日本バス協会提出資料1
バス事業の現状と取り組みについて
平成26年9月
公益社団法人 日本バス協会
バス事業の概況
乗合バス
●事業者数 1,991事業者(うち 公営30)
●従業員数 106,492人(うち 運転者81,811人)
●車両数 58,994両
●輸送人員 41億2,500万人(うち 高速バス輸送人員 1億373万人)
●営業収入 9,650億6,900万円
※数字で見る自動車2014より
バス事業の現状 / 乗合バスの輸送人員の推移
S43 10,144(ピーク)
H11 4,937
H15 4,448
H16 4,335
H17 4,244
H18 4,241
H19 4,264
H20 4,304
H21 4,178
H22 4,158
H23 4,118
H24 4,125
ピーク時の約40%まで減少
モータリゼーションの影響に加え、近年は少子高齢化の影響により緩やかに輸送人員が減少し続けている。
バス事業の現状 / 平成24年度乗合バス収支状況
(保有車両数乗合車両30両以上の245者集計分)
国土交通資料より
<収支状況>
単位:億円
大都市部 | その他地域 | 合計 | |
---|---|---|---|
収入 | 4,343 | 2,794 | 7,137 |
支出 | 4,365 | 3,165 | 7,531 |
損益 | △23 | △371 | △394 |
経常収支率(%) | 99.5 | 88.3 | 94.8 |
<黒字・赤字事業者数>
大都市部 | その他地域 | 合計 | |
---|---|---|---|
黒字 | 45 | 22 | 67 |
赤字 | 28 | 150 | 178 |
合計 | 73 | 172 | 245 |
※公営事業者を含む
※高速バスは除く
※国土交通省資料より
大都市赤字 約38%
その他地域 赤字約87%
合計 赤字約73%
全国のバス事業者の約7割が赤字
※大都市部以外では約9割の事業者が赤字
「大都市部」とは・・・・
千葉県、東京都、埼玉県、神奈川県、愛知県、三重県、岐阜県、大阪府、京都府(京都市を含む大阪府に隣接する地域)、兵庫県(神戸市及び明石市を含む大阪府に隣接する地域)
バス事業の現状/主なバス事業者の経営再建等の事例
平成13年以降の再生等の事例 ※乗合規制緩和は「平成14年2月」 ※車両数は、再建当時の台数 H26.8.1現在 (公社)日本バス協会調べ
会社名 | 地域 | 再建方法 | 車両数 | 負債 | 受け皿(支援企業) | 備考 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
乗合 | 貸切 | その他 | |||||||
平成13年12月 | コトデンバス株式会社 | 香川 | 民事再生法 | 70両 | 43両 | 約600億円 ※負債額はグループ合計 | 香川日産、加ト吉 | 「ことでんバス㈱」で営業中 | |
平成14年9月 | 東陽バス株式会社 | 沖縄 | 民事再生法 | 100両 | 50両 | 約24億円 | |||
平成15年6月 | 那覇交通株式会社 | 沖縄 | 民事再生法 | 203両 | 107両 | 約40億円 | 第一交通産業 ※タクシー事業者 | 「那覇バス㈱」で営業中 | |
平成15年8月 | 九州産交グループ | 熊本 | 産業再生機構支援 | HIS-HS九州産交投資組合((株)エイチ・アイ・エスとエイチ・エス証券が主体となって出資) | 九州産業交通ホールディングス傘下で九州産交バス(株)、産交バス(株)、九州産交観光(株)の3社に再編して営業中 24.7 エイチ・アイ・エスの連結子会社に | ||||
九州産業交通株式会社 | 317両 | 2両 | |||||||
天草産交株式会社 | 55両 | 11両 | |||||||
熊北産交株式会社 | 58両 | ||||||||
熊南産交株式会社 | 61両 | 15両 | 1両 | ||||||
産交観光バス株式会社 | 117両 | 28両 | |||||||
(大阿蘇観光バス株式会社) | 29両 | ||||||||
平成16年1月 | 京都交通株式会社 | 京都 | 会社更生法 | 193両 | 59両 | 約83億円 | 京阪バス(亀岡地区) | 「京阪京都交通(株)」で営業中 | |
日本交通(舞鶴・福知山地区) | 「京都交通(株)」で営業中 | ||||||||
平成16年6月 | 北都交通株式会社 | 北海道 | 民事再生法 | 67両 | 67両 | 約53億円 | 銀嶺バス | ||
平成16年8月 | 富士交通株式会社 | 宮城 | 民事再生法 | 18両 | 18両 | 帝産観光バス仙台 | 「帝産富士交通㈱」を経て 20.12 事業廃止 | ||
平成17年1月 | 関東自動車株式会社 | 栃木 | 産業再生機構支援 | 269両 | 93両 | 13両 | (有)ジェイ・ピー・ジェイ((株)ジェイ・ウィル・パートナーズが設立) | 24.4 (株)みちのりホールディングス傘下へ | |
平成17年1月 | 大分バス株式会社 | 大分 | 私的整理(整理回収機構) | 316両 | 36両 | 西鉄、大分県、地元企業他 | |||
平成17年2月 | 立山開発鉄道(立山高原バス) | 富山 | 産業再生法 | 40両 | 25.10 「立山黒部貫光(株)」への吸収合併で営業中 | ||||
平成17年3月 | 国際興業株式会社 | 東京 | 産業再生法 | 834両 | 80両 | 約3,000億円 | 米・サーベラス キャピタルマネジメント | 24.11 運輸・流通部門を国際興業グループ(株)として分社 26 サーベラスが株式を再度創業家へ売却 | |
平成17年4月 | 宮崎交通株式会社 | 宮崎 | 産業再生機構支援 | 472両 | 70両 | 8両 | 雲海酒造他16社※地元企業主体 | ||
平成17年4月 | 琉球バス株式会社 | 沖縄 | 民事再生法 | 281両 | 106両 | 約81億円 | 第一交通産業㈱ | 「㈱琉球バス交通」で営業中 | |
平成17年4月 | 水間鉄道株式会社 | 大阪 | 会社更生法 | 18両 | 9両 | 約140億円 | ㈱グルメ杵屋 | ||
平成17年6月 | 日立電鉄バス株式会社 | 茨城 | 産業再生法 | 155両 | 47両 | 持株会社へ移行 | 「日立電鉄交通サービス(株)」で営業中 | ||
平成17年6月 | 茨城交通株式会社 | 茨城 | 私的整理(整理回収機構) | 310両 | 63両 | 20.11 民事再生法申請 →(株)みちのりホールディングス傘下へ | |||
平成18年2月 | 常磐交通自動車株式会社 | 福島 | 特別清算 | 202両 | 59両 | グリーンキャブ ※タクシー事業者 | 「新常磐交通㈱」で営業中 | ||
平成18年6月 | 中国バス株式会社 | 広島 | 私的整理(整理回収機構) | 161両 | 65両 | 両備ホールディングス | 「(株)中国バス」で営業中 | ||
平成18年12月 | 全但バス株式会社 | 兵庫 | 経営支援要請 | 142両 | 44両 | 神姫バス | |||
平成19年12月 | アルピコグループ | 長野 | 産業再生法 | 20.5 持株会社へ移行 20.8 各社を松本電鉄の子会社に | 23.4 各社を吸収合併の上 アルピコ交通㈱に社名変更 | ||||
松本電気鉄道株式会社 | 202両 | 22両 | |||||||
諏訪バス株式会社 | 75両 | 5両 | |||||||
川中島バス株式会社 | 170両 | 25両 | |||||||
(アルピコハイランドバス株式会社) | 134両 | ||||||||
平成20年4月 | 福島交通株式会社 | 福島 | 会社更生法 | 487両 | 65両 | 約82億円 | みちのりホールディングス | 茨城交通㈱、岩手県北㈱と管理部門一体化 | |
平成20年6月 | 熊本電気鉄道株式会社 | 熊本 | 増減資実施 | 114両 | 21両 | ||||
平成20年11月 | 西肥自動車株式会社 | 長崎 | 私的整理 | 314両 | 49両 | 約90億円 | 親和銀行、西鉄 | ||
平成20年12月 | 琴平参宮電鉄株式会社 | 香川 | 私的整理(整理回収機構) | 38両 | 43両 | 約38億円 | 大川自動車㈱ | 「琴参バス㈱」で営業中 | |
平成21年5月 | 岩手県北自動車株式会社 | 岩手 | 民事再生法 | 171両 | 56両 | 約92億円 | みちのりホールディングス | 福島交通㈱、茨城交通㈱と管理部門一体化 | |
平成21年5月 | ばんけい観光バス株式会社 | 北海道 | 私的整理 | 5両 | 13両 | 約5億円 | 太陽グループ | 21.9 札幌ばんけい㈱に社名変更し事業継続 | |
平成21年5月 | 東急グループ | ||||||||
宗谷バス株式会社 | 北海道 | 94両 | 50両 | ジェイ・ウィル・パートナーズに株式譲渡※投資ファンド | 平成22年度中に自社株の買い戻し | ||||
北海道北見バス株式会社 | 北海道 | 94両 | 10両 | 23.7 地元資本による株の買い戻し | |||||
斜里バス株式会社 | 北海道 | 9両 | 28両 | 平成22年度中に自社株の買い戻し | |||||
網走交通バス株式会社 | 北海道 | 43両 | 25両 | 22.4.自社株買い戻し→網走観光交通に社名変更 | |||||
上電バス株式会社 | 長野 | 10両 | 26両 | 「上田バス(株)」で営業中、筆頭株主は草軽交通へ | |||||
草軽観光バス株式会社 | 長野 | 16両 | バス事業を草軽観光バス㈱に吸収分割のうえ(新)草軽交通としてスタート。 23.6 地元資本による株の買戻し。 | ||||||
(草軽交通株式会社) | (長野) | (11両) | |||||||
東急鯱バス株式会社 | 愛知 | 78両 | 13両 | バス事業等及び㈱東急サービスを、分割準備会社に吸収分割 | |||||
平成21年7月 | 小豆島バス株式会社 | 香川 | 27両 | 27両 | 金融機関からの新規融資が 受けられず、バス事業から撤退 | 22.4 小豆島の住民有志が出資、設立したバス会社「小豆島オリーブバス㈱」が運行開始 | |||
平成22年12月 | 会津乗合自動車株式会社 | 福島 | 企業再生支援機構 | 171両 | 28両 | 約14億円 | 企業再生支援機構の支援決定 | 25.8 みちのりホールディングス傘下へ | |
平成24年10月 | 井笠鉄道株式会社 | 岡山 | 事業廃止 (突然の経営破綻) | 87両 | 35両 | 約32億円 | 中国バス ※両備ホールディングス | 中国バスと北辰バスが緊急的に事業を引き受け。 25.4 公設民営型の㈱井笠バスカンパニーを設立し事業を継 |
平成13年以降の経営再建等の事例45件
バス事業の現状/国土交通省バス関係予算の推移
金額は補正予算は含まない
項目 | 内容 | 平成23年度 | 平成24年度 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度(概算要求) |
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地域公共交通確保維持改善事業(総合政策局所管) |
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30,530 百万円 | 30,578 百万円 (対前年 48 百万円) | 30,578 百万円 (対前年 0 百万円) | 30,560 百万円 (対前年 ▲ 18 百万円) | 36,320 百万円 (対前年 5,760 百万円) |
低公害車普及促進対策費補助金 |
|
1,038 百万円 | 980 百万円 (対前年 ▲ 58 百万円) | 871 百万円 (対前年 ▲ 109 百万円) | 840 百万円 (対前年 ▲ 31 百万円) | 1,021 百万円 (対前年 181 百万円) |
自動車事故対策費補助金 |
|
782 百万円 | 811 百万円 (対前年 29 百万円) | 1,077 百万円 (対前年 266 百万円) | 1,008 百万円 (対前年 ▲ 69 百万円) | 1,107 百万円 (対前年 99 百万円) |
交通政策基本法や改正された地域公共交通活性化・再生法に基づき、地域の生活路線の確保・維持を図るため、地域公共交通確保維持改善事業等の予算の拡充を期待。
輸送サービスの改善 / 人と環境にやさしいバスの導入
人にやさしいバスの導入事例(ノンステップバス)
ノンステップバスは出入口の段差が無く、スロープ板を装備することで車椅子での乗降にも対応する、バリアフリー対応車両。都市部を中心に普及が進んでいる。
■ノンステップバス導入状況(平成25年3月末現在)
17,989両 普及率約3割
環境にやさしいバスの導入事例(ハイブリッドバス)
厳しい排ガス規制によりバス車両の低公害化も進み、ハイブリッドバス(写真)の他、CNG(天然圧縮ガス)バスの普及が進むほか、電気バスの運行も始まっている。
■導入状況(平成25年3月末現在)
ハイブリッドバス 980両
CNG(圧縮天然ガス)バス 746両