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特集/「アジア太平洋障害者の10年」中間年を迎えて

域内各国での取り組み

ニュージーランドにおける進捗状況

デイブ・ヘンダーソン

1 10年の認識

 保健省大臣が「アジア太平洋地域に対する障害者の完全参加と平等に関する宣言」に署名した際、政府は記者発表を行い、そのことは都市の有力新聞に掲載された。この発表は、中国の[とう]撲方氏がニュージーランドを訪問した際、保健省大臣が会見し、国会議事堂でレセプションが開催されたときに行われた。

 国民全体のうち、「アジア太平洋障害者の10年」(以下「10年」とする)を認識しているのはごくわずかの人たちにすぎない。その多くは障害をもつ人やニュージーランド障害者協会(DPA)と関連のある団体で、DPAの刊行物を購読している人たちである。DPAと関連があるということは、RNN、RI、DPIともつながっていることを意味する。

 障害者のうち、10年を認識しているのは20%~40%と思われる。その人たちは、DPAとつながりをもち、刊行物を受け取っているか、または、WBU、WFD、WFPS、Inclusion International等を通して知った人たちである。

2 1992年以降の具体的な成果

 人権、建築物に関する法律、機器の供給計画、ニーズ支援の評価などにおける進展はめざましい。しかしながら、これらの成果は、1981年の国際障害者年以来の動き全体の中から続いてきたとも言える。

 改善点の中には、議会を通るのに時間がかかるものもある。

 障害分野全体に関する関心は高まっており、週刊誌スタイルの障害に関するプログラムも作られた。

 昨年の9月に開催されたオークランドでのRI世界会議やRNN主催のキャンペーン会議には首相が出席し、10年の啓発に役立った。

3 10年の推進

 今後の10年推進に最も重要な課題は、政府各省庁や各部局担当者が、障害者団体と一層協調していくことである。

 われわれが不満に思うことは、政府省庁内ではしばしば起こる論争に時間が費やされてしまい、障害をもつ人の真のニーズは何かという、意見をくみ取る視点が欠けてしまうということである。われわれは自分たちのニーズについては政府よりもずっと明確に理解している。

(ニュージーランド障害者協会常務理事)


(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「ノーマライゼーション 障害者の福祉」
1997年1月号(第17巻 通巻186号) 21頁