親・支援者から見た障害者虐待あるいは不適切な対応に関する実態調査
― 第1次資料 ―
2009年度全国障害保健福祉関係主幹課長会議
障害者自立支援調査研究プロジェクトの成果発表会
2010年3月4日
配付資料
平成21年度厚労省障害保健福祉推進事業
(障害者自立支援調査研究プロジェクト)
「障害者虐待防止に関する実態調査と『事例集 Q&A』による権利侵害データベース作成事業、
および、障害者虐待防止に向けた行政職員・支援者・親に対する
研修カリキュラム・教材の作成とモデル実施
PandA-J「権利擁護・成年後見プロジェクト」
NPO法人 PandA-J
Q3 あなたの関係する「障害のある本人」はこれまでに虐待や不適切な対応をされたことがありますか?
虐待や不適切な対応をされたことがあったのは、「小・中・高など学校で」が24.2%と最も多く、次いで「登下校(園)中に」14.3%、「勤務途中・街の中で」11.3%となった。
実際経験による虐待・不適切対応の実態
実際に受けた話について
就学前、学校(小・中・高)、登下校中
Q3 場所はどこですか?
「学校の中」が164件と約半数程度、次いで「登下校の街中」110件、「教室の中」94件となっている。
Q4 誰にされましたか?
「担任教師」が多く、他が次いで多くなっている。他で多かったのは「同級生」であった。
(回答にもあったが、同級生ないしはその近辺世代の子どもと思われる)
Q5 どんなことをされましたか?
「言葉の暴力や心理的虐待・対応」が190件と最も多く、「体や身体的な虐待・対応」も約4割程度となっている。
Q7 それに気がついたのは、なにがきっかけでしたか。
「本人の表情や体の様子、家族の様子が変だ」40.8%と、気付かれたケースが多い。「本人が訴えて相談してきたから」13.2%となっている。その他、周囲(加害者、友達、教員・職員、他家族)からの報告で気付いたのは概ね 25%程度となっている。
Q8 その虐待や不適切な対応は解決しましたか?
それに対して納得していますか?
「解決していないがしょうがない」が43.1%と未解決のままである。「ほぼ解決したが納得できない」24.5%と、解決していない方とあわせて約7割の方が不満を残したままとなっている。
Q9 誰が相談にのり、頼りになりましたか?
「家族」が133件と最も多く、次いで「担任・教員」104件、「障害のある子の親」94件と身近な人が頼りになったケースがほとんどである。
Q10 今後、相談したい、頼りにしたいと思うのは誰ですか?
「家族」122件、「障害のある子の親」105件、「育成会・親の会」94件、となっており、育成会・親の会に対する期待度は非常に高いと言える。
Q11 今後、どのような体制・制度が必要だと思いますか?
「通報や相談を受け付ける機関の設置」が161と最も多く、「関係者の資質向上に関する研修」111件、「教員・福祉職員・市民などへの虐待防止の啓発」100件と、未然に防ぐ、ないしは発生時に適切に処置するための予防線に対する期待が高い。