音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

街なか探検隊 Vol.29
宮城
ハイランド名物 バンジ-ジャンプで仙台を飛ぶ

佐藤奈美

仙台ハイランド

 仙台ハイランドは遊園地あり、スポーツ公園ありの総合レジャーランドです。中でも最近、注目を集めているのがバンジージャンプです。縦、横、逆バンジーの三種類があり、この三つをクリアすると抽選でグアム旅行が当たるというのです。私はこの三つにチャレンジしようと思いました。ハイランドに到着してから、スタッフの方と打ち合わせをしました。ハーネスの付け方、飛び方などを親切に教えてもらいました。まずは横バンジーから挑戦しました。横バンジーはだれかにハーネスを引いてもらわないと飛べないので、介護者と一緒に飛びました。「もういいだろう」というくらい上へ上へとどんどん上がっていきました。
そして、スタッフの「3・2・1・バンジー」というかけ声と共に介護者はハーネスを引きました。一緒に来てくれている仲間に手を振ったり、景色を見渡したりと、もっと楽しめる余裕があると思っていましたが、怖くて体は硬直し、声をはりあげることもできませんでした。あとの二つは怖くてやめようがとも思いましたが、三つクリアすればグアム旅行が当たる可能性があるし、「よし、やろう」と決心しました。
 二つめは縦バンジーです。おんぶしてもらって上まで上りました。ハーネスは足首に付けるのではなく、肩と股関節を固定できるものを使用しました。準備が整ったら飛び込み台へと向かいました。見下ろすとかなり高くて本当に怖かったです。縦バンジーはだれかに飛ばせてもらうのではなく、自分の意志で飛ばなければいけません。スタッフの一回目のかけ声「3・2・1・バンジー」では怖くて手が離れず、飛び込むことばできませんでした。二回目のかけ声でやっと飛び込みました。下へ上へと跳ね返って、あっという間に終わりました。飛び込むまでが大変で、すごい勇気が要ります。
 最後は逆バンジーです。私の体重が軽すぎたのでスタッフの方が一緒に乗ってくれました。これは専用の椅子に座り、肩と足をしっかり固定してやります。「3・2・1・バンジー」。かけ声と同時に勢いよく飛び上がりました。空中で三回転ぐらいする時、頭が椅子にガンガンぶつかりました。少し動きが優しくなった時に、空中で初めて声を出すことができました。達成感でいっぱいでした。素晴らしい体験ができて、いい思い出になりました。勇気と根性さえあればだれでもできますヨ。
 ほかにも観覧車やジェットコースターなど乗り物がたくさんあります。思う存分絶叫して、日頃のストレスを解消してしまいましょう。車いす専用のトイレもありますので、心配せずに一日中楽しむことができます。スタッフの方々も快く対応してくれるので、何か困った時はと気軽に声をかけてみてはいかがでしょうか。

極楽山西方寺

 極楽山西方寺は定義如来の名で知られています。その名の由来は壇ノ浦の戦いに敗れたあと、源氏の追討を逃れてこの地にやってきた平真能公にあります。真能は世をはばかり名を定義と改め、これが定義となったそうです。縁結び、子授けの仏として有名です。車いす専用の通路、トイレも常備されています。
 門前はいろいろなお店が並んでいて、一年中お祭りのような雰囲気で賑わっています。「焼きおにぎり」を売っている店もあれば、「やきめし」を売っている店もありました。香ばしくておいしさ抜群です。中でも人気を集めているのが三角油揚げです。揚げたてのアツアツ油揚げを醤油、七味だけでシンプルに食べます。これが実においしいのです。底辺が十五センチほどもある三角形の油揚げは、中身の豆腐も結構厚いので食べごたえがあります。この油揚げを求めて、お店の前には行列ができるほどです。ほかにも豆腐の味噌田楽など、安くておいしそうな物がたくさん並んでいました。

ニッカウイスキー仙台工場

 公園と見まがうような、大自然と赤レンガ造りの建物がよく調和しています。大麦の発酵から榑詰めまでの主な工程を無料で案内してくれます。二階はエレベーターがなかったので見ることができませんでした。来年には、昇降機がつくられるようですので、車いすでも見学できるようになると思います。見学後は熟成されたウイスキーの試飲も楽しむことができます。十五年も熟成された五十五度のウイスキーの試飲もあり、これはほんの一滴味わっただけでも胸が燃えるほど温かくなりました。アップルワインなどもあり、ウイスキーが好きな人には結構楽しめると思います。車いす用トイレが常備されていますので、安心してたくさん見学することができます。
 仙台ハイランド、極楽山西方寺、ウイスキー工場は、仙台市内の山あいの同じエリアに集中していますので、一日かけてゆっくりとまわってみてはいかがでしようか。ただ交通面は不便で、JRは無人駅だったり、バスが走っていなかったりしますので、車やタクシーなどで行かれるのが一番よいと思います。

るーぶる仙台

 る-ぶるは仙台市内中心部の観光スポットを約一時間で廻る巡回バスのことです。車いすでも安心して乗れるリフトが付いています。基本的に中乗り、前降りとなっています。乗車口のステップのところに収納式リフトが付いていて、運転手が操作を行い乗車します。
車内には車いす優先スペースがあります。主な観光スポットは博物館、青葉城、美術館などです。このバスを使って心ゆくまで楽しんではいかがでしょうが。

(さとうなみ 障害者生活支援TIJ副代表)