音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

第11回 総合福祉部会 提出用 「法の理念・目的チーム」サマリー

総合福祉部会 第11 回
H23.1.25 資料4-2

一 法律案

 新法の理念・目的という法の骨格・総則部分について、条文イメージを提案する。
どのような新しい法律が出来るのか関係者も注目しているところ、総合福祉部会における改革の意義を反映するものを可能な範囲で法案の形で示すことが重要と考えた。

1 【名称】 「障害者の社会生活の支援を権利として総合的に保障する法律」を提案する。
2 【前文】 障害者支援の新しい1頁の始まりを謳う前文は是非とも必要と考える。
3 【法の目的】 障害者権利条約の国内法に向けて、「権利」としての支援を明確に法の目的に 掲げる必要があること、制度の谷間に置き去りにされてきた人にスポットを当て、誰もが排除 されないインクルーシブ社会の実現をめざす。
4 改革の理念のポイントを明記する規定
【保護の対象から権利の主体への転換】【医療モデルから社会モデルへの転換】
【他の者との平等の権利】【個別事情に最も相応しい(合理的配慮を尽くした)支援の保障】【障 害者の公的支援を請求する権利】【地域で自立した生活を営む基本的権利】【支援選択権の保障】 【情報・コミュニケーション支援請求権の保障】【就労支援の実現の必要性】【介護保険との選 択権保障】【障害児の支援】【障害福祉分野の労働者の人権保障】【相談支援を受ける権利の保障】

5 国、自治体の義務規定
【国の義務】
1法制度整備・充実義務 2ナショナルミニマム保障義務、地域間格差是正義務 3財政支出義務 4制度の谷間解消義務 5長時間介護等保障義務
【所管省庁を横断した総合的支援】【国民への広報、啓蒙】【都道府県の義務】【市町村の義務】 【市町村の説明責任】【事業所整備義務】
6 定義条項
【自立】【地域生活】【障害者支援の公的責任】【請求権】【支援】【自己決定】【合理的配慮】等

二 意見書

第一章 本法制定に至る経緯と障害者支援の基本原理
第1 障害者自立支援法導入に至るわが国の障害者福祉
 措置から契約へ、そして自立支援法
第2 障害者福祉の基本原理 医学モデルから社会モデルへの改革

第二章 改革の必要性
第1 障害者権利条約の批准に向けた改革の必要性
第2 障害者自立支援法の問題点と是正
1 自己責任論を障害福祉に持ち込むことの過ちの解消
2 障害福祉の公的責任強化・増大の確認
第3 脆弱なわが国の障害者福祉水準
1 世界水準とかけ離れた劣悪な障害者福祉水準の引き上げの必要性
2 国民一般とかけ離れた所得水準と家族依存状態の解消の必要性

第三章 改革の理念の確認
第1 障害者の基本的人権を実現するための権利保障法体系への変革 …人権の主役へ…
第2 誰もが地域で当たり前に生きられるインクルーシブな社会の実現
第3 制度の谷間にこぼれおちない支援
第4 他の者との平等の権利の保障、個別事情に最も相応しい(合理的配慮を尽くした)支援
第5 障害の社会モデルへの転換 …障害の自己責任、家族責任からの解放…
第6 公的支援を活用しながらの労働
第7 医療と福祉の連携の重要性、医療的ケアの地域での保障
第8 権利擁護機関の設置
第9 現行の民法等に基づく成年後見制度の抜本的改革の必要性の提言
第10 共生社会実現のための幅広い世論の共感が必要

第四章 論点と意見
第1 【法の名称】第2 【前文の必要性】 法案に規定。
第3 【そもそも、この総合福祉法は、誰の何のためにつくるのか?】
障害をもつ人々が普通の市民として生きるため、そして全ての市民のためのものである。
第4 【憲法、障害者基本法等と「総合福祉法」との関係をどう考えるか?】
基本合意で確認された「障害者の基本的人権の支援」、憲法に基づく制度を明記。
第5 理念規定 作るべき。
第6 【「地域で生活する権利」の規定】 法文に明記。
第7 【障害者の自立の概念「家族への依存」の問題】
支援を受けた上での自律自己決定選択肢の保障。家族に依存することは否定されるべき。
たんに経済的自活や、一人で何もかもできることではない。定義条項に明記。
第8、第9、第10 略
第11 【新法の守備範囲】 社会生活上の支援を中心の守備範囲とする。
従来の障害者福祉の分野を基本としながらも、教育・司法・労働等にも横断的に適用できるよ うな法制度とする。この法の支援は他の分野の垣根を超えて、制度の谷間のない(シームレスな) 支援を実現するため、柔軟に利用できる制度
第12 【身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、精神保健福祉法、児童福祉法、その他の既存の 法律のあり方、並びに総合福祉法との関係についてどう考えるか?】
当面は、関連法の必要な改正。身体・知的・精神の障害別3法は廃止の方向性を確認しつつ、 5年から10年等の中長期的課題として実務的課題として進める。
精神分野については精神保健福祉法廃止とともに精神医療の充実のためにも精神に特化しない 医療基本法および患者の権利法制に統合するべきである。新法の理念に則して、社会福祉法の改 正も必要。また発達障害者支援法も今後発展的に新法に包括・統合されるべきである。
第13 【地域生活移行促進のための時限立法の必要性】
「地域支援充実と地域移行促進法(仮称)」といった時限立法制定と施行が必要である。
この点は、地域資源チームが主に検討していただきたい。
また、このプロジェクトが国民的課題として周知され、官民一体となったムーブメントとなる よう、政府広報を行うことはもとより、定期的に番組を放映する、民放を含めテレビで積極的に 取り上げてもらうよう活動するなど積極・果敢な活動が必要である。

以上