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自立と社会参加を考える大会に

「アジア太平洋障害者の十年」最終年記念大阪フォーラム組織委員会
委員長 嵐谷安雄

 「アジア太平洋障害者の十年」最終年記念大阪フォーラムが今秋開催されます。その組織委員長の大役をお受けしました。全く無学の私がその責任を果たせるか不安ですが、障害当事者の視点でお役に立てたら幸いと思います。現在の障害者福祉の施策は、関係機関、各位のご努力によるものと敬意を表します。
 しかし、なぜか障害者福祉の言葉のもとに障害者を包囲してしまってはいないでしょうか。福祉施策も所詮、健常者側が想像する障害者の域であると考えられます。これでは障害者は満足できません。自分たちのことは自分たちでやっていく時代です。障害者は多種多様なのです。障害当事者が自ら声を発し、立ち上がらなければなりません。
 バリアフリーに関しても、ある障害のための福祉施設が別の障害者にとってはバリアになってしまうことがあります。バリアフリー社会の実現を望んではいますが、すべての障害者が同一ではないということでしょう。障害のある人もない人も共に使いやすいユニバーサルデザインを積極的に推進する必要があります。
 「完全参加と平等」がテーマの国際障害者年から20年が経過しましたが、障害者福祉はまだ道半ばと言えましょう。ここで今一度、障害者福祉を見直し、障害者の自立、社会参加を障害当事者の視点で考える時がきました。これまでの与えられる福祉から障害者自らが自分の生活に権利と責任をもつ認識が必要です。2003年度から実施される支援費制度に対しても障害者の意見を反映させていかねばなりませんし、障害者一人ひとりが社会の一員だと言える賢者になってほしいと願っています。
 10月には国内外から約2000人の仲間が大阪に結集します。世界一の障害者福祉を目標に、そのための努力を共に頑張ろうではありませんか。

(あらしだにやすお)