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長野パラリンピック開催に向けて

雪の上の戦い

―熱き戦いまであと100日―

(財)長野パラリンピック冬季競技大会組織委員会

 今回は、雪上競技として長野パラリンピック冬季競技大会で行われる、アルペンスキー、クロスカントリースキー、バイアスロンの3競技を紹介します。
 各競技とも競技用具などは障害に合わせて、使いやすいように工夫されています。例えば、足に障害がある選手は、アルペンスキーでは1本のスキーとアウトリガー(ストックの先に小さなスキーをつけたもの)を使って滑ったり、チェアースキー(1本のスキーの上にいすをセットしたもの)を使って競技を行います。また、クロスカントリースキー・バイアスロンではシットスキー(2本のスキーの上にいすをセットしたもの)を使います。
 この他、視覚障害の選手にはガイドが伴走して競技が行われ、バイアスロンでは電子音響照準装置を備え付けたライフルを使用して音を頼りに射撃を行います。
 では、どんな種目がどこで行われるのでしょうか。
 アルペンスキーは山ノ内町志賀高原を会場に、滑降、スーパー大回転、大回転、回転の4種目が行われます。最もスピードの出る滑降では、最高時速は男子が約90km、女子が約70kmにも達し、体力とスピードの限界に挑戦する競技です。
 また、前回のリレハンメル大会で日本は、大回転、回転で銀メダル3個、銅メダル3個を獲得しています。今回の長野でもメダルの期待がもてます。
 「雪の上のマラソン」とも呼ばれるクロスカントリースキーは、白馬村のスノーハープで熱戦が繰り広げられます。「起伏に富んだすばらしいコース」とTD(注)や選手のお墨付き。種目は個人種目とリレー種目があり、2.5kmから20kmの範囲で距離が設定され、クラシカル走法とフリー走法により競われます。
 また、長野パラリンピックから初めて知的障害者のクロスカントリーへの参加が正式に決定しました。
 バイアスロンはクロスカントリーの「動」と射撃の「静」の正反対の競技をいかに速く、正確にクリアするか、スタミナと集中力が要求されるスポーツです。会場は野沢温泉村バイアスロン競技会場。2.5kmのコースを3周する間に、2回射撃を行います。
 今年の2月に行われたプレパラリンピックで実力の差を実感した日本。来年3月、長野パラリンピックで外国人選手を相手にどこまで善戦できるか楽しみです。

 (注)技術代表として、各国際競技連盟のルール及びIPC(国際パラリンピック委員会)のルールに基づいて、競技が行われているかどうか確認する者。


(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「ノーマライゼーション 障害者の福祉」
1997年11月号(第17巻 通巻196号)70頁・71頁