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総合福祉部会 第4回 H22.6.22 資料2

「障がい者総合福祉法(仮称)の論点表(たたき台)」に対する追加・訂正・削除意見

◎提案等

【大久保委員】

・「議論の前提条件」について

※「何」を「どれくらいまで」に打ち出すかは議論が尽くされていないと思われる。

 目指すべき打ち出しは「理念や目標」なのか、「制度の方向性」なのか、「1つ1つの仕組みのアウトライン」なのか、それとも「様式の1枚1枚に至る作り込み」のレベルなのか。言い換えれば、どこまでが部会の仕事で、どこからが事務方の仕事なのかを明確にすべき。そうした共通認識をもってこそ議論が噛み合うと考える。

・用語の定義(共通認識)について

※「応能負担」「自己決定支援」「協議調整モデル」など、議論の根幹をなす用語の認識がバラバラでは、結論を得る段階で問題となる。今後の議論を拘束する必要はまったくないが、言葉のイメージを共有し、その上で是非を議論すべきである。

・障害児支援について

※推進会議などでの議論により、障害のある子どもの支援は児童福祉法をはじめとする児童施策の中での展開を基本とすると理解している。しかし、そのことと障害児支援については総合福祉部会で議論しなくても良い、ということを混同してはならない。「棲み分け」について議論することが、障害福祉から障害児支援を切り離すことにつながらないためにも、総合福祉部会において障害児支援について項目を立てて議論すべきと考えるため。

・家族を含めた包括的な支援の在り方について

※障害のある人が暮らす家庭において、高齢や貧困、引きこもり、その他社会的支援の欠如など、家族全体として支援を必要としている場合も少なくない。そうした家族を含めた包括的な支援の在り方について、他制度との連携もふまえて検討する必要があると考える。

【小野委員】

1.総合福祉法の議論に入る前提

(1)「自立支援法一部改正法案」について政務三役の説明を求める

※理由 第3回部会で議論され、要望書が決議されたように、「自立支援法一部改正案」は、総合福祉部会構成員に説明なく、政府与党案が上程された。同法案は、部会の議論を制約しかねない内容であるため、政府の責任ある説明を求める。

(2)障害者基本法の抜本改正の骨格と方向性

※理由 総合福祉法を検討するうえでは、その理念法となる障害者基本法の抜本改正の骨格と方向性が重要になる。障害や差別の定義、国・地方公共団体の責務などがどこまで踏み込んだ内容になるかは、総合福祉法を検討するうえで重要な前提条件となる。

 私見としては、「国内版権利条約」といえる基本法の抜本改正をおこなうべきである。

2.論点整理の基本視点

(1)自立支援法の延長線上ではなく、障害者権利条約を基本視点とした論点整理を

※理由 論点の整理をするうえでは、自立支援法の制度・施策を前提に議論すべきではない。総合福祉法は、自立支援法の延長線上ではなく、基本合意を出発点に、障害者権利条約を基本視点に検討すべきである。

(2)関連する法令・制度の改正を視野に入れた論点整理を

※理由 自立支援法の問題点の一つとして、就労や医療など、他の関連法令に位置づけるべき制度・施策が福祉法に組み込まれた点にある。医療や雇用に関する法令を改正し、それらに位置付けるべき制度・施策がある。

 例えば、就労支援は、障害者雇用促進法を障害のある人の労働権保障を基礎とした「障害者就労支援法」として抜本的に改め、それに位置付けるべきである。

3.今後の検討の進め方

 主要テーマごとのワーキングチームによる検討を

※理由 前述した問題意識にもとづいて、総合福祉法の基本的な方向性を確立したうえで、詳細は主要テーマごとのワーキングチームを編成し検討すべきである。

【北野委員】

・今後の部会の進め方について

 AからIにいたる各分野の審議を、まずは部会の全体できっちりと行い、その後、推進会議と部会での方向性と必要性の議論をふまえて、必要なワーキング・グループ(WG)を立ち上げ、部会で随時WGの調査報告等を受けて検討し、それを推進会議に報告することが必要。

※理由 今後55人部会で、AからIにいたる各分野の詳細にわたる議論は困難だと思われるが、それをワーキング・グループに一任してしまうと、全体としての方向性や統制がとれなくなってしまう恐れがある。

 推進会議中間報告と訴訟基本合意をふまえて、まずは部会において方向性と必要性の議論をきっちりと行い、それに基づいてWGを立ち上げ、さらに、部会でWGの報告を検討してそれを推進会議にあげることが必要。

【君塚委員】

・教育の在り方の追加

 認定就学を推し進めるための具体的な方策

※理由 完全な統合教育は机上の空論である。理想論であり位置づけを是正し、特別支援学校利用者の意見を聞く(PTA 父母の会)

・実態調査の検討について

 今までの報告書・各組織のものとの整合性を確認する。

※理由 調査の回答率の低さや利益誘導的な回答を排除するため。

・所得保障

※理由 生活の質での権利からみた生活保護との整合性

・家族支援の在り方

ペアレントトレーニング

ピュアカウンセリングの追加

※理由 障害者団体への会員数に応じた経済的支援の検討

 とくに様々に脆弱な若い世帯への支援により家庭崩壊を防ぐかを検討すべきである。少子社会解消へ向けても障害をもつ若い家庭が安心して次の子どもを育てられる、施策の検討が必要である。

・財源論

※理由 福祉目的の消費税の検討

【倉田委員】

○付け加えるべき論点

 第1次意見に盛り込まれた「労働及び雇用」における「政府に求める今後の取り組みに関する意見」にあるように、福祉的就労の在り方について、労働法規の適用や工賃水準等を含めて、抜本的な見直しを行うために、労働行政と福祉行政に分かれている就労施策全体を、そのかい離、谷間の問題をどう考えるかに焦点を絞り議論し、解決策として総合福祉法の守備範囲、障害者雇用促進法の守備範囲の拡大、さらにはそれらの中間法の必要性などについても、検討を行う。

※理由 「障害者制度改革の推進のための基本的な方向(第一次意見)(案)平成22年6月7日」において、「4.個別分野における基本的方向と今後の進め方」の「1労働及び雇用」では、下記の記述がみられる。

(推進会議の問題意識)

【福祉的就労に従事する障害者に対する支援】

 福祉的就労に就いている障害者の月額工賃は平均して約一万二千円程度であり、地域で自立した生活を送るには困難な低水準にあるほか、労働法規で定められているような措置の対象とならない場合がある等の問題がある。このような状況を改善するため、以下を実施すべきである。

 福祉的就労の在り方について、労働法規の適用も含め、雇用施策における位置付けを検討するとともに、いわゆる「最低賃金減額特例措置」については、賃金補填等の所得保障に係る新制度との整合性を図った上で、重度障害者の雇用の確保に留意しつつ、当該措置の適用の在り方について検討する。また、就労継続支援や就労移行支援の対象となる「障害者」の範囲や利用者負担等の問題については、総合福祉部会等において検討する。

 障害者も障害のない人も対等な立場で一緒に働くことができる形態の職場を設置している者に対し、その運営に要する賃金を含む経費の一部を補填するいわゆる「社会的事業所」について、地方公共団体における先進的な取組を参考にしつつ、その一層の普及がされるよう必要な措置を講ずる。併せて、障害者に多様な就労機会を提供するため、「協同労働の協同組合」等の仕組みの構築等必要な措置を講ずる。【厚生労働省】

(政府に求める今後の取組に関する意見)

 いわゆる福祉的就労の在り方について、労働法規の適用と工賃の水準等を含めて、推進会議の意見を踏まえるとともに、総合福祉部会における議論との整合性を図りつつ検討し、平成23年内にその結論を得る。

 推進会議の問題意識に比較して、政府に求める今後の取り組みに関する意見は、賃金補てん、社会的事業所の文言が欠落するなど、かなり、後退した内容になっている。

 しかし、少なくとも、「政府に求める今後の取り組みに関する意見」にあるように、「総合福祉部会における議論との整合性を図りつつ」福祉的就労の在り方について、抜本的な検討を加えていくことは担保されており、総合福祉部会の役割は極めて重要である。

 福祉的就労の在り方について、労働法規の適用と工賃の水準等を含めて検討をするということは、最低賃金制の適用とそれを支える賃金補てん制度の導入を検討するということにもつながる。

 さらには、一般就労と福祉的就労の谷間の問題、かい離を解決する一つの方策として滋賀県や大阪府箕面市で行っている社会的雇用・事業所制度について、具体にその成果と課題を検証するということも含まれると理解する。

 したがって、論点表の中の、いくつかの箇所に分かれて記載されている関連項目、つまり、A-4-1) D-1-1) D-1-2) D-2-2) D-3-1) D-3-2)をトータルに議論する論点が必要であると考え、追加するものである。

【竹端委員】

・これからのすすめ方について

 このたたき台をもとに、まずは全体会の場で、A~Iの「分野」と「項目」について、委員みんながある程度なっとくする枠ぐみ(全体ぞう)をつくった方がいい。

 委員のあいだで考えかたがちがう「論点」については、枠ぐみをつくったあとに小グループ(ワーキンググループ)を作って、話し合いをしたほうがよい。

※理由 この部会は来年の夏までにあるていどの「まとめ」をしないと、新しい法はできません。なので、これから1年のなかで、考えを「まとめ」るんだという気もちを、委員みんなが持つひつようがあると思います。

 ただ、委員のなかで考えがちがう「論点」がいくつかあります。そこをいきなり話し合うと、おたがいが自分の思いや考えを相手に押しつけ、けんかになるかもしれません。でも、私たちのしごとは、けんかではなく、新しい法の案をつくることです。であるならば、まずは委員みんながある程度なっとくすることができる枠ぐみ(全体ぞう)を先につくるべきです。そのあとに、考えがわかれる部分について、あいての話をよく聞いたうえで、どうしたらよいのかを話しあう、小グループをつくった方がいいと思います。

 そうすると、大きな枠ぐみ(全体ぞう)ではみんながなっとく出来ているのだから、けんかや決めつけ、ではなく、みんながなっとくする案ができると思います。

・全体会のもち方について

 早く全体会の日を教えてほしい。(毎月だい4火よう日、などきめてほしい)

※理由 日が早くきまっているほうが、55人があつまりやすいです。会を開く日を、あるていど、決めてほしいです。

【田中(伸)委員】

 総合福祉法(仮称)の全体像をどのように把握するか。

1 青写真の共通認識

 総合福祉法をどのような法律にするのかについては、部会委員が共通の認識を持った上で、今後の部会における議論を行うことが、効率的、建設的な議論を行う上で重要であると考えられる。

2 方針

(1) ユーザーである障害者にとってわかりやすい法律であること。

(2) 障害者にとって「ゆりかごから墓場まで」の支援が明記された法律であること。

(3) 憲法上保障されている人権を、障害者の目線から再構成し、保障されるべき障害者の人権を意識した規定の整備を行うこと。その際には、「新しい人権」に位置づけられる権利自由をも意識すること。

3 法律案の骨子

(1) 障害者のライフステージごとに章または節を設け、それぞれに必要となる支援を定める。

(2) また、障害者が人生を通じて必要となるべき支援については、共通項として括りだし、ライフステージごとの規定の前に置く。

* 骨子

第1編 総則
→ 目的、定義など
第2編 各種支援
第1章 常時支援
第1節 コミュニケーション支援
第2節 移動支援
第3節 相談支援
・・・
第2章 各ライフステージにおける支援
第1節 学齢期前支援
第2節 学齢期における支援
第3節 成年期における支援
第4節 高齢期における支援
第3編 費用負担
第4編 監視機関、第三者評価機関、不服申し立て制度など

【中原委員】

<たたき台全体に対する意見>

1.論点表を作成するにあたっては、第1回・第2回部会において出された意見についても反映するとされていたが、今回示された「たたき台」には一部を除いて反映されていないように見受けられる。全体的に知的障害関係の視点が薄く、少なくとも知的障害に関して出された前回までの意見は十分に反映されてはいない(今回のたたき台の作成にあたって、知的障害の関係者が入っていないのではないかとの印象を受けた)。「論点構成の基本的視点、根拠」に「第1回・第2回部会で出された意見で第14回推進会議に提出した「早急に改善すべき事項」に入らなかった内容」を加えるとともに、会議中に出された意見の内容についても反映していただきたい。

2.各所に24時間介護サービスを前提とした論点整理がみられる。確かに24時間の介護や支援の必要な人はおり、地域移行を進めるのであれば、その数は飛躍的に増えると思われる。

 そうであれば、一部の人にサービスが偏るのではなく、真に必要な人にサービスが提供されるよう、客観的な支給決定の仕組みが必要である。また、介護度に応じて支給限度額を設けている介護保険制度など他の福祉施策との関係や、大きな財政出動を伴うことから、国民全体を巻き込んだ幅の広い議論がないなかでは、国民のコンセンサスを得ることができるのか疑問である。各論に入る前に、日本の経済状況や納税者の視点、財源についてどのように考えるのかを、本部会として先に議論し、部会全体の方向性を確認したうえで、整理・検討する必要があるのではないか。

3.A-4-1)の「法の守備範囲」の論点として、「障害児の分野との棲み分けと連携をどう考えるか?」との記載があるが、障害児支援については、母子保健、教育、さらに現在検討が行われている「子ども・子育て新システム」などの一般の児童施策の中で考える必要があることから、新たな部会を設置して検討を行った上で、総合福祉部会との調整を図るべきである。

【藤岡委員】

 「サービス」は全て削除し、支援施策等の変更

※理由 民間事業者と個人との間の私的契約を論じているのではありません。

 民法を議論しているならばサービス契約でも構いませんが、ここは公的権利を論じる場です。

 サービスメニューではなく、権利保障を実現するための制度、施策があるのです。

【東川委員】

1.今後の議論を進める上での問題提起

 「自立支援法一部改正法案」の議員立法について民主党からの説明を求める。

※理由 本部会は、廃止する自立支援法に替わる総合福祉法(仮称)の検討のために設けられているが、突然議員立法で提出された「自立支援法一部改正法案」については、何の説明もうけていない。障害者自立支援法訴訟の基本合意などを無視した暴挙と言わざるをえない。総合福祉法の検討に入る前に、政府与党から議員立法の法案提出の経緯、その内容について説明を求めたい。

2.今後の進め方への提案

 主要テーマについて、いくつかのワーキンググループを設置し、検討し、ある程度の素案を作成し、その素案をもとに部会での議論を行う。ワーキンググループには部会員の中から世話人を選び、検討内容の集約などを行う。

※理由 総合福祉法(仮称)は月に1回、55人という規模で行われる。部会員の意見も幅広く、限られた期間の中で部会だけの議論で進めるのは極めて困難である。

3.総合福祉法づくりの方向性

 自立支援法の一部手直しではなく、当事者主体の新たな総合福祉法づくりであること。

※理由 障害のある人の権利条約や基本合意に基づく、議論を進めることにこの部会の意味がある。当事者主体という視点を基盤とし、また、自立支援法一部改正法案に議論の範囲をせばめられないことが重要である。

4.現在大きく7項目であるが、この大項目を再検討したい。

A 法の理念・目的・範囲

B 障害の範囲

※理由 障害のある人の権利を基本に総合福祉法の基本的な考え方を議論する。

 発達障害、高次脳機能障害、難病などの他、今後新たに想定される障害も含め、支援が必要な人が漏れることのない「範囲」を定義するために、より包括的な表現とする。

C 支給決定→選択と決定(その支援)とする

A、B、Cの3項目を合わせて、総合福祉法の全体像

※理由 障害のある人の選択であり、その決定でなければいけない。さらに必要に応じて選択と決定に支援が必要。したがってこうした支援ができる専門職養成とも関わる。

 障害程度区分の検討ではなく、支援の必要性はかる尺度の開発とするべきである。

 この中に国と地方の役割分担、権利擁護の仕組み、負担のあり方、義務経費化の問題、国庫補助基準の問題なども加えた議論にしていく。

D サービス体系を

 D 地域生活支援とする

D サービス体系

2生活実態に即した介助サービス等

3人的サポート位置づけ

 障害特性ゆえに必要とされる見守りや安心確保の相談といった身体介護・家事援助ではない人的サポートの位置づけをどうするべきか?

 また、入院時や旅行等の宿泊を伴う介助、入所施設での個別支援のあり方等、現行のヘルパー制度が居る場所や住んでいる場所で限定されている問題をどう考えるか?

※理由 障害者支援の中にサービスという考え方をもちこむことに問題があり、方向性をゆがめる可能性のあるサービスという文言は使用しない。

 また、障害のある人のライフステージや生活の全体像を考えた上での総合福祉法であることが重要であり、暮らしを支えることと働くことを支えことの大きく2つに分けたテーマを設定し、さまざまな問題が山積している医療についても大項目とする。

D 地域生活支援あり方の中に、障害がある人の自己決定・自己選択への支援。

 選択しようにも全国的に広がる資源不足、地域での住まいの確保の問題も、地域生活支援の中で検討する。重度障害の人の地域生活、パーソナルアシスタントサービス、ホームヘルプ、ガイドヘルプ、人的支援、社会参加などを含んで検討する

 現行のヘルパー制度は、制約や制限が多く、個人の生活全般を支えるものとはなっていない。とくに入院時の介助は、医療と福祉の狭間におかれ、結局、障害当事者や家族が入院を自由にできない実態がある。総合福祉法の議論では、障害のある人が障害のない人と同じように生活するために必要となるヘルパー制度等の支援について、根本的な議論が必要です。

E 就労支援・雇用支援・日中活動

※理由 いわゆる福祉的就労に労働法を適用することについての検討、関連して障害が重く働くことが考えにくい人の日中活動、居場所などをどう位置づけるかについて議論する。

F 障害児

※理由 推進会議では「児童福祉」の視点で支援を組み立てる方向で大筋の合意を得ている。子どもの権利を保障する観点から、児童福祉法制における障害に対する特別な支援の位置づけと障害者法制(総合福祉法制)との関係を整理する必要がある。

G 医療 とする。

※理由 医療の中には自立支援医療のあり方や精神科病院での医療のあり方、社会的入院の解消の問題の他、遷延性意識障害ALS等地域で暮らす、重度の障害のある人にとっての医療の問題も含めて検討する。全人的複権をめざすリハビリテーションのあり方も検討課題である。

【増田委員】

1.今後の議論を進める上での問題提起

 「自立支援法一部改正法案」の議員立法について民主党からの説明を求める。

※理由 本部会は、廃止する自立支援法に替わる総合福祉法(仮称)の検討のために設けられているが、突然議員立法で提出された「自立支援法一部改正法案」については、何の説明もうけていない。総合福祉法の検討に入る前に、政府与党から議員立法の法案がなぜ提出されたのか、基本合意を反故にするようなことになったのかの説明が必要である。合わせて法案の内容についての説明を受ける必要がある。その上で、推進会議の下に設置された本部会の検討が今後どのように総合福祉法の制定にどのように位置づいていくのか、明確にすべきである。

2.今後の進め方への提案

 主要テーマについて、いくつかのワーキンググループを設置し、検討し、ある程度の素案を作成し、その素案をもとに部会での議論を行う。ワーキンググループには部会員の中から世話人を選び、検討内容の集約などを行う。

※理由 総合福祉法(仮称)は月に1回、55人という規模で行われる。部会員の意見も幅広く、限られた期間の中で部会だけの議論で進めるのは極めて困難である。

3.総合福祉法づくりの方向性

 自立支援法の一部手直しではなく、新たな総合福祉法づくりであること。

※理由 障害のある人の権利条約や基本合意に基づく、議論を進めることにこの部会の意味がある。自立支援法一部改正法案に議論の範囲をせばめられないことが重要である。

4.現在大きく7項目であるが、この大項目を再検討したい。

A 法の理念・目的・範囲

B 障害の範囲

※理由 障害のある人の権利を基本に総合福祉法の基本的な考え方を議論する。

C 支給決定→選択と決定(その支援)とする

A、B、Cの3項目を合わせて、総合福祉法の全体像

※理由 障害のある人の選択であり、その決定でなければいけない。さらに必要に応じて選択と決定に支援が必要。

 障害程度区分の検討ではなく、支援の必要性はかる尺度の開発とするべきである。この中に国と地方の役割分担、権利擁護の仕組み、負担のあり方、義務経費化の問題、国庫補助基準の問題なども加えた議論にしていく。

D サービス体系
E 地域移行
F 地域生活の資源整備
以上の3項目を
 D 地域生活支援
 E 就労支援・雇用支援
 F 障害児
 G 医療とする

※理由 障害者支援の中にサービスという考え方をもちこむことに問題があり、方向性をゆがめる可能性のあるサービスという文言は使用しない。

 また、障害のある人のライフステージや生活の全体像を考えた上での総合福祉法であることが重要であり、暮らしを支えることと働くことを支えることの大きく2つに分けたテーマを設定し、さまざまな問題が山積している障害児、医療についても大項目とする。

D 地域生活支援あり方の中に、障害がある人の自己決定・自己選択への支援、

 選択しようにも全国的に広がる資源不足、地域での住まいの確保の問題も、地域生活支援の中で検討する。重度障害の人の地域生活、パーソナルアシスタントサービス、ホームヘルプ、ガイドヘルプ、人的支援、社会参加などを含んで検討する。現行のヘルパー制度には制約や制限が多く、個人の生活全般を支えるものになっていない。医療と福祉の狭間問題なども含めて、障害のある人が障害のない人と同じように生活するために必要な支援について根本的な議論が必要である。

E 就労支援・雇用支援

 働くことは障害のある人の暮らし・人生に大きな影響を及ぼすことであり、なおかつわが国で大きく立ち遅れていることの1つである。サービス体系の1つという取り上げ方では、必要な議論を行うことができない。結果的に他法にまたがる内容となる可能性もあるが、働くことを基本テーマに据えて、議論を進めるべきである。ことに福祉的就労を雇用としていくことも含め、社会支援雇用のあり方の検討が重要である。

F 障害児

G 医療の中には自立支援医療のあり方や精神科病院での医療のあり方、社会的入院の解消、重度の障害のある人にとっての医療の問題も含めて検討する。

【宮田委員】

<障害児施策改正に向けた提案>

  • 総合福祉部会の分科会として、新たな委員を加えて「障害児部会」を設置し、障害の特殊性に配慮した障害児施策に向けた議論を進めていただきたい。
  • 障害児施策を児童福祉法に一元化するなら、来年度に予定されている児童福祉法改正の中に「障害児支援」を導入することが不可欠であるため、新たな障害児施策への議論が早急に開始されなければならない。障害児部会には、障害保健福祉部だけでなく、厚生労働省雇用均等・児童家庭局や文部科学省の職員も参加させる必要がある。
  • 障害児施策を児童福祉法に一元化する場合、施策の実施にあたっては総合福祉法との齟齬が生じぬ仕組みや配慮が必要である。

(分野A 法の理念・目的・範囲)

◎論点の追加(項目A-1の前に)

【藤岡委員】

 A-0-1として、論点:「法の名称」を追加。

※理由 「障害児者支援権利保障法」が私見。

 「サービス」とは決していれない。

 恩恵的歴史を辿ってきた日本において「福祉」という言葉も用いないほうがいい。

 「人権としての障害者福祉」を確認することが今大事。

【藤岡委員】

 A-0-2として、項目:「今回の法制定での改革の方向性=権利保障体系への改革=国・地方自治体の障害者支援義務の明確化」を追加。

※理由 障害者の権利保障体系としての法規にしなくてはならない。

 基本的人権を保障する憲法を具体化するための法規として法律全体が権利保障体系として貫かれることが重要。

 障害者支援義務を怠ることは違憲、違法であることの確認。

 障害福祉の公的責任を明確化=障害者の公的権利保障体系への変革を。

 行政施策実施の反射的利益を受ける保護の客体から、権利の主体、権利保障体系への変革が必要である。

 たとえば障害者自立支援法第19条の介護給付費等の支給決定条項は「支給を受けようとする障害者は市町村の支給決定を受けなければならない」と定める。

 これでは、権利者と義務者があべこべである。具体的権利保障を規定するべき重要な条項において、障害者に義務を課すのではいけない。

 ここは、例えば次のように書かれるべきである。

「1項 公的支援を必要とする障害を持つ市民は、国及び居住する市町村に対して、介護等の支援を求める公的請求権が保障される。」

 権利保障体系への変革として法文に国・自治体の障害者支援義務が明確に規定されることが必須である。

「2項 国、市町村は障害を持つ市民に対して、その市民の個人の尊厳を保障し、当該市民の社会的不利益を是正・解消するため、公的支援を保障する義務を負う。」

 法第20条でも、(申請)との表題で、「1項 支給決定を受けようとする障害者は厚労省令で定めるところにより、市町村に申請しなければならない。」としているが、これも権利である以上、「申請することが出来る。」とされるべきである。

 そのうえで「申請主義」が「申請なければ公的義務も公的権利もなし」との生み出してきた実態と問題を直視し、福祉支援のネットからこぼれ落ちる人のないよう、制度教示義務の明確化、施策としての徹底、仲間作り等の支援を含めた地域社会の構築を視野に入れた立体的支援の推進が必要である。

<項目A-1 誰の何のため>

論点A-1-1)

◎論点の追加

【氏田委員】

 A-1-2として、「我が国における「障害」の一般的概念規定をどう考えるか」を追加。

※理由 社会が社会としてサポートすべき状態像の人を一般的に概念規定することによって、「谷間のない制度」「シームレスな支援環境整備」が可能となる。

 またそのような一般的概念規定をすることによって、個々の状態像と求められる支援との関係性が明確になる。

 現在の障害程度区分に代わる制度設計には明確な哲学的背景が必要であるが、これに該当するものとして一般的概念規定を考えることができる。

【小澤委員】

 「誰の、」について、障害者基本法(抜本的な改正予定)の対象者を対象とする。

 「何のために、」は、項目2 理念規定に含まれる。

※理由 抜本的な改正が予定されている障害者基本法と同じにしておかないと整合性がとれない。

【藤岡委員】

 A-1-2)として、項目:「法制度の基本目的条項」を追加。

※理由 基本合意で確認された「障害者の基本的人権の支援」ということ、憲法に基づく制度ということが明文で記載されることが必須。

…個人の尊厳(憲法13条)と
生存権(憲法25条)が
平等に保障される(憲法14条)…

 これが障害福祉の判りやすいテーゼと考えている。

 基本合意書第1条

 「新たな総合的な福祉法制においては、障害福祉施策の充実は、憲法等に基づく障害者の基本的人権の行使を支援するものであることを基本とする。」これが抜けることは許されない。

 基本目的の確認が条文化されること。

 「障害者の基本的人権の行使を支援すること」

 「1 憲法14条平等権保障 2 憲法25条生存権保障 3 憲法13条個人の尊厳保障」

 新法にこれらの憲法条項を記載することは必須と考える。

例えば

 「この法律は、憲法第13条、第14条、第25条、障害者基本法、近く批准が予定されている障害者権利条約の精神に基づき、国・自治体・公権力が、障害を持つ市民一人ひとりが人として尊厳ある暮らしを営むことのできる権利を十分に保障し、障害を持つ市民が当たり前の市民として社会参加できるための実質的な機会平等を保障し、障害を持つことに対する社会的不利益、不平等を解消する義務を尽くすべきことを明らかにする。」等の条項が必要。

 のみならず、移動支援における居住・移転の自由(憲法13条、22条)、情報保障における表現の自由に基づくコミュニケーション支援の人権(憲法21条)等も可能な限り、条文に明記するべきである。

 換言すれば、公的支援が不足している状態は障害者の社会参加権侵害であり、差別であり、違憲状態であることがわかる条文作り。

【藤岡委員】

 A-1-0として、項目:「法の前文」を追加。

※理由 法の前文でこの法律の意義を高らかに謳いあげることはとても大切。

 社会の無理解、公共の支援の不足により抑圧、差別されてきた障害者の人間としての尊厳の復権と障害を負わされている人もない人も共生する社会に向けた方向性を打ち出すべき。

 そして、基本合意2条2項

 「国(厚生労働省)は、障害者自立支援法を、立法過程において十分な実態調査の実施や、障害者の意見を十分に踏まえることなく、拙速に制度を施行するとともに、応益負担(定率負担)の導入等を行ったことにより、障害者、家族、関係者に対する多大な混乱と生活への悪影響を招き、障害者の人間としての尊厳を深く傷つけたことに対し、原告らをはじめとする障害者及びその家族に心から反省の意を表明するとともに、この反省を踏まえ、今後の施策の立案・実施に当たる。」

 を確認した前文が起草されるべきが当然である。

【藤岡委員】

 A-1-3)として、項目:「障害福祉、障害児者支援制度の目的規定」を追加。

※理由 障害者支援権利保障法の目的=障害をもつ人々が普通の市民として普通に生きるために、必要不可欠な社会的支援をすること。

 障害者支援制度の存在意義=「障害を持つあなたは何も悪くない、何の責任もない、障害による様々な社会的不利益、不平等を公的に支えるからこの社会で共に生きていきましょう。」そういうメッセージを与え、そのための具体的支援をすること。

 障害児者支援制度(障害福祉)の根本理念=どんなに重い障害をもった人であっても、一人ひとりを尊重する社会を作る、自立のための様々な方法を駆使しながら一人ひとりがその人なりに生き生きと生きて社会と共生すること。

 障害者の「完全参加と平等」という国際障害者年の理念は色褪せてない。

 ライフステージの全ての段階における個人の尊厳の保障を図るための制度。

【藤岡委員】

 A-1-4)として、項目:「障害者とは」を追加。

※理由 国際障害者年に確認された

 「ある社会がその構成員のいくらかの人々を閉め出すような場合、それは弱くもろい社会なのである。

 障害者は、その社会において特殊なニーズを持つ特別な集団と考えられるべきではなく、通常の人間的なニーズを満たすことに特別な困難を持つ普通の市民と考えられるべきなのである」

 とのテーゼを再確認しておくべきである。

【藤岡委員】

 A-1-5)として、論点:「「自立」支援を法の目的とするのか。」を追加。

※理由 [自立の支援を法の主な目的にすることは間違いです]

 障害のない小学生の国語の学習を、国語の訓練、自立訓練とは通常呼ばない。

 しかし、障害児の場合は平気で自立訓練と呼ばれる。

 生活保護世帯の自立、母子家庭の自立、女性の自立等々、障害分野以外でも「自立」は法の目的とされる趨勢にあるが、「上からの自立の強要、強制」に対しては違和感を持つ。

 「自立」の意義が経済的自立を中心にしたものであれ、そうでないにせよ、自立できているかどうかは個人の自由の領域であって、公権力から干渉される事柄なのであろうか?

 障害者運動として「自立生活」の実現が掲げられることに違和感はないが、公権力の義務を規定するべき障害児者支援の法規において、「自立」を目的とすることは、障害の個人責任につながり、障害の社会モデルの考え方にも相容れないと考えている。人間一般に自立義務が仮にあるとしても、障害者であることを理由とする独自の法的自立義務があると理解されるべきでない。

 このように明確な立場は親会議の議論ではなかったと思いますので特に提起したい。

<項目A-2 理念規定>

論点A-2-1)

【小澤委員】

 障害者基本法(抜本的な改正予定)の理念をふまえた内容とする。

※理由 総合福祉法はあくまで障害者基本法の下にある法律。理念的に独立したものではない。

【君塚委員】

 医学モデルの充実とその上での社会モデルへの拡大

※理由 特に発達途上にある児においては小児リハビリテーションが不可欠であり、転換であってはならない。

【坂本委員】

 「医学モデル」「社会モデル」の考え方を理解できるよう明確に示す。

※理由 理解の不足が誤解や批判になりやすい(病院・地域の協働、医療・福祉の協働のためには必要な理解である)。

【福井委員】

 憲法に基づく障害者の基本的人権の行使を支援するものであることを、基本的にすえるべきだがどうか。

※理由 理念規定の最初にかかげるものと考えるので。

◎論点の追加(A-2-1とA-2-2の間に)

【氏田委員】

 A-2-1とA-2-2の間に、「障害を持つ人の発達保障という発達的視点から、障がい者総合福祉法はどのような理念と具体的内容を持つべきと考えるか。(権利条約第25条健康、第26条ハビリテーション及びリハビリテーション)」を追加。

※理由 当然のことであるが、障害を持つ人は発達する。このことはどのような重度の障害であったとしても、発達経過のできる限り早期から十分な支援を求めていく必要性を示している。そのため、障害者支援に生涯にわたる発達をサポートするという発達的視点を導入する必要がある。

 またできる限り早期から発達的視点に基づく支援が充実されることは、本人のエンパワメントにつながり、このことは本人の将来の地域での自立した生活の実現と深く関連する。

 社会モデルへの転換は「社会の中での発達」という視点を当然含んでいる。

※A-4とも関連(説明:障害児の分野との棲み分けや連携といった表現ではなく、発達保障という発達的視点を総合福祉法自体が持つことによって、「理由」の項で記載した内容にポジティブに連動していけると考える)

論点A-2-2)

【野原委員】

 2)に「「健康を享受」「医療を受ける権利」をどう位置づけるか?」を追加。

※理由 疾病に起因する障害者の基本的人権として、論議すべきテーマではないか。

 「保健」「医療」と「福祉」との関連をどのように整理するか。

◎論点の追加

【荒井委員】

 3)として、「自己決定が難しい障害者の「意思」をどのようにして客観的に捉えるか?」を追加。

※理由 知的障害者や精神障害者等への配慮が必要であるため。

【石橋委員】

 A-2-3)として、「障害者の自立の定義をどうとらえるのか。」を追加。

※理由 障害者の自立は「経済的」自立だけでなく「生活」、「精神」と個々に捉え方が違う。「自立」という言葉だけが一人歩きし、概念がぼやけているような気がする。

【大久保委員】

 「地域で生活する権利の明記とともに、その「地域」自体をどのように作り上げていくかも重要な課題となるが、障害者の参加による社会啓発の理念を総合福祉法に盛り込むべきか否か?」を追加。

※理由 地域で生活する上で一方的な「権利の享受者」としてのみ障害者が位置づけられるのではなく、一人の地域住民、一人の働く仲間として地域社会や職場などに双方向的にかかわるという視点が欠かせないと考えるため。

【大濱委員】

 A-2-3)として「市町村の責務について、自立支援法では2条1項で「障害者が自ら選んだ場所で自立した生活ができるよう支給決定を行う」という規定があるが、最重度の障害者への支給決定においては、多くの市町村で守られていない。この規定のさらなる強化や第3者監視について。」を追加。

※理由 現状の自立支援法の理念に入っている最も重要な理念の1つで、さらに推進すべき内容なので。

【小野委員】

●地域生活と自己選択・決定のほかに、「生きるために必要な支援の保障」「地域での孤立や隔離をしないための支援を受ける権利」を追加する。

●国ならびに地方公共団体の責任と役割を明記する。

【君塚委員】

 子どもの権利条約がなぜ、実効されていないかの検証を行い、それを踏まえて

※理由 外務省における国連報告の内容・法施行の課題などが不透明である。

【末光委員】

 3)として「障害者権利条約の全体的な内容に照らし合わせて、理念規定についてどう考えるか?」を追加。

※理由 生命に対する権利(第10条)、健康を享受する権利(第25条)、文化的生活に参加する権利(第30条)などの条項も含めた、権利条約の全体的な内容についての確認から、理念規定を検討する必要があると考えます。

【末光委員】

 4)として「障害児での「子どもの権利条約」と「障害者権利条約」の整合性についてどう考えるか?」を追加。

※理由 児童期の障害児での本人の意向・利益と、親権者の役割・責務などとの整合性はどうなのかなどが挙げられます。

【橋本委員】

 「日本国憲法に定められている生存権と障害者総合福祉法の整合性をどのように考えるか。」を追加。

※理由 介護サービスが不十分であるため、治療(呼吸器)を受けることができずに亡くなる呼吸疾患の障害者が後を絶たない。「障がい者総合福祉法」は、障害者の生存権を守る実践を支える重要な法律として、位置づけられるべきである。

【藤岡委員】

 A-2-3として、項目:「障害支援の家族責任からの脱却を明確化」を追加。

※理由 従来の障害の家族介護、家族責任から社会責任への移行を明らかとする。

 措置時代、支援費制度の「家計への影響を斟酌」という文言は障害の家族責任を前提としており、新法はこの思想からの決別を謳わなければならない。

 ここでは民法上の扶養義務一般を廃止するべきことを意味しない。

 障害に起因する特別な負担を親子、配偶者、家族に課さないということである。

 親子、夫婦等の生活扶助義務一般を否定する議論は飛躍と考える。

<項目A-3 サービス選択権を前提とした受給権>

論点A-3-1)

【小澤委員】

 障害者基本法(抜本的な改正予定)の理念をふまえた内容とする。

※理由 総合福祉法はあくまで障害者基本法の下にある法律。理念的に独立したものではない。

【中西委員】

 「「地域で生活する権利」を担保していくために、サービス選択権を前提としたサービス受給権の明記が必要との意見があるが、これについてどう考えるか?」に訂正。

※理由 障害者自立支援法の欠陥はサービスの受給の権利が明確でなかったため国庫負担基準が設けられた点にある。今後このようなことが起こらないためにもサービス受給権を法律上、総合福祉法の中では明記する必要がある。

論点A-3-2)

【小澤委員】

 障害者基本法(抜本的な改正予定)の理念をふまえた内容とする。

※理由 総合福祉法はあくまで障害者基本法の下にある法律。理念的に独立したものではない。

◎論点の追加

【藤岡委員】

 A-3-3として、項目:「個別の支援請求権保障の実定法かが不可欠」を追加。

※理由 

 視覚障害者、移動機能障害者、知的・精神障害者等に対する移動介護保障請求権、

 知的障害者の行動支援保障請求権、

 障害者の就労支援保障請求権

 障害当事者の必要性に応じた、必要な請求権保障という権利法体系に変革され、実体的な権利保障が明確に規定されなくてはならない。

 盲ろう者、ALS者の支援の権利、視覚障害者の点訳請求権等の情報アクセス請求権もその支援の独自の視点もあり、個別明記されるべき。

【藤岡委員】

 A-3-4)として、項目:「支援申請権の明記と重要性の担保」を追加。

※理由 支援申請権が権利として保障されていることを明記することは当然の前提として、行政が申請をさせないという申請拒否行為が違法であることを明記し、行政庁に罰金を課す。

【藤岡委員】

 A-3-5)として、項目:「制度教示、周知義務の徹底条項」を追加。

※理由 国・自治体の制度、施策の教示・周知義務を徹底し、福祉にたどり着けていない人、支援のネットからこぼれ落ちている人を一人でも減らす。

<項目A-4 法の守備範囲>

【宮田委員】

 *本論点表は「障害児」についてほとんど記述がない。「障害児は児童福祉法で」という意図が考えられるが、そうであるなら総合福祉部会として児童福祉法の改正を求める提言をしていただきたい。また、児童福祉法になっても、総合福祉法との整合性が不可欠であることを総合福祉法でも謳う必要がある。障害児を「障害者支援」と「子ども支援」の谷間としない配慮が必要である。

 「障害児福祉サービスについては児童福祉法に一元化する。また、「子ども・子育て新システム検討会議」で検討されている保育所等の一般施策との整合性を図る。」

 「障害者と共通したサービスについては総合福祉法との齟齬をきたさぬよう調整する。障害に関する児童福祉法の改正は、現在進行中の平成23年度児童福祉法改正に向けた議論の中に盛り込めるよう、総合福祉法創設の論議の中で児童部会を設置して、雇用均等・児童家庭局の参加の下で検討する必要がある。」

※理由 「障害児」は「障害のある子ども」である。「子ども」として愛護され育ちへの支援を受けた上で、「障害」に対する支援を受ける権利がある。しかし、これまでは「子ども」と「障害」の谷間に置かれて適切かつ十分な支援を提供されてこなかった。ゆえに、障害児支援は児童福祉法に一元化し、子どもとして「育ち」への支援を受けた上に「障害」への支援が提供される制度整備が必要である。

 しかし、児童福祉法に一元化するということで、総合福祉法創設議論から外れた上に、児童福祉法改正論議にも取り上げられなければ、従来と同様「谷間」に沈む危険があるので注意が必要。

論点A-4-1)

【朝比奈委員】

 「分野や施策の縦割りにより必要な支援が受けられない状況を生まないための、相互の機能分担や連携はどうあるべきか?」

※理由 たとえば障害のある子どもの社会的養護や働く障害者の問題など、これまでの「棲み分け論」だけではどうしても縦割りの弊害を受けてしまう事柄があると考えます。総合福祉法が一定の枠組みを示した場合に、児童や労働分野に期待することを明らかにするだけでなく、その内容が確実に実行されるための何らかの仕組みを検討する必要があります。

【荒井委員】

 「障害児の分野との棲み分けと連携をどう考えるか?」を「障害児教育等の分野を加えるべきではないか?」と訂正。

※理由 「障害者制度改革の基本的な方向(第一次意見)(案)」の「4.個別分野における改革の基本的方向と今後の進め方」には、「2)教育」と事項があるので、これまでの議論を踏まえ、この論点表においても、教育分野を明記すべき。

【石橋委員】

 「「総合福祉法」の守備範囲をどう考えるか?福祉サービス以外の、医療、労働分野、また、障害児、高齢者福祉、の分野との年齢による移行、棲み分けと連携、をどう考えるか?」に訂正。

※理由 障害者の高齢化が進んでおり、障害者福祉と高齢者福祉の棲み分け、連携は重要。

【氏田委員】

 「医療、労働分野」という記載を、「医療、教育、労働分野」に訂正。

※理由 特別支援教育の展開により、福祉と教育は、障害を持つ子どもの育ちを守り・促すという意味で連携体制にある。総合福祉法においても、この点をきちんと明記することによって、相互連携の必要性を確認することとなる。

 また先の意見にある「発達的視点」の導入から考えると、「教育との連携」を法の視野に収めるのは当然と言える。教育という分野が抜け落ちていては、十分に発達的視点からの効果が期待できない。

【小澤委員】

 「移動・交通・住宅環境分野、」を追加。

【西滝委員】

 「コミュニケーション」を追加し、「「総合福祉法」の守備範囲をどう考えるか?福祉サービス以外の、医療、労働分野、コミュニケーション、また、障害児の分野との棲み分けと連携をどう考えるか?」に訂正。

※理由 推進会議・第一次意見書で「手話や要約筆記、指点字等を含めた多様な言語の選択、コミュニケーションの手段の保障の重要性・必要性」が指摘されたことを受けて「コミュニケーション」も一つの分野として論議していく場合、総合福祉法の枠内、別の法体系で構築、それぞれについての論議が必要と考えるため。

論点A-4-2)

【石橋委員】

 「老人福祉法」を追加。

【氏田委員】

 平成17年度施行の「発達障害者支援法」も追加する。

※理由 総合的に考えるならこの法律も当然加えるべきである。

【小澤委員】

 列記している法律に、「発達障害者支援法、」を追加。

【川﨑(洋)委員】

 「精神保健福祉法の改正と保護者制度の廃止をどう考えるか?(明記が必要と考える)」を追加。

※理由 身体、知的の福祉法と違い、精神保健福祉法は医療法と福祉法の混在を正してから、論じられるべきと考える。

【君塚委員】

・児童福祉法との関連

 60年を経て、理念および実態がそぐわなくなっている部分を見直す

※理由 障害者年金を受けている加齢児が86%などにのぼる実態は国際的に通用しない。

【野原委員】

 2)に「地域保健法」「介護保険関連法規」「難病対策要綱」(法ではないが)を追加。

※理由 健康を地域で守る保健行政が、介護保険導入後、介護事業への「丸投げ」傾向が顕在化している問題の論議を。

【野原委員】

 難治性疾患による障害については、医療も含めたケア体制が必要、独自の体系の「法」制定が必要か。

※理由 医療に関わる独自のニーズが多く、「福祉」と密接な関連が切り離し難く結びついている。

【藤岡委員】

 「等」の前に、特に「社会福祉法」を明記したい。

※理由 社会福祉基礎構造改革により、社会福祉法制全般が、措置から契約制度に転換したことに伴う障害者福祉の個人責任と公的責任との相克という課題が、この部会でのメインテーマの一つと考える。

 従って、障害者自立支援法の根源的問題をえぐりだすために、同法の基礎となった社会福祉法にメスを入れることが不可欠であるという共有意識を持つことが必要。

 今般の自民・公明・民主が国会に提出した「改正案」で「障害者自立支援法3条(国民の責務)」について、「その有する能力及び適性に応じ」を削除しているが、社会福祉法3条の「その有する能力に応じ」は残したままである。

 特に私が確認したいのは社会福祉における公的責任、公的義務である。

 社会福祉法第61条第1項1号は、

「国及び地方公共団体は、法律に基づくその責任を他の社会福祉事業を経営する者に転嫁し、またはこれらの者の財政的援助を求めないこと。」

 として、社会福祉事業の責任を民間に転嫁してはならないという「責任転嫁禁止原則」を明記している。

 事業者に対して財政援助を求めることが禁止されていることはもちろん、要支援者、利用者に求めてならないことは原理的になおさらいわんやおやである。

 従って、

 同法は

「国及び地方公共団体は、憲法、法律に基づく生存権、平等権、個人の尊厳保障義務等の公的責任を他の社会福祉事業を経営する者に転嫁し、またはこれらの者の財政的援助を求めてはならず、要支援者、福祉事業利用者に対して責任を転嫁し、財政的援助を求めてはならない。」

 とするべきである。

◎論点の追加

【荒井委員】

 以下の2項目を追加。

 「1)国・都道府県・市町村の責任と役割分担をどう考えるか。」

 「2)幼児期、学童期、社会に出てからと、障害者の人生を切れ目なく、福祉、教育、雇用、住まい等、総合的にサポートし、障害の特性に応じてきめ細かな支援を行えるような支援体制の構築についてどう考えるか。」

※理由 例えば、現行法では、障がい者福祉の主体は市町村、障がい児福祉の主体は都道府県であるが、責任と役割分担が不明確であり、障害者の人生を総合的にサポートするという観点から、一貫した継続的な支援のあり方を議論する必要があると考える。

 また、地域間格差を解消するための、方策についても併せて議論する必要があると考える。

【伊澤委員】

 A-5(箇所的に適切か否か迷いあり)として、「社会参加、在宅生活継続を危うくする「事業コンフリクト問題」への対処をどう考えるか?」を追加。

※理由 支援事業に対する地域住民の反対意思表示ならびに行動化により、支援事業の進展が図れない状況が多く見受けられ、何らかの対策を講じていく方向が必要ではないだろうか。

【小野委員】

●総合福祉法は、障害に伴う福祉の保障に関する法とし、児童、医療、労働、所得保障等は、独自の実定法に定める。

【河﨑(建)委員】

 3)として、「総合福祉法(仮称)と障害者基本法との関係についてどう考えるか。」を追加。

※理由 総合福祉法(仮称)と障害者基本法の関係について検討が必要。

【君塚委員】

 憲法での生存権などの規定との整合性

※理由 理念に追加するとともに、国民世論の同意を高めるため。

【末光委員】

 1)として「「障害者権利条約」批准国(例:スエーデン、イギリスなど)での批准前の作業ならびに現時点での課題そして国内法の整備などから学ぶべき点はどうか?」

を追加。

※理由 イギリスなどでは条約批准後に障害者入所施設の在り方などに再検討が進みつつあり、その状況等は参考にすべきと考えます。

【末光委員】

 2)として「「障害者権利条約」の未批准国(例:アメリカ合衆国、オランダなど)での、批准に向けた作業の進捗状況と克服すべき課題はどうか?」を追加。

※理由 日本と同じ未批准国のうち、アメリカ、オランダでの状況は参考にすべきと考えます。

【野原委員】

 3)項を起こし、「前政権で行われた「医療制度改革」はどう見るか、「福祉」の中で検討は可能か。」を追加。

※理由 地域で受け皿がないまま医療が必要な入院が極度に短期間化され、期待されていた中間機関の療養病床が大幅に削減されてきている。重介護が家族にのしかかっている現状の救済。

 医療崩壊といわれるような現状をつくった「医療制度改革」の見直し。

【藤岡委員】

 A-4-3)として、項目:「障害児支援のありかた」を追加。

※理由 A-4-2)で、「児童福祉法等の既存の法律のあり方との関係」では出てくるが、障害児支援のあり方については独立項目で議論するべきである。

 児童福祉法で行なうべきが現在の関係者での定説。

 確かに障害児である前に児童である。

 しかし、障害に伴う個別支援の観点から、障害児者支援の基本法に障害児童の支援条項はしっかりと明記することは極めて重要なのである。

【森委員】

 「高齢の障害者への対策はどうあるべきか?」を追加。

※理由 高齢化が進む中で、現行法には高齢者に対する規定がなく、また介護保険制度でも使えるサービスがなかったり、使うことが極めて困難な現状があることからも、論点事項に追加いただきたい。

【山本委員】

 「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律との関連をどう捉えるか」を追加。

※理由 刑事施設に拘禁されている障害者も障害者総合福祉の対象とすべきである。

<項目A-5 その他>

【藤岡委員】

 A-5として、項目:「権利の憲法上の根拠の明記」を追加。

※理由 憲法に基づく具体的人権を実現するための権利保障であることが本人、支援者、行政関係者に印象付けられることが大切。

【藤岡委員】

 A-5-1として、項目:「憲法第14条=法の下の平等」を追加。

※理由 法の下の平等=障害者の実質的機会平等の保障

 障害福祉施策を支える一番の基本は平等権保障なのであって、その意味で、差別禁止法の理念と根は同じ。

【藤岡委員】

 A-5-2として、項目:「憲法第25条生存権の保障」を追加。

※理由 たとえば「重症心身障害児者」の支援を考えればわかるとおり、実質的な機会平等を保障しただけで、裸の競争原理に放り出すことで障害福祉の責任は到底果たせない。

 障害福祉における生命の保障、生存権の保障の原理=誰もが安心して生きていかれる社会保障の原理もまた、重要な理念である。

【藤岡委員】

 A-5-3として、項目:「憲法第13条 障害者の個人の尊厳の保障、自己決定権、幸福追求権の保障」を追加。

※理由 障害福祉では、ただ生命が維持されれば足るということではなく、全ての個人の尊厳が保障されることが重要であり、人間の尊厳が保障されることが必要である。

 そして、公的支援を活用しながら自分の生きたいように生き、各自が自らの幸福を追求する権利を有するという当事者の自己決定の原理、当事者主権と幸福追求権の保障(憲法13条)が重要である。

 夜間の見守り介助の必要性を訴える障害者に対して、「オムツをすればいい」と言う障害者福祉行政が現実に横行している。それが憲法第13条違反の人権侵害であることが、一般市民にも行政職員にも容易にわかる規定が必要。

【藤岡委員】

 A-5-4として、項目:「障害者の自由権保障としての意義の強調」を追加。

※理由 

 [障害者の自由権(人間としての尊厳を含む)回復請求権としての公的権利保障]

 従来、社会権と自由権は、国際法の分野でも憲法学等でも、前者が政策的裁量に委ねられる分野であり、国家には漸進的な努力義務しかなく、表現の自由等の自由権は社会権に比して優越的な権利として即時保障義務があるというような捉え方がされてきた。

 しかしながら、例えば、障害者の移動介護保障は、たんに社会権と解されるべきでなく、憲法第13条の個人の尊厳、23条居住・移転の自由という自由権の保障のための権利保障であることは、2009年9月30日東京高裁判決(注1)にも謳われ、確認されていることである。

 障がいのある人のことを「おからだの不自由な方」と言うことがあるように、障害の特性には=「不」自由=自由がないことが挙げられる。

 すなわち、人間が当然に享受しうる基本的自由が剥奪・阻害されている状態が障害者の基本的属性として指摘される。

 「障害者の権利」の本質とは、障害に起因する社会的障壁により傷付けられている自由と個人の尊厳を回復するための人権である。私はこれを障害者の自由権回復請求権と呼んでいる。

 障害を持つ(社会的障壁を負わされている)市民にとって、障害福祉施策を活用する権利は、その自由と個人の尊厳を回復するための天賦の基本的人権として重要なものであり、「政策裁量」に左右されない確固たる人権と理解されるべきである。

 障害者権利条約が自由権と社会権の不可分性を強調している点もこの考えを支えるものと言えよう。

 障害者の人権を考察することが、旧来の人権論の基礎を見直し、新しい人権理論を切り拓いていく道を指し示している。

注1・
「判例時報」 2059号(2010年1月21日号68頁~)
「判例タイムズ」 1309号(2010年1月1日号・98~102頁
「賃金と社会保障」 1513号(2010年5月上旬号・4~31頁)

【藤岡委員】

 A-6として、項目:「改革の重点項目[精神障害者支援の底上げ戦略の構築]」を追加。

※理由 わが国の精神障害福祉が著しく立ち遅れていることは明らかであり、その原因の解明と、地域移行のための多面的な支援施策(関係者がチームとネットワークで取り組む、成功事例のモデル事業としての広報化、偏見の解消のための広報制度、義務等も含む)が用意されるべきである。

 いくら社会的入院患者の地域移行が叫ばれても、実現しない課題である。

 ここは新法での改革の重点項目として打ち出すべきである。

(分野B 障害の範囲)

<項目B-1 法の対象規定>

◎論点の追加(論点B-1-1)の前に)

【野原委員】

 「制度の谷間」とは何か。谷間を生んできた原因を何と考えるか。「難病」と障害の範囲、関係をどのようにとらえるのか。

※理由 1) 2)を議論するための前提として、まず「谷間」とは何か、「谷間を生んできた原因」は何だったのかを、谷間におかれてきた当事者(団体)の声を聞いて討議し、新法をつくるための前提を共有する必要があると思います。

 とくに、「難病」については、推進会議での検討項目に挙がりながら、「部会で当事者も入れて検討する」と議論が先送りにされた経緯もあり、新法の審議に入る際の前提として、本部会において審議すべきと考えます。

論点B-1-1)

【坂本委員】

 障害の特性を確認したうえで考えてほしい。

論点B-1-2)

【氏田委員】

 法律で規定されている「発達障害」は加えるべきである。

※理由 法律で規定されている「発達障害」を加えなければ、「総合福祉法」の名に値しない。

【福井委員】

 機能障害の谷間になっている聴覚障害や知的障害、慢性疾患、難病などをどうするか。

※理由 適切なサービスが利用できない問題を抱えているため。

【福井委員】

 発達障害の次に「てんかん」を加える。

※理由 法の谷間にあるので。

◎論点の追加

【小野委員】

●医学モデルと社会モデルを統合した定義とし、根拠規定は改正した障害者基本法に定義する。

<項目B-2 手続き規定>

論点B-2-1)

【小澤委員】

 削除。

※理由 B-2-1)および2)の法の対象規定、の議論に含まれる。

【奈良崎委員】

 手続き規定について、障がい者手帳を使って、全国同じように使えるようにしてほしい。

【宮田委員】

 障害が確定しなくても、乳幼児健診や医療機関で障害が疑われた時点から支援の対象にする⇒「育ちが気になる乳幼児」を対象規定に入れる。

※理由 自閉症等の発達障害児の増加が指摘されているが、「正常発達」との境界が不鮮明で診断の確定が遅れることが少なくない。運動障害でも軽度の脳性麻痺等は同様である。しかし、発達障害児は育児環境や関わり方で社会性や生活力は改善し、脳性麻痺児も早期からの治療的関わりによって育てやすくなり生活も拡大する。ゆえに、障害確定前の「気になる」段階から、保護者の育児不安や進路の悩みも含めて早期に支援が開始できるようにするべきである。

◎論点の追加

【齋藤委員】

 B-2-3)として、「そもそも障害者手帳制度や障害判定のあり方をどう見直すかを考える」を追加。

※理由 根本的に今の手帳制度を見直すことが、障害定義の再確立には絶対に欠かせないからである。

<項目B-3 その他>

【荒井委員】

 1)として、「障害の範囲に「盲ろう者」を明確に位置づけるべきかどうか?」を追加。

※理由 支援内容に特殊性があり、当事者からの強い要望があるため。

【宮田委員】

 「「(仮)社会参加カード」取得の対象年齢を乳児期からとする。」

※理由 現行の身体障害者福祉法に則れば、「障害が確定していない」とされる乳幼児期(概ね3歳ごろまで)は身体障害者手帳を取得できない。今後、手帳制度から「(仮)社会参加カード」への転換の中で、乳児期や幼児早期において、種々の福祉サービスの利用や補装具・日常生活用具作成等が可能となる仕組みが必要である。

◎論点の追加(分野Bと分野Cの間に)

【荒井委員】

 分野Bと分野Cの間に「障がい及び障がい児(者)に対する地域の理解の促進」として、「障がい及び障がい児(者)に対する地域の理解を促進させるには、どのような施策を盛り込むのか。」を追加。

※理由 障がいがあっても、地域の一員として、いきいきと暮らしていくためには、「地域の理解」が必要であるので、関係者等だけでなく、すべての住民を対象として地域の理解を求めていくような方策を検討することが必要と思われる。

(分野C 支給決定)

【小野委員】

●支給決定という用語は使わず、「選択と保障」「選択と決定」等とする。また障害程度区分は廃止し、本人の必要度を評価する仕組みを構築する。その際、重度重複障害のある人の一人暮らしの保障を前提に制度設計する。

<項目C-1 自己決定支援・相談支援>

【君塚委員】

 地域の社会資源の充実の下に

※理由 地域の社会資源無くしては、相談支援が空論となるので、市町村における法施行後の社会資源の査定をおこなうシステムを規定する。

【中原委員】

「1.相談支援」と「2.自己決定支援論点」に項目分割。

「1.相談支援」の論点を、

 1)実効性のある相談支援体制をどう考えるか

 2)総合的な相談機関と専門的な相談機関をどう考えるか

 3)広域的な相談機関と地域的な相談機関をどう考えるか

 4)権利擁護に関する相談機関をどう位置づけるか

 5)障害特性を考慮したケアマネジメント体制をどう構築するか

 6)支給決定にあたり、行政関与と責任のあり方をどう考えるか

 とする。

※理由 「相談支援」は新法を検討する際に、重要となる部分であるため、独立した一つの分野として設けるべき。

論点C-1-1)

【小澤委員】

 「本人が必要とする支援・・・」の「本人が」を削除。

※理由 自己決定、自己選択は、本人に決まっているので、表現がくどい感じ。

【末光委員】

 「意志を表明することの困難な最重度障害者や重度重複障害者、重症心身障害児・者での代理決定プロセスをどうように考えるか?」を追加。

※理由 意志表明か極めて困難な人(児童も含め)について、その相談支援の在り方を検討する必要があります。

【中原委員】

 項目を「2.自己決定支援」とし、1)に「また、自己決定が困難な人たちへの支援をどう考えるか」を追加。

※理由 重い知的障害のある人の自己決定支援は専門性が要求されるため、仕組みの構築が必要である。

論点C-1-2)

【小澤委員】

 「障害者ケアマネジメントの目的であるエンパワメント、」に修正。

※理由 エンパワメントはケアマネジメントの重要な目的である。

【中原委員】

 項目を「2.自己決定支援」とし、2)の最初に「ケアマネジメントの仕組みについてどう考えるか」を追加。

※理由 知的障害のある人の場合、相談支援を含めた様々な支援がエンパワメントにつながり、自己決定を支えるため。

【奈良崎委員】

 障がい者ケアマネジメントについて、障がい者本人がやってほしいです。

論点C-1-3)

【光増委員】

 「ピアカウンセラー、ピアサポーターの養成はどう考えるか?」を追加。

※理由 意義と役割を踏まえて、研修、養成ワークショップ等が必要。

論点C-1-4)

【齋藤委員】

 「施設・病院からの」を削除。

※理由 E-1の方でまとめて議論すべき。

【坂本委員】

 地域支援の中核となるのはどこの誰なのか考えてほしい。

※理由 現実には機能していない。コーディネーターの絶対数が不足している。

◎論点の追加

【大久保委員】

 「周囲や本人の状況などにより、自己決定を基礎とする支給決定の環境が十分に整わない人が適切なサービスを受けられるよう、「セルフマネジメント」だけによらない支給決定の仕組みを用意する必要があるか否か?」を追加。

※理由 エンパワメントと自己決定のみに依拠した支給決定の仕組みを設けた場合、周囲の支援能力の不足や複雑な家庭環境などにより、自己決定が十分に保障されず、適切なサービスが提供されない可能性があるため。

【大久保委員】

 「構築された支援の枠組みについて、その内容を客観的に評価するための仕組みを設けるべきかどうか?」を追加。

※理由 構築された枠組みに基づき支援がなされた結果として生活の質の低下や社会的疎外が生じた場合、これを検証し、適切なサービスを再構築する仕組みが必要と考えるため。

【大濱委員】

 C-1-5)として「支給抑制を行う市町村がその市町村の方針にそった相談支援事業者を選び、その相談支援事業所が作る介護計画にそって支給決定するという問題があるとの指摘があるが、その解決方法には何があるか?」を追加。

※理由 支給抑制をする市町村が、市の意向に沿った相談支援事業所に支給抑制プランを作らせて、それを基に支給決定している問題がある。

【大濱委員】

 C-1-6)として「現行の相談支援員の資格要件では、実際に地域移行などを活発に行っている当事者団体の障害者スタッフが資格を受けられない問題等をどう解決するか?」を追加。

【大濱委員】

 C-1-7)として「24時間介護や人工呼吸器利用者など近くに相談支援できるノウハウを持つ団体がない場合の遠方支援の方法はどのような方法があるか?」を追加。

※理由 人工呼吸器利用者や24時間介護などの重度全身性障害など、遠方の専門的な団体や全国団体などから相談支援や地域移行支援を受けている事例や、全国団体から支援を受けた現地当事者団体がアドバイスを受けながらALSなどの最重度の自立サポートを行っている事例があるが、相談支援制度に組み入れる必要がある。

【西滝委員】

 5)として、「相談支援において、聴覚障害者が直接コミュニケーションを図ることができる体制をどのように確保するか?」を追加。

※理由 地域生活支援における相談支援は、手話通訳者等を介して行われているが、手話通訳者等の確保が困難であるため、社会資源としての相談支援事業の利用ができてない。

【野原委員】

 当事者が主体となる相談支援体制の確立(相談支援センターなど)の有用性について(全国・都道府県・政令市規模)。

※理由 当事者によるピアカウンセリングを含めた制度利用・支援などが、多様なニーズに対応する上で効果が高い。

【橋本委員】

 「相談支援事業において、吸引や経管栄養などの医療的ケアの問題は、どのように扱われるのか。」を追加。

※理由 吸引や経管栄養は介護職の業とされていないため、いわゆる「グレーゾーン」で、慣習的に行われて来た行為であるが、法律を堅守する相談支援事業者によって禁止されてしまうと、生活できなくなる障害者が発生してしまう。

【橋本委員】

 「不服審査請求の際のアドボカシーには誰がどのように関わり、どのように評価するか。」を追加。

※理由 自立支援法では市町村に対する苦情を都道府県や国に言ってもほとんど指導してもらえない。不服審査請求であっても、アドボカシーの位置づけが不明確であったので明確に位置づけるべきである。

<項目C-2 障害程度区分の評価・役割>

【小澤委員】

 「障害程度区分の機能と問題点、」に変更。

※理由 これまで、圧倒的に、問題点が指摘されてきたので、「評価・役割」というタイトルは変である。

論点C-2-1)

【奈良崎委員】

 障害程度区分について、介護保険区分同じようにやめてほしい。

【光増委員】

 「現行「自立支援法」の支給決定については、導入前から様々な問題点が指摘されてきたが、なぜ改訂しようとしなかったのか、問題点を実態から分析する。」に訂正。

※理由 果たした機能よりも、当事者、家族、事業者に大きな混乱を生じさせ続けている障害程度区分の導入から現状までを詳細に分析させる必要がある。

論点C-2-2)

【荒井委員】

 「…自治体担当者の」次に、「人材育成も含めた」を追加。

※理由 支給決定プロセスの見直しに伴い、行政職員の人材育成が課題になると考えられるため。

【坂本委員】

 「支給決定のみではなく、支給量の管理」を追加。

※理由 応能負担になることで、より細かなケアプランの作成が求められる。

 適正な支給量を実施するためには、現行の障がい程度区分に縛られるのではなく、個別具体的にサービス内容を吟味する必要があり、そのためのソーシャルワーク機能を行政サイドにも強化する必要性がある。

【近藤委員】

 C-3-1)と2)の間に移動。

※理由 この内容は、障害程度区分の評価というよりも、支給決定の仕組みであると思われる。

論点C-2-3)

【中原委員】

 「障害程度区分」と連動している支援の必要度及び報酬と国庫負担基準についてどう考えるか?」に訂正。(「特に、今後の地域移行の展開を考えた際に、24時間の地域でのサポート体制(後述)が必要となるが、そのための財源調整の仕組みをどう考えるか?」を削除。)

※理由 全体に対する意見で述べたように、24時間支援を前提とする各論の論点整理は、部会全体としての意思確認を行う必要がある。

◎論点の追加

【君塚委員】

 利用者のニーズにおいて、発達支援では介護支援とは一致しないことをどうするか。

※理由 児の場合のタイムスタデイーによる発達支援量は中等度障害でもっとも多くを要するため、適切な支援量決定システムが必要である。

【坂本委員】

 C-2-4として、「障害程度区分等級による利用サービスの制限に付いてどう考えるか」を追加。

【田中(正)委員】

 C-2-4)として、「「私たちを抜きに私たちの事を決めないで」とする言葉の意味を言語で理解できない本人の意志をどのようにしてとらえるのか?そして支援するのか?」を追加。

※理由 コミュニケーションに課題がある人こそ本人中心に据えた支援が必要とされると考えるため、より具体的に検討する必要があると思う。

 C-1-1)の支援を得ながらの自己決定よりも深めた議論が必要なため。

【光増委員】

 「障害程度区分で利用できるサービスに制限を設けたのはなぜか」を追加。

※理由 区分により利用制限を設けた理由を明らかにする必要がある。

<項目C-3 支給決定プロセスとツール>

【君塚委員】

 障害程度区分は必要であることの明記。

※理由 給付費基準とも関連しており、重度者が排除されない基盤とするため。

 C-2とともに海外先進国のシステムを参考にする。

 (給付の併用・地域格差など多くの事項が関連するので運用によってはいびつな内容となるので見直す必要があると思われる)

論点C-3-1)

【中西委員】

 「第3回推進会議では、障害程度区分や市町村審査会の廃止とそれに代わる社会モデルをベースにしたどんな生活をしたいか等の勘案事項をもちいる協議・調整による支給決定プロセスのための体制構築についての議論がなされた。これらの点についてモデル事業の実施を含めどう考えるか?」に訂正。

※理由 障害程度区分廃止に伴い、同時に廃止されることになる認定調査、審査会とそれに伴う新たなシステムについて協議すべきであるから。

【中原委員】

 全削除

※理由 支給決定プロセスの構築に関する内容は、2)で包括。

【野原委員】

 難治性疾患の障害者のニーズに応える支給決定のあり方の検討。

※理由 保健所・医師・ケアマネを抜きにした認定は困難な場合が多くでる可能性がある。当事者と医師など専門家との見解のずれは常に起こっている。

◎論点の移動

【近藤委員】

 C-3-1)と2)の間に、論点C-2-2)の「支給決定に当たって自治体担当者のソーシャルワーク機能をどう強化するか」を移動。

※理由 この内容は、障害程度区分の評価というよりも、支給決定の仕組みであると思われる。

論点C-3-2)

【川﨑(洋)委員】

 「本人中心計画(一人暮らしを想定する)」を追加。

※理由 特に家族と同居している場合は、必要。

【坂本委員】

 補足として、客観的ニーズも添えるべき(特に精神・知的)。

【中原委員】

 1)に繰り上げて、「「障害程度区分」廃止後の支給決定の仕組みを考える際に、支給決定プロセス及び支給決定に当たって必要なツールとしてどのようなものが考えられるか?(ガイドライン、本人中心計画等)」へ訂正。

※理由 1)の削除に伴い、支給決定プロセスの検討を追加。

【野原委員】

 難治性疾患の障害者のニーズに応える支給決定のあり方の検討。

※理由 保健所・医師・ケアマネを抜きにした認定は困難な場合が多くでる可能性がある。当事者と医師など専門家との見解のずれは常に起こっている。

◎論点の追加(C-3-2)と3)の間に)

【大濱委員】

 「障害程度区分に変わる指標として、サービスニーズに応じた指標が必要との意見があるが、支給抑制を行う市町村はニーズ評価を低く歪めるおそれもある。解決策にはどのようなものが考えられるか?(国や県が民間の指定事業所に委託して調査を行う等)」を追加。

※理由 在宅の場合については、ニーズ指標は、見守り待機時間のニーズも含んだサービス時間で判定すべきだが、市町村がそれを行うと不当に時間を低くすることが予想されるので、市町村以外(県など)が判定する仕組みが必要。

【中原委員】

 「行政関与と責任のあり方についてどう考えるか」を追加。

※理由 支給決定には行政の役割が不可欠であるので、項目として追加。

論点C-3-3)

【小澤委員】

 「どのようなアドボカシーの仕組みが必要と考えられるか?」

※理由 アドボカシーという言葉を補って、仕組みの意味する内容を深くする必要がある。

【藤岡委員】

 C-3-3から独立項目(分野I その他)へ移すべき。

※理由 支給決定のところのC-3-3)にあるが、救済手段は制度全般の根幹に関わる重要項目であり、「分野」にしてもおかしくない。支給決定の中だけの枠でないと思う。

◎論点の追加

【荒井委員】

 4)として、「支給決定の客観性をどう担保するか?」を追加。

※理由 国民の理解を得られる支給内容である必要があるため。

【河﨑(建)委員】

 4)として、「支給決定プロセス及びツールを考える際、障害特性をどのように考えるのか。」を追加。

※理由 現行の障害程度区分では障害特性、特に精神障害での問題が数多く指摘されている。それぞれの障害特性を反映する支給決定プロセス及びツールが必要とされる。

<項目C-4 その他>

【氏田委員】

 「支給されたサービスの適正さについての評価」として、「支給過程や、支給されたサービスが適正なものであったかどうかについて、標準化されたアセスメント・ツールの利用や客観的な評価が行われ、自分で意見表明をすることが難しい人にも必要なサービスが支給されたかどうかの評価が必要である。」を追加。

※理由 税金を使ったサービスである以上、支給されたサービスの質と量に関して、それが客観的に適正であったかどうかについて、客観的な評価を行うことが必要である。

 支援サービスの提供は、客観的な根拠に基づくアセスメントによるべきもので、必要なサービスを過不足なく必要とする人に届くようにする総合福祉法であってほしい。

【氏田委員】

 「ケアマネジメント」として、「支給決定プロセスを含む相談支援において、本人のニーズをアセスメントし、支援計画を作成して支援を実施していくケアマネジメントの方法が有効ではないか。特に、自己決定に支援の必要な人たちについては、資格をもった相談支援専門員のような人が必要ではないか?」を追加。

※理由 現状においては、ケアマネジメントの実施体制を全国に構築していくことが必要であり、また、地域においてライフステージを通して寄り添う専門家の確保と養成が必要とされているため。

【末光委員】

 「意志を表明することの困難な重度重複障害者や重症心身障害児・者での「自立」や「地域生活」の意味をどのように考えるか?」を追加。

※理由 意志表明が極めて困難な人々にとっての「自立」(自律)や「地域生活」の意味を検討する必要があると考えます。

【田中(正)委員】

 「財源と支援度と支給量について、基本について、どのように考えるか?」を追加。

※理由 単純に一律な基準で長時間対応の制度ばかりになると、支援密度の濃いサービスが低廉な報酬では成り立たなくなるため。

【野原委員】

 一元的総合的で調整機能をもった支援体制のあり方の検討(国・都道府県・政令市などに)

※理由 タテ割りの弊害に苦しんできた者たちの切望。

【平野委員】

 「行政処分に対する不服申し立て」を追加。

※理由 通常の行政処分に対する行政救済は行政不服審査法が適用されますが、自立支援法は独自の不服申し立て制度を導入しましたが、新しい法ではどうするのか検討が必要と思います。

(分野D サービス体系)

【小野委員】

 現行体系は抜本的に改める。

●介護、訓練等の体系は廃止する。

【君塚委員】

 心のケアの充実を内容として取り上げる。

【齋藤委員】

 D-1、2、及び4に、「そもそも障害者自立支援法のサービスのあり方がどうであったか。もう一度サービスのあり方を一から見直すべきと考える」を追加。

※理由 この論点の進め方では障害者自立支援法が前提となり、それについて逐次改正をすすめるかのような検討の仕方である。廃止するのであるから根本からサービスのあり方を考えるべきである。

<項目D-1 サービス体系のあり方について>

論点D-1-1)

【小澤委員】

 「障害者の生活構造やニードに基づいたサービス体系、」を、「障害者の生活ニーズや希望、意向に基づいたサービス体系」に変更。

※理由 希望、意向に基づいた、という表現をいけることによって、ニーズを幅広くすることができる。

【河﨑(建)委員】

 「障害特性を反映したサービス体系をどう考えるか。」を追加。

※理由 現行のサービス体系では精神障害者が利用しづらいことが多く見受けられる。

 障害特性を反映したサービス体系が必要である。

論点D-1-2)

【倉田委員】

 「現行の訓練等給付について、特に工賃への公的補填てんが無い状態をどう考えるか?労働分野での見直しとの関係で、就労移行支援、就労継続支援等のあり方をどう考えるか?また、自立訓練(機能訓練・生活訓練)のあり方についてどう考えるか?」に訂正。

※理由 福祉的就労、特に就労継続支援A型、B型の問題の一つには、工賃補填に対しては公的資金が充当できないことがあるので、このことを明確化する必要があるため。

 なお、賃金・工賃補てんに関係して、第10回推進会議において厚生労働省から「賃金は労使間で能力に応じて決まるものと考えるもので慎重に考えていく」旨発言があった。

 しかし、賃金は一般的に能力に応じてだけ決まるものではなく、障害者についてのみ能力に応じることを強調することには疑問がある。

 また、同じく、賃金・工賃補てんに関係して、第13回推進会議資料において厚生労働省から「・御指摘の新制度の内容が明らかではないが、一案して、減額特例制度を撤廃し、減額特例が適用されていた者の使用者に対し、以前の減額された最低賃金額と最低賃金額の差について賃金補てんを行うことが考えられる。

 ・この場合、「賃金補てん」が、使用者が負っている賃金支払債務を国が肩代わりし、その分使用者責任を減じることを意味するのであれば、使用者の責任の在り方の根本に関わる問題となり、最低賃金制度と矛盾が生じることとなる。」旨、見解が述べられている。

 しかし、では、現行の最低賃金減額特例は、「使用者責任を減じる」ことにはならないのか、「使用者の責任の在り方の根本」に関わる問題にならないのか疑問がある。

◎論点の追加(D-1-2)のあと)

【清水委員】

 「現行の生活介護についてどう考えるか?障害の重い人の地域活動展開をどう位置づけるか?」を追加。

※理由 大変障害の重い人の地域活動(日中活動)について、その展開理念、展開方策を明確にする必要があると思います。どんなに障害の重い人も役割を持つ人として、価値的存在として、地域で活動を進めていく主体として、その実体化をすすめていくことを検討することが必要だと思います。

【清水委員】

 「現行の療養介護についてどう考えるか。濃厚な医療支援を必要とする人の主体的生活をどう位置づけるか?」を追加。

※理由 大変障害の重い、日常的に濃厚な医療支援を必要とする人の地域生活展開をどう位置づけるかを考える必要があると思います。別枠でとらえることはどうなのでしょうか?

 これまでの重症心身障害児施設などが培ってきた支援の力を、より強化・拡大して主体支援を進めていくためには、どうすれば良いのか具体的論議検討が必要だと思います。

 論議の仕方全体に言えることと思いますが、とりわけサービス体系の論議の際には、今までのフレームにはまり込んでしまわないで、本人中心の新たな支援の構築に取り組んでいくことができるような論議の仕方をしていきたいです。これまで制度をこえて本人が作り出してきた運動経過、地域生活実態とも、しっかり向き合い、本人が創り出す、本人中心の論議をしていけるようにしたいと思います。

論点D-1-3)

【西滝委員】

 「地域生活支援事業の理念、意義と問題点についてどう考えるか?地域生活支援事業は、地域の実情に応じた柔軟な施策の展開と位置付けられているが、一方で「地域で生活する権利」を地域間格差なく全国一定の水準を確保する必要があることをどう考えるか?地域生活支援事業の仕組みになじむものと、なじまないものについてどう考えるか?」に訂正。

※理由 各地域での障害者の生活を支援する、という理念は必要であり、この理念が実現できる施策が必要。

 障害者が住む地域において、同年齢の障害のない人と同様な水準の生活を保障する義務が市町村にあり、市町村ができないときは都道府県、都道府県ができないときは国にある、という考え方等、国、都道府県、市町村が果たすべき役割についても論議が必要である。

論点D-1-4)

【中原委員】

 全削除。

※理由 3)に含まれる。

 個々の地域生活支援事業について記載するならば、知的障害者の社会参加に重要な移動支援を加える等、障害間のバランスを考慮する必要がある。

【中原委員】

 代わりに「サービス体系のシンプル化を求める意見があるがどう考えるか」を追加。

※理由 障害者自立支援法のサービス体系は利用する人にとって複雑で分かりづらいとの議論がある。

【奈良崎委員】

 現行のコミュニケーション支援事業について

 コミュニケーション 私たち知的障がい者にもわかりやすい言葉や書類を作ってください。

【西滝委員】

 以下のとおり全面訂正。

 「現行のコミュニケーション支援事業についてどう考えるか。」

 「手話通訳設置事業」の実施率を向上させる仕組みをどう考えるか?」

 「コミュニケーション支援事業とこれに係わる人材養成事業、及び盲ろう者通訳・介助員養成・派遣事業について、必須事業と任意事業との区分、都道府県と市町村の役割分担についてどう考えるか?」

 「推進会議・第一次意見書では、「手話や要約筆記、指点字等を含めた多様な言語の選択、コミュニケーションの手段の保障の重要性・必要性」が指摘された。これらを踏まえて、「手話が言語であること」「手話の学習が保障されること」「手話の使用が保障されること」をベースに聴覚障害者の手話使用が幅広い場面で保障される今後のあり方をどう考えるか?」

※理由

◯コミュニケーション支援事業で挙げられた5事業のうち1事業のみ実施でよいため市町村の取り組みが消極的。

◯必須事業なのに未実施市町村が多い。

◯各市町村が実施内容を決めるため、人材の養成方法、登録方法、派遣方法等に地域格差が生じている。

◯市町村が実施主体であるため、居住市町村以外に移動時の対応の保障がない。

◯コミュニケーション支援事業が必須事業であるが、人材養成事業はその他事業として任意事業であるため、実施市町村(都道府県)が少ないか、実施規模が小さい。

◯市町村事業費の国や都道府県からの補助金が統合補助金であり、市町村が自主的な取り組みに積極的にならないしくみになっている。

※「手話の言語としての公認」「聴覚障害者の情報保障」「聴覚障害者の福祉向上」「手話通訳者の雇用推進」「手話学習の保障」「手話ボランティアの養成」等の項目の体系的な整理が必要

【橋本委員】

 「神経疾患による意思伝達障害に対するコミュニケーション支援事業についてどう考えるか。」を追加。

※理由 文字盤の読み取りやスイッチを含む意思伝達装置の設置や調整なども、コミュニケーション支援事業として位置づけるべきである。

論点D-1-5)

【君塚委員】

 「日常生活用具ではレンタル制度の導入を検討する」を追加。

※他での検討?との摺り合わせの下に無駄を省ける可能性あり。

【倉田委員】

 「現行の補装具・日常生活用具についてどう考えるか?ストマ装具をはじめ、本来補装具に位置づけられるべき品目が日常生活用具に位置づけられている。今後のありかたについてどう考えるか?」に訂正。

※理由 日常生活用具は、本来日常生活上の便宜を図ることを目的とするものであるが、ストマ装具については、障害を補完し、生活上不可欠である。

【中原委員】

 全削除。

※理由3)に含まれる。

 個々の地域生活支援事業について記載するならば、知的障害者の社会参加に重要な移動支援を加える等、障害間のバランスを考慮する必要がある。

【中原委員】

 代わりに、「サービスに係る人的配置をどう考えるか」を追加。

※理由 利用者支援の適正な人員配置についての議論が必要。

【宮田委員】

 幼児期・児童期の補装具・日常生活用具の有効利用に向けた再利用や適合判定、価格の適正化。

※理由 幼児期・児童期は成長が早く、高額の補装具・日常生活用具が成長によって使用できなくなる場合が多い。保護者の負担軽減と資源・財源の有効利用のために再利用に向けた研究と補助制度の創設が必要である。

論点D-1-6)

【君塚委員】

 利用者負担について、福祉と医療とが負担を相手に押しつけ有っている傾向がある。

※そのため、利用者が振り回されている。

◎論点の追加

【荒井委員】

 7)として、「すでに定着している現行のサービス体系との整合をどのように図っていくか?」を追加。

※理由 利用者や施設等に混乱が生じないよう配慮する必要があるため。

【氏田委員】

 D-1の下位項目に、「家族支援」として、「障害児に対するサービスのあり方を子どもの育ちを支えるという観点からどのように考えるか。親と子を包括した家族支援という視点でのサービスの必要性と具体的展開をどのように考えるか。」を追加。

※理由 障害を持つ人の発達を支え、エンパワメントを実現していくという観点に基づけば、子どもの時期からの障害児支援サービスには極めて重要な役割がある。

 また子どもの時期からの支援を考える際には、必然的に親支援・家族支援を包括した親子支援が必要であり、総合福祉法がその観点を打ち出すことが求められる。

【岡部委員】

 D-1-7)として、「障害手帳を持たない者も含め、高次脳機能障害、発達障害、難病、軽度知的障害、難聴などを有する者が必要とする福祉サービスとはどのようなものであるか?」を追加。

※理由 総合福祉法はサービス法であり、法の対象規定(B-1-2)や手続き規定(B-2-1)と密接に関係しているため。

【近藤委員】

 D-1-7)を新設し、「施設入所支援の役割、機能、今後のあり方について、どう考えるか」とする。

※理由 施設入所支援の役割、機能は、地域生活移行だけでない。改めて、施設入所支援の役割、機能を整理するべきである。

【齋藤委員】

 「新事業体系への移行期限が2012年3月31日までとなっているが、新法制定を2012年の通常国会で予定しており、移行期限を延長すべきではないか。」を追加。

※理由 サービス体系がまた変更されると、すぐまた切換えが必要となり、関係すべてが混乱することとなるので。

【田中(正)委員】

 「障害児が障害児通園施設や療育型の日中一次支援事業を利用しても、一般の保育園、幼稚園を利用しても、同様の支援を受けることができるよう、保育園、幼稚園を利用した場合に、通園施設や療育型の日中一次支援事業を利用した場合と同額の補助が保育園、幼稚園で受けられ、それを原資として保育士や看護師等の加配を行うことができるようなサービス体系に改めることについて。」を追加。

※理由 インクルージョンを進めるためには、統合保育、統合教育の促進は不可欠であり、乳幼児期から障害児だけが特別な場に分けられることのないサービスの仕組みに改める必要があるため。

 また、人口が少ない地域においては、社会資源が少ないため、より一般の社会資源を障害児も利用できる仕組みが必要なため。

【野原委員】

 7)として「すべての自治体で実施されている福祉医療制度「重度心身障害者(児)医療費助成制度」を国の制度とすべきか。どのように位置づけるか。」を追加。

※理由 都道府県の福祉施策である医療費助成制度を国の制度としてほしいとの声がある。新法で位置づけて、対象を広げることも合わせて検討する必要があると思います。

【野原委員】

 8)として「難病・慢性疾患などの疾病を併存する障害者の福祉サービスのあり方について、どう考えるか?」を追加。

※理由 難病(難治性疾患)についての対策のあり方については、厚労省内に「難治性疾患対策検討チーム」が発足しました。この検討チームや厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会で今後、新しい対策についての検討がすすめられるが、互いに連携をとりながら、福祉サービスのあり方についても検討すべきと考えます。

【平野委員】

 D-1-6(A-4-1)とも連動しますが)として、「障害児福祉サービスの位置付けと実施主体のあり方について」を追加。

※理由 民主党の障がい者施策PTでは障害児福祉サービスを障がい者総合福祉法(仮)に位置付けるとしており、これは「障害児」を「若年の障害者」として障害者福祉政策に包摂することとなります。一方現在国会で論議されている自立支援法暫定改正案では児童福祉法改正に障害児福祉サービス再編が置付けられており、これは「障害のあるこども」として児童福祉政策に位置付けることを意図しています。障害児福祉をどうするのかという視点から、その位置付けと併せて、どこが実施主体となるべきかを明らかにする必要があると思います。

【三浦委員】

 「地域における施設入所支援の役割と機能をどのように考えるか?」を追加。

※理由 サービス体系を議論する上では、施設入所支援の役割や機能、あり方について検討する必要があると思われるため。

【光増委員】

 「支援費制度まであった障害者ディサービスを真っ先に廃止しなければならなかった理由はなにか」を追加。

※理由 障がい者デイサービスの機能を評価する事なく、廃止した背景はどうだったのか?

 現行の生活介護と施設入所支援+生活介護に分けられた2種類の生活介護は実態は違いすぎる。

 障害者デイサービスの機能を見直すべき。

【光増委員】

 「事業体系を0から見直すのか、現行の事業体系を見直すのか、方向性を考えるのか?」を追加。

※理由 現行の事業体系では、医療ケアーが常時必要な人、個別な支援が常時必要な人が使いづらくなっている。谷間にいる人たちを生じさせない事業体形が必要。

<項目D-2 生活実態に即した介助サービス等>

論点D-2-1)

【中西委員】

 「推進会議では、通勤や通学、就労、車での移動中、病院内、入院中、休暇中など生活のどの場面においても使えるシームレスなサービスの確保の必要性が指摘された。また、障害者権利条約では「パーソナル・アシスタンス・サービス」を含む支援サービスも提起されている。これらをふまえ、地域支援サービスのあり方についてどう考えるか?」に訂正。

※理由 シームレスなサービスを具体的に提示し改正点を明確にすべきである。またこれに加えて休暇中の介助というものも学校の夏休み中や職場の休暇中の介助を保障すべきだという意見がある。

論点D-2-2)

【伊澤委員】

 「対応時間についても、要支援状況に見合った支援のために、短時間支援((仮称)プチヘルプ)等も取り入れるべきではないか?」

※理由 在宅生活の安定永続を考えた場合に、声掛け等の見守り型支援(時短支援)は寛容と思われる。実践の報酬評価も合わせて検討する必要がある。

【中西委員】

 「現在のホームヘルプ、ガイドヘルプの仕組みは身体介護、家事援助、重度訪問、行動援護、移動支援など細分化され複雑な体系となっており、パーソナル・アシスタンス・サービスとして一本化していくことが必要ではないか?また、ガイドヘルプに関しての個別給付化は必要か?」に訂正。

※理由 複雑な介助サービスシステムを単純化し、同一サービスの月極時間単位の支給制度を作るため制度変更をすべきである。

【三浦委員】

 ホームヘルプの仕組みと、ガイドヘルプの仕組み及び個別給付化については、別項目立てとするべき。

※理由 ホームヘルプの類型と、ガイドヘルプが個別給付になじむかどうかについては、それぞれに議論した後で、整合化を図る方が合理的と考えるため。

論点D-2-3)

【伊澤委員】

 「重度訪問介護にはある「見守り」機能の適応拡大をはかる必要性があるのではないか?」

※理由 在宅生活の安定永続がテーマであり、対人支援の在り方は拡充の方向を明示すべき。表現としての「見守り」は単に見ているとの響きあり、表現の修正の要ありと考える。

【小澤委員】

 「障害特性ゆえに必要とされる、」を、「障害と環境との相互作用によって必要とされる、」に変更。

※理由 障害特性ゆえに生じる見守り、という表記では、医学モデル、そのものではないか。

論点D-2-4)

【大濱委員】

 ショートステイ問題は別項目に分けるべき。

※理由 医療的ケアのできるヘルパーが適切にいれば、当事者はショートステイは求めていない。医療ショートは本末転倒。分けて議論を。

【福井委員】

 (1行目)地域でのサポート体制の次に、重度障害児者の入院時の介護体制を加える。

※理由 そこが抜けていて家族の負担に任せられているため。

【三浦委員】

 「また、地域生活を継続しながら…」以降については、別項目立てとするべき。

※理由 医療的ケアとショートステイは分けて項目立てし、議論する必要があると考えるため。

【宮田委員】

 特別支援学校(養護学校)や在宅ケアにおける非医療職の「医療的ケア」を可能にするために、医師法における「絶対的医行為」の範囲を明確にし、その他の医療行為(相対的医行為)については研修を制度化して実施者の資質向上を図り、本人・保護者の同意の下では非医療職の相対的医行為の実施を可能にする。

※理由 在宅の重度障害のある子どもや人の生活が、親・家族の重い介護負担を前提に維持されており、保護者・家族の心身の疲労は日中に大きい。その結果、重症心身障害児施設などへの入所が増加している。ホームヘルパーや教員などの医療的ケアの実施が認められなければ、重度障害児・者の在宅生活や社会参加は困難である。

◎論点の追加

【朝比奈委員】

 D-2-5)として、「子育てなど家族としての役割を果たす場合に必要となる家事や手続き等の人的サポートの支援をどう考えるか?家族のなかで複数の人が介護や障害福祉のサービスを利用する場合に、相互の乗り入れや家族全体としてのケアマネジメントをどう考えるか?」を追加。

※理由 障害のある人たちが家族と一緒に生活していく場合に想定されるニーズについて、具体的な支援のあり方を検討する必要があります。とくに子育てをする障害のある人たちへの支援が不十分で、大変厳しい状況を強いられています。また、高齢化した親と障害のある本人の双方が介護や生活支援を必要としている場合など全体としての24時間の体制をどうつくるのか、連携のレベルを超えた一体的なサービスの提供が必要であり、また効果的であると考えます。

【荒井委員】

 5)として、「地域生活支援事業の移動支援のうち、マンツーマンで対応する部分は、居宅介護(ホームヘルプ)の1メニューとして個別給付とすべきか。」を追加。

※理由 支援費時代は、移動介護として居宅介護(ホームヘルプ)でのサービス提供であったが、地域生活支援事業の創設後、移動支援事業として業務が分離され、現場での混乱が生じているため。

【大濱委員】

 D-2-5)として「重度の場合、家族同居の場合は、ショートステイでなく、自立体験室に慣れたヘルパーと数泊する、ヘルパー制度を使った方法もあるが制度化は可能か?」を追加。

※理由 長時間介護利用者やALSなどの場合、は、家族同居の場合、ショートの介護職員では対応できないので、慣れたヘルパーとともに自立体験室に数泊する方法を使って家族の負担軽減しているが、正式な制度の運用でないので、一部自治体にとどまっている。

【小野委員】

●居宅、移動、コミュニケーション支援等は、パーソナルアシスタンスを基本に構築する。

【田中(正)委員】

 「医療機関入院中のホームヘルプサービスの利用について。」を追加。

※理由 自宅でホームヘルプサービスを受けている障害者が医療機関に入院すると、ホームヘルプサービスを受けることができなくなり、多くの障害者が実態としては家族等の付き添いを余儀なくされているため、入院中も自宅と同じ介助が供給される必要があるため。

<項目D-3 社会参加サービス>

論点D-3-1)

【大濱委員】

 「障害者の社会参加の点から就労・就学に際しての介護、通勤・通学・一時入院時・ヘルパー運転中(障害者の車を)の介護が大きな課題との指摘があるが、総合福祉法のサービスでどこまでカバーすると考えるか、その際、労働行政や教育行政・病院行政との役割分担や財源をどう考えるか?」に訂正。

※理由 毎日24時間の介護を利用している1人暮らしの障害者が短期入院した場合などに慣れている重度訪問介護のヘルパーの介護を病院で受けられないと、命にかかわる問題がある。一部の自治体のみで行われている。

 障害者の用意した車の運転は、道路運送法で規制されておらず、支援費制度以前には過疎地などでガイドヘルパーの業務の1つであったが、現在は、道路運送法の解釈の理解不足で運転は一律対象外となってしまっている。過疎地の重度全身性障害者が困っている。諸外国では障害者のホームヘルパーの業務の1つとなっている。

【西滝委員】

 「コミュニケーション保障」を追加し、「障害者の社会参加の点から就労・修学に際しての介護やコミュニケーション保障、通勤・通学の介護が大きな課題との指摘があるが、総合福祉法のサービスでどこまでカバーすると考えるのか、その際、労働行政や教育行政との役割分担や財源をどう考えるか?」と訂正する。

※理由 就労・修学時の必要に応じての手話通訳や要約筆記の利用を本人が望んでも従来から拒まれており、真の意味での就労・修学が保障されていない。

【宮田委員】

 学校等の公共施設のバリアフリー化の義務付け。

※理由 公共施設のバリアフリー化が進まず、障害者の社会参加に大きな支障となっている。とくに学校のバリアフリー化は遅々として進んでいない。その結果、障害児の地域の子ども集団への参加が困難となっているだけでなく、障害のある保護者の学校行事への参加を阻害している。

◎論点の追加(D-3-1)のあとへ)

【末光委員】

 「常時医療的ケアの必要な人の、学校、日中活動(通所)や地域への参加のための支援はどうあるべきか?」を追加。

※理由 常時医療的ケアが常時必要な人への、学校も含めた社会的な場への参加のための支援について、常時医療的ケアを必要としかつ意志表明も極めて困難である人への支援も含め、その在り方を検討することが必要と考えます。

論点D-3-2)

【荒井委員】

 「…確保していくための」の次に「法制化も含めた」を追加。

※理由 一般就労と福祉的就労の取組の限界から社会的事業所について、障害者基本法改正へつながる視点から、なお検討が必要。

【倉田委員】

 「現行の労働行政での取り組みには含まれていない、多様な社会参加の場(社会的事業所や社会活動センター等)を確保していくための仕組みはどう考えるか?」に訂正。

※理由 原案では、社会的事業所は今後も労働行政には含まれないものと誤解されてしまうので、「現行の労働行政での取り組みには含まれていない」と表現を変える必要があるため。

 なお、社会的事業所に関係して、第13回推進会議資料において厚生労働省から「・既に、就労継続支援A型サービスとして、雇用型の福祉的就労サービスを提供している。

・「社会的事業所」の具体的内容が不明であるが、少くとも雇用対策としては、障害者雇用納付金制度における経済的負担の調整などの現行の支援の枠組みを超えて何らかの支援を行うことは困難。」旨、見解が述べられている。

 しかし、「社会的事業所」の具体的内容が不明であるならば、まず実態把握をすべきであって、それ無くして「支援を行うことは困難」と結論ありきの見解を述べることには、疑問がある。

 そもそも「労働者でありサービス利用者」である就労継続支援A型と、あくまで労働者である社会的事業所とは全く異なるものであり、賃金補てんの有無も、両制度の決定的な相違点である。

 また、既存制度である就労継続支援A型における平均賃金だけでなく、最低賃金法減額特例適用の実態(各県ごとに、何割の減額がされているのか、最大値と最小値等)を明示いただき、A型が、就労による経済的な自立にどれほど寄与しているのかも、まず情報提供をいただきたい。

【齋藤委員】

 「社会参加の場」を「労働参加の場」へ変更。

※理由 社会的事業所は漠然として社会参加ではなく、明確な労働参加の一形態であるから。

論点D-3-3)

◎論点の追加

【荒井委員】

 4)として、「障害者の社会参加を促進する仕組みをどのように考えるか。」を追加。

※理由 社会参加の場の確保だけでなく、障害者が地域社会や企業とつながり、社会参加しやすいような仕組み作りが必要。

【小野委員】

●現行の地域活動支援センターは廃止し、重度障害のある人の活動支援センターを新たに創設する。

●就労支援制度・事業は、雇用促進法を就労支援法に改め、同法に位置付ける。その際、以下の制度設計をする。

  • 障害のある人の労働権保障
  • 継続的な公的賃金補填制度
  • 労働能力評価尺度
  • 就労支援に関する事業
  • 就労相談支援の強化・拡充
  • 事業者義務の強化

●学齢期児童の社会生活支援の事業を創設する。

【田中(正)委員】

 D-3-4)として、「社会参加とエンパワメントの視点において、芸術文化分野等の営みをとおして、当事者の存在が価値あるものとして認められるために必要な支援環境について、具体的な実施方法や、その際に必要となる拠点の確保について?」を追加。

※理由 創作余暇活動の領域を芸術文化に高める営みをとおして、障害がマイナスなものでなく、個の特性として存在価値のあるものと認められる環境設定が必要なため。

【中原委員】

 「就労支援のあり方についてどう考えるか」を追加。

※理由 就労支援について論じる部分がない。

【野原委員】

 項を起こして「医療的ケアが必要な長期疾患患者への社会参加サービスは、独自の体制が必要ではないか」を追加。

※理由 難治性・慢性疾患患者は、医療的ケアがあれば外出可能な場合がかなりある。

 一般的な社会参加体系では困難であると思われる。

【福井委員】

 D-3-4)として、「余暇支援、放課後対策など社会教育との連携で、医療・教育・福祉の枠を越えた施策を講じる必要があるがどう考えるか。

※理由 この点が現在不十分で、法的な施策の確立が求められているため。

【福井委員】

 D-3-8)として、「職員の人間らしい労働の条件をどう考えるか。」を追加。

※理由 この点をしっかり考えていかないと、グループホーム、ケアホームは十分に確立していかないので。

◎論点の挿入

【近藤委員】

 D-4として、新たに、就労支援サービスの項を起こし、以下の論点を盛り込む。

 1)労働行政と福祉行政との整合性についてどう考えるか

 2)就労移行支援の効果ある運営のあり方についてどう考えるか。障害者就労・生活支援センターとの連携やアフターフォローの具体策についてどう考えるか

 3)いわゆる福祉的就労(就労継続支援)の充実強化のあり方についてどう考えるか。労働者性を確保する際の賃金補填策や仕事の確保の具体策についてどう考えるか

 4)【たたき台】の3-2)を挿入

※理由 旧法授産施設や就労継続支援事業、就労移行支援事業等は事業所も利用者も多い。十分な論点整理が不可欠である。また、あり方論だけではなく、具体的な制度設計についての議論も必要である。

<項目D-4 地域での住まいの確保・居住サポートについて>

論点D-4-1)

【伊澤委員】

 「...、また病院・施設への回帰を防止する方策としての居住支援の拡充とはどのようなものか?」

※理由 地域移行促進ならびに入院入所回避策として、GH/CHの配備促進にとどまらない多様な支援支援メニューの開発が必要だと思う(例:トライアル入居・制度の移転・ナーシング対応)。現状では病院、施設への回帰例多し。また選べず、「でもしか利用」の実情が散見される。

【小澤委員】

 「住宅問題、」を、「住宅問題と住宅政策の問題、」に変更。

※理由 住宅政策にも大きな問題があるので。

論点D-4-2)

【宮田委員】

 公共住宅のユニバーサルデザイン化の義務付け

※理由 障害者だけでなく、高齢者にとっても住みやすい環境を保障するために、公共住宅の建設においては全ての部屋のバリアフリー化、ユニバーサルデザイン化を義務付ける法整備が必要。

【伊澤委員】

 「...、また単身生活者用公営住宅の増設配備の方向をもつべきではないか?」

※理由 国交省との協議を促進させ、現行ファミリータイプ物件の単身者用への構造変えも視野に入れた増設をはかる。

論点D-4-3)

【伊澤委員】

 「(家賃等...、保証人設定に対する支援策等)」※E-1-4)にもあるが重複強調

※理由 社会的入院者で保証人が確保できず、退院、地域移行が実現しない例は多数あり。保証会社OKの物件もあるが、保証会社の審査を受けるためには「緊急連絡先」を指定しないと手続き出来ない。この緊急連絡先の確保も大変という実情あり。

【大濱委員】

 「また、公営住宅が質量共に不足する現実がある中で、障害がある人のアパートなどの一般住宅の確保の為にどのような対応が必要か?(家賃等の軽減策や借り上げ型賃貸住宅、国による保証人サービスの拡充、緊急駆けつけサービス等)」に訂正。

※理由 障害者が入居できない大きな問題は、家賃の不払いなど。借り上げなどは不要。

 家賃未払い時の保証会社と同じ業務を生活福祉資金のような全国一律の方式で実施すれば解決する。現状の制度ではすべての大家さんが加入をしてくれないので効果がない。大家に対する無条件の補償をすべき。

◎論点の追加(D-4-3)の次に)

【大濱委員】

 「障害者の暮らす賃貸住宅への住宅改造と現状回復工事への助成制度は必要か?」を追加。

※理由 1人暮らしの障害者の死亡時・転居時などに原状回復の保障がないと、住宅改造の許可が大家から出ない。

【大濱委員】

 「これから建設される賃貸住宅へのバリアフリー義務化などの制度は必要か?」

※理由 北欧などでは行われている。1F物件の入口段差問題などは新築時に規制すれば、費用はかからない。早急に導入すべき。

論点D-4-4)

論点D-4-5)

論点D-4-6)

【荒井委員】

 「また、建物(設備)について、一定の安全対策を確保しつつ、障害者の地域移行を積極的に推進するための適切な防火基準等の設定について、どう考えるか。」を追加。

※理由 地域での生活の場として、障害者の安全確保を図りつつ、地域移行が積極的に推進されるような基準づくりが必要な状況である。

論点D-4-7)

◎論点の追加

【荒井委員】

 8)として、「居住の場としてのGH・CHと日中活動の場の関係を職住分離の観点からどのように評価するか。」を追加。

※理由 地方の現状では、公共交通機関の問題や既存社会資源の活用の観点から原則の貫徹が困難な状況がある。

【荒井委員】

 9)として、「グループホームにおける夜間支援体制の確保について、どのような仕組みが必要と考えるか。」を追加。

※理由 現在のグループホーム制度には夜間支援の報酬加算がなく、夜間支援体制が不十分な状況である。

【大久保委員】

 「グループホーム・ケアホームは自立支援法では居住の場とされるが、消防法では福祉施設、建築基準法では寄宿舎とされている。これらの法の取り扱いや規制緩和についてどう考えるか。」を追加。

※理由 消防法、建築基準法の適用により、新規開設が困難になっているため。

【大久保委員】

 「グループホーム・ケアホームの立地について、交通アクセスや防災、地域づくりの観点から、住宅地外での建設や同一敷地内の複数棟建設などについて制限を加える必要があるか?」を追加。

※理由 グループホーム・ケアホームの大規模化が進み、個別支援が難しい状況となっているため。

【大久保委員】

 「グループホーム・ケアホームの夜間支援について、宿直など必要な支援体制の確保と労基法上の規程の矛盾をどう考えるか。」を追加。

※夜間の支援体制構築上、労基法上の宿直の回数制限は、実際の人員確保についての厳しい現状に沿っていないため。

【岡部委員】

 D-4-8)として、「知的障害者がパーソナルアシスタントを活用して「支援付き自立生活」をすることについてどう考えるか?」を追加。

※理由 米国では、90年代に「サポーテッドリビング・サービス」の名称で制度化され、地域移行の最大の受け皿となっているため。(添付資料「知的障害者が自分の家で暮らすための支援」参照)

【小野委員】

●グループホーム、ケアホームは、グループホームに統一する。またパーソナルアシスタンス等との組み合わせも可能にする。

●レスパイトサービスは国制度として創設する。

【近藤委員】

 D-4-8)を新設し、「グループホーム、ケアホーム、福祉ホームの再編について、どう考えるか」とする。

※理由 福祉ホームとグループホーム等の役割、機能について整理する必要がある。

【近藤委員】

 D-4-9)を新設し、「グループホーム等の消防法、建築基準法における課題について、どう考えるか」とする。

※理由 消防法、建築基準法におけるグループホーム等の位置づけを整理しないと、地域のなかの住まいとしてグループホーム等を位置づけることがむずかしい現状にある。

【広田委員】

 「厚労省のみならず、国土交通省、地方自治体を巻き込んだ抜本的改革」

※理由 全ての国民、とりわけ社会的入院者、社会的入所者を含めた障害者にとって住環境が重要になっているにもかかわらず、現状はおそまつ。

 住宅の確保により、コンシューマー自らがショートスティやレスパイトケアの供給側になれる。

【広田委員】

 「不動産屋業界に対する啓発」

※理由 住居探しの入口で多くの障害者が大変な思いをしている。

【光増委員】

 「グループホーム、ケアホームの入居者の相談・支援体制はどう考えるのか?」を追加。

※理由 グループホーム、ケアホームは地域の中で加速度的に増えて行く事が予想される。それに伴い、相談・支援の体制が伴わない実態がある。

【光増委員】

 「共生型(児童から高齢者も含めた)などの居住形態のあり方も考えるのか?」を追加。

※理由 既存の居住形態だけではなく、新たな住まい方のあり方が必要である。

【森委員】

 「グループホーム・ケアホームにおける緊急災害時の支援対策等のあり方についてどう考えるか?」を追加。

※理由 人命にかかわる重要な課題であるにも関わらず、未だ適切な規定がなされていないため、論点事項に追加いただきたい。

<項目D-5 権利擁護支援サービス等>

論点D-5-1)

論点D-5-2)

論点D-5-3)

◎論点の追加

【荒井委員】

 4)として「成年後見制度の利用支援にあたっては、自治体の公的支援システムをどのように構築するか。」を追加。

※理由 自治体の公的支援システムの必要性が問われているため。

【氏田委員】

 D-5の下位項目に「権利擁護システム」として、「自己決定に支援の必要な人たちへの権利侵害に対する権利擁護を行うための法制度を含む支援システム、地域における支援体制の構築、支援者の確保、財源措置についてどのように考えるか。」を追加。

※理由 自己決定に支援の必要な人たちへの虐待をはじめとする権利侵害に対する権利擁護を行うためには、法制度を含む支援システム、それぞれの地域における支援体制の構築、資格をもった支援者の確保、十分な財源措置が不可欠である。

【大久保委員】

 「成年後見制度の適正な利用について、どのような推進策が可能か?また、成年後見制度と自己決定に基づくケアマネジメントの関係をどのように位置づけるか?また、公的申立の充実や後見人の育成などの課題をどのように解決していくか。」を追加。

※理由 成年後見制度は知的障害のある人の地域生活と自己決定支援に欠かせない仕組みであり、「人生の伴走者」として重要な存在のため。

【小澤委員】

 論点に、「オンブズパーソン、」を追加する。

※理由 体制や仕組みの問題だけでなく、権利を守る人材の問題も必要。

【藤岡委員】

 D-5-4?として、論点:「現行でいえば「成年後見制度」の後見人報酬への個別給付化等」を追加。

※理由 現行制度を前提とすれば検討されるべき。

 但し、現行の成年後見制度、とりわけ障害者にとっては現行の成年後見制度は一旦廃止をして、制度の目的と支援の中身など、高齢者とは別の視点からの別制度に変革するべきと考える。

 障害者の生存権保障施策として明確に位置づけるべき。

<項目D-6 その他>

【伊澤委員】

 「GH/CH運営における人員配置の適正についてどう考えるか?」

※理由 現場体制が薄く安定運営は難しい現状がある。人的体制のあり方をたとえば防火対策も包摂した配置水準として割り出す必要もあるのではないか。

【氏田委員】

 「予防的なサービスの位置づけ」として、「二次的な行動障害の悪化を予防できるような、適切な環境構成や、生きやすくなるためのスキル・トレーニングなどをサービス体系の中に位置づける必要がある。」を追加。

※理由 発達障害の場合、障害に気がつかない中で児童虐待など、不適切な対応を受けてしまうこともあり、必要な家族支援や、本人が生きやすくなるためのスキル・トレーニングなどを位置づけておくことが必要である。

【大濱委員】

 1)として「重度訪問介護や居宅介護の資格問題と事業所の自由競争によるサービス水準向上の方策についての基本的考え方についてどう考えるべきか?(障害者の選択がより出来るようにすることによる水準確保か資格高度化か等)」を追加。

※理由 老健局はヘルパー資格を高度化してヘルパーの質を上げようとしているが、重度全身性障害者の介護現場ではその方法では全く逆効果。競争を促進させて利用者がよりいい事業所を選ぶことができる体制をしっかり作ることによって、場合によっては当事者団体が事業所を作ることによって質を上げていくべきである。

【大濱委員】

 2)として「重度訪問介護のような見守り待機を含む訪問サービスの全障害への拡充についてどう考えるべきか?」を追加。

【大濱委員】

 3)として「過疎地での最重度障害者の使える水準のサービス事業所がほとんどない問題について、どのように解決すべきか」を追加。

【大濱委員】

 4)として「自立支援協議会が市町村のサービス抑制のツールになっている地域があるという指摘があるが、解決方法はあるか?」を追加。

【川﨑(洋)委員】

 1)として「家族・介護者支援について検討が必要。」を追加。

※理由 障害者の多くが家族と同居している。家族や介護者を支援することは重要なことである。

【川﨑(洋)委員】

 2)として「当事者グループ、家族会などセルフヘルプグループの支援の必要性をどう考えるか。」を追加。

※理由 セルフヘルプグループは障害者の施策提言や実態把握に大きな貢献をしている。その活動は支援されるべきである。

【坂本委員】

 「保証人の確保について」を追加。

※理由 親族支援が人的・経済的に困難な方が多く、自治体行政の最終的保証の必要性、費用負担の補助が必要となる。

【橋本委員】

 「地域での住まいの確保について、住民票を置いている市町村が、サービスの対象者が全国どこにいようと、介護給付を負担できないのか。」を追加。

※理由 短期の旅行は重要な社会参加であるので、認めてほしい。

 重度包括支援の対象者も、重度訪問介護を利用して、自分で選んだ設備の整ったケアホームで生活できるようにしたい。

【森委員】

 「平成24年3月までに新体系に移行できない場合の対応について、どのような対策が必要と考えるか。」を追加。

※理由 この課題については、以前より懸案事項として指摘されてきたことからも、論点事項に追加いただきたい。

【森委員】

 「成年後見制度利用支援事業のあり方についてどう考えるか?」を追加。

※理由 この課題については、以前より懸案事項として指摘されてきたことからも、論点事項に追加いただきたい。

(分野E 地域移行)

【齋藤委員】

 E-1及び2について、「入所施設や精神病院からの地域移行を考えるにあたっては、施設や病院を今後どうしていくべきと考えるか」を追加。

※理由 基本的なあり方をまず考えないことには様々な具体策についての論議にあたっての構図が描けない。

【竹端委員】

 ①「びょういんやしせつではなく、自分のへや・おうちを持てること。そこにひっこしすること(地域移行)」と②「どんなに重いしょうがいでも、親やきょうだい(家族)にたよらず、自分のへや・おうちで自分らしく暮らすために支えてもらうこと(地域生活支援)」、③「しせつやびょういんでくらす人の数をへらすこと(権利条約19条の履行)」の3つを一体的にすすめるためにはどうしたらよいか?

※理由 今の法りつ(自立支援法)では、「びょういんやしせつからちいきにひっこしすること」(地域移行)をたいせつに考えているといいます。でも、じっさい、その「ひっこし」はあまり進んでいません。

 ほんとうに①をすすめるためには、②「地域で暮らすために必要なサービスの数をかなりたくさんふやすこと」③「施設や病院に入っている人の数をへらすこと」をセットにしないと、すすまないとおもいます。

<項目E-1 地域移行の支援、並びにその法定化>

論点E-1-1)

【伊澤委員】

 「?また、現状では選択的事業の様相で、自治体の任意の取り組みともなっており、さらに支援のあり方もまちまちの地域移行の法定化...」

※理由 取り組みとして、自治体間での温度差、格差のはなはだしい本事業の法定化により標準化をはかるとともに全国的な取り組みを一層過熱させる必要があると思う。

論点E-1-2)

【伊澤委員】

 「は必要かという視点も含め、総じて地域移行支援事業への評価について考える必要があるのではないか?」

※理由 支援対象者への個別の退院、退所支援については病院退院者・施設退所者の積み上げによる数的な評価はできるが、一方で退院支援の場合、院内プログラム(OT等)を活用して病院へのアプローチをピアサポーター等の尽力により行っている例も増えており、その活動~いわば医療の体質改善活動(外からの風)~への評価はどのようにあるべきか。

【北野委員】

 入所施設利用者、精神科病院入院者の全国レベルでの実態調査が必要・不可欠である。

※理由 それが無ければ、各自治体の障害福祉計画にリアリティーのある地域移行・地域定着の数値目標を掲げることは不可能である。

【北野委員】

 基本的にすべての入所施設利用者、精神科病院入院者に地域生活を可能とする社会資源の情報提供と体験利用等を行い、また年に2回以上本人支援計画作成・更新を義務付け、地域移行支援の関係者と共に、地域生活への移行の可能性を探ること。

※理由 入所施設利用者、精神科病院入院者への地域移行に向けた情報提供や体験利用等が無ければ、地域移行・地域定着が進まないから。

 さらに本人、家族、相談支援事業者、市町村職員、施設・病院担当者等を含めた本人支援計画会議や地域移行支援計画会議の年2回以上の開催を義務付け、どのように地域移行を促したかをチェックするしくみが必要である。

【三浦委員】

 「入所施設や…からの地域移行に関して、具体的なプログラムや期限、数値目標など…」(※「プログラム」を追加するべき。)

※理由 次項3)の議論にも関わる事項であると思われるため。

論点E-1-3)

【中西委員】

 「地域移行を進めるために、自立体験室や自立体験プログラム、介助サービスの利用を費用面を含めどのように整備・展開していくべきか?」に訂正。

※理由 介助がなければ地域移行にむけた自立体験室などの利用ができないため。

論点E-1-4)

論点E-1-5)

論点E-1-6)

【川﨑(洋)委員】

 「入所施設や病院」に訂正。

※理由 精神科病院の役割を明記する必要がある。

◎論点の追加

【石橋委員】

 「地域移行、地域生活の定義及び地域移行の障害者の範囲をどうとらえるのか。」を追加。

※理由 地域生活は、独立やGHなどでの暮らしだけでなく、施設入所であっても地域住民と関わりながら生活している場合などは本人にとって地域生活になるのではないか?地域生活の定義の共有が必要。

【中西委員】

 「施設や病院が多く所在する市町村が積極的に地域移行を進めるため地域移行における居住地特例が必要ではないか?」を追加。

※理由 入所施設が所在する市町村では、入所者がその市町村内に地域移行する場合が多く、当該市町村の財政を圧迫し自立を市町村に阻害されているため。

【橋本委員】

 「常時、医療的ケアが必要な障害者の地域移行に関して、どのように考えるか。」

※理由 医療と福祉の連携ができていないため、呼吸器を装着した障害者の地域移行が滞っている。家族が病院への収容を希望しているとしても、本人の自己決定を優先すべきであり、障害者を一生を病院に閉じ込めてはならない。

【光増委員】

 「現在あるグループホーム、ケアホームの体験入居の制度を使いやすくして、地域生活の情報提供を考えるか?」を追加。

※理由 家庭から、施設から、精神科病院から等の地域生活移行を実施するときに現行の空き室を利用したグループホーム・ケアホームの体験入居が効果があるので、より使いやすくする必要がある。

【光増委員】

 「入所施設利用者には、必ず地域生活の情報提供をし、また個別支援計画作成時毎に地域生活への移行の意向確認をする事をどう考えるか」を追加。

※理由 入所施設利用者への意向確認を義務付けすべきでないか、また本人、家族も含めた意向確認を相談支援事業者、市町村職員も含めたケース会議の開催も義務付けする必要がある。

◎論点の追加

【河﨑(建)委員】

 7)として、「地域移行に当たり、受け入れる地域住民の理解を得るためにはどのような方法が必要か?」を追加。

※理由 地域住民の不理解による差別・偏見やトラブルをどう解消するのか?

【末光委員】

 E-1-6)のあとへ、「地域支援サービスと施設入所サービスの連携、地域のセーフティーネットとして施設機能の活用をどう考えるか?」を追加。

※理由 地域移行のために必要なセーフティーネットとして、施設入所支援と地域支援の連携をはかっていく必要があります。

【福井委員】

 E-1-7)として「入所施設での、日常生活、外出や日課の自由度など「個人の尊厳」は守られているか。どう解決していけばよいか。」を追加。

※理由 現状はどこでもこのことが大きな問題として立ちはだかっているように思われる。

<項目E-2 社会的入院等の解消>

【君塚委員】

 E-2-2)~4)について、緊急を要する待機は何とか対応されていることから、もつ必要はないことを確認して貰う。

※一生収容型であることから、空きが無く将来を懸念しているので、有期源を大幅に導入する。

【中原委員】

 全体修正。

※理由 社会的入院と入所型施設は分けて論じるべき。

論点E-2-1)

【荒井委員】

 1)の「…為に」の次に、「現在の入院・入所者について、ニーズ把握を含めた実態調査を実施するとともに、」を追加。

※理由 現に入院・入所している者の実態把握も必要。

論点E-2-2)

【伊澤委員】

 「「再入院・入所」(社会的入院・入所への回帰)」

※理由 社会的事由による入院・入所に戻ってしまうことの問題を強調した表現であるべき。

論点E-2-3)

【伊澤委員】

 「「再入院・入所」(社会的入院・入所への回帰)」

※理由 社会的事由による入院・入所に戻ってしまうことの問題を強調した表現であるべき。

論点E-2-4)

論点E-2-5)

【君塚委員】

 スエーデンは人口が東京都より少なく厚生大臣は全盲の方の時もあり

【中原委員】

 全削除。

※理由 スウェーデンの事例は、財政規模や社会構造等が日本の実情とかけはなれているため、日本の社会保障全体の議論・検討を先に行う必要がある。

◎論点の追加

【大久保委員】

 「精神医療の一般医療体系への編入の在り方についてについて」を追加。

※理由 論点構成の基本視点、根拠である「推進会議の第1次意見書」には、「精神医療の一般医療体系への編入の在り方について、総合福祉部会での今後の議論を踏まえ、推進会議において検討を進める。」と明記されているため、項目として新設すべきと考えるため。

【河﨑(建)委員】

 6)として、「精神病床からの地域移行を検討する際に精神保健福祉法や医療法との関係をどう考えるか。」を追加。

※理由 精神障害者には疾病と障害が併存していることが大きな特徴であり、福祉の観点のみで制度設計することは大きな問題である。医療との関係が必要不可欠であるため、現行の精神保健福祉法や医療法との関係についても検討が必要である。

【坂本委員】

 「既存の施設の受け入れ整備(受け入れ側の障害理解・環境)が必要ではないか」を追加。

※理由 社会的入院等の解消のためには、生活の場の受け皿が必要。障がいの特性をふまえ高齢精神障害者の住まいの確保と整備が必要。

【坂本委員】

 「社会的入院者の地域移行を推進する仕組みの整備(地域移行支援事業の推進・強化が今後も必要)」を追加。

※理由 病院と地域の相互理解のもとの地域移行を推進・定着できるような地域包括的な支援体制が不十分である。今後もさらに取り組むことが必要であり、行政機関の役割は大きい。

【坂本委員】

 「ホームヘルプサービス、訪問看護などのサービス量の確保」を追加。

※理由 数が全く足りない状況で、地域移行が困難な要因の一つである。

【坂本委員】

 「病院経営の定化も併せての検討が必要ではないか?地域の精神病院としての役割・機能の実態の把握が必要ではないか?」を追加。

【坂本委員】

 「病院と地域の連携が強化されなければ、地域生活を定着させることは困難である。全国の取り組みについての実態調査が必要でないか?」を追加。

※理由 現場で支援にあたっている看護師等の活動の実態を把握しそれを基盤にした仕組み作りが良い。

【竹端委員】

 いま、しせつやびょういんでくらす人(社会的入院・入所)や、しせつに入ることを待っている人・地域での暮らしをあきらめようとしている人(施設待機者)の思いやねがい(ニーズ)をちゃんと聞くために、どのような調査をしたらよいか?

※理由 新しい制度をつくるためには、なぜそれが必要なのかのしっかりとした理由が必要です。この理由とは、まわりの人の思いこみやきめつけではありません。その制度ができれば生活が変わる本人が、いまどう考え、何にこまっているかを聞いて、その声にもとづく制度やせいさく作りが必要です(根拠に基づく政策)。

 これまで国が、しせつやびょういんでくらす人や、しせつに入ることを待っている人・地域での暮らしをあきらめようとしている人の思いやねがいをちゃんと聞いたことはありませんでした。でもしょうがい者の声にもとづく制度やせいさくをつくるためには、この会にさんかする人の声だけでなく、これまで聞かれなかった人の声をちゃんと聞く必要があります。そのための調査が必要です。

【広田委員】

 「厚労省のみならず、国土交通省、地方自治体を巻き込んだ抜本的改革」

※理由 全ての国民、とりわけ社会的入院者、社会的入所者を含めた障害者にとって住環境が重要になっているにもかかわらず、現状はおそまつ。

 住宅の確保により、コンシューマー自らがショートスティやレスパイトケアの供給側になれる。

【広田委員】

 次の論点を追加。

 「社会的入院の解放」

 「精神科病床の削減」

 「精神科特例の廃止」

 「精神科医療費を他科なみにあげること」

※理由 新たな社会的入院者をださないためと、安心して利用できる精神医療にしないと障害を大きくされてしまい福祉サービスを使わなければならなくなるので。

<項目E-3 その他>

【大久保委員】

 「障害者の地域生活移行について、地域づくりや社会啓発の観点から、これをどのように評価するか。また、こうした点を、地域移行や就労支援・日中活動等の実際の制度に合わせ、どのように総合福祉法に組み込んでいくか?」を追加。

※理由 障害者の地域生活は、社会啓発、住民の共生・共助意識の構築の観点からも評価されるべきと考えるため。

【川﨑(洋)委員】

 「高齢障害者の地域移行をどう考えるか?」を追加。

※理由 特に精神科病院に入院中の高齢者の地域移行には、特別な支援システムが必要ではないか。

【近藤委員】

 「地域移行をすすめるための、地域コミュニティにおける福祉的基盤の醸成について、どう考えるか」

※理由 地域コミュニティにおいて、福祉的基盤が醸成されていることが、地域移行には欠かせない。

【坂本委員】

 「家族の負担の軽減をどう図るか」を追加。

※理由 財政的に脆弱な自治体の場合、本人と家族の世帯分離は困難で本人・家族ともに利用資源に制限がある。合わせて、地域移行に対しての家族の受け入れが困難であることに対して安心感の提供につながるような方策が法定化できないものか。

【中西委員】

 「施設待機者、入所者への調査とモデル事業の実施を検討するべきではないか?」

※理由 地域移行を進める上で、どうして施設入所を余儀なくされているのか、何があれば地域での生活が可能なのか、その人数はどのくらいいるのか等のデータを今後の総合福祉法の政策立案において必要とするため。

【光増委員】

 「社会的入院のデーターには、知的障害、発達障害も含めることをどう考えるか?」を追加。

※理由 全国の精神科病院に、知的障害者、発達障害者が多く入院している実態がある。

 彼らは社会的入院の数字には入っていない。実態を把握して、地域生活移行のプログラムを実施する必要性がある。

【宮田委員】

 NICUや小児科病棟長期入院児の地域(在宅)移行への支援策の創設

※理由 重度障害児のNICU長期入院が社会問題化し、その解決策が重症児施設への移床を前提に考えられる傾向がある。しかし、どんな障害があっても子どもは親に育てられるべきであり、NICUから家庭への安心できる移行と家庭生活への支援は医療と福祉の責務である。医療機関と通園施設、重症児施設、福祉・保健機関、教育機関、在宅サービス事業者(訪問看護、在宅介護等)による連携体制の構築を可能とする診療報酬や障害児施設機能の改変が必要である。

【宮田委員】

 保育所や学童保育等の児童一般施策における障害児の利用制限の撤廃・禁止

※理由 たとえば、障害があるために学童保育(放課後児童クラブ)等に受け入れられない等の状況があり、保護者の就労にも影響を与えている。障害を理由に一般施策の利用が制限されることのないよう総合福祉法に明記されるべきである。またそのためにも、障害児施策は児童福祉法に一元化されるべきである。

【宮田委員】

 障害児施設の一元化と都道府県単位の重層的発達支援体制の促進

※理由 障害児施設とくに通園施設の設置には大きな地域格差がある。加えて、障害種別(知的障害、肢体不自由、難聴)に分けられているため、障害児が生まれ育つ身近な地域で育児支援や発達支援を受けにくい状況がある。早急に、障害児施設の一元化を図るとともに、入所施設-通所施設-児童デイ-保育所の協働体制を基盤とした都道府県圏域の重層的な支援体制を構築する必要がある。

【宮田委員】

 障害児施策の実施主体

※理由 現在、障害児施策の実施主体は都道府県であるが、今後市町村に移行することが考えられる。都道府県の関与・調整によって、市町村移行によって地域格差が拡大しない方策が必要である。

【宮田委員】

 訪問型支援の促進

※理由 障害児の一般保育所入所や地域の学校への入学等を促進したり家庭での育児を支援するために、障害児施設からの職員の訪問・派遣を制度化して、施設に入所したり通所したりしなくても地域で暮らしながら適切な支援が受けられる制度が必要である。

【山本委員】

 「心神喪失者等医療観察法の廃止」を追加。

※理由 膨大な国費を使い、日々新たな社会的入院を法的に作り出している実態がある。

(分野F 地域生活の資源整備)

◎論点の追加

【石橋委員】

 相談支援における福祉事務所の役割について

※理由 「総合福祉法」での役割、位置づけの明確化により、一層有効活用ができるのではないかと考える。

<項目F-1 地域生活資源整備のための措置>

【小野委員】

 障害者基本計画と福祉計画の一元化を図るとともに、実施計画としての位置付けを強化する。

論点F-1-1)

論点F-1-2)

論点F-1-3)

論点F-1-4)

<項目F-2 自立支援協議会>

【大濱委員】

 自立支援協議会が市町村のサービス抑制のツールになっている地域があるという指摘があるが、解決方法はあるか?

【小野委員】

 自立支援協議会は廃止し、障害者差別禁止法を制定し、地域における「障害者権利委員会」の設立を可能にする。

◎論点の追加

【小澤委員】

 論点に、自立支援協議会の機能と役割、を追加

※理由 自立支援協議会の機能と役割に関する認識がずれていると議論はかみあわない。

【齋藤委員】

 自立支援協議会は現在どういう役割を果たしており、その存在意義は何か。

※理由 法定化を考える前に自立支援協議会は何故生まれたのか、そして有効な機関であるのかどうかを検証する必要があるから。

【山本委員】

 「自立支援協議会と相談支援事業との関係をどう考えるか。また地域のサービス提供者と利用者の権利侵害防止との関係をどう考えるか。地域における総力を上げた監視管理体制にならないための歯止めが必要。」を追加。

※理由 相談支援事業のあり方を問い、あくまで本人の権利主張を支える自己決定支援と相談支援を位置づけるか否かは論点であるが、自立支援協会は現状では相談支援事業の困難例に関するスーパーバイズをその責務のひとつとしている。

 自立支援協議会に仮にサービス提供側が多く参加しているとすれば、精神障害者にとっては恐るべき地域総体をあげた監視管理機関となりかねない。

 独立した権利主張を支援する体制抜きに自立支援協議会を論ずることは不可能。

論点F-2-1)

論点F-2-2)

【君塚委員】

 行政担当の最高責任者を委員とする

※協議会のテーマを社会資源とした回を作り、会に参加する。

論点F-2-3)

【福井委員】

 「法律に組み込めるか?」を「組み込むにはどうすればよいか?」に修正。

※理由 世論の構成にとって大切な項目と思うので。

<項目F-3 長時間介助の保障>

【野原委員】

 項目名を「長時間介護と看護の保障」に訂正。

※理由 介護行為と医療行為の間で、人工呼吸器装着者などは、痰吸引などの24時間重介護が家族に掛かってきている現状がある。

◎論点の追加

【氏田委員】

 「満たされていないニーズ」という記載に「自覚されないニーズ」を追加

※理由 「満たされていないニーズ」は本人にニーズの自覚があるということであるが、自閉症などの発達障害の場合は、福祉サービスの対象者であっても、知らなかったり、申し出の手段を持たなかったりすると取り残されてしまう危険がある。

【大濱委員】

 一部の市町村に長時間介護の必要な1人暮らしの障害者が集まって市町村の財政負担が過剰になる問題について、どうのように市町村間で財政負担を調整するか。

※理由 1日8時間以下のヘルパー制度の財政負担の問題

【大濱委員】

 1日8時間以上の訪問サービスへの市町村負担25%部分の軽減はどのように制度化すればよいか?(たとえば同一県内の市町村間での負担調整や、国の補助増加)

※理由 1日8時間以上の問題

【橋本委員】

 家族同居の障害者の場合、家族が人間としての基本的な生活(睡眠や就労など)を送れるよう、どの程度の支援を行えばよいか。どのような仕組が必要か。

※理由 家族同居であっても、24時間介護が必要な者には、家族をあてにせず、家族の基本的人権を損なわないよう十分に介護費用を給付をすべきである。

論点F-3-1)

論点F-3-2)

【中原委員】

 「24時間介護サービス等、長時間介護が必要な人に必要量が供給されるために、市町村や圏域単位での支援体制はどのように構築されるべきか?」を「必要な人にサービスが必要量が供給されるために、市町村や圏域単位での支援体制はどのように構築されるべきか?」に修正。

※理由 全体に対する意見とC-2-3で述べた理由と同じ

 (全体に対する意見で述べたように、24時間支援を前提とする各論の論点整理は、部会全体としての意思確認を行う必要がある。)

<項目F-4 義務的経費化と国庫負担基準>

【小野委員】

 義務的経費の「的」は除き、国庫負担金として継続する。その際、居宅の上限となっている国庫負担基準額は撤廃する。

【君塚委員】

 公立と民立との格差の解消

※理由 同じ地域の方が利用していても、結果的に処遇レベルに差ができる。

◎論点の追加

【氏田委員】

 特別な支援と配慮が必要な人への保障を追加。

 障害特性を踏まえた支援を供給するための支援ニーズの客観的な把握・アセスメントとそれに基づく効果についてのエビデンスのある個別支援の提供を行う専門性の在り方についてとその確保をどのように行うべきか?

※理由 発達障害や高次脳機能障害など認知に課題がある人の支援については、客観的なアセスメントによって障害特性を把握し、それらを根拠に適切な環境が整備されることが求められるためにその専門性の確保が課題となるため。

【田中(正)委員】

 特別な支援と配慮が必要な人への保障を追加。

 障害特性を踏まえた支援を供給するための見立てとそれに基づく個別支援計画の作成を行う専門性の在り方について、人材育成とその確保についてどのように行うべきか?

※理由 発達障害や高次脳機能障害など認知に課題がある方の支援については、適正に障害特性を把握することで適切な環境が整備されることが求められるためにその専門性の確保が課題となるため。

 日常に必要な専門性が医療モデルとはき違えられて、排除されないようにするため。

論点F-4-1)

【大濱委員】

 「1)障害者自立支援法では「在宅サービスも含めて義務的経費化」するとされたが、国庫負担基準の範囲内にとどまっている。そのため、国庫負担基準が事実上のサービスの上限になっている自治体が多いと指摘する声がある。このことに関する評価と問題解決についてどう考えるか?」を

 「1)障害者自立支援法では「在宅サービスも含めて義務的経費化」するとされたが、国庫負担基準の範囲内にとどまっている。そのため、国庫負担基準が事実上のサービスの上限になっている自治体が多いと指摘する声がある(たとえば、1人暮らしの場合は非定型でも国庫負担基準の2倍を上限とするなどの市町村もある)。このことに関する評価と問題解決についてどう考えるか?」

 に修正。

※理由 国庫負担基準そのものが定型の上限になっている市町村もあるが、その問題とは別に、国庫負担基準に1.5倍や2倍をかけたものを非定型の上限にしているという問題もある。

<項目F-5 国と地方の役割>

【小澤委員】

 タイトルを、国と都道府県、市町村の役割、に変更

※理由 地方という表現はあいまい。障害者自立支援法施行後、都道府県の役割はみえにくい。

◎論点の追加

【小澤委員】

 論点に、都道府県の役割、市町村の役割、を追加。

※理由 過疎地の市町村では、市町村単位の対応ではむずかしい。広域的な対応が求められるので、都道府県の役割がもっと発揮されるべきである。

【平野委員】

 障害福祉計画の今後のあり方

※理由 現在自立支援法により都道府県・市町村に障害福祉計画の策定が義務付けられていますが、国の指針に縛られた中央集権的なものとなっています。計画そのものは必要と思いますが、そのあり方をどうするのか、地域主権にふさわしいあり方をどうするのか検討が必要と思います。

論点F-5-1)

論点F-5-2)

◎論点の追加

【近藤委員】

 義務付け、格付けの見直しによる地域格差、ナショナルミニマムの後退への懸念について、どう考えるか。

※理由 現行、地域生活支援事業における地域格差の増大が、義務付け、格付けの見直しによって、障害福祉サービス全体に広がる恐れがある。

<項目F-6 その他>

◎論点の追加

【荒井委員】

 以下の3項目を追加

 1) 給付費や地域生活支援事業費補助金の所要額について後年度負担も含め、推計する必要があるのではないか?

 2) 介護保険、生活保護、年金制度等への影響を含めた財政負担を考慮し推計する必要があるのではないか?

 3) 上記財源を安定的に確保するための方策と目途をどのようにたてていくべきか?

※理由 将来にわたる財政負担を考慮した制度設計とする必要があるため。(財源確保策の伴わない議論は、空論に過ぎない。)

【倉田委員】

 学校の長期休暇時等における障害児の日中活動の場を保障するための社会資源の確保についてどう考えるか?

※理由 学校の長期休暇時においては、日中一時支援等の福祉サービスへのニーズが集中しており、昨今、保護者の就業率の高まりとともにその傾向はますます強まっている。これらのニーズに対し、福祉サービスだけでは対応しきれないため、既存の社会資源である支援学校が主体となった取り組みなど、考えられる有効な方策の実現に向けた検討が必要である。

【広田委員】

 地域福祉社会の構築

※理由 誰もが障害者になり高齢者になることを考えれば、日頃から地域住民としての相互支援が大震災等の時にも役立つ。

【広田委員】

 学校教育の中でボランティア教育を

※理由 やさしい気持ち、他者への配慮、人の痛みがわかり、ボランティア精神を持てるようにする。

【広田委員】

 うつ、アルコール依存症、認知症などの予防

※理由 何ごとも起きてからのことより、予防によってその人らしく生きられることが大事。

【森委員】

 地域間格差が大きな課題として指摘されているなかで、地域生活支援事業経費の義務化についてどう考えるか?

※理由 事業の財政責任を明確にすることが求められることからも、論点事項に追加いただきたい。

(分野G 利用者負担)

【小野委員】

 応益負担の完全撤廃

<項目G-1 応益負担の問題点と現状の評価>

◎論点の追加

【大久保委員】

 応能負担に基づく利用者負担制度の設計について

 応能負担導入による負担率の設定について、どのような基本的仕組みをとるか。

※理由 利用者負担の仕組みについて、基礎的な議論が必要であると考えるため。

【齋藤委員】

 応益負担への転換がいわれているが、どのような応益負担制度にすべきか。

※理由 どういう制度にすべきかきちんと論議しなければ応益負担廃止にかわる制度設計ができない。

論点G-1-1)

論点G-1-2)

論点G-1-3)

論点G-1-4)

◎論点の追加

【光増委員】

 「施設利用者の補足給付の現状をどう考えるか」を追加。

※理由 低所得者は補足給付をそのままにして利用者負担を0円にした。手元に残る金額の格差が生じてきた。早急に改善する必要がある。

<項目G-2 負担の範囲>

◎論点の追加

【福井委員】

 「扶養義務」の撤廃についてどう考えるか。

※理由 利用者負担の根幹をなすものなので。

論点G-2-1)

論点G-2-2)

【川﨑委員】

 障害者本人(同居家族に依存しない)を追加。(同居家族等)を削除。

※理由 家族に負担を強いている現状は見直されるべきと考える。

<項目G-3 その他>

◎論点の追加

【近藤委員】

 職業リハビリテーションである就労支援事業における利用者負担を、どう考えるか。

※理由 職業リハビリテーションについては、ILOにおいて、無料とされていることをふまえ、検討すべきである。

【坂本委員】

 手続きの方法

※理由 複雑

【森委員】

 応能負担を適用した場合の利用料の算定基準の策定についてどう考えるか?

※理由 応能負担になった場合の利用料の算定についての検討がまだなされていないことからも論点事項に追加いただきたい。

(分野H 報酬や人材確保等)

<項目H-1 支払方式>

論点H-1-1)

<項目H-2 人材確保・育成>

【小澤委員】

 タイトルを、人材確保・育成、研修、に変更。

※理由 現行の、相談支援研修、サービス管理責任者研修の見直しを含んだ研修体制の拡充が必要。

【君塚委員】

 モンスター利用者への対策

論点H-2-1)

【中原委員】

 削除。

※理由 サービス体系のシンプル化はD-1で。資格要件をシンプルにすることは、身体介護や家事援助等に携わる援助者については介護の視点としてあり得るが、特に知的障害者に対する支援を提供する場合、資格要件をシンプルにすることで適切な専門的支援が提供できなくなる恐れがあるとともに、サービスの専門性の低下にもつながる。

【三浦委員】

 『「自立支援法」以降』という書き出し(認識)について再確認するべき。

※理由 人材確保の困難さは、少子化と景気を背景とし、「自立支援法」以前の、「基礎構造改革」、介護保険制度・支援費制度開始の頃からの傾向と、サービス現場では認識しているため。

論点H-2-2)

【中原委員】

 「介護職員や相談支援者の迅速かつ有効な人材確保・育成の課題は何か?」を

 「支援職員や相談支援者の迅速かつ有効な人材確保・育成の課題は何か?」に修正。

※理由 「介護」は主にフィジカル的介護を想起させるので「支援」に言い換えるべき。

論点H-2-3)

◎論点の追加

【中西委員】

 「当事者性をもった地域生活支援の専門職の育成をどのようにすすめるか?」を追加。

※理由 エンパワメントを中心とした当事者サイドにたった専門職(精神保健福祉士、社会福祉士、介護福祉士、相談支援専門員等)を育成していくことが必要であるため。

<項目H-3 その他>

◎論点の追加

【荒井委員】

1) 報酬のあり方について加算中心ではなく基本報酬に組み込むような報酬基準・単価とすべきではないか。

2) 自立支援協議会・相談支援事業所を含めた相談支援体制構築のための財源の確保や専門職の人材養成についてどう考えるか。

※理由 1) 事業所の安定的な運営を担保するため。2)自立支援協議会を始めとする相談支援体制に係る財源が不十分で現行では十分に機能していない。また、相談支援従事者の専門性にも課題がある。

【中原委員】

 事務量の増大による事務の簡素化をどのように考えるか。

※理由 事務の簡素化は必要である。その際、会計のあり方については十分な協議を必要とする。

(分野I その他)

<項目I-1 介護保険との問題>

【大濱委員】

 介護保険を選ばない場合に、市町村の介護保険会計から障害福祉会計に、要介護度に応じた限度額相当を移す仕組みは必要か?

※理由 介護保険を選択しない場合、その本人は保険料を支払っているのその相当額を受け取る資格がある。

【小野委員】

 2012年の定時改正においても、統合すべきではない。

※理由 基本合意の合意内容に照らして統合すべきではない。現行の介護保険制度にさまざまな問題があり、その批判的総括が先決課題である。財源調達のみを目的とした統合はすべきではない。

◎論点の追加

【大久保委員】

 高齢障害者、特に高齢の知的障害者が介護保険サービスを利用する場合、総合福祉法との併用や組み合わせによる支援体制構築のあり方について、どう考えるべきか。

※理由 高齢の知的障害者が高齢福祉サービスを利用する場合、介護保険の認定が低く必要なサービスが利用できない現実があり、双方の制度について接続性を考慮した制度設計が必要と考えるため。

【中西委員】

 「介護保険との統合を前提とした身体介護と家事援助の分離、単価差や介護福祉士を基本とする資格制度への一元化、介護保険をベースとした支給決定プロセス(介護認定調査と障害者程度区分)、サービス体系(身体介護と家事援助の分化、各サービス利用方法)などの矛盾点について、介護保険とは連動しない障害福祉サービス独自のしくみをどのように構築していくか?」を追加。

※理由 介護保険統合を前提としたために障害者福祉制度にとってふさわしくない制度設計上の不合理な点が生じており、それを是正するため。

【野原委員】(I-1とI-2の間に)

 「2 現行の特別対策」の前に、「2 医療保険制度との問題」を追加。

※理由 介護保険制度とあわせて、医療保険制度との関係をどのように整理するのかが、とくに負担問題では問われてきます。自立支援医療においては、医療保険制度における高額療養費制度との関係や、月ごとのレセプト請求との関係なども整理する必要があります。

 また、2012年に予定されている診療報酬制度と介護報酬制度の連携の検討も視野に入れて、新法におけるしくみを検討する必要があります。

論点I-1-1)

論点I-1-2)

【中西委員】

 「現行「自立支援法」第7条では「介護保険優先」の原則がうたわれている。介護保険対象となった際に、「自立支援法」のサービスが利用できなくなったり、サービスの量・種類が削られたりする事例が生じている。こうした事態を避けるためには、選択可能な制度構築を必要とすべきだという意見があるかいかがか?」に訂正。

※理由 利用者の利便を考えた制度設計すべきであり、従来の保険優先の考えにとらわれない制度設計とすべきである。

<項目I-2 現行の特別対策>

【君塚委員】

 福祉への交付金を個別とする。

◎論点の追加

【竹端委員】

 今の法から、新しい法に変わるあいだに、しょうがい者やその家ぞく、しえんする人たちがこまらないようにするにはどうしたらよいか?(法の移行期間の特別対策の検討について)

※理由 ことしは2010年です。新しい法は、2013年の8月にはじまることに決まっています。でも、今の法では、いろいろな中身について、2012年3月(平成23年度末)までのことしか決まっていません。

 すると、2012年4月から2013年8月までのあいだ、どうするのか、が大きな問だいになります。ふあんに思う人もおおいと思います。

 なので、新しい法の中身を考えるだけでなく、今の法から新しい法に変わるまでのあいだに、みんながこまらないようにするにはどうしたらよいか、を考えておいた方がいいと思います。

論点I-2-1)

論点I-2-2)

<項目I-3 その他>

◎論点の追加

【荒井委員】

 心身障害者扶養保険制度の安定的な運用が必要だが、どう考えるか。

※理由 心身障害者扶養保険制度は、障害者の生活安定のための制度として運用されているが、今後、掛け金や公費負担の増加が予想され、安定的な制度運用が課題であり、論点として加えるべきである。

【石橋委員】

 就労について

※理由 福祉的就労の位置づけなど、就労に関する事項をもう少し話し合う必要があると考える。就労移行支援、就労継続支援にも関連してくる。しかし、所得保障とも関連してくるため範囲が難しいだろうか?

【大久保委員】

 制度の実現可能性を高める方策について

※理由 掲げられた議論項目は重要であり、それだけに議論内容が確実に制度へ反映される必要がある。そのために、理想は理想として共有しつつも、どこかで現実的に「制度の実現可能性」を高める工夫が必要である。

【柏女委員】

 I-3として、項目:「障害児福祉サービスのあり方について」を設け、 I-3-1)として以下の論点を追加。

 「1) 障害児福祉サービスの見直しについて、障がい者総合福祉法(仮称)論議の場のみならず、別途、分科会などの場を設定するなどして総合福祉部会で論議していくことが必要ではないか。その際、部会本体の議論と分科会における障害児に固有の議論とを十分に調整し、整合性を担保しつつ進めていくことが必要とされるのではないか。」

※理由 障害児福祉分野については児童福祉法を中心として規定していくとしても、今後の障害児福祉サービスのあり方を論議する場が必要とされる。また、その際には、以下の視点が必要とされる。

①障がい者総合福祉法(仮称)論議において、成人と児童に普遍的に検討が必要とされる部分については、総合福祉部会本体において検討を進める。実際、多くの論点が、児童、成人に共通の論点となる。

②児童に固有の論点も指摘できについては、別途、分科会などを設置して検討を進めるなどの方法を検討する。その場合には、児童一般施策との融合をめざすため、児童一般サービスの有識者や当事者などの参加も求めることを検討する必要がある。事務局として、内閣府子ども・子育て新システム検討会議事務局や雇用均等・児童家庭局にも加わってほしい。

【柏女委員】

 I-3-2)として、以下の論点を追加。

 「2) 子ども・子育て新システムの検討と障がい者総合福祉法(仮称)、障害児福祉のあり方検討の整合性を確保することが必要ではないか。」

※理由 内閣府の障がい者制度改革推進会議と子ども・子育て新システム検討会議が連携なく進められている現状を改善し、障害児施策については、両検討会議の連携が必要とされる。そのためには、それぞれの事務局に、たとえば障害児施策担当者を置いて調整を図る、などの工夫が必要とされる。

【柏女委員】

 I-3-3)として、以下の論点を追加。

「3 )障害児に固有の論点として一例を挙げれば、以下の点などが考えられる。(順不同)」

①市町村(在宅サービス)と都道府県(入所支援サービス)に分断されている支給決定主体のあり方をどのように考えるべきか。

※理由 できる限り支給決定の一元化を図る必要がある。

②児童一般施策については、財政面において、国、都道府県、市町村、事業主、労使、等の重層的拠出による基金(仮称)制度の創設が論議されているが、障害児施策の財源についてはどのように考えていくべきか。また、障害児施策も含めた子ども・子育て財源の一元化についてどのように考えるべきか。

※理由 現行の障害児サービスの財源はほとんど税であるが、今後、児童一般サービスが基金(仮称)事業として進められていくこととなれば、児童一般サービスと障害児支援サービスとが分断されてしまう事態が生ずることが懸念される。

③児童一般施策による子育て支援サービスを障害児の保護者が気軽に利用できるようにするとともに、障害児の保護者に固有のサービスをも利用できるようにすべきではないか。

※理由 子ども・子育てビジョンでは一時預かり事業の大幅拡充や拠点事業の拡充等がめざされているが、これを障害児の保護者のレスバイトや子育ての仲間づくりサービスとしても活用できるようにすることが必要とされる。その他の子育て支援サービスについても同様である。

④被虐待児童などのための社会的養護サービスと同様のサービスが、障害児入所施設においても導入されるべきではないか。

※理由 たとえば、小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)や地域小規模児童養護施設などの障害児版が検討されるべきであるし、そもそも、児童一般施策を障害児が利用できるようにすべきであるという観点に立てば、社会的養護サービスと障害児入所支援サービスとの統合化も視野に入れることが必要とされる。

⑤出産直後の障害告知とその後の支援など、周産期の家族支援のあり方について検討すべきではないか。

※理由 熊本市の慈恵病院が設置しているこうのとりのゆりかごには、障害児が複数預け入れられている。その原因として、障害告知後の親の支援が不十分であることが考えられる。

⑥被措置児童等虐待防止システムが有効に機能する工夫をすべきではないか。

※理由 声を出しにくい児童に代わって機能する防止策を考慮する必要があるのではないか。

⑦家庭裁判所の承認による施設入所(期間の更新を含む。)をしている児童が、成人になって措置解除された場合の親からの虐待防止策が必要ではないか(特に親からの性的虐待等の場合。)

※理由 家庭裁判所の承認による施設入所の場合、面会通信の制限や付きまといの禁止措置などが取れるが、施設を解除され、成人の福祉サービスを利用する場合の親からの保護策が十分に機能するか懸念がある。

⑧就学前サービスから教育サービス、教育サービスから就労支援サービスへの接続のための仕組みが必要ではないか。

※理由 接続期の支援に課題があり、個別支援計画、ケアマネジメントの充実やサポートファイルやパーソナルアシスタンスなどの検討が必要とされる。

⑨子ども本人のニーズにも配慮しつつ、障害児の保護者の育児と就労・社会参加の両立支援ニーズに応えるための検討をすべきではないか。

※理由 児童デイサービス利用や障害児通園施設通所の場合、保護者の付き添いが必要とされたり時間が短かったりするため、育児と就労の両立が困難な状況がある。

⑩障害児のきょうだい支援を含めた家族支援のあり方について、検討すべきではないか。

※理由 家族全体のウエルビーイングを保証する必要がある。

⑪社会資源の少ない地域や人口減少地域におけるサービスの不足を補う方策を検討すべきではないか。

※理由 たとえば、小規模多機能サービスなどが考えられなければならない。

⑫保育所制度改革について、保育所に対する支払い方式は月額単価方式が検討されているが、障害児については、その特性にかんがみ、同様の方式とすることなど検討する必要があるのではないか。

※理由 子ども・子育て新システム検討会議においては、保育所利用のあり方について介護保険を模した方式が検討されているが、その場合、運営費の支給と保育料の徴収については、事務量の増加や子どもの特性を踏まえ、月額単価方式が検討されている。

⑬保育士資格のあり方を検討すべきではないか。

※理由 政府の保育士養成課程等検討会においては保育士養成カリキュラムの改正を提言するとともに、4年制保育士や国家試験の導入、キャリアアップ資格や研修体系の導入等について今後の検討課題とされ、待遇向上も大きな課題となっている。就学前保育に偏った養成課程を見直し、障害児支援に関する力量を備えた保育士の養成と待遇の向上が必要とされる。

【近藤委員】

 福祉・介護人材の処遇改善事業を新設。

 福祉・介護人材の処遇改善事業について、平成24年度以降も実質的な給与等の水準を守れるよう、報酬に盛り込むことをどう考えるか。

※理由 福祉・介護人材の処遇改善事業について、23年度で終了すると、職員の給与等の水準が下がることになる。

【近藤委員】

 総合福祉法全体の予算の増額を図るべく、財源をどう考えるか。

※理由 総合福祉法における障害福祉サービス全体の底上げには、財源確保が不可欠である。

【坂本委員】

 生活圏を拠点とした仕組みを構築するのに地域包括支援センターの機能の拡充と整備をどう図っていくのか。

【平野委員】

 新法体制への円滑な移行の支援

※理由 新法体制への移行に当たっては、利用する障害者や施設・事業者に混乱や不利益が生じないように措置を講ずる必要があります。特に施設・事業者はサービス基盤であり、これが撤退されれば障害者の不利益ともなるためしっかりした検討が必要と思われます。

【平野委員】

 新法体制へ向けてのサービス基盤の拡充

※理由 新法が成立してもそれを具体化するサービス基盤が脆弱であれば新法も絵餅となります。新法の実効ある施行のための基盤整備の検討が必要と思われます。

【福井委員】

 必要十分な支援が行えるような福祉予算の大幅な引き上げが、急に求められていると考えるがどうか。

※理由 すべてにかかわることなので、どこかに明記を。

【藤岡委員】

 I-3として、項目:「モニタリング機関の設置」を追加。

※理由 個別救済だけでなく、施策実施に関する全般的な監視機関が必要。

 自立支援協議会とは性質が異なる。

【藤岡委員】

 I-4として、C-3-3から項目:「不服審査制度」を移すべき。

※理由 支給決定のところのC-3-3)にあるが、救済手段は制度全般の根幹に関わる重要項目であり、「分野」にしてもおかしくない。支給決定の中だけの枠でないと思う。

【藤岡委員】

 I-5として、項目:「障害者の権利の重要性の司法での研修義務条項」を追加。

※理由 人権擁護の番人である司法関係者の理解の遅れが障害者の人権を損なっている面がある。

 様々な分野で障害者の人権の意義が理解されなければならないことは当然であるが、なかでもわが国の司法の世界での理解の遅れは障害者の人権確立のバリアになっている。

 弁護士会、裁判官、検察官への障害者の人権研修等の実施義務条項。障害者基本法の問題かもしれませんが。

【藤岡委員】

 I-6として、項目:「障害者団体訴訟の創設」を追加。

※理由 拙稿「障害者の介護保障請求権をめぐる画期的判決」(賃金と社会保障1439号)13頁で提唱した団体訴訟制度の検討。

 違憲訴訟なんてしなくて済むように当事者参加の良い制度が構築できれば不要でしょうか?

 また個別障害者訴訟支援制度が整備されれば不要か?