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総合福祉部会 第9回
H22.11.19 参考資料1-1
氏田委員提出資料

2010年10月28日

障がい者制度改革推進会議 委員各位、
同会議 総合福祉部会 委員各位

「自閉症児者の求める合理的配慮と障害者制度改革の方向性」の発行にあたり

神奈川県自閉症協会 会長
神奈川県自閉症児・者親の会連合会 代表
内田 照雄

 私たち神奈川県自閉症協会・神奈川県自閉症児・者親の会連合会は、神奈川県域に住む自閉症及びその周辺領域の障害のある子供たちの親が集い、11地区、会員総数427家で子供たちとその家族の幸福を願って様々な活動を行っています。

 現在急ピッチで進められている、障がい者制度改革推進会議、並びに総合福祉部会において行われている制度改革の検討は、今後の障害福祉の方向を定め、新たに作り出していくものと考え、私達自閉症児者の親も大きな期待を持って注目しております。その基盤となる障害者権利条約には様々な新しい考え方が入っていますが、新たに作られる法制度において、それらを制度の狭間に置かれているアスペルガ―症候群も含む自閉症圏の人たちにとっても、有効なものとなる様にしていかなければならないと考えます。

 そこで、私たちはまず権利条約にある合理的配慮の考え方に着目し、解りにくい障害である自閉症児者が求める合理的配慮を明確にし、社会の方々に自閉症と自閉症児者の立場を理解頂こうと合理的配慮研究会を立ち上げました。

 しかし、合理的配慮の検討を進めつつ、障がい者制度改革推進会議の内容を見ている中で自閉症・発達障害者を代弁する委員も少なく、議論も少ないと感じました。推進会議の基本理念の一つに ”Nothing about us without us”(私たち抜きに私たちのことを決めるな)がありますが、残念ながら自閉症の人に参加機会が与えられていません。また、参加のためには大きな配慮が必要となります。そこで、自閉症児者の意見を、本人に代わって親の会である当会が代弁し伝えていかなければならないと強く感じました。

 そのような理由により、障がい者制度改革推進会議に対する当会の意見を、
①自閉症の理解を具体的に得る為の「自閉症児者の求める合理的配慮」
②基本的な方向(第一次意見)を踏まえての「自閉症児者の求める制度改革の方向」
にまとめ、提示させて頂きます。ぜひ検討に含めて頂くようお願い致します。

 尚、当初の目的である、「社会に理解を求めていく為の自閉症児者の求める合理的配慮の研究」については、障がい者制度改革推進会議が「第一次意見」を発表された事もあり、私たちも取り急ぎ、今回の提出意見に入れたものを第一版(コンセプト研究)報告としました。今後、当会会員の各々が求める様々な想定シーンにおける合理的配慮の集約を行い、専門家の方々とも意見交換、議論、検討の上、更に具体的な合理的配慮の内容をまとめ、お伝えしていきたいと考えております。

 今後共、皆様のご理解とご協力を宜しくお願い申し上げます。

- 以上 -