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障がい者制度改革推進会議

DINFのお知らせ

シンポジウム 「もっと知ろう、デイジー教科書を!」
日時:2013年02月03日(10:30~16:00)
場所:戸山サンライズ 大研修室
 

Enjoy Daisy 読めるって楽しい!

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第33回障がい者制度改革推進会議(H23.6.27) 長瀬修委員提出資料

障がい者制度改革推進会議(第33回) 長瀬修委員提出資料

障害者の権利委員会のチュニジアへの総括所見の概要

2011年4月11日から15日まで、スイスのジュネーブにて開催された障害者の権利委員会第5会期において、チュニジア政府への審査と対話が行われ、委員会としての見解を示す「総括所見」が採択された。この総括所見(CRPD/C/TUN/CO/1)が、委員会としての見解を示す文書である。以下、主な内容を紹介する。

チュニジアと日本には、社会、経済的に大きな違いがあるが、委員会の審査の方向性は、批准を目指す日本にとっても示唆に富むからである。

総括所見の「B.積極的側面」において、①障害者組織を含む、広範な国内における協議の過程を経て報告がまとめられた点、②2005年の障害者の地位向上と保護に関する法や、2002年の学齢期の子どもへの差別を禁じる法律(2008年の別法による強化を含め)など、条約に則った形での国内法制と政策の変更を開始した点、③2010年の刑法319条改正によって子どもに対するすべての形態の暴力を禁止された点が積極的に評価された。

「C.条約実施を妨げる要因と困難」として、民主革命に伴う不確実な社会状況が挙げられたが、同時にこうした広範な変革は新たな国造りに障害者が参画する貴重な機会となることも指摘された。

総括所見の主要部分となる「D.主要な懸念事項・勧告」では、主に次のような勧告がなされた。

○一般的原則・義務(第1条、第4条)

障害者手帳の取得について、精神障害者と知的障害者が排除される恐れがあるため、条約に基づく、障害の定義の見直し。新憲法の制定に当たっては、障害者の協議への参加。

○個別の権利(第5条、第8条から第30条)

「平等と非差別」(第5条)合理的配慮の欠如が障害に基づく差別であることの法的規定。反差別法に障害に基づく差別を盛り込むほか、選挙、労働、教育、保健などに関する法律での障害差別禁止。

「障害女性」(第6条)障害女性の権利と尊厳に関する啓発事業の実施。データと統計における障害女性の可視化。障害女性の実態把握のための調査研究の実施。

「障害児」(第7条)障害児への暴力撤廃のためのデータ収集の実施。障害児施設における障害児による苦情申し立ての確立や定期的なモニタリングと評価の実施。障害児施設の職員の研修実施。施設ケアから地域ケアへの転換。

「意識向上」(第8条)地方自治体レベルを含むすべての公務員を対象とする、条約に則った意識向上と研修計画の実施。

「アクセシビリティ」(第9条)アクセシビリティに関する法律の包括的な見直しと、現存する問題点の把握と対応。

「法の前における平等な承認」(第12条)後見制度を許容する法律の見直しと共に、代替意思決定から支援付き決定への転換を図るための法制面と政策面の行動。

「身体の自由及び安全」(第14条)障害に基づく自由のはく奪を許容する法的規定の撤廃と共に、新法の確立までの病院や施設において自由を奪われている障害者全員のケースの見直し。

「搾取、暴力及び虐待からの自由」(第16条)障害女性・女児を家庭と社会での暴力予防策の対象に含むこと。

「個人のインテグリティの保護」(第17条)患者の完全なインフォームドコンセントを抜きにした手術と治療を撤廃する法律の確立と、法律による女性の権利擁護。

「教育」(第24条)表現及び意見の自由を障害者が行使できるようにするための施策の実施と、特にろう者、難聴者、盲ろう者に関して一般公衆向けの情報のアクセシブルな様式での提供。障害児を対象に全ての学校でのインクルーシブな教育の実施。教員と管理職をはじめとする教育職員への研修の強化。障害児のインクルーシブ教育計画のための財源と人的資源の分配。

「労働及び雇用」(第27条)積極的差別是正措置の実施。障害者の職業訓練の多様化。

「政治的及び公的活動への参加」(第29条)後見制度を利用している障害者の投票権を確保する法的措置の緊急実施。

○一般的義務(第31条―第33条)

「統計及びデータ」(第31条)性別、年齢、障害種別により分類されたデータ収集と分析。性別に配慮した条約実施のモニタリング・報告のための指標の策定。性別、年齢、障害種別により分類された障害児に対する虐待と暴力に関するデータ収集。

「国際協力」(第32条)障害者に対してインクルーシブでアクセシブルな国際協力の実施と、障害者の国際協力プロジェクトへの参加の促進。

「国内的な実施及び監視(モニタリング)」(第33条)障害者の参加促進と、パリ原則に則ったモニタリング機関の独立性の確保。