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総合福祉部会 第10回 H22.12.7 参考資料2

【訪問系作業チーム10 月議事要旨 修正版】
部会作業チーム(施策体系~訪問系)議事要旨(10月)

1.日時:平成22年10月26日(火)14:00~17:00

2.場所:厚生労働省低層棟2階講堂

3.出席者

尾上座長、岡部副座長、大濱委員、小田島委員、田中(正)委員、中西委員、橋本委員

4.議事要旨

(障害者の地域自立生活とパーソナル・アシスタンス・サービスの意義について)

担当委員より報告

  • 施設は障害者の住む場所ではないということをはっきりさせた方がよい。
  • 自立生活が権利として保障されるように、国庫負担基準を廃止すべき。また、国の負担のありかたについても、市町村が支給決定を躊躇しないよう、1日8時間までは国が1/2を、8時間を超える部分は国が全額を負担する方式にすべき。
  • 知的・精神障害者についての自己決定には、障害のあるピアカウンセラーを相談支援事業において位置付けるべき。また、ピアカウンセラーだけでは支援が不十分な点があるので、学校の先生などの地域の支援が必要。
  • 施設や親元で暮らしながら地域での自立生活を体験する仕組みの制度化が必要。
  • パーソナルアシスタンス制度とは、障害者本人が主体性を持つこと。自己選択、自己決定の支援をサポートする人がパーソナルアシスタント。ケアマネは利用者の家族の意向を中心にプランを立ててしまうので、本人中心の支援が必要。
  • 医療的ケアは重度訪問介護の20時間研修を修了すれば全てできるようにすべき。
  • 自分が住んでいる地域では、9割9分の事業所が朝9時から夕方5時までの時間しかサービスを提供しない。24時間対応ができないと障害者の生活は守れない。ヘルパーが職業として成り立つように賃金の保障を行うべき。
  • 地域移行を促進するために、重度訪問介護の対象を知的・精神障害者にも拡大すべき。
  • 入院中や通勤時にもヘルパーが対応できるようにすべき。

との報告があった。

委員より

  • 重度訪問介護の対象拡大の議論については、障害児も含めるべき。

との意見があった。

(知的障害者等の地域生活と見守り支援について)

担当委員より報告

  • ひとり暮らしをしていると、しつこい新聞の勧誘に2時間粘られるなど様々なことが起こり、家にいるのが怖い。ヘルパーがそばにいてくれると助かる。
  • 思いついたら何時でも電話をかける、操作がうまくいかないと電子機器を投げるなど、そうした状況の対応のためケアホームでも実質的に1対1の支援になっている知的障害者もいる。知的障害者についても常時の見守りが必要。
  • 居宅介護、移動支援についても支給決定量が足りない。市に相談すると「国の財政支援が足りない」と言われ、国に相談すると「市町村が判断すること」と言われ、たらい回しされる。
  • 知的障害3度、4度の人でも特別障害者手当を支給して欲しい。

副座長コメント

  • 軽度や中度の知的障害者についても、身体介護や家事援助、行動援護以外のサービス内容を必要としており、パーソナルアシスタンスによる支援は必要。
  • 知的障害者で地域移行できない方には2つの類型がある。1つは、重度の方。もう1つは、軽度だが目を離すことができない方。ここをどうにかしないと知的障害者の地域移行は進まないため、パーソナルアシスタンスの推進に当たっては、軽度・中度の知的障害者への支援どうするかについて議論を行う必要がある。

(医療的ケアを含む支援について)

担当委員より報告

  • 介護職員によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会では議論にされていないが、医療行為と日常生活の支援である医療的ケアを分ける必要がある。医療行為の場合、医療・看護職との連係が必要になり、特別支援学校において看護師が休む日は親の付き添いが必須になるなどの問題が起こる。
  • 医療行為をヘルパーが行うということではなく、普通であれば本人で行うことをヘルパーが本人に代わり行っているということを主張しているが、検討会では理解してもらえない。
  • シームレスな支援であるパーソナルアシスタンスの中で医療的ケアができるようにするためには、よく知っている介助者が無理なく医療的ケアができる仕組みにする必要がある。

副座長コメント

  • 医療対福祉の構図にしてはいけない。「不特定」と「特定(=パーソナルアシスタンス)」という切り口で分けなければならない。
  • 「特定」については、当事者の主体性を確保するため、本人のことをよく知っている「特定の介助者」という視点が重要。

委員より

  • 医療には、一定の課程を受けた人は誰に対しても提供できるという考え方があるが、介護はそうではない。医療と医療的ケアを分けないと問題は解決しない。
  • 入院時の医療と介護の役割分担も考えた方がいい。
  • 報酬評価については、研修時間という外形ではなく、困難な介護を行っているという内容を評価するものとすべき。

との意見があった。

座長・副座長提案

  • 学校における医療的ケアを含む介護支援について、ヒアリングを実施する。

(シームレスな支援について)

担当委員より報告

  • 現行は、通勤や通学が自立支援制度とは別の制度になっており、新しい総合的な福祉制度においては、当事者にとって使いやすい制度にするという観点から、どのように1つの制度とするかを考えなければならない。
  • 通学、通勤については、一部自治体は移動支援事業で実施しているが、国がきちんと保障すべき(特に義務教育)。教育は文科省が行っているので、文科省からお金を流してもらう枠組みを考える必要がある。
  • 特別支援学校のような1対1の関係における密室化は虐待の温床となりかねず、第3者の目を入れるという意味でも介護職員が入ることができるようにした方がいい。

副座長コメント

  • シームレスな支援の構築という観点からは、「不特定」の居宅介護と重度訪問介護を中心とした「特定」のパーソナルアシスタンスを分けて考えなければならない。
  • 保険制度においても財源調整の仕組みはある。パーソナルアシスタンスにより学校や職場等において介護を提供するならば、文科省や障害者雇用納付金から必要な財源を移し替えるという発想はあっていいのではないか。
  • 介護保険制度も障害者自立支援制度も法律上は現金給付の制度となっており、例えば、介護保険からの給付金額相当を、重度訪問介護に利用するという発想はあっていいのではないか。

座長コメント

  • これまでのような事業者の取り組みを制度化するこということではなく、当事者をベースとした支援のあり方を制度化するという視点が重要であり、それがシームレスな支援。
  • 全ての支援をパーソナルアシスタンスにするということではないだろう。どのような場合がパーソナルアシスタンスによる支援となるのかを打ち出す必要がある。

【修正箇所】

(医療的ケアを含む支援について)

「パーソナルアシスタンスの中で医療行為ができるようにする」
→「パーソナルアシスタンスの中で医療的ケアができるようにする」

「介助者が無理なく医療行為ができる仕組み」
→「介助者が無理なく医療的ケアができる仕組み」