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障がい者制度改革推進会議

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シンポジウム 「もっと知ろう、デイジー教科書を!」
日時:2013年02月03日(10:30~16:00)
場所:戸山サンライズ 大研修室
 

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障がい者制度改革推進会議
第12回(H22.5.24)
資料

障害者制度改革の推進のための基本的な方向(第一次意見)(素案)

目次

Ⅰ はじめに

1.我が国の障害者施策の経緯

1)戦前

2)戦後直後

3)1960年代

4)1970年代

5)1980年代から1990年代前半

6)1990年代後半から現在まで

7)総括

2.国際動向と障害者権利条約

1)世界人権宣言と条約化に向けた努力

2)障害に関連した国際連合の動き

3)障害に関連した諸外国の動き

4)障害者権利条約

3.障害者制度改革

1)障害者制度改革に向けた動き

2)障害者制度改革に関する審議の経過

Ⅱ 障害者制度改革の基本的考え方

1.「権利の主体」たる社会の一員

2.「自己選択・自己決定」の尊重

3.「差別」のない社会づくり

4.「社会モデル」的観点からの新たな位置付け

5.「共生社会」の実現

Ⅲ 障害者制度改革の基本的方向と今後の進め方

1.全体的な当面の進め方

1)平成22年内の進め方

2)平成23年以降の進め方

2.基礎的な課題における改革の方向性

1)インクルーシブな社会の構築

2)障害の捉え方

3)障害の定義

4)差別の定義

5)障害の表記

3.横断的課題における改革の基本的方向と今後の進め方

1)障害者基本法の抜本的改正

2)障害を理由とする差別の禁止

3)障害者総合福祉法

4.個別分野における改革の基本的方向と今後の進め方

1)労働及び雇用

2)教育

3)所得保障

4)医療

5)障害児支援

6)虐待防止

7)建物利用・交通アクセス

8)情報アクセス・コミュニケーション保障

9)政治参加

10)司法手続

11)国際協力

5.改革集中期間における推進体制に係る基本的方向

障害者制度改革の推進のための基本的な方向(第一次意見)素案

Ⅰ はじめに

「Nothing about us.Without us!(我々抜きに我々のことを決めるな) 」は、「障害者の権利に関する条約(仮称)」策定の過程において、障害者団体の統一スローガンとして使用された。これは、障害者が保護の対象とされ、自己の人生でさえ自らが選択し自らが決定することが許されなかった障害者共通の経験を背景として、保護的支配からの脱却と権利主体としての存在をアピールするものであった。

しかし、このようなアピールを一般社会が受け入れるまでには、長い歴史の時間を要した。我が国においても、古くはかの有名なキリスト教信者であった内村鑑三でさえ、彼が「白痴院」と称した知的障害児の施設の目的を述べるくだりにおいて、知的障害者を「人類中の廃棄物」または「社会の妨害物」として表現し、本人の保護とともに、知的障害者がもたらす諸問題から一般社会を防衛する必要性を説いている。障害が本来あってはならない存在であることを社会に訴え、社会からの隔離に根拠を与える主張であったが、アメリカでの経験に基づく進歩的知識人が描いたこのような障害者像は、障害者に向けられる日本社会のまなざしにも強い影響を与えた。

文部省が1961年に出版した「わが国の特殊教育」においても「普通の学級の中に、強度の弱視や難聴や、さらに精神薄弱や肢体不自由の児童・生徒が交じり合って編入されているとしたら、・・・学級内で大多数を占める心身に異常のない児童・生徒の教育そのものが、大きな障害を受けずにはいられません。」と当時の考え方が率直に記されている。

戦後、障害に関連する施策が進展してきたことも事実ではあるが、依然として、日本の障害者は、多くが貧困層に属し、社会の一般システムとは異なる特殊な社会で一生を過ごす人も多く存在する。1918年呉秀三は精神障害者のおかれた状態を「此病ヲ受ケクルノ不幸ノ外ニ、此邦ニ生レタルノ不幸ヲ重ヌルモノト云フベシ」と述べているが、その状態は時代の進歩を経た現在においても基本的には変っていない。

このような一般社会の認識をどう変えるか、障害者を障害者たらしめる大きな原因が社会の有り様であるいう考え方へとどう転換していけるか、その変革が重要である。

今、世界の障害者は、「障害者の権利に関する条約(仮称)」の策定過程への参画を通して、自らの存在と障害種別をこえた連帯による主体的力量を示した。「障害者の権利に関する条約(仮称)」は障害関連の政策決定過程に障害者自身の参画を求めているが、これは障害者の主体的な参画と政府をはじめとする一般社会との協同こそが、社会をその意識とともに大きく変える原動力となると考えたからに他ならない。

平成21年9月に誕生した鳩山政権は、この権利条約の趣旨に即して、障害者の制度改革の新たな枠組みとして、「障がい者制度改革推進本部」の下に「障がい者制度改革推進会議」を設置し、障害者とその関係者を中心とした改革のためのエンジン部隊を用意した。

われわれは、かつてないこのような推進会議の一員として制度改革の重責を自覚するとともに、本年1月より関連する制度全般にわたって議論を重ねてきた。

ここに提示する第一次意見書は、我々の総意として我が国の障害者制度の課題について、改革の基本的方向をまとめたものである。

1.我が国の障害者施策の経緯

1)戦前

我が国の国家による本格的な障害者施策は戦後から始まった。戦前においては一般的な窮民対策としての「恤救規則」(1874)や「救護法」(1929)の中で障害者が救貧の対象とされ、あるいは、個別の障害者施策による保護も存在はしたが、障害者に対する保護はもっぱら民間の篤志家、宗教家、社会事業者の手に委ねられていたと言っても過言ではない。

2)戦後直後

ところが、敗戦を機に我が国は、GHQ の矢継ぎ早の指示の下で社会福祉に対する施策を打ち出すと共に、日本国憲法に福祉主義が位置付けられた。

その結果、生活保護法(1946)、児童福祉法(1947)、身体障害者福祉法(1949)のいわゆる福祉三法が、さらに、福祉事業を民間が行う受け皿として社会福祉事業法(1951)が制定された。

これにより、福祉サービスは、①行政の措置権の発動により提供され、②その事務は、国の責任を前提として国から委任を受けた地方公共団体の長により国の機関として処理され、③その費用は応能負担とするという戦後長く続いた社会福祉の基礎構造が形成され、また、本来国家がなすべき福祉事業を民間の社会福祉法人に措置委託という形式で行わせるための基盤が整えられた。

3)1960年代

1960年代に入ると高度経済成長を背景に、国民年金法に基づく無拠出制の福祉年金の支給が開始され(1960)、また、一般就労への促進を図る身体障害者雇用促進法(1960)が制定された。

しかし、その反面、援護施設を中心にした精神薄弱者福祉法(1960)が制定され、身体障害も含めて障害種別ごとの施策が展開されるとともに、以後入所施設の増加を見るなど、終生保護に対して起きたノーマライゼーションの思想や脱施設化へ向かう世界的動向とは相反する施策がとられた。

精神障害についても精神衛生法(1950)がライシャワー事件を契機に改正(1965)され、以後精神病床も世界に類をみないほどに増加の一途を辿ることになった。

4)1970年代

1970年代にはいると、60年代に展開された諸施策について施策の基本を示す心身障害者対策基本法(1970)が制定された。しかし、その目的は発生の予防や施設収容等の保護に力点を置くものであり、しかも、精神障害者は除外されたままであった。

また、以前より大きな社会問題となっていたスモン薬害病についての研究体制整備が契機となって1972年には、①原因不明、治療方法未確立であり、かつ後遺症を残す恐れの少なくない疾患、②経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず、介護等に著しく人手を要するため家族の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾患に関して、難病対策要綱が示され、調査研究の推進、医療施設の整備、医療費の自己負担解消を三本柱とする対策が始まった。

ところで、高度経済成長に支えられた60年代の障害者施策の展開は、オイルショック(1973)の影響を受けることになるが、これに抗して、身体障害者雇用促進法は大改正され(1976)、それまで努力義務でしかなかった法定雇用率制度が義務化されるとともに納付金制度が導入された。

さらに、この時期、盲・ろう学校についてはすでに1948年から学年進行の形で義務制が実施されていたが、養護学校については、1973年に義務制の実施を予告する政令が公布され、1979年には実施に移された。これにより、これまで就学猶予・免除という扱いとされてきた障害児の全員就学体制が整えられることにはなったが、その反面、世界的には同時期に開始されていた統合教育、さらにはその後のインクルーシブ教育とは異なる原則分離の教育形態が障害児教育の基盤となった。

5)1980年代から1990年代前半

1980年代に入って日本の障害者施策に影響を与えたのは「完全参加と平等」をテーマとした国際障害者年(1981)、障害者に関する世界行動計画(1982)及び国連・障害者の10年(1983~1992)であった。この時期、ノーマライゼーションの理念が普及し、施設入所中心の施策に地域福祉の施策を加味する形で関連法や施策が変更されるに至った。

とくに、国民年金法の改正(1985)による基礎年金制度の創設に合わせて障害年金の充実が図られ、身体障害者雇用促進法が知的障害者も対象とする障害者雇用促進法(1987)に改正されるなど所得保障に関して重要な変更がもたらされた。

また、いわゆる福祉八法改正(1990)においては、身体障害者福祉法や知的障害者福祉法に在宅福祉サービスが法定化されるとともに、地方分権化が図られ、従来の機関委任事務が団体事務に改められた。心身障害者対策基本法も障害者基本法(1993)に改正され、定義の上では三障害の統一が図られるとともに、精神保健法がこの基本法改正の流れを受け、目的に自立と社会参加促進を取り入れた精神保健及び精神障害者の福祉に関する法律(1995)に改正された。加えて、難病に関しては正面から障害者としての位置づけのないままであったが、難病患者等居宅生活支援事業(1997)の開始により、地域における難病患者等の自立と社会参加の促進が図られるようになった。

さらに、地域生活の基盤整備にも法的整備が図られた。従来地方自治体で進められていた町づくり条例の普及を踏まえ、高齢者や身体障害者等が円滑に利用できる建築物の建築の促進を図ることを目的として、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(ハートビル法、1994)が制定された。

このように、この時期は地域福祉に向けた一定の施策が進んだ重要な時期であったと言える。

6)1990年代後半から現在まで

1990年代後半からは、地域生活の基盤整備の流れを受けて、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律(交通バリアフリー法、2000)、補助犬を使う身体障害者の自立と社会参加を促進する身体障害者補助犬法(2002)が制定され、さらにはハートビル法と交通バリアフリー法を統合化した「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(2006)が制定されるなど、建物の利用や交通移動の面での施策に前進があった。

また、国際協力の分野では、「国連障害者の十年(1983-1992)」を継ぐものとして、我が国は、中国等との共同提案によるアジア太平洋社会開発委員会(ESCAP)総会での「アジア太平洋障害者の十年(1993-2002)」の提案(1992)、その期間の10年間の延長(2003-2012。所謂第2次アジア太平洋障害者の十年)の主唱(2002)、滋賀県大津市におけるハイレベル政府間会合の開催(2002)、同会合における第2次アジア太平洋障害者の十年の地域行動計画である「アジア太平洋障害者のための、インクルーシブで、バリアフリーかつ権利に基づく社会に向けた行動のためのびわこミレニアム・フレームワーク」(BMF)の採択(2002)等、積極的な貢献をなす姿勢を示した。

しかしながら、いわゆるバブル経済がはじけた後に待ち受けていたものは、いわゆる社会福祉の基礎構造の改革の論議であった。国の財政問題を背景として議論が重ねられ、①措置から契約への変更による利用者本位のサービス、②営利団体を含めた多様な経営主体の導入、③市場原理を生かした質の向上、④透明性の確保と公平かつ公正な負担、などが強調された。

その結果、2003年には従来の措置制度から契約制度への転換を目的に支援費制度が施行されたが、財政破綻を理由に2005年に障害者自立支援法が制定され2006年から施行された。

しかし、同法については、審議の段階から障害程度区分、サービスメニュー、利用者負担、介護保険との統合などを巡って多くの問題点が指摘され、全国的な反対運動が起こる中で、応益負担を違憲とする全国的な訴訟や支給決定の取り消しなどを求める訴訟が提起されるなど、我が国の社会福祉の歴史上類を見ない事態となった。

以上に加え、この時期には障害者に対する施策の上で重大な枠組みの変更がいくつかなされた。

まず、2003年には心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(医療観察法)が成立し、2005年に施行されたが、これについても反対運動が続いている。

また、従来、必ずしも知的障害の定義に入らない自閉症、アスペルガー症候群、その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害などの発達障害を有する者に対する援助などを定めた発達障害者支援法(2004)が成立したが、障害者としての位置づけと支援は不十分な状態であった。

さらに、2006年には学校教育法が改正され、従前の盲・聾・養護学校が特別支援学校に一本化されるなど、特別支援教育の推進が謳われるようになった。

7)総括

このように、戦後、我が国の障害者に関連する法制度が順次整備されてきたところである。もとより、これは日本国憲法が保障する社会権を基盤とするものであった。しかしながら、自由権を基盤として権利を保障する法律は皆無に近い。

我が国は、2001年国連の経済的、社会的及び文化的権利に関する委員会から「締約国が法令における差別的な規定を廃止し、障害者に関連するあらゆる種類の差別を禁止する法律を制定することを勧告」された。そのことが契機となって2004年障害者基本法に差別禁止条項が設けられたが、理念規定に過ぎず、実効性のあるものとはなっていない。

かような我が国の障害に関連する法制度を憲法の保障する自由権・社会権という枠組みから観察すると、障害者の人権は偏頗で不均等な形で発展してきたと評価することが可能である。

このような不均等発展が何をもたらしてきたのか。それは、自由権的基盤を有しない社会サービスの無権利性であり、自由権そのものを侵害しかねない一般社会からの排除ないし隔離的傾向である。

後に述べる障害者の権利条約(仮称)(以下「障害者権利条約」という。)に署名した我が国は、条約の視点から保護法もしくは施策法から権利法に向けたパラダイムの転換が求められているといえる。

2.国際動向と障害者権利条約

1)世界人権宣言と条約化に向けた努力

国際連合は、人権が保障されることが平和の礎として極めて重要であることを確認して、戦後いち早く世界人権宣言(1948)を発し、以後、人種差別撤廃条約(1965)、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(1966)、市民的及び政治的権利に関する国際規約(1966)、女子差別撤廃条約(1979)、拷問等禁止条約(1984)、児童の権利条約( 1989)などの条約を採択し、各国に批准を求めた。

2)障害に関連した国際連合の動き

これらの人権条約の中で最初に障害に基づく差別を禁止したのは児童の権利条約であったが、国際連合は1970年代から障害問題に注意を向け、精神遅滞者の権利宣言(1971)、障害者の権利宣言(1975)を出し、さらに、障害者の「完全参加と平等」の実現を目指して1981年を「国際障害者年」とし、1982 年には「障害者に関する世界行動計画」を採択し、1983年には1992年までを「国連障害者の十年」と宣言して各国に行動計画の実施を求めた。

「国連障害者の十年」の中間年(1987)には専門家会議が開かれ、法的拘束力のある障害者差別撤廃条約の必要性を訴えた。これを受けてなされたイタリア(1987)およびスウェーデン(1989)の条約化に向けた提案は、いずれも国連総会で否決されたが、これらの動きは障害者の機会均等化に関する基準規則(1993)に結実した。

3)障害に関連した諸外国の動き

アメリカでは、1973年に連邦ないし連邦から補助を受けている団体による差別を禁止するリハビリテーション法504条が追加され、1975年には統合教育を保障する全障害児教育法が制定されるなど、障害者に関連する様々な権利法の制定を経て、1990年には合理的配慮を明文として掲げた法律であるADA が制定された。このADA は、その後、オーストラリアやイギリスを始め、多くの国の差別禁止法の制定に貢献することになった。

これらの各国の動向は、1999年の障害者に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する米州条約の採択、さらには2000年の雇用及び職業における均等待遇のための一般的枠組を確立するEC2000年78号閣僚理事会指令などにも結実し、このような世界的な動向が障害者の権利条約策定の背景となった。

4)障害者権利条約

障害者権利条約は、2001年メキシコのフォックス大統領の提案を機に以後2002年から2006年まで1回の作業部会と8回にわたる委員会とが開催され、2006年12月第61回国連総会で採択され、2008年5月には発効した。

「障害者権利条約(Convention on the Rights of Persons with Disabilities)」は、前文、本文50 箇条及び末文から成る。なお、この条約と同時に採択された、個人通報制度等に関する「障害者権利条約選択議定書(Optional Protocol to the Convention on the Rights of Persons with Disabilities)」は、前文、本文18箇条及び末文から成る。

この条約の特徴は、Nothing about us, Without us!のスローガンに象徴されるように、その制定過程に障害当事者を始めとする障害関連団体が参画し、そのもとで、非差別・平等を基調とし自由権と社会権を包括する条約を誕生させたことである。

この条約の目指すところは、障害者が被っている実質的な権利享有上の格差を埋め、保護の客体でしかなかった障害者を権利の主体へとその地位の転換を図り、インクルーシブな共生社会を創造することである。

障害者権利条約は、前文に引き続き9箇条の総則規定を設けているが、この中で条約の原則として、以下の内容が盛り込まれている。

  • 固有の尊厳、個人の自律(自ら選択する自由を含む。)及び人の自立に対する尊重
  • 非差別
  • 社会への完全かつ効果的な参加及びインクルージョン
  • 差異の尊重、並びに人間の多様性の一環及び人類の一員としての障害のある人の受容
  • 機会の平等
  • アクセシビリティ
  • 男女の平等
  • 障害のある子どもの発達しつつある能力の尊重、及び障害のある子どもがそのアイデンティティを保持する権利の尊重

その上で、21箇条の各則規定を設け、個別の人権を幅広く規定している。さらに、条約実施を担保する国内的、国際的モニタリング、国際協力等についての規定を設け、最後に、条約の効力発生等の規定が設けられている。

我が国は、2007年9月条約に署名したが締結には至っておらず、後述するように、現在、同条約の締結に必要な国内法の整備を始めとする我が国の障害者に係る制度の集中的な改革に取り組んでいるところである。

3.障害者制度改革

1)障害者制度改革に向けた動き

障害者権利条約の策定に深く関わった日本障害フォーラム(JDF)は、策定段階から各省庁との意見交換などを通して、この条約の批准に際して必要とされる国内法制全般にわたる改革を申し入れてきた。

障害者権利条約の締結に関して必要とされる措置につき、具体的な検討を明らかにしたものとして、厚生労働省障害者雇用対策課のもとで2008年4月から始まった「労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会」による差別禁止を含めた条約対応への在り方に関する議論、及び障害者施策推進本部の下に置かれた障害者施策推進課長会議において、2008年12月、障害者基本法に「合理的配慮の否定」が差別に含まれることを明記するとともに、中央障害者施策推進協議会について監視等の所掌事務を追加するとの結論を出したことが挙げられる。

また、文部科学省においても2008年8月より「特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議」の中で、合理的配慮やインクルーシブ教育についても議論された。

このような状況の中で、2009年3月、日本障害フォーラムは拙速な条約の批准に反対の意を表明し、条約の実施を担保するに足る法制度の変革を求めた。一方当時の野党であった民主党が2009年4月に提出した「障がい者制度改革推進法案」は衆議院の解散により廃案となった。

その後、同年9月に成立した鳩山政権の下で、12月「障がい者制度改革推進本部」が閣議決定により発足した。

2)障害者制度改革に関する審議の経過

2009年12月、障害者の権利に関する条約の締結に必要な国内法の整備を始めとする我が国の障害者に係る制度の集中的な改革を行い、関係行政機関相互間の緊密な連携を確保しつつ、障害者施策の総合的かつ効果的な推進を図るため、内閣に「障がい者制度改革推進本部」が設置された。

さらに、同本部の下に、障害者施策の推進に関する事項について意見を求めるため、障害者、障害者の福祉に関する事業に従事する者及び学識経験者等からなる「障がい者制度改革推進会議」(以下「推進会議」という。)が開催されることとなった。

推進会議は2010年1月から審議を開始し、障害者基本法の抜本改正、障害者差別禁止法制の制定、総合福祉法の創設に向け、障害者の雇用、教育、医療、司法手続、政治参加等の各分野及び「障害」の表記、予算確保に関する課題等について幅広く審議を行うとともに、関係する民間団体や所管府省からのヒアリング等、計14回にわたり精力的に審議を行ってきた。

なお、同年4月から推進会議の下に「障がい者制度改革推進会議総合福祉部会」(以下「総合福祉部会」という。)を設け、障害者に係る総合的な福祉法制となる「障害者総合福祉法」(仮称)の制定に向けた検討に着手しているところであり、その他の改革が必要な分野についても、今後、推進会議の下に部会等を設け検討を進めていく予定である。

このたび、推進会議におけるこれまでの議論を踏まえ、障害者制度改革の推進のための基本的な方向について第一次意見をとして取りまとめたものが本意見書である。

Ⅱ 障害者制度改革の基本的考え方

障害者権利条約の批准に向け、我が国の国内法制をその理念・趣旨に沿う形で整備するとともに、我が国が目指すべき社会である、障害の有無にかかわらず、国民が相互に人格と個性を尊重し支え合う「共生社会」を実現することを目的とし、制度改革を進めるに当たっての基本的な考え方は次のとおりとする。

1.「権利の主体」たる社会の一員

すべての障害者を、福祉・医療等を中心とした「施策の客体」に限定することなく、「権利の主体」たる社会の一員としてその責任を分担し、自らの判断の下で、社会のあらゆる分野の活動に参加、参画する主体としてとらえる。

2.「自己選択・自己決定」の尊重

障害者に関する施策を講ずるに当たっては、障害者の自主性が十分に尊重され、障害者が自らの決定・選択に基づき、地域において自立した生活を営むことができるよう権利を保障し、その実現としての支援制度の構築を目指すものとする。

3.「差別」のない社会づくり

何人も障害を理由とする差別を受けない権利を有することを確認するとともに、その侵害から救済を受ける法制度を構築し、差別のない社会づくりを目指すものとする。なお、差別には合理的配慮が提供されない場合も含むものとする。

4.「社会モデル」的観点からの新たな位置付け

障害者が日常生活又は社会生活において受ける制限は、様々な社会環境との相互作用よっても生ずるものであることを踏まえ、障害の捉え方や障害者の範囲を見直すとともに、障害者が日常生活及び社会生活のあらゆる分野の活動への容易な参加を可能とするため、公共的施設、輸送機関、情報通信等の社会環境の改善を図る。

5.「共生社会」の実現

障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進し、もって障害者の福祉増進と人権の確保を図ることにより、障害の有無にかかわらず、国民が相互に人格と個性を尊重し支え合う共生社会の実現を図る。

Ⅲ 障害者制度改革の基本的方向と今後の進め方

Ⅱの基本的考え方を踏まえ、障害者制度改革の基本的方向と今後の進め方については次のとおりとする。

1.全体的な当面の進め方

1)平成22年内の進め方

  • 推進会議は、第一次意見を基に、障害者基本法の抜本改正に向け、改革が必要な分野について個別に部会や作業チーム等を設け、分野別課題の検討に着手する。
    また、推進会議は、改革の推進体制、モニタリング機関の在り方、各分野において更に検討すべき課題等の事項について引き続き議論を行い、平成22年秋から年末を目途に、制度改革の重要方針に関する第二次意見を取りまとめる。
  • 政府は、第一次意見を踏まえ、速やかに制度改革の方向性を決定するとともに、第二次意見を踏まえ、制度改革の重要方針を決定すべきである。

2)平成23年以降の進め方

  • 政府は、制度改革の重要方針に基づき、障害者基本法の抜本改正や制度改革の推進体制等に関する法律案を平成23年の常会に提出すべきである。
  • 推進会議は、改革集中期間内において、改革が必要な分野の制度・施策の在り方や次期障害者基本計画の在り方・方向性等を具体化するため、部会・作業チーム等で審議を進め、必要に応じ政府に対する意見提出を行っていくこととする。

「改革集中期間」は、「障がい者制度改革推進本部の設置について」(平成21年12月8日閣議決定)に定める「障害者の制度に係る改革の集中期間」をいう。

2.基礎的な課題における改革の方向性

1)インクルーシブな社会の構築

国際障害者年以降、ノーマライゼーションの理念が我が国にも紹介され、地域福祉が進んできたことは事実であるが、社会一般とは異なる生活、いわば障害福祉村とも呼べる世界に多くの障害者が生活している。障害に応じたきめ細やかな支援が必要であることはもちろんであるが、それは、限りなく一般社会生活に近い形で提供されなければならず、人為的に作られた制度政策によって一般の社会生活とは異なる生活形態を強いられ、社会から分離・排除されてはならない。

こうした観点から、教育、福祉、医療における制度設計に当たっては、分離や排除の傾向を限りなく取り除くことが求められる。

2)障害の捉え方

障害の捉え方について世界保健機関(WHO)が提唱した国際障害分類が、環境との相互作用によるものとする生活機能分類(ICF)に改められ、また、障害者権利条約では、より社会モデルに近い捉え方が示されている。

障害の捉え方についての医学モデルは、障害の除去、軽減、自助努力による克服、そして、それに向けた専門家の支援に力点が注がれるが、社会モデルは、障害という属性を有する人をありのままで受け入れようとしない社会の有り様そのものを問うものである。

こうした障害の捉え方の転換は、障害者施策全般に及ばなければならず、より根本的には国民全体の意識変革に結びつかなければ、真の共生社会の実現には至らない。

3)障害の定義

障害の捉え方は障害の定義に影響を及ぼし、障害の定義は障害の種類、範囲、障害者の総数、障害者施策の内容や対象を画するものとなる。

原理的に言えば、医学モデルによると障害の原因となる疾患や症状とその程度によって障害が規定され、それをもとに障害者施策の内容や対象範囲が限定されることになるが、社会モデルによると疾患や症状を有する、あるいは有するものとみなされる人々が負うところの社会的不利の種類やその程度に応じて障害が規定されることになる。

また、現実的に言えば、障害の定義は障害者施策の入り口を画する機能を有するので、そこで提供されるサービスを必要としている障害者をあまねく拾うことが重要であり、疾患や症状の違いに拘泥すべきではない。

こうした観点から、障害者基本法やその他の法制における諸定義は見直すことが求められる。

4)差別の定義

これまでの社会は、障害者に対する社会の異なる取扱は個人の障害に起因するものとして、これを差別であるとは認識してこなかった。しかし、「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」制定に向けて行った千葉県の差別事例の募集や内閣府の調査によっても、きわめて多くの差別事象が存在し、救済されることなく放置されている実態が明らかとなった。

こうした実態からすると、障害者に対する差別の定義を明らかにし、新たに策定される障害者差別禁止法制に取り込むだけでなく、既存の法律に散在する差別禁止条項にも障害に基づく差別禁止を盛り込むことが求められる。

5)障害の表記

「障害」の表記については、「障害」のほか、「障がい」「障碍」「しょうがい」等の様々な見解があることを踏まえ、推進会議としては、今後とも、学識経験者等の意見を聴取するとともに、国民各層における議論の動向を見守りつつ、それぞれの考え方を整理するなど、引き続き審議を行う。

3.横断的課題における改革の基本的方向と今後の進め方

1)障害者基本法の抜本的改正

障害者基本法は、もともと心身障害者対策基本法を出発点としており、改正後も障害者施策の基本を定めるという枠組みを出るものではない。

しかし、障害者権利条約で示された障害者の人権とその確保のための締約国の義務履行を担保する受け皿として、障害者基本法を抜本改正して社会権や自由権を実現するための基本法として位置付け、障害者の人権を確保するための諸施策を規定することが求められる。

具体的には、制度の谷間を生まない包括的な障害の定義、合理的配慮を提供しないことが差別であることを含む差別の定義、障害ゆえに侵されやすい基本的人権などを総則で確認し、さらに、人権の確保といった観点から既存の諸施策に関する規定を見直すとともに、政治参加や国際協力等の現行法の規定にない施策分野について新たな規定を追加することを検討すべきである。

また、改革期間終了後、後述する、改革集中期間における改革の推進等を担う委員会を継承し、障害者権利条約の実施状況を監視する(モニタリング)機能等を担う委員会を法的に位置付けることを検討すべきである。

○ 所掌事務

障害者施策の推進に係る調査審議、障害者施策の実施状況の監視(モニタリング)等

○ 権限

関係各大臣等に対する勧告、資料提出要求 等

2)障害を理由とする差別の禁止

あらゆる分野における障害者に対する差別類型を明らかにしてこれを包括的に禁止し、また、障害者がこれらの人権被害を受けた場合の救済等を目的とした「障害者差別禁止法」(仮称)の制定に向けた検討を進める。検討に当たっては、現在法務省において検討中の人権救済制度の検討状況にも留意するものとする。なお、差別禁止の検討に際しては、関係法律を一括して整備するための法案の検討も行うものとする。

また、政府は、障害者に対する差別を防止するため、当該差別に該当するおそれのあるものについて事例収集を行い、その結果を公表すべきである。

(今後の進め方)

本年夏頃に、推進会議の下に「差別禁止部会」(仮称)を設け、「障害者差別禁止法」(仮称)の制定に向けた検討を開始し、平成24年度末を目途にその結論を得る。

3)障害者総合福祉法

現行の障害者自立支援法を廃止して、新たな障害者総合福祉法(仮称)を策定する。

この策定に当たっては、制度の谷間を生まない障害の定義のもとに、医学モデルに偏った障害程度区分を見直すとともに応益負担を廃止し、自己の選択に従った様々な自立生活の場面をシームレスに結ぶサービスメニュー体系を整え、一般の児童福祉、医療、教育等のシステムを基盤として、最重度であっても、どのような地方であっても、その地域で安心して暮らせる、福祉を始めとするサービスを提供するものとする。

(今後の進め方)

本年4月から推進会議の下に「総合福祉部会」を設け、推進会議で大枠の議論の枠内で、障害者に係る総合的な福祉法制となる「障害者総合福祉法」(仮称)の制定に向けた検討に着手しているところであり、平成23年夏から秋までを目途に結論を得て、政府は、24年の常会への法案提出、25年8月までの施行を目指すべきである。

4.個別分野における改革の基本的方向と今後の進め方

1)労働及び雇用
(推進会議の問題認識)

障害者が地域において自立した生活を営み、より一層社会参加ができるようにするためには、他と等しく障害者が職業等を選択でき、働く機会が確保されるとともに、多様で利用可能な労働条件・環境が整備されることが不可欠である。
【障害者の雇用の促進】
現状において障害者の雇用状況は、障害者雇用促進法に基づく法定雇用率を達成している企業が全体の半数に満たないなど、厳しい状況にあり、また、障害の種別によって賃金や雇用義務の有無等に格差がある等、障害者の雇用の促進に向けた抜本的な改善策が求められている。
このような観点から、以下の事項を実施すべきである。
  • 現行制度における障害者の範囲については、就労の困難さに視点をおく社会モデルの観点から見直す方向で検討する。
  • 法定雇用率の水準、ダブルカウント制、障害者雇用納付金制度、特例子会社制度等については、雇用の促進と平等な取扱いという視点からその在り方を検証した上で、積極的差別是正措置としてより実効性のある具体的方策を検討する。
  • 精神障害者は雇用義務の対象となっていない等の障害種別による雇用義務の格差を是正し、すべての障害者がその種別にかかわらず同程度に雇用機会や労働条件が確保されるよう、必要な措置を講ずる。
【福祉的就労に従事する障害者に対する支援】
福祉的就労に就いている障害者の月額工賃は平均して約一万二千円程度であり、地域で自立した生活を送るには困難な低水準にあるほか、労働法規で定められているような措置の対象とならない場合がある等の問題がある。このような状況を改善するため、以下の事項を実施すべきである。
  • 福祉的就労の在り方を考えるにあたって、労働法規の適用について、今後総合福祉部会において引き続き検討する。
  • 障害者も障害のない人も対等な立場で一緒に働くことができる形態の職場を設置している者に対し、その運営に要する経費の一部を助成するいわゆる「社会的事業所」について、地方公共団体における先進的な取組を参考にしつつ、その一層の普及がされるよう必要な措置を講ずる。
  • 国等の物品、役務等の調達に関し、障害者就労施設等の受注の機会の増大を図るため、国等が障害者就労施設等から物品等を優先的に調達することも含め、具体的方策を講ずる。
【職場における合理的配慮や必要な支援の整備】
障害者が自らの能力を最大限に発揮し、障害のない者と同様に安全かつ健康的な労働環境を確保するためには、障害を理由とする差別が禁止され、職場において必要な合理的配慮や支援がなされる必要がある。
このような観点から、以下の事項を実施すべきである。
  • 厚生労働省において、現在検討中である障害者雇用促進法の見直しの議論の中で、障害を理由とする差別の禁止、事業主への合理的配慮の義務付け、合理的配慮に関する労使間の紛争解決手続の整備等の職場における合理的配慮を確保するための具体的方策について引き続き検討を行う。
  • 障害者に対する通勤支援、身体介助、職場介助、ジョブコーチ等の職場における支援の在り方については、平成23年末を目途に得られる総合福祉部会等の検討結果を踏まえ、法制化を含めた必要な措置を講ずる。
【厚生労働省関係】

(政府に求める今後の取組に関する意見)

(P)

2)教育
(推進会議の問題認識)

障害者権利条約においては、あらゆる教育段階において、障害者にとってインクルーシブな教育制度を確保することが必要とされている。
障害の有無にかかわらず、国民が相互に人格と個性を尊重し支え合う共生社会の構築に向け、学校教育の果たす役割は大きい。人間の多様性を尊重しつつ、精神的・身体的な能力を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加するとの目的の下、障害者と障害のない者が差別を受けることなく、共に生活し、共に学ぶ教育(インクルーシブ教育)を実現することは、互いの多様性を認め合い、尊重する土壌を形成し、障害者のみならず、障害のない者にとっても生きる力を育むことにつながる。
【教育の機会均等】
現行の教育基本法の第4条第1項においては、教育上差別されないものの例示として、「人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地」が明記されているが、「障害」が明記されていない。
したがって、教育基本法の第4条第1項について、「人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地」と同様に、「障害」によって教育上差別されないことを明文化するため、平成23年常会に提出することを予定している障害者基本法の改正に関する法案の附則において改正することを検討すべきである。
【地域における就学と合理的配慮の確保】
我が国における障害者に対する公教育は、特別支援教育によることになっており、就学先の決定に当たっては、制度上、本人・保護者の同意を必ずしも前提とせず、教育委員会が行う仕組みであり、本人・保護者にとって就学先の選択権が確保されていない。また、特別支援学校は、本人が生活する地域にないことも多く、そのことが幼少の頃から地域社会における生活から隔離される要因ともなっている。
障害者が地域の学校に就学し、多大な負担(保護者の付き添いが求められる等)を強いられることなく、その学校において適切な教育を受けることを保障するためには、教育内容・方法の工夫、子どもに対する評価の見直し、教員の加配、介助者等の配置、施設・設備の整備等の必要な合理的配慮と支援が不可欠である。
このような観点から、以下の事項を実施すべきである。
  • 障害の有無にかかわらず、すべての子どもは地域の小・中学校の通常の学級に就学し、かつ学籍を置くことを原則とし、本人・保護者が望む場合には、特別支援学級や特別支援学校等への就学ができる制度へと改める。
  • 就学先の決定や就学先における必要な合理的配慮及び支援の内容の決定に当たっては、本人・保護者、学校、学校設置者の三者の合意を義務付ける仕組みとする。また、合意が得られない場合には、第三者機関による調整を求めることができる仕組みを設ける。
【学校教育における多様なコミュニケーション手段の保障】
障害者の人格、才能及び創造力並びに精神的及び身体的な能力を可能な限り発達させるためには、教育が本人にとって最も適当な言語並びに意思疎通の形態及び手段によって行うことが確保されなければならない。
このような観点から、以下の事項を実施すべきである。
  • 手話・点字等による教育、発達障害、知的障害等の子どもの特性に応じた教育を実現するため、手話・点字等に通じた教員の確保や教員の専門性向上に必要な措置を講ずる。
  • 教育現場において、あらゆる障害の特性に応じたコミュニケーション手段を確保するため、教育方法の工夫・改善等必要な措置を講ずる。
【今後の推進会議での検討の進め方】
  • 障害のある子どもの教育における改革の方向性については、引き続き推進会議において、関係者のヒアリングを行いつつ検討を進め、平成22年内を目途に結論を得る。
【文部科学省関係】

(政府に求める今後の取組に関する意見)

(P)

3)所得保障
(推進会議の問題認識)

障害者は、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有しており、障害者が地域で自立した生活を営むためには、一定水準の所得を保障することが不可欠である。
【公的年金制度改革における検討】
厚生労働省において平成25年常会に法案提出を予定している新たな年金制度創設に向けた議論の中で、障害者が地域において自立した生活を営むために必要な所得保障の在り方について、給付水準と負担の在り方を含めて検討を行うべきである。
【無年金障害者の所得保障】
国民年金制度の発展過程において生じた特別な事情により、障害基礎年金の支給対象から除外されている無年金障害者(20歳以前の初診日認定ができない者、国籍条項撤廃時(1982年)に20歳以上の在日外国人障害者等)が、現在多数存在している。
このような現状を受けて、学生無年金障害者等を福祉的措置によって救済するために設けられた「特別障害給付金」の給付対象範囲の拡大を含め、無年金障害者の困窮状態の改善を図る措置を早急に講ずるべきである。
【住宅の確保】
障害者が地域において自立した生活をするためには、住居の確保が不可欠であるが、家賃等の負担が大きく、地域での生活が困難になっているという現状がある。
したがって、住宅確保のための支援の在り方について、引き続き総合福祉部会における議論と整合性を図りつつ検討することが必要である。
【厚生労働省・国土交通省関係】

(政府に求める今後の取組に関する意見)

(P)

4)医療
(推進会議の問題認識)

障害者が地域において安心して自立した生活が送れるためには、障害者が障害に基づく差別なしに可能な限り最高水準の健康を享受できるよう、必要な医療やリハビリテーション等が提供さなければならない。
【精神障害者に対する強制入院等の見直し】
現行制度では、精神障害者に対する措置入院、医療保護入院、裁判所の決定による入院、強制医療介入等については、一定の要件の下で、本人の同意を必要とせずに、強制的な入院・医療措置をとることが可能となっており、自由の剥奪という観点から検討すべき問題がある。
このため、現行の精神障害者に対する強制入院、強制医療介入等について、いわゆる「保護者制度」の見直し等も含め、その在り方を検討すべきである。
【地域医療の充実と地域生活への移行】
精神科病院においては、入院治療の必要がないにもかかわらず、長期入院による自立生活の困難等の問題により入院せざるを得ない、いわゆる「社会的入院」患者が約7万人いるといわれている。
このような現状を改善するため、入院中の精神障害者に対する退院支援の充実を図るとともに、移行後の地域生活において医療、生活面からのサポートを行うための体制の整備・拡充を図るべきである。
【精神医療の一般医療体系への編入】
現行制度においては、精神疾患のある患者は、臨時応急の場合を除いて、原則として精神病室以外の病室には入院できないこととなっており、このことが精神障害者とって一般医療サービスを受けることを困難にしている。また、精神科医療の現場においては、いわゆる「精神科特例」により一般医療に比して医師や看護師が少ない状況にある。
このような状況を踏まえ、以下の事項を実施すべきである。
  • 精神医療の一般医療体系への編入の在り方について、総合福祉部会での今後の議論を踏まえ、推進会議において検討を進める。
  • 特に精神医療の現場における医師、看護師が一般医療より少ない現状を改善し、その体制の充実を図るため、「精神科特例」の廃止を含め、具体的な対応策を講ずる。
【医療に係る負担の軽減】
障害者は健康面における特段の配慮や対応を必要とする場合が多いが、継続的な治療等に要する費用負担が大きいため、必要な医療を受けることが困難な状況がある。また、日常における医療行為(たん吸引や経管栄養等)についても、一部について実施されているが、原則として医師・看護師等のみに限定されているため、単身での在宅生活の途が閉ざされ、また同居の場合その家族にとって重い介護が負担となっている。
このような状況を改善するため、以下の事項を実施すべきである。
  • 障害者がその健康状態を保持し、自立した日常生活等を営むために必要な医療を受けたときに要する費用負担については、本人の負担能力に応じたものとする方向で、総合福祉部会において引き続き検討する。
  • たん吸引や経管栄養等の日常における医療行為については、その行為者の範囲を介助者等にも広げ、併せて必要な研修や手続の更なる整備等を行う。
  • 障害のある人や児童に対する受診拒否の実態を把握し、改善のための措置を講ずる。
【厚生労働省関係】

(政府に求める今後の取組に関する意見)

(P)

5)障害児支援
(推進会議の問題認識)

障害児は、一人の子どもとして尊重され、すべての人権、基本的自由を享受しているという観点から、障害児の最善の利益を考慮した施策が講じられる必要がある。
【障害児やその保護者に対する相談支援】
相談支援については、障害児の出生直後又は「気になる」・「育てにくい」段階から、医療及び福祉関係者からの適切な情報提供、心理的サポートが不足しており、障害児を含め、その家族に対する十分な支援が提供されていない。
このような現状を改善するため、以下の事項を実施すべきである。
  • 子どもの障害について、地域の身近なところで第一次的に相談対応を行い、必要に応じて適切な専門機関へとつなぐ仕組みを構築する。
  • 障害児及びその保護者に対する相談支援が、障害の種別・特性に応じた言語環境により、かつ当事者にとって利用しやすい形で提供されるよう必要な措置を講ずる。
  • 障害の専門機関の者が地域に出向き、保健センターや地域子育て拠点における保健師、保育士等と連携した効果的な相談支援を提供できるよう、必要な措置を講ずる。
【児童福祉における障害児支援の位置付け】
障害児支援は、早期に必要な専門的支援が求められる反面、その支援が障害児に特化した形でのサービス提供になりがちであるため、障害児を家族や地域社会から分離することにつながっている。また、障害の軽減のみが目標とされがちであり、そのことが本人の障害に対する否定的な認識を助長してしまうという問題もある。
このような現状を改善するため、障害児支援が家族や一般児童等と分離することなく地域において提供され、かつ複雑な法体系の下ではなく一本化された児童福祉施策の中で講じられるようにすべきである。
【厚生労働省関係】

(政府に求める今後の取組に関する意見)

(P)

6)虐待防止
(推進会議の問題認識)

入所施設や家庭内、労働現場や精神科病院等の医療現場等において障害者に対する虐待の例もみられるところであり、虐待の防止やその救済等に関する取組が急務となっている。現在、立法府においては、障害者の虐待防止に係る制度の法制化に向けた動きが進んでいるが、その法制化に当たっては、次の方針に沿って検討されるべきである。
(防止すべき虐待行為)
  • 防止すべき虐待行為は、身体的虐待、精神的虐待、性的虐待、放置、経済的搾取の五つの場合とする。
(虐待行為者の範囲)
  • 障害者の生活場面に日常的に直接かかわりをもつ親族を含む介護者、福祉従事者、事業所等の使用者(従業員を含む。)に加えて、外部からの発見が困難な学校や精神科を始めとする病院等における関係者についても範囲に含める。
(早期発見・通報義務)
  • 虐待の事実を早期に発見できるようにする観点から、障害者の生活に関連する者等に対し、早期発見を促す仕組みとする。
  • 虐待の発見者に対して、救済機関への通報義務を課すとともに、当該通報者の保護のための措置を講ずる。
(救済措置の在り方)
  • 実効性のある救済を行うためには、事実確認、立入検査、一時保護、回復支援等のほか、必要な場合には、強制力を伴った措置を講ずる。
(監視機関の在り方)
障害者権利条約の趣旨を踏まえ、虐待を未然に防止するため、効果的な監視が可能な体制を整える。
【厚生労働省関係】

(政府に求める今後の取組に関する意見)

(P)

7)建物利用・交通アクセス
(推進会議の問題認識)

障害者が、日常生活又は社会生活において、公共的施設・設備、交通機関等を円滑に利用できるようにすることは、障害者の社会参加を促進する観点から不可欠である。
平成18年に制定された「高齢者、障害者等の移動の円滑化の促進等に関する法律」(バリアフリー新法)の制定等により、バリアフリーの取組においては、一定の進展はみられるものの、地方部より大都市部におけるバリアフリー整備が優先されてきたことにより、地方における整備の遅れが顕著となっている。また、障害者が公共交通機関を利用するに当たって、乗車拒否や利用拒否等の不当な対応もみられるところであり、障害者にとって、円滑かつ安全に公共的施設・設備、交通機関等を利用できる環境が十分に整っているとはいえない状況がある。
このような状況を改善するため、以下の事項を実施すべきである。
  • 国土交通省において平成23年常会への法案提出を検討している「交通基本法」(仮称)の中で、移動の権利等について明文化する。
  • 地方における公共施設や交通機関等のバリアフリー整備の遅れを解消するため、整備対象施設の範囲の拡大や時限を付した数値目標の設定等も含め、必要な具体的方策を講ずる。
  • バリアフリー新法に基づく市町村の重点整備地区の基本構想の作成・改定に当たっては、当事者参画の一層の推進を図る。
  • 障害者に対する乗車拒否や施設及び設備の利用拒否の実態を把握した上で、合理的配慮が確保されるようにするため、苦情処理の対応を行う第三者機関の設置等も含め、必要な措置を講ずる。
【国土交通省関係】

(政府に求める今後の取組に関する意見)

(P)

8)情報アクセス・コミュニケーション保障
(推進会議の問題認識)

障害者も、障害のない人と同様に、表現の自由や知る権利の保障の下で、情報サービスを受ける権利を有しており、障害者が円滑に情報を利用し、その意思を表示できるようにすることが不可欠である。
【情報バリアフリーの取組】
我が国においては、情報や考えを伝えるためのサービス(手話通訳者等)や情報や考えを得るためのサービス(要約筆記者等)を利用できない、障害に配慮した情報提供(点字化、字幕を付ける、ルビを振る等)を受けられない等、障害者は、生活の様々な場面で情報へのアクセスやコミュニケーションにおける困難に直面している。
このような状況を改善するため、以下の事項を実施すべきである。
  • 手話・字幕付放送、電話リレーサービス等、あらゆる障害の種別・特性に配慮した方法による情報提供が、関係事業者等により日常生活のあらゆる場面において行われるよう必要な支援を行うとともに、時限付きの数値目標を伴った情報バリアフリー化のための指針の策定を始め、必要な環境整備を図る。
  • 手話・指点字通訳者や要約筆記者等、障害者の情報アクセスやコミュニケーションを支援する人材の養成の一層の拡充を図る。
【総務省・厚生労働省関係】
【災害時における緊急情報等の提供】
災害時における緊急情報等は、生命に関わる極めて重要性の高いものであるが、現状では、被害情報や避難情報等の提供が障害者に配慮された形で行われているとは言い難く、市町村によってもその対応にはばらつきがみられる。
このような状況を改善するため、以下の事項を実施すべきである。
  • 放送事業者等が災害に関する緊急情報等を提供するに当たっては、手話や字幕等の障害者が必要な情報を迅速かつ的確に入手できる方法が講じられるよう、必要な措置を講ずる。
  • 災害等の緊急事態における国・地方公共団体による避難勧告等に当たっては、あらゆる障害の種別・特性に対応した伝達手段が確保されるよう、具体的方策を講ずる。
【総務省・内閣府関係】

(政府に求める今後の取組に関する意見)

(P)

9)政治参加
(推進会議の問題認識)

民主政治の健全な発達を期するためには、すべての国民が自由な意思の下で、公明かつ適正な選挙等の実施を確保されることが不可欠である。
そのため、障害者についても、選挙等に関する情報における「知る権利」の保障の下で、障害のない人と平等に自己の自由な意思により政治参加の機会が実現されるべきである。
しかしながら、現状では、障害者の選挙権や投票権の保障が、制度の運用において、障害のない人と同等程度に保障されていない問題が多々あり、早急に必要な改善措置を講ずるべきである。
【選挙等に関する情報へのアクセス】
選挙等に関する情報の提供においては、点字及び音声による選挙公報等の発行が十分にはなされていないことや、政見放送において字幕・手話の付与が十分にはなされていない等、障害のある人が情報を得ることが困難な状況がある。
このような状況を改善するため、以下の事項を実施すべきである。
  • 選挙等に関する情報の提供に当たっては、障害の特性に応じて適切な提供方法がとられるよう早急に改善を図る。
  • インターネットを活用した選挙活動の解禁に係る制度が施行される場合には、障害者の便宜に配慮した運用がされるよう必要な措置を講ずる。
【投票所へのアクセス】
地域によっては、投票所へ移動する際の困難なアクセスや投票所における物理的バリア等により、障害者の投票機会の確保が容易でない状況がある。
このような状況を改善するため、以下の事項を実施すべきである。
  • 投票所への移動支援の充実や、投票所の設置及び設備に関するバリアフリー化(エレベーターのない2階以上の室への設置を避けること、スロープ設置による段差解消 等)等の障害者の便宜に配慮した措置がすべての地域において講じられるようにする。
  • 投票所において、障害者がその障害に応じた必要な合理的配慮や支援を受けられるようにする。(知的障害のある人や、文字を書くのが困難な人への人的支援や、他の容易な投票方法への変更、筆談や手話通訳による支援等)
【総務省関係】
【選挙活動における配慮等】
障害者による選挙活動への必要な配慮等についても改善を図る必要があるが、選挙制度の在り方については、議会政治の根幹にかかわる問題であり、各党各会派における議論に委ねられるべきものであることから、以下の事項について、立法府における真摯な検討を期待する。
  • 障害者が選挙活動を行う際の必要な支援の充実が図られるよう、例えば、選挙運動員とは別に手話通訳や移動介助者等の介助者を公的に保障する等の具体的方策を実施する。
  • 選挙権、被選挙権に関する成年被後見人の欠格条項については、後見人が付いているかどうかで差別化する人権侵害の側面が強いことから、廃止も含め、その在り方を検討する。
  • 国会中継、国会会議録等の国会審議に関する情報の提供に当たっては、手話・字幕・点字等の媒体で障害の種別・特性に応じた適切な提供方法がとられるよう改善を図る。
【国会関係】

(政府に求める今後の取組に関する意見)

(P)

10)司法手続
(推進会議の問題認識)

刑事訴訟手続や民事訴訟手続を始めとする司法手続において、障害者がその手続上の権利が保障され、他と平等に参加できるようにするためには、障害の特性に応じた手続上の配慮の提供が不可欠である。
しかしながら、特に、適正手続として保障される刑事訴訟法上の各種の権利行使において、そもそも法制度自体が障害者の存在を想定していないとの指摘があり、また運用の実態においても大きな問題が存在している。
【刑事訴訟手続における配慮】
(捜査段階)
障害の特性に配慮した適切な方法による情報の提供等が確保されていないため、令状主義の趣旨がいかされず、弁護人選任権や黙秘権の告知が告知としての機能を果たしておらず、さらには、取り調べの適正を欠くといった事態を招いている場合がある。
このような現状を改善するため、以下の事項を実施すべきである。
  • 刑事訴訟手続においては、手話通訳者、筆記者、知的障害者の支援者等の立ち会い等を含め、障害の特性に応じた情報伝達とコミュニケーション確保の保障がなされるよう必要な措置を講ずる。
  • 捜査段階における適正な手続を担保する観点から、被疑者取調べの全面的な可視化を検討する。
(公判段階)
手続的な保障がないままに自白がなされた場合には、証拠として採用されないような仕組みが検討されるべきである。
また、障害者が被告人や証人として、質問や尋問を受ける場合には、障害の特性に対応した適切な情報提供やそのために必要な手話通訳者、筆記者、知的障害者に対する支援者等の支援がされるよう必要な手続上の措置を講ずるべきである。
【受刑中の処遇】
受刑中の障害者の処遇に関して、障害の状況に応じた合理的配慮がなされていない状況がある。
このような状況を改善するため、物的な設備におけるアクセス、情報提供におけるアクセス、医療面での配慮等がされるよう必要な措置を講ずるべきである。
【司法関係者の研修】
司法関係者の障害についての無知・無理解による様々な問題が指摘されており、これを改善するため、障害の特性、手話言語や障害に配慮したコミュニケーション、生活支援の基本などについての理解等を深める研修の一層の充実を図るべきである。
【法務省関係】
上記の他、判決が知的障害者に対してなされる場合に本人に理解できる内容や言葉遣いでなされていないことや、それが視覚障害者に対してなされる場合にも点字による判決が交付されないこと、また、民事訴訟手続においては、障害者の稼働能力が低く認定される結果、逸失利益の認定が低くおさえられるという指摘がなされており、その在り方について裁判所における真摯な検討が望まれる。
【裁判所関係】

(政府に求める今後の取組に関する意見)

(P)

11)国際協力
(推進会議の問題認識)

障害者施策における国際協力の推進は、諸外国・地域における障害者施策の推進のみならず、我が国の障害者施策の推進にも資するものである。こうした観点から、リハビリテーション等の技術交流や情報の交換、技術指導者の養成等を通じた国際協力を推進することが重要である。
我が国は、第2次アジア太平洋障害者の十年(2003-2012)の提唱国として、NGO等と協力しつつ、「びわこミレニアム・フレームワーク(BMF)」の採択等に積極的に貢献してきている。
他方で、現在、政府開発援助大綱においては、社会的弱者の状況を考慮する旨が規定されているのみで、障害者については明確に位置付けられておらず、援助が障害者の地位の向上に資するものになっているとは言いがたい。
今後、障害者権利条約の批准を見据え、我が国の障害者施策分野における国際協力について法律等において明確に位置付けた上で、より一層の推進を図る必要がある。
このような観点から、以下の事項を実施すべきである。
  • 政府開発援助が障害者の地位の向上に資するものとなるよう、政府開発援助大綱において障害者を明確に位置付けることを含め、必要な措置を講ずる。
  • 第3次アジア太平洋障害者の十年に向けて、ESCAPを中心とした、アジアにおける障害分野の国際協力に更に積極的に貢献する。
【外務省関係】

(政府に求める今後の取組に関する意見)

(P)

5.改革集中期間における推進体制に係る基本的方向

中央障害者施策推進協議会及び推進会議を発展的に改組し、障害当事者、学識経験者等で構成する、次の機能を担う委員会を新たに内閣府に設置すべきである。

○ 所掌事務

障害者制度の集中的な改革の推進、障害者施策の推進に係る調査審議、障害者施策の実施状況の監視 等

○ 権限

関係各大臣等に対する勧告、資料提出要求 等