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障がい者制度改革推進会議 第31回(H23.4.18) 中西由起子委員提出資料

2011年3月7日

「障害者基本法改正に、障害のある女性への施策明記を求めます」

中西由起子

障害のある女性は、この社会の中で、二重の困難と複合的な差別を負っています。生殖や子育て、DVおよび性暴力についても、障害のない女性以上に厳しい状況におかれています。2010年12月に閣議決定された「第三次男女共同参画基本計画」にも、「障害のある女性は、障害に加えて、女性であることで更に複合的に困難な状況に置かれている場合があることに留意する必要がある」と書かれました。

女性に対する差別に関しては、「女性差別撤廃条約」が批准され、「男女雇用機会均等法」「男女共同参画社会基本法」「DV防止法」が成立し、各種の施策が行われています。しかし、そこにおいて、障害をもつ人の想定は、欠けているといわざるを得ません。つまり、障害のある女性は、施策の対象から実質的に外されていることが多いのです。

一方、障害者に対する施策には、障害者の中でも性別による格差があるにもかかわらず、その実態への認識やジェンダーへの認識がみられません。

このように、障害のある女性が抱えざるをえない問題は、女性への施策からも、障害者への施策からも、谷間におかれて放置されてきました。だからこそ、国・地方公共団体は、そのことを認識し、障害のある女性が地域であたりまえに暮らしていけるように、障害のある女性に特化した施策を整備し、当事者のニーズに対応したサービスを行き届かせる必要があります。

障害者権利条約も、複合的な差別への認識に立って、第6条「障害のある女性と少女」を設け、各則の随所で障害のある女性について述べ、条約を批准する国が重点的に取り組んでいかなければならない課題であることを明確にしています。日本が条約の批准に向かうには、「障害者基本法」の抜本改正において、障害のある女性への施策が明記される必要があるのです。

「障がい者制度改革推進会議」の「障害者制度改革の推進のための第二次意見」は、さまざまな異なる立場からの議論を経て到達した、時代を牽引していく内容です。障害のある女性の団体からも、「第二次意見」に障害のある女性への施策が書かれたことを高く評価されており、これらの内容が「障害者基本法」改正に必ず反映されることを求めます。第二次意見の総則4(差別の禁止-複合差別)総則5(障害のある女性)・総則11(施策の基本方針-複合差別による格差)・基本的施策7(相談等)・基本的施策13(所得保障)にまとめられた内容をふまえて、障害のある女性について基本法の総則および基本的施策に明確に位置づけることを、強く要請します。

ぜひとも前進にむけたお力添えをお願いします。

■総則について

障害のある女性:

国・地方公共団体は、複合的な困難を経験している障害のある女性が置かれている状況に十分に配慮しつつ、あらゆる制度や政策において、その権利を擁護するために必要な施策を講じなければならない。

■基本的施策について

地域生活・情報アクセス・言語・コミュニケーション保障・政治参加・司法手続き:

国及び地方公共団体は、介助や援助の利用および社会に参画することについて、障害のある女性固有の経験および障壁を調査し、障壁を除去するうえで必要な施策を講じなければならない。

教育・労働・雇用・所得保障:

国及び地方公共団体は、就学や進学の状況、就業の状況、賃金と身分待遇、所得において、一般に存在する性別による格差が、障害者においても複合して存在することを認識し、障害を理由とする格差と性別による格差をなくすことにむけて、必要な施策を講じなければならない。

住宅・健康・医療・相談等:

国及び地方公共団体は、障害のある女性が、障害があるだけではなく女性であるがゆえに、居住や健康にかかわる権利、性と生殖の権利を、著しく侵害されるリスクを負っていること、暴力の被害者になりやすいことを認識し、その権利を擁護するために必要な施策を講じなければならない。

国際協力:

国及び地方公共団体は、日本のみならず世界において、障害のある女性が、障害があるだけでなく女性であるがゆえに生死にもかかわるリスクを負っていることを認識し、障害のある女性に関する国際協力の質量の向上のために、必要な施策を講じなければならない。

推進体制・組織:

国・地方公共団体は、それぞれの審議会組織において過半数を障害者とするとともに、障害者の半数および障害のない人の半数を女性が構成して参画できる状況をつくるために、必要な施策を講じなければならない。

以上