅福祉サービスの充実が必要であり、とりわけ重度の障害者に対する在宅福祉の支援体制の充実を図っていくことが必要である。
また、こうした在宅福祉サービスを補完し障害者の二ーズにきめ細かく対応していくためには、地域における民間団体民間企業、施設、学校等、地域全体で障害者の福祉を支えていくことが必要である。
一方、施設も福祉サービスの重要な役割を果たすものであり、施設による援護が必要な人々のために、ライフサイクルや個別の二ーズに応じたサービス、特にリハビリテーション処遇の向上に配慮していくとともに、施設利用者の生活の質の向上を重視した施設処遇の充実に努める必要がある。
また、本県においては、通所型施設や福祉ホーム等の地域利用施設の整備や入所施設における在宅障害者の利用が十分とは言えない現状にあり、今後は、こうした利用型施設の整備に努めるとともに、入所施設のもつ人的、物的専門機能を生かし、地域におけるデイサービス等の在宅福祉の拠点としての機能を高めていくことが必要である。
〔課題〕
- 在宅福祉サービスの充実
- 施設福祉サービスの充実
- 福祉人材の養成・確保
6 生活環境の整備
障害者が地域社会の一員として障害のない人と同じように自立した生活を営めるようにするためには、単に障害者のためだけでなく、すべての県民が安全で快的な生活ができるよう「人にやさしいまちづくり」という視点に立った生活環境の整備が必要である。
「人にやさしいまちづくり」とは、いうまでもなく、障害者に対する配慮を前提としたものであり、公共建築物・施設等の改善、移動・交通手段の確保、 道路・交通安全施設の整備等、生活環境面での各種の改善は、障害者の自立と社会経済活動への参加を促進するための基礎的な条件であり、今後一層の改善・整備が必要である。
さらに、こうした生活環境面での改善の推進にあたっては、行政はもちろんのこと、各種民間団体、企業等、全県民が一体となって取り組むべき課題であり、これを総合的に推進していくために、「障害者や高齢者にやさしいまちづくり条例」(仮称)の制定を促進する。
〔課題〕
- 福祉環境の整備
- 住宅環境の整備
- 移動・交通手段の整備
- コミュニケーションの確保
7 スポーツ・レクリエーション及び文化活動の振興
障害者がスポーツ・レクリェーション及び文化活動に参加することは、障害者の社会参加の促進及び、地域住民の障害者に対する理解を得る機会としても極めて重要なことである。
また、これらの活動は、障害者の生活を豊かにし、生きがいを高めるのにも大きく役立つものであり、特にスポーツについては、障害者の心身の鍛練や機能回復訓練等健康増進という視点からも有意義である。スポーツ・レクリェーション活動の振興に当たっては、それぞれの地域において障害者の誰もが気軽に参加できる施設の整備と、その質的充実を図るとともに、これらの活動を適切に指導できる指導員、審判員等の人材養成を図る必要がある。
文化活動の振興については、障害者の各種文化サークル・グループ活動の育成を図るとともに、啓発活動につながる展覧会、音楽祭等各種イベントの開催等について支援していく必要がある。
〔課題〕
- スポーツ・レクリェーション活動の振興
- 文化活動の振興
8 国際交流の促進
「国際障害者年」及び「国連・障害者の十年」を契機として、障害者福祉の分野においても、国際交流あるいは国際協力への関心が高まってきているが、本県においても、これらの動きを背景として、これを一つの施策課題として積極的にその促進に努める必要がある。
本県は、地理的、歴史的に東南アジア諸国、中国沿岸域、韓国等との国際交流の推進を可能とする条件を備えていることから、第3次振計においても「これらの特性を積極的に活用し、個性豊かな活力ある地域社会を目指して、近隣アジア、太平洋諸国等との我が国の南における国際交流・協力拠点の形成を図り、経済、文化、学術等の国際交流を積極的に推進する。」としている。
このことから、障害者を含む県民一人ひとりが国際社会に対する正しい知識を持ち、その国の文化を理解し、国際社会の一員として、行動ができるようになることが重要であり、特に障害者問題に関しては、「アジア・太平洋障害者の十年」への対応を中心に諸施策の推進を図る必要がある。
〔課題〕
- 国際交流・協力活動の促進
施策体系
第4章 施策体系と課題別行動計画
施策体系
総括
施策項目 | 課題 |
---|---|
啓発広報活動の強化 |
|
保健・医療の充実 |
|
教育・育成の充実 |
|
雇用・就業の促進 |
|
福祉サービスの充実 |
|
生活環境の整備 |
|
スポーツ・レクリエーション及び文化活動の振興 |
|
国際交流の促進 |
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施策項目別
1.啓発広報活動の強化
課題 | 項目 | 事業 |
---|---|---|
広報活動の推進 | 啓発広報 |
|
調査研究・広聴 |
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情報提供 |
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相談事業の充実 |
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福祉教育の推進 | 学校教育における福祉教育 |
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一般福祉教育 |
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ボランティア活動等の推進 | ボランティア活動等の推進 |
|
交流活動の促進 |
|
2.保健・医療の充実
課題 | 項目 | 事業 |
---|---|---|
保健サービスの充実 | 障害の予防と早期発見対策 |
|
療育・訓練・相談体制の充実 |
|
|
専門スタッフの養成・確保 |
|
|
医療サービスの充実 | 障害者医療体制の充実 |
|
公費負担制度の充実 |
|
|
リハビリテーョン・社会復帰体制の充実 | 医療リハビリテーションの充実 |
|
精神障害者の社会復帰の促進 |
|
3.教育・育成の充実
課題 | 項目 | 事業 |
---|---|---|
早期教育の充実 | 就学前教育の充実 |
|
学校教育の充実 | 義務教育の充実 |
|
後期中等教育の充実 |
|
|
高等教育への進学推進 |
|
|
教職員の資質向上 |
|
|
交流教育の推進 |
|
|
就学奨励事業 |
|
|
生涯学習・社会教育の充実 | 社会教育施設等の整備 |
|
学習機会の提供等 |
|
|
啓発学習の充実 |
|
4.雇用・就業の促進
課題 | 項目 | 事業 |
---|---|---|
雇用の促進 | 企業等に対する指導の強化 |
|
障害者に対する相談・指導の充実 |
|
|
就労の場の拡大 | 福祉的就労の拡大 |
|
自営業の基盤整備 |
|
|
職業リハビリテーションの推進 | 職業能力開発校の訓練と施設の充実 |
|
総合的なリハビリテーション施策の推進 |
|
5.福祉サービスの充実
課題 | 項目 | 事業 |
---|---|---|
在宅福祉サービスの充実 | 相談・指導の充実 |
|
生活援護サービスの充実 |
|
|
社会参加促進事業の充実 |
|
|
障害者団体の育成・支援 |
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|
施設福祉サービスの充実 | 施設の整備及び充実 |
|
施設機能及び処遇内容の充実 |
|
|
福祉人材の養成・確保 | 福祉人材の養成・確保 |
|
6.生活環境の整備
課題 | 項目 | 事業 |
---|---|---|
福祉環境の整備 | 福祉のまちづくり体制の整備・充実 |
|
公共建築物・施設等の改善 |
|
|
住宅環境の整備 | 住宅環境の整備等 |
|
移動・交通手段の整備 | 自家用自動車取得への援助 |
|
移動・歩行への援助 |
|
|
道路・施設等の改善 |
|
|
コミュニケーションの確保 | コミュニケーションの確保 |
|
7.スポーツ・レクリェーション及び文化活動の振興
課題 | 項目 | 事業 |
---|---|---|
スポーツ・レクリエーション活動の振興 | 施設の整備等 |
|
スポーツ・レクリエーション活動の推進 |
|
|
文化活動の振興 | 文化活動の推進 |
|
8.国際交流の促進
課題 | 項目 | 事業 |
---|---|---|
国際交流・協力活動の促進 | 国際交流・協力活動の促進 |
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課題別行動計画
課題別行動計画
1.啓発広報活動の強化
〔行動目標〕
(1) 障害者に対する県民の正しい理解と認識を深めるため、各種マスメディア等による啓発広報の強化に努める。
(2) 障害者の実態を把握し、施策に反映させるため、実態調査等調査研究・広聴活動等の強化に努める。
(3) 福祉情報センター等の整備により障害者福祉に関する各種情報提供機能の強化を図る。
項目 | 事業名 | 事業内容 | 目標 | 所管課 |
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啓発広報 | マスメディアによる広報の強化 | テレビ、ラジオ、新聞等のマスメディアを活用し、啓発広報活動を通じて障害者に対する県民の理解を促進する。 |
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障害福祉課 |
「障害者の日」の周知徹底 | 12月9日の「障害者の日」について、一般県民・ボランティア団体等の参加及び市町村等各公共団体、民間障害者関係団体等との連携強化を図り、各種行事を推進するとともに、全県民を対象に啓発広報活動を展開し、その周知徹底を図る。 |
|
障害福祉課 義務教育課 |
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各種福祉強調運動等の推進 | 「身体障害者福祉週間」、「精神薄弱者福祉月間」、「障害者雇用促進月間」、「精神保健普及月間運動」、「人権週間」等障害者の福祉に係わる各種週間・月間運動等における啓発広報を推進する。 |
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障害福祉課 予防課 職業安定課 |
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「アジア・太平洋障害者の十年」の周知徹底 | 「アジア太平洋障害者の十年」の目的、意義を広く県民に理解させるため、各種イベント等を開催し、「完全参加と平等」のノーマライゼーション思想の普及に努める |
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障害福祉課 | |
障害者及び障害者団体の社会参加と社会的活動の促進 | 障害者及び障害者団体が社会参加・社会活動を進めるための条件整備を図ることにより、障害者の自立と社会参加を促進し、障害者に対する県民の理解と啓発を深める |
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障害福祉課 | |
啓発広報誌の発行 | 障害者及び県民を対象とし情報提供、啓発広報を目的とした広報誌を発行する。 |
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障害福祉課 | |
調査研究・広聴 | 障害者の生活実態・意識調査の実施 | 障害者が抱えている諸問題を把握し、諸施策に反映していくために障害者の日常生活・教育・就労・社会参加等各面にわたる実態調査を実施する。 |
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障害福祉課 |
広聴活動の推進 | 障害者に関して、広く県民の意見を聞き、行政に反映させるために障害者を含む広聴会・懇談会を開催する。 |
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関係課 | |
情報提供 | 福祉情報センターの整備 | 障害者福祉に関する各種情報・資料等を収集・整理し、福祉関係者をはじめ、一般県民に提供するため、福祉情報センターの整備充実を図る。 |
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社会福祉課 障害福祉課 |
相談事業の充実 | 相談情報支援システムの整備促進 | 要介護者の在宅支援を推進するため、保健・福祉・医療の連携により各種情報を一元的に提供する情報支援コンピューター・システムの整備を促進する。 |
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障害福祉課 |
ピアカウンセリングの推進 | 同じ障害を持つ仲間による相談援助としてのピアカウンセリングを実施することにより、処遇の向上を図る。 |
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予防課 障害福祉課 |
〔行動目標〕
(1) 障害者や高齢者への正しい認識を育むとともに、お互いの立場を理解し、相互に協力し合うこころや態度を養うため小・中・高等学校における福祉教育の充実を図る。
(2) 家庭・学校・職場・地域社会のあらゆる場面での福祉教育を推進するため、社会福祉関係機関等における福祉教育講座などの充実を図る。
項目 | 事業名 | 事業内容 | 目標 | 所管課 |
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学校教育における福祉教育 | 学校教育における福祉教育の推進 | 障害者問題に対する県民の理解を推進するためには、幼少時からの啓発広報が重要である。このため、すべての小中学校等の学校教育において障害者問題に対する理解を深める教育を推進する |
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義務教育課 |
ボランティア活動協力校の指定 | 21世紀を担う青少年・児童の社会福祉への関心を高め、すべての人々が手を取りあって生きていくという共存の心、思いやりの心を育てるため県下の小・中・高校の中から「ボランティア活動協力校」を指定し、福祉に関する講座、体験学習・交流などの方法により福祉教育を推進する。 |
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社会福祉課 | |
福祉教育読本の作成配布 | 次代の「障害者や高齢者にやさしいまちづくり」の担い手である子ども達にノーマライゼーションについて考えるきっかけを提供するとともに、その考え方の底を流れる福祉のこころ、すなわち人間の優しさを育てるために、福祉に関する作文をまとめた福祉教育読本を作成し、各小学校に配布する。 |
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社会福祉課 | |
心の輪を広げる体験作文募集 | 障害を持つ人と持たない人との相互理解を深めるため、心のふれあいをテーマとした体験に基づく「心の輪を広げる体験作文」を小・中・高校・一般の各部門ごとに募集し、優秀作品の表彰、文集発行等を通して障害に関する理解を促進する。 |
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障害福祉課 | |
障害者による福祉講話活動の推進 | 児童生徒を対象に障害をもつ人と直接にふれあうことにより、思いやりの心をもった心やさしい人間を育むために、障害をもつ人の体験福祉講話を実施する。 |
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義務教育課 | |
一般福祉教育 | 福祉教育講座等の開催 | 県内で実施されている婦人学級、高齢者教室等の学級、講座の中に障害者福祉に関する学習内容を取り入れて障害者に対する正しい理解を促進する。 |
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社会福祉課 |
各関係機関との連携による福祉教育 | 福祉事務所、身体障害者更生相談所、精神薄弱者更生相談所、児童相談所、保健所精神保健センター等の福祉、保健サービスの実施機関との連携をとりながら地域住民等の理解を深めるような啓発広報を展開する。 |
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社会福祉課 児童家庭課 障害福祉課 予防課 |
〔行動目標〕
(1) 障害者や高齢者等に対する地域における福祉活動を活性化するため、福祉ボランティアの育成と活動の充実に努める。
(2) 障害のある人と、ない人との交流を通じ、障害者の社会参加を促進するとともに、障害及び障害者に関する正しい理解を深め、その定着に努める。
項目 | 事業名 | 事業内容 | 目標 | 所管課 |
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ボランティア活動等の推進 | ボランティアセンターの整備充実 | ボランティア活動の拠点となるボランティアセンターの設置を促進する。 また、ボランティア活動の活性化を目指してコーディネーターの配置を促進する。 |
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社会福祉課 |
ボランティア研修会の開催 | ボランティアの養成・確保を図るため、各種研修会を開催する。 |
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社会福祉課 生涯学習振興課 |
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ボランティア保険等への加入促進 | ボランティア保険等の制度の普及に務め加入の促進を図る。 |
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社会福祉課 | |
交流活動の促進 | 地域における交流活動の促進 | 地域住民と障害者が相互理解を深めるため、各種行事等を通して地域における交流活動を促進する。 |
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障害福祉課 |
「在宅介護者の集い」等の開催 | 障害者及び障害者を支えている介護者のためにレクリェーション事業の促進を図る |
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長寿社会対策室 障害福祉課 |
2.保健・医療の充実
〔行動目標〕
(1) 妊婦や乳幼児健康診査等母子保健対策等の充実及び成人病予防のための健康診査、健康教育等の充実を図り、障害の予防と早期発見に努める。
(2) 障害児(者)療育情報の一元化、巡回療育相談、通園事業の強化等により療育・訓練・相談体制の充実を図る。
(3) 障害者の保健サービスの効率的推進を図るため、保健婦、理学療法士等専門スタッフの養成・確保に努める。
項目 | 事業名 | 事業内容 | 目標 | 所管課 |
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障害の予防と早期発見対策 | 母子保健相談事業 | 子どもの健全育成を図るため、育児等に関する正しい知識の普及啓発を図るため各種講座を開設する。 |
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予防課 |
妊婦健康診査 | 健全な子どもを生み育てるために妊婦健康診査を実施し、妊婦の健康管理を行うことにより、障害の予防、早期の発見、早期治療に努める。 |
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予防課 | |
乳幼児健康診査 | 新生児期から幼児期まで各発達段階における継続的な健康診査を実施し、疾病の予防、障害の早期発見に努める。 |
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予防課 | |
先天性代謝異常等の検査 | 心身障害の原因となる先天性代謝異常及び先天性甲状腺機能低下症等について、新生児期に血液検査を行うことにより、障害の早期発見に努める。 |
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予防課 | |
児童・思春期の精神保健対策 | 学校・家庭における児童の健全育成を目ざすため、精神保健対策を充実させ、精神科医、臨床心理技術者等の専門家によるカウンセリング体制を推進する。 |
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保健体育課 予防課 |
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成人病等の予防対策 | 老人保健法に基づく総合的な健康診査事業等の充実により、脳血管疾患等成人病の発生予防、早期発見に努めるとともに、健康的な生活スタイルの確立等、地域ぐるみで健康づくりを推進する。 |
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長寿社会対策室 予防課 |
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二次障害の予防 | いわゆる二次障害を予防するため、障害者等を対象とした健康診査事業等の実施について検討する。 |
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長寿社会対策室 予防課 |
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療育・訓練・相談体制の充実 | 障害児療育情報の一元化 | 障害児の検査結果の情報管理と情報伝達を体系化し、その一元化を図る。 |
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障害福祉課 予防課 |
障害児(者)巡回療育相談事業 | 在宅の障害児(者)に対し、巡回等の方法により、障害に関する各種の相談に応ずるとともに家庭療育に関する必要な助言・指導を推進する。 |
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障害福祉課 | |
在宅重度精神薄弱者訪問診査事業 | 在宅の重度精神薄弱者を医師等が訪問し健康診断を行うとともに、その保護者に対して介護等に関する適切な助言指導を行う。 |
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障害福祉課 | |
障害児通園事業 | 通園施設を利用することが困難な地域の心身障害児を対象に、日常生活の基本動作の指導及び訓練を行う。 |
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障害福祉課 | |
在宅重度障害児(者)短期入所事業 | 在宅の重度障害児(者)を、その保護者が疾病、出産、事故等緊急の事由により、一時的に家庭において介護が困難になった場合に、施設に入所させ、必要な介護を実施する。 |
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障害福祉課 | |
重症心身障害児施設の療育の充実 | 重症心身障害児施設において、重度の精神薄弱者及び重度の肢体不自由が重複している児童に必要な保護、治療及び日常生活の指導を行い療育の充実を図る。 |
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障害福祉課 | |
自閉症児・者等の療育の充実 | 自閉症児・者については、今後、その療育の在り方について検討する。 また、情緒障害児の社会への適応力を促進するため療育キャンプ等を実施する。 |
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児童家庭課 障害福祉課 予防課 義務教育課 |
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精神保健相談事業 | 保健所や市町村における精神保健相談事業の強化を図る。 |
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予防課 | |
専門スタッフの養成・確保 | 保健婦等の研修強化 | 保健婦、助産婦、看護婦に対し発達スクリーング検査法及び療育相談等の指導技術向上のための各種研修の強化を図る。 |
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予防課 |
理学療法士・作業療法士及び言語治療者の養成・確保 | 理学療法士、作業療法士及び言語治療者など専門スタッフを確保し、療育機能の充実を図るとともに関係機関の有機的な連携を強化する。 |
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医務課 障害福祉課 |
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臨床心理技術者及び精神科ソーシャルワーカーの研修の強化 | 臨床心理技術者及び精神科ソーシャルワーカーに対し、保健医療の知識を習得させ対象者の二一ズに対応するため研修の強化を図る。 |
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予防課 児童家庭課 |
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精神保健相談員の養成 | 増大し、多様化する精神障害者の二ーズに対応するため精神保健相談員の研修を強化するとともにその養成に努める。 |
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予防課 |
〔行動目標〕
(1)障害者が安心して医療サービスが受けられるよう、関係施設への医師の配置等障害者に対する医療確保体制の充実に努める。
(2)障害者及びその家族における経済的、精神的負担を軽減するため、育成医療、更生医療の給付及び重度心身障害児・者医療費助成制度の充実を図る。
項目 | 事業名 | 事業内容 | 目標 | 所管課 |
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障害者医療体制の充実 | 医師、歯科医師等の配置 | 専門性を重視した内容豊かな保健医療サービスを障害者に用意するため医師等の必要な障害者関係施設等への医師等の配置についての促進を図る。 |
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障害福祉課 |
病院における障害者向け施設整備 | 病院の整備に当たっては、障害者が利用しやすいよう施設整備面での配慮を行う。 |
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医務課 予防課 経営課 |
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障害児(者)歯科治療事業 | 一般の歯科診療所での治療が困難な施設入所者及び在宅の重度障害児(者)を対象に、全身麻酔下歯科治療等を実施し、障害者の歯科医療体制の充実を図る。 |
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障害福祉課 | |
在宅重度障害者訪問相談事業 | 寝たきり等により受療が困難な在宅の重度障害者に対し、訪問診療により医学的指導等を行う。 |
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予防課 | |
精神障害者デイ・ケア事業 | 回復途上にある精神障害者に対し、生活能力の回復・技術の習得・作業能力を養う等の指導を行い、社会復帰を促進するために精神科デイ・ケア事業の充実を図る。 |
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予防課 | |
献腎移植の促進 | 慢性腎不全の根治療法として腎臓移植が行われているが、その大多数は患者の肉親からの腎臓提供による生体腎移植に依存している。 腎臓移植の一層の拡大を図るには、死後の腎提供で行う献腎移植の普及が必要であるため、腎臓移植病院の機能、腎移植ネットワークの充実を促進する。 |
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医務課 | |
精神科救急医療の整備 | 精神科救急医療体制を検討し、国・県・民間の医療機関で精神障害者に対応できるようにする。 |
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予防課 | |
在宅精神障害者相談支援事業 | 在宅の精神障害者に対し、受療・生活・就労等の相談及び支援活動を行う。 |
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予防課 | |
在宅重度障害者・難病者への医療機器・器具の支給及び貸与事業 | 高額な機器整備の必要性や医療器具が日常的に必要な在宅の重度障害者及び難病者に対して、日常生活に必要な医療機器・器具の支給及び貸与について検討する。 |
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予防課 | |
移植コーディネーターの養成・確保 | 心臓・肝臓等の臓器移植の推進のため移植コーディネーターの養成と確保を図る |
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医務課 | |
公費負担制度の充実 | 重度障害児(者)医療費助成の充実 | 精神又は身体に重度の障害を有する者又は児童が医療保険により医療を受けた場合の一部自己負担金を公費で負担することにより、障害児(者)が必要な医療を容易に受けられるようにする。 |
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障害福祉課 |
小児慢性特定疾患治療研究事業 | 小児の慢性疾患のうち、特定の疾患については、その治療が長期間にわたり、医療費の負担も高額となるため、医療機関において、特定の疾患に関する研究を推進するとともに患者家族の経済的負担の軽減を図る。 |
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予防課 | |
育成医療の給付 | 身体の機能に障害のある児童については早期に発見し、障害の治癒若しくは軽減を図る必要があることから、乳幼児健診等で障害が発見された児童について、医療によって確実な治療効果が期待できる者に対して育成医療を給付し、治療の促進を図る。 |
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予防課 | |
更生医療の給付 | 身体の障害を除去または軽減し、生活能力の向上や社会活動を容易にするために必要な医療を給付することによって身体障害者の更生を促進する。 |
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障害福祉課 | |
進行性筋萎縮症者給付事業 | 進行性筋萎縮症に罹患している障害者に対し、療養にあわせて必要な訓練を行い、事業の充実を図る。 |
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障害福祉課 |
〔行動目標〕
(1) 総合リハビリテーションセンターの整備及び地域リハビリテーション事業の強化により、リハビリテーション医療の充実を図る。
(2) 通院患者リハビリテーション事業の充実及び授産施設・福祉ホーム等各種社会復帰施設の整備等により精神障害者の社会復帰を促進する。
項目 | 事業名 | 事業内容 | 目標 | 所管課 |
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医療リハビリテーションの充実 | 総合リハビリテーションセンターの整備 | 障害者に対して、医療、福祉、労働の一貫した対応が可能な総合リハビリテーションセンターの整備について検討する。 |
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障害福祉課 |
地域リハビリテーション事業の促進 | 障害者のリハビリテーションに関する各機関・施設等との有機的連携と円滑な業務の運営を確保し、障害者に対する一貫した福祉の増進を図るため、ネットワークをつくるなどで、各地域におけるリハビリテーション事業を促進する。 |
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障害福祉課 | |
精神障害者の社会復帰の促進 | 通院患者リハビリテーション事業 | 精神障害者を一定期間事業所に通わせ、生活指導や社会適応訓練を行い、社会的自立を促進する。 |
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予防課 |
精神障害者授産施設運営事業 | 相当程度の作業能力を有する精神障害者に必要な訓練を行い、自活させることを目的とする精神障害者授産施設を設置する医療法人等に対し、その運営費を補助することによって、精神障害者の社会復帰の促進を図る。 |
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予防課 | |
精神障害者援護寮運営事業 | 回復途上にある精神障害者に生活指導、作業訓練等を行い自立の促進を図ることを目的とする精神障害者援護寮を設置する医療法人等に対し、その運営費を補助することによって、精神障害者の社会復帰の促進を図る。 |
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予防課 | |
精神障害者福祉ホーム運営事業 | 一定程度の自活能力のある精神障害者で、家庭環境、住宅事情等の理由により、生活の場が困難な者に対し、生活指導を受けながら、作業訓練等に通える施設を提供し、社会復帰を援助する精神障害者福祉ホームを設置する医療法人等に対し、その運営費の補助を行う。 |
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予防課 | |
精神障害者地域生活援助事業 | 地域で共同生活を営むのに支障のない精神障害者に対し、これらの者が共同生活を営むべき住居(グループホーム)を設置し、日常生活上の援助を行うことができる医療法人等に対し、その運営費を補助することによって精神障害者の自立生活の促進を図る。 |
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予防課 |
主題:
障害者にやさしい社会福祉をめざして 1項~38項
発行者:
沖縄県
発行年月:
1994年6月