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国際育成会連盟総会 採択のポジションペーパー
日程:2008年11月18日
場所:カナダ オタワ

支援つき意思決定制度の主要要素

国連障害者の権利条約の第12条では、障害のあるすべての人が法の下で平等に認識されるこ とを求めています。本ポジションペーパーは、ヨーロッパのすべての国の法制度の中で、こ の原理を遂行するために必要な主要な要素について研究するものです。先ず法的権利能力 に関する基本的考察について議論し、この条約が知的障害のある人の権利を促進する道具 として使えるようにするために12条を遂行するに当たって考察しなければならない8つの要 素について明らかにします。

2006年12月、国連は障害者の権利条約を採択しました。この条約の中心的なメッセージのひ とつが、障害のある人が物として見られるべきではなく、人として平等な尊厳と待遇を受け るべきであるとしていることです。条約は国際的に同意された法的文書であり、世界のコミ ュニティーに対して方向性を提供するものです。また各地域における変革をもたらす道具 であり、駆動部ともいえます。

この条約は「支援つき意思決定」というパラダイムシフトというべき概念を国際及び国内法 にもたらしました。「支援つき意思決定」とは、権利は他の人に委譲できるものではないとい うことです。障害のある人が自身の権利を完全に享受するということです。よって支援つき 意思決定は、後見制度に取って代わることを意図したものです。現存の後見制度が障害のあ る人の部分的なまたは全面的な法的無能力を進めているものとなっていますが、本条約の12 条では障害のある人の権利について明確に「他の人と同じ法的能力」を享受すると謳ってい ます。

法的能力とは権利能力と行為能力とで理解されるべきものです。条約はまた障害のある人 が「必要な支援」を受けると明記しています。伝統的な後見法では、個人は法的にあらゆるま たはいくつかの分野で無能力であり、法的後見人を任命し、その後見人がその個人に代わっ て意思決定をするとされています。この伝統的な後見制度では障害のある人は部分的にま たは全面的に自身の権利を剥奪されているのです。この制度は障害のある個人の非人格化 に結びつき、社会の中で完全で平等な市民とみなされなくなっています。障害者の権利条約 は障害者の代理意思決定から支援つき意思決定へと、根本的な考え方の変革をもたらすも のです。

本ペーパーの目的は、このパラダイムシフトを国家法に転換するために必要な条件につい て明らかにすることです。具体的な転換は国連の条約締結国となっている国の法的構造や 伝統などによっても異なってくるでしょう。このポジションペーパーでは、それなくしては 12条に明記されている意図を欠くような重要な要素について考察します。支援つき意思決 定を現実のものとするためには、締結国は自国の後見制度法の改革について考えることが 必要であるばかりでなく、必要な法的文書に加えて、法的なもの以外の構造や手法を数多く 実施することが重要となってきます。

法的能力に関連する課題は我々の社会の基礎構造に密接につながっており、現状の問題に 対する適切な対応を促進するためにも、この問題に関してこれまでから懸案となっていた 哲学的疑問を考察することも必要となってきます。

背景
ヨーロッパの哲学や法律の伝統は、相互にまた社会と自己のベスト・インタレストを求めて 交流する独立した、能力のある個人という概念の上に成り立っています。法律用語ではこの 交流というのは、契約と理解されており、たとえ書面でなくとも、社会における市民の関係 を取り結ぶということです。それに加えて、個人の基本的人権に影響を与えるいかなる介入 の正当化については、特に個人の自由や身体的インテグリティーなどは、その関係する人に 対するインフォームド・コンセントが必要です。

この考え方は、個人が自立していないとき、意思決定する能力がないと見受けられるとき、 または自身のベスト・インタレストを求めて行動できない場合、問題となります。それゆえ 法的能力の議論には、社会の構成員の相互依存についての理解が大切となるのです:

  • どの社会にも他の人の影響から完全に自立しているという人はいないという考え方があ ります。社会構造、ヒエラルキー、肯定的な注目、経済的な必要、などがすべての障害のない 市民と障害のある市民にとっての、従属性を創り出すということを考慮する必要があるの です。
  • 同様に、多くの市民は複雑な問題に関する意思決定をする際に、自分自身で決定する能力 を持っていないと信じるときには、それに対する支援を受ける必要があると感じています。 そういった支援者としてはたとえば、財務コンサルタント、医師、建築家といったすべての 市民に対して専門性を提供している専門家などがあげられます。
  • しばしば意思決定をする人のベスト・インタレストが考慮されない決定がなされていま す。さらに論理的な基盤とは別の要因で決定が行われてもいます。たとえば商業的な広告、 社会的地位を求めての願い、見た目のいい速い車への嗜好性などによって、決定がなされて います。
    それゆえ支援つき意思決定について議論する際には、決定要因は従属性の目に見えるレベ ル、能力のレベル、ベスト・インタレストに対する決定の度合いなどについて理解する必要 があるのです。そういう意味で困難の度合いはますます高くなり、こうした要因の度合いを 別の人のために他の人が判断するということになってしまうのです。
    法的能力の問題
    特別の意思決定をする能力がないとみなされている人々に関する特別な規則や法律の必要 性というものは、そうした人々の法的な意思決定の手続きへの参加や法的保護などに根ざ したものであり、それは個人のためでもあり、また社会における個人のカウンターパートの ためでもあります。
  • 意思決定の能力が弱いとみなされている人と関わる人は、契約や決定が法的に有効である ことを確かなものとすることに関心を持っています。たとえば、医療的な介入や金銭的な取 引などにおいては、医師や銀行は特定の意思決定において個人の能力がないということで、 自身が利用される可能性のあるクレームから保護されなければなりません。
  • 意思決定に関して能力が弱いと思われている人は社会生活に自立した形で参加したいと いう関心を持っていますが、同時に虐待や搾取、意思決定の後に予想される否定的な結果、 それは完全な理解がないためである可能性のあるものですが、そういったものから、まもら れなければなりません。

知的障害のある人と意思決定
知的障害のある人が、唯一の法的能力行使における困難を抱えているグループというわけ ではありません。その他のグループとしては、年齢に関連した疾病で知的能力に影響を与え るもの、精神疾患の問題、医療や薬品などの影響下にある人などがあげられます。こうした グループの人々は法的能力を行使するに際して共通の問題を抱えているのです。そしてま た考慮されなければならない個別の状況を抱えてもいます。この意味での知的障害のある 人の固有の状況というのは、多くの場合知的障害のある人は生まれながらにしてその障害 があり、本人自身だけでなく、支援者も弱められていない意思決定能力の経験を引き出すこ とができないということがあります。
その他の知的障害のある人に関する固有性としては、歴史的な法的能力の無能力化があげ られます。その結果として多くの知的障害のある人は、基本的人権の否定、自己決定の否定 を社会から受けるという経験をしてきているのです。自分自身では何も決められず、また自 立した生活を送ることができないのだという仮定のもとでの何十年にもわたる人生は、そ の人自身に烙印を押し、また家族、世話をする人、また社会全体にも影響を与えてきたので す。根深い仮定と偏見はこうした状況の結果なのです。知的障害のある人は非常に早い時期 から意思決定の経験を否定されているため、大人になったときにその能力がないというこ とになってしまうのです。支援つき意思決定の概念のためには、年齢の若い子どもたちから の教育のプログラムを改革することが必要です。また人生の早い時期からこの能力をエン パワーするために専門家や家族に対する研修や意思決定の能力開発も必要です。

知的障害のある人の能力について客観的に見たとき、多くの人たちは自身の人生に関する 決定、たとえば何を食べたいのか、何を飲みたいのか、どのような服を着たいのか、どのよう な音楽やテレビ番組が好きなのか、誰と住みたいのか、どのように余暇を過ごしたいのかな どを決めるのに充分な能力があることがわかります。インクルージョンの考え方の目的は、 知的障害のある人にとってよリアクセシブルな社会を作っていくことで、彼らのこうした 意思決定の可能性や選択肢を広げることです。
人は支援が必要であると認識すると、先ずインフォーマルな支援ネットワークを求めます。 知的障害のある人の多くは、支援を必要とするとき、助けを求めることができる知的障害の ある人もない人も含んだ友人、隣人、同僚などの輪を組織するのに大変長けています。公共 の交通機関の変更について説明するのを手伝う同僚、アパートのトラブルがあったときに 家主と話してくれる隣人、新しい洋服を買うときに手伝ってくれる友人などがそのいい例 です。法的能力に関する行為については、専門家のサービスで代替するのではなく、こうし たインフォーマルなネットワークを強めたり、広げたりすることなのです。

障害のレベルによっては、知的障害のある人が組織化された支援や助言を必要とするその 分野は大きくなったリ、小さくなったりするかもしれません。簡単な日常の決定にも支援を 必要とする人もいます。一方で、人生の大きな決定にのみ支援を必要とする人もいます。知 的障害のある人は、意思決定のしかたを学ぶことができます。しかしながら、完全な法的能 力行使の結果として当然のことながら間違えを冒す危険があることを全面的に受け止めな ければならないということをいつも心に留めておくことが大切です。次に述べる支援つき 意思決定システムの主要要素は、挑戦や前段で言及された困難を排除することなく、こうし た組織化された支援を提供することに焦点を置いています。

支援つき意思決定システムの主要要素
国連障害者の権利条約の中で謳われている支援つき意思決定は、すべての市民の完全で平 等な法的能力から始まります。これは重度の障害のある人についても同じです。そして次に 意思決定において、必要なセーフガードを含んだ適切な支援を受ける権利について明記し ています。

1. セルフ・アドボカシーの促進と支援
自分自身の決定をする能力を持つということには、訓練や支援、ロールプレイなどによる練 習が必要です。また家族、世話をする人、専門家やその他の人たちが、知的障害のある人には 自身で決定をする能力があることを認識することも必要です。こうしたことが知的障害 のある人が自分自身のために声を出すというセルフ・アドボカシー運動の目的です。こ の運動は、知的障害のある仲間が自身で意思決定をする際の、貴重な支援を提供します。

インクルージョン・ヨーロッパはすべての締結国に対して次のように求めています。

  • セルフ・アドボカシーのスキルが確実にすべての学校のカリキュラムに含まれるよう にすること。
  • セルフ・アドボカシー・グループのための条件を作り、自己決定を支援すること。
  • セルフ.アドボカシーの組織を支援し促進すること

2.個人のベスト・インタレスト(最善の利益)の保護のためにメインストリームのメカニ ズムを利用すること
すでに述べられているように、支援つき意思決定システムが唯一の個人のインタレスト をまもる方法ではありません。消費者保護、消費者情報、借主に対する法的保護、医療患 者の権利、輸送利用者の権利、被雇用者の権利などは、締結国がすでに市民をまもるため に保護システムを取り入れているところです。知的障害のある人はより権利を侵害され、 虐待されやすいため、メインストリーム・メカニズムがよりアクセシブルでよりインク ルーシブであるようにするべきです。障害のある人の利益をまもるために開発された特 別な方法よりも、こうしたメインストリーム・メカニズムが使われるほうがより好まし いのです。

インクルージョン・ヨーロッパは、すべての締結国に対して次のことを求めます。

  • すべての現存する構造や法的メカニズムが、人生のあらゆる分野での市民の保護のた めに、アクセシブルであり、また障害のある人のニーズに対応し、彼らの利益を考慮に入 れること。
  • こうしたシステムの存在や成果についての情報を、アクセシブルなフォーマットで知 的障害のある人とその支援者に対して広めること。

3. 伝統的な後見制度に取って代わるものとしての支援つき意思決定システム
完全な法的能力の原則が、障害者の権利条約の第12条によって確立されたのであるから、 締結国は支援つき意思決定に関する包括的なシステムと法律および実践における知的 障害のある人のためのセーフガードを開発することが求められています。

インクルージョン・ヨーロッパは締結国に以下のことを求めます。

  • 第12条に照らしてすべての国内法を見直すこと。すべての人が自己決定の権利と障害 による差別なく、法の下で平等に認められる権利を保障されること。
  • 知的障害のある人が一定の年齢に達したときに、その法的無能力化に結びつくような あらゆる法律や慣例を遅延なく廃止すること。
  • 次に述べる中心的な要素に則って、支援つき意思決定のためのシステムを開発、構築する こと;
  • 新たに採用された支援つき意思決定システムを順次遂行する計画を立てること:新たな裁 判所の決定が支援つき意思決定システムを遂行すること;適正な法改正に則った伝統的な 後見制度についてはあらゆるケースについて見直され、徐々に支援つき意思決定のシステ ムにとって代わられるべきであること。

このシステムを開発するのには時間が必要であり、また現存するあらゆる伝統的な後見制 度の方策が違法であると同じ時期に宣言されると、機能しなくなる危険もあります.そのた め支援つき意思決定をまずは特定の個人に対して有効に働かせるといった条件を整えるこ とが必要です。後見制度と支援つき意思決定のシステムとは、その移行が完全に行われると きまで、平行して存在するものとなるべきです。

4. 支援つき意思決定
登録された支援つき意思決定に関する法律上のシステムは、法的に必要とされるときにの み適用されるべきものです-日常生活における支援というのはそのような方策を必要とし ないものだからです。しかしながら、特に支援者として役割を果たしているボランティアの 人は日常生活において数々の実際的なことについて、個人を支援しています-たとえば買い 物といったことから、アパートの修繕といったことまで。それゆえ登録された支援者は、障 害のある成人の人生に影響を及ぼすような法律関連の重要な決定に焦点をあわせるべきな のです:たとえば誰とどこで住みたいのか、仕事や日中活動に関する選択、医療的な決定、余 暇活動の可能性を確立すること、必要に応じた適切な支援サービスの選択などです。登録さ れた支援者は、現存する支援ネットワークに取って代わるのではなく、その確立を促すよう な方法で、個人をエンパワーする支援を提供するために、そのバランスについて格別に配慮 する必要があります。支援者の仕事については定期的に見直されるべきです。

インクルージョン・ヨーロッパはすべての締結国に対して以下のことを求めます。

  • 個人のニーズや能力に応じて、支援つき意思決定や法律関連の必須で重要な決定ための法 律を開発すること。
  • 特に支援つき意思決定システムの実践を導くような規則や原則などを含む支援者のため の援助や研修を確実に用意すること。
  • 知的障害のある人のための研修を確実に用意すること。
  • 各個人のためのインフォーマルな支援ネットワークの創造を促し、支援すること。

5. 支援者の選択と登録
いかなる支援つき意思決定のシステムも、障害のある個人のニーズに合致すべきです。支援 者は、各個人によって選ばれるべきです。支援者が個人をある一定の期間、個人的に知って いるということは、有効なことかもしれません。1人の人に対して、複数の支援者を登録する という可能性もあります。これは特に重度の知的障害のある人にとっては大切で、その人の 様々な能力について知っている支援者がグループで支援すると、個人の支援ニーズをより よく理解できるのです。
こうした支援者を特定個人の公的に認可された支援者として認めることで、その支援者の 法的立場を確立し、権限委託を合法化することも重要なことです。

インクルージョン・ヨーロッパはすべての締結国に対して以下のことを求めます。

  • 適切な支援者の基準と選択過程を確立すること;
  • 障害のある個人のための、公的に認められた支援者であることを認可する登録システムを 確立すること:
  • すべての登録された支援者に対する義務制でかつ定期的な研修を確立すること。研修の内 容は適切な支援を提供するために必要なあらゆる事柄と、支援つき意思決定を管理する規 則です。
  • 特定の集団特に、銀行の人、医師、社会福祉士などに対して、支援つき意思決定システムに ついて知らせ、また何を知っているべきかについて、明らかにすること。

6. コミュニケーション・バリアの克服
特に重度の知的障害のある人は、自身の希望や好みについて他の人に伝えるのに困難があ ります。たとえば、息のリズムを通してのみでしか自身のことを伝えられない人もいます。 コミュニケーション機器を必要とする人もいますし、望みについて理解するためにパート ナーの方が特別の技術を用いる必要がある人もいます。

インクルージョン・ヨーロッパはすべての締結国に対して以下のことを求めます。

  • あらゆる形のコミュニケーションが有効であることを認め、人々がコミュニケーション する方法は、その人の意思決定能力に疑問をはさむ要因とはなりえないこと。
  • 意思決定のための支援の提供を行うすべての人が、代替的なまたは機能拡張的なコミュニ ケーションに関する定期的な研修や、コミュニケーション・テクノロジーの利用やその他の テクノロジーの利用に関する研修を受けられるようにすること;コミュニケーション・バリ アがどのように取り除かれたかについての実践例を広げること。

7. 支援者と支援される人との相違や矛盾を防ぐことや解決すること
知的障害のある人が決定をし、支援者がその決定について本人のベスト・インタレストでは ないと考えるような事例が考えられます。たとえば、他の人や組織にお金をあげてしまうと か、個人では所有しきれないような商品を購入してしまうとか、雇用契約の解除などがその 例です.本人の意思決定の権利を維持し、また間違えを犯す可能性についても許容しつつも、 知的障害のある人は虐待や個人的な損害などから効果的にまもられるべきです。

インクルージョン・ヨーロッパはすべての締結国に対して以下のことを求めます。

  • 支援者は、支援を受ける個人に対して、あらゆる可能で適切な方法で、いかなる重要な決定 の結果についても、義務として知らせることができるようにすること。
  • 虐待を防ぐメカニズムを作り出すこと。これには、個人が虐待を受けたケースにおいては、 契約の取り消しができることが含まれます;
  • 問題が発生したときには、また支援者を管理するために、支援者だけでなく支援される人 にとっても、簡単にアクセスできる行政的手続き(裁判所以外の)が、作られるべきです。
  • 支援者の責任や保険に関する疑問に答えること。

8. セーフガードの遂行
国連の条約は支援つき意思決定を管理すべきセーフガードについて、かなり具体的に述べ ています。ここでの重要な原則は「セーフガードは、そうした方法が個人の権利とインタレ ストに影響を与える度合いに比例したものでなければならない」ということです。すなわち 障害の度合いが高い人、または支援ニーズの高い人、そしてその個人の人生の最も基本的な ところに決定が関わるような場合においては、セーフガードも高くされるということです。

インクルージョン・ヨーロッパはすべての締結国に対して以下のことを求めます。

  • 国連の条約に明記されているセーフガードが、遅れることなく、支援つき意思決定の法律 の分野において正しく実施されること。
  • 後見制度の法律は、それが実行されている限り、最終的に支援つき意思決定が知的障害の あるすべての人々にいきわたるまでセーフガードとして確実に組み込まれること。

(翻訳者:全日本手をつなぐ育成会 袖山啓子)