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編集後記

 今月号の特集のコーナーに原稿を書きました。「厚生労働省に期待すること」というテーマでしたが、久しぶりに障害者の雇用について文章を書きました。
 実は、障害者リーダー育成事業の研修生だったときの私の研修テーマは、「障害者の就労」でした。私の研修先であったバークレーの自立生活センターでは、20年以上前にすでに「就労支援」の部門がありました。日本の自立生活センターで就労支援を行っているところはまだありませんが、本文中にも書いたように今年度の施行事業として障害者の就労支援を行うセンターが出てきました。これは、障害当事者が運営する自立生活センターにとって大きな一歩だと思います。
 これまでずっと「地域で生活しよう」と障害者に呼びかけ、地域で暮らす障害者の支援として生活の保障を求めて長く活動してきましたが、今度は「生きがい」や「社会貢献」ということにも焦点を置き、さらに進んだ社会参加をめざすことになると思います。
 自立生活センター自体が、障害者の雇用の場をつくっているとも言えます。いろいろな場面で、障害当事者の活躍が増えていくことは喜ばしいことです。

(O)

 今月号の特集の座談会では、厚生行政と労働行政の連携で、障害のある人たちの新しい就労生活はどのような可能性を生み出していくか、雇用や就労関係者からの現状を踏まえたご意見やアイディアがたくさん出され、あっという間の2時間でした。知的障害や精神障害のある人たちは、働く場面と生活場面の両方のサポートが必要なので、厚生労働省の発足には大いに期待したいという言葉が印象的でした。
 昨年の9月号の特集「新たな職業の可能性」では、生活と働く場面双方の支援の取り組みを紹介しました。「本人の夢を引き出す努力」「好きなことは続けられる」。そのためにはどんなサポートが必要なのか、9月号の座談会でも話題になりました。「すてきなサポーターになろう」のコーナーで紹介した知的障害、精神障害のある人たちのサポートポイントも、頭の中をグルグル駆けめぐります。
 厚生労働省の発足は、障害のある人たちの生活をトータルに支援できる可能性が大いにあります。今回出された期待を実現させるためには、当事者をはじめ関係者の積極的な働きかけが大切になってきます。

(K)