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編集後記

 今年は、国外だけでなく国内のいろいろなところにも出かける年です。特に、鳥取県の米子市には5回も行きました。この号が出る頃には終わっていますが、10月8日から3日間にわたって開催される「障害者市民フォーラム」の実行委員会に出席するために6月から月1回、7月などは日帰りを含めて、2回も米子に行きました。
 フォーラムには、県内外から300人以上の障害者が集まります。電動車いすに乗った人たちの参加も50人以上にのぼると思われるので、フォーラム開催期間中は、アクセスが十分でない空港も駅もホテルもレストランも大変なことになるでしょう。
 でもこうして障害者自身がいろいろなところに出向いて行って、アクセスの必要性を知らしめていくことが重要なのです。建物や乗り物だけでなく人の態度も少しずつですが、障害者と接することで変わっていくと思います。
 フォーラムのような全国集会を開くと、ボランティアも多く集まり、そこからいろいろな人とのネットワークも広がっていき、人々の意識が変わっていきます。
 米子も今回のフォーラム開催によって、これから変わっていくことでしょう。

(O)


 7月の特集で「ピープルファーストはなしあおう会」のみなさんに、生活上で支援が必要なのはどんな時かをうかがいました。その内容は、誌面の都合で掲載できませんでしたが、1人で電車に乗れないことを話してくれました。なぜかというと、自分はどのホームに行っていいのか、分からないから…。
 その答えを出してくれたのが、今月号の「すてきなサポーターになろう」でした。今回のテーマは、駅のちょっとした工夫で、1人でも行動ができるというものです。この「ちょっとした工夫」とは、言われてみれば、何も特別なことではありません。でも、それによって、安心して駅を利用できる人がぐっと増えることはまちがいないでしょう。
 先月号で武居先生に「知的障害のある人たちのための『わかりやすい本』製作活動の動き」について、紹介していただきました。そのなかで紹介されていた「手をつなぐ育成会」が今年発行した「こくさいれんごうによるわたしたちのためのきまり」を見ました。
 ひらがな書きで、分かりやすい表現で書かれています。
 このようなわかりやすい本製作の活動や街のなかの分かりやすい表示など、「みんなが分かるのがいい」といった考え方が広がってほしいと思います。

(K)

(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「ノーマライゼーション 障害者の福祉」
1999年10月号(第19巻 通巻219号)