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特集/もう1つのオリンピック 日本の3月、パラリンピック。

選手にインタビュー

大日方邦子さん

東京都出身、放送局勤務
出場種目 : アルペンスキー

―大日方さんは、4年前のリレハンメル大会にも出場されていて、今回で2回目の参加になりますが、前回と今回、気持ちの面で何か違いはありますか。

 リレハンメルでの大会では、無我夢中というか、何もかもわからないままで出ていましたが、国際的な競技へのスタートになったと思っています。
 それから4年間ずっと長野を目指してきました。

―そうすると、今回の大会での具体的な目標などはありますか。 

 出場するからには勝ちたいと思いますが、まずは、悔いを残さないようにベストを尽くすことですね。そのうえでメダルを取れればいいと思います。

―年間に大会は何回かあるのですか。

 海外遠征となると、とにかくお金が足りないんです。どの障害者スポーツにもつきものみたいですけれど。だからあまり行かれなかったんですが、とは言っても年に1回は行ってましたね。

―遠征のときの資金はどうされているのですか。

 一部自己負担で…、残りは国の強化費やスポンサーが出してくれています。でも全然足りないですね。
 そういう意味でまだまだ障害者スポーツに理解が足りないと言うか、立ちおくれていると思います。日本では障害者スポーツがまだスポーツとして認められていないんだなとすごく感じますね。

―そうすると、日本と外国のレベルに技術の差はありますか。

 それは障害別のクラスによって異なります。いずれにしても日本では、まだ練習するための環境が整っていないというか、だんだんに整えていかなくてはいけないと思うのですが…。それを周りの人たちに理解していってもらうのも私たちの役割だと思っています。
 やっぱり、もっと社会全体の障害者スポーツに対する評価が変わっていかないとなかなか難しいと思います。周りの理解が進めば、練習環境が整備されてきて選手のレベルもあがるし。

―日頃から練習を積んでいかないと、当日十分な力が発揮できないと思うのですが、そのための練習はどうしていますか。

 練習量をもっと多くしないと。陸上トレーニングは、できる限りやるようにしていますが、仕事との関係でなかなか満足のいくような練習ができないのが現実です。
 私の場合は、職場での理解が比較的あるので助かっています。

―最後に本誌読者に一言、長野パラリンピックでは、どんな所を見てほしいと思いますか。

 競技として、いいパフォーマンスをしているところを見てほしいと思います。そして、スピード感、テクニックを見てほしいと思います。

※取材・インタビュー 編集部


(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「ノーマライゼーション 障害者の福祉」
1997年12月号(第17巻 通巻197号)12頁・13頁