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■資料■
障害者の社会統合促進に関する
キャンペーン2001ハノイ宣言

2001年12月13日、ベトナム国ハノイ市

 我々、2001年12月10日から15日までベトナム、ハノイ市で開催された、アジア太平洋障害者の十年キャンペーン会議参加者は、

 RNN(アジア太平洋障害者の十年推進NGO会議)およびキャンペーン2001組織委員会は、ベトナム労働・戦傷・社会省(MOLISA)、国連ESCAP(国連アジア太平洋経済社会委員会)、ベトナム障害者支援組織(VNAH)と協力して、アジア太平洋地域の障害のある人々の平等な機会の推進を念頭におき、「十年」行動課題を推進するため、第9回キャンペーン会議を開催した。

 国内およびアジア太平洋地域37カ国から1400人が、うち障害のある人は1000人を超え、過去9年間にアジア太平洋障害者の十年の目標が達成されたことについて意見交換し、討議するためハノイに結集した。

 会議参加者は、全体会および分科会に様々な課題を話し合い、その結果として提案を作成した。それらの領域とは、国内の法律と政策、教育と職業訓練、雇用と事業開拓、建築物と公共交通機関、障害原因の予防、リハビリテーションサービスへの地域社会に根ざした取組み、文化とスポーツ、バリアフリー観光、女性と子ども、情報通信技術、そして国際協力である。

 21世紀の時代に、アジア太平洋地域3億5000万人の障害のある人々は、依然として、最も教育が受けられず、最も貧しいそして弱い立場置かれるか、差別の対象となっている。

 国連総会の第三委員会は、2001年11月30日に、「障害のある人の権利と尊厳を推進し、護る総合的かつ統合的な国際条約」に関する決議を採択し、それには国際条約の草案作成のためのアドホック委員会の設置が含まれる。

 アジア太平洋障害者の十年は2002年に最終年を迎え、「キャンペーン2002」は2002年10月に大阪で開催される。

 我々全員は、様々な障害のある人が、全ての人のためのバリアフリー社会を作り、国内の開発に貢献し変化を起こす存在であることを認識している。
 以上の認識に立って我々は以下を宣言する。

1.ESCAP域内のすべての人々と政府に対し、障害をもつ人の権利と尊厳を推進し護る国際条約への理解を促進し草案づくりへの支持を、また、政府に対し、ESCAP、国連人権委員会高等弁務官、他の関連団体と協力して、国際条約に反映させるべき内容と実際的な方法を盛り込んだ提案をする特設委員会の働きに貢献する地域内会合またはセミナーを開催するよう要請する。

2.ESCAP域内の政府に対し、障害のある人々の権利のための国際条約の草案作成と実施を促進するための地域の機構として、アジア太平洋障害者の十年(1993-2002)をさらに10年延長することを促し、以下のことに焦点をあてるよう要請する;

(a) 教育、訓練と雇用、建物および情報通信技術へのアクセス、社会保障そして所得保障等の主要戦略領域
(b) 近接地域間協力・協調の強化

 この際、アフリカの障害者の十年(2000-2009)と提案されているアラブの障害者の十年(2003-2012)に対する協力へも拡大すること。

3.アフガニスタンと東チモールの復興支援に関し、国連、国際助成団体、援助を実施する政府および団体は、主要対象グループとして明快に、障害のある人々を含めるよう要請する。

4.障害のある人をエンパワーし、21世紀のバリアフリー社会づくりに貢献する様々な障害のある人、特に女性障害者の自助団体設立を支持するよう、政府とNGOに要請する。

5.キャンペーン2001の宣言およびグループデイスカッションの成果で作成された提案実施にむけて、開発過程の主流に障害のある人を含めてゆくことを進めながら、アジア太平洋地域の国連・政府間機関・政府、NGO・民間セクター・マスメディアのすべてのメンバーと協力し、力を結集して働くことを決議する。

(日本語訳RNN事務局)


(注)RNN事務局より発表された訳文をそのまま掲載しました(編集部)。

(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「ノーマライゼーション 障害者の福祉」
2002年3月号(第22巻 通巻248号)