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ケアについての一考察

地域生活支援を利用して町で暮らす

佐藤和行

自分の障害と現在の生活

 僕は現在、北海道伊達市内のアパートで一人暮らしをしており、軽度の知的障害をもっています。アパートで暮らして2年半になります。あとレックリングハウゼン氏病という皮膚にできものができたり皮膚にあざみたいにでてくる病気をもっています。肝臓にも病気をもっており、肝炎といってウイルスが肝臓にいることです。この病気は病院での注射針の使い回しや輸血のときに使った針のほかには親子感染が原因と言われています。この病気は肝臓に疲れをためると、身体が疲れ、だるくてまったくなにもできなくなります。だからあまり無理できない身体になりましたが、自分自身は病気に関してこだわりをもっていませんし、障害に関しても自分自身こだわりをもっていませんので、自分自身の病気や障害に関する説明はこれぐらいにさせていただきます。

いままでの人生

 僕は、小学校と中学校を普通学級で学びました。その後、高校を二つ受けましたが、だめでした。次に定時制の高校を受けました。1年通いましたが、やめました。理由は4年間通っても仕事を世話できないと担任に言われ、親戚たちが話し合って手に職をつけたほうがいいということで、伊達の高等養護学校を受け入学しました。そこで3年間寄宿舎で生活しながら勉強や学科の勉強をしたり、職場実習を経験したり、いろいろと3年間は楽しかったりつらいことがあったりしましたが、無事卒業し、今の会社に就職し、伊達の通勤寮にはいりました。
 ここでは社会に出て生活するため、いろいろなことを1年半勉強しました。通勤寮を退所したあと下宿やアパートで3か月間ずつ生活実習をしました。それからグループホームで3~4年間生活しました。給料だけでは生活が苦しいので、地域生活支援センターに頼んで障害年金が受けられるように手続きをしてもらいました。年金ももらうことができましたので生活も少し楽になり、平屋の借家に引っ越し、一人暮らしを始めました。
 一人暮らしは大変ですがとてもよいです。このあと結婚をめざし、いまの広いアパートに引っ越しました。

自分たちに必要な支援とは

 私たち知的障害者は、その人が住む近くに必要な支援があれば安心して地域で暮らすことができます。まず、第一に住宅問題です。それから就労(仕事)問題、通院や買物、身の回りのこととか健康管理とかさまざまな問題がたくさんあります。そういう問題を助けてくれるのが地域生活支援センターです。
 地域生活支援センターが近くにあると助かります。僕も支援センターの支援を受けながら地域生活をしています。何かあったらそこに行くか、電話をしたら来てくれたりもします。
 今でも僕自身、不安な面もあります。年をとったらどうなるのかなあと思います。だから支援センターがあると助かります。でも全国的にみてもこういうセンターがまだまだ少ないなあと思います。なぜこういった体制がととのえられないのか不思議でなりません。何かと問題があると思いますが、早く支援センターが全国に広がればいいなと思います。
 この1年は、僕にとって大変な年でした。結婚の問題もありました。今は新しいアパートに引っ越す準備で大忙しです。絶好調できていた僕ですが、不幸のどん底の1年でした。病気も5年ぶりに悪くなり入院、それも2か月半という長いものでした。そのため仕事も大変つらく思いました。僕が何かをしたいときに支援センターの支援が必要になってきます。それがあって、この1年が乗り切れました。
 あと4日で新築のアパートに引っ越しです。僕の新たなスタートです。今、夢に向かって進んでいる気がします。

(さとうかずゆき 北海道伊達市在住)

(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「ノーマライゼーション 障害者の福祉」
2001年3月号(第21巻 通巻236号)