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工夫いろいろ エンジョイライフ

聴覚障害【3】
●買い物・その他●

提案:野田尚子(熊本県ろう者福祉協会会員)
イラスト:はんだみちこ

金額表示板のレジを利用しましょう

 スーパーなどで買い物をする時、最近は、レジにお買い上げ金額表示板がついているものを多く見かけるようになり、本当に便利になりました。ひと昔までは、レジの人が金額を読み上げても聞こえない人にはわかりづらく、不便でした。レジの人に確認を繰り返し、モタモタしているうちにお客様が増えて長蛇の列ができて…。そういう経験から、千円札をいっぱい持ち歩き、結果としておつりの小銭で財布が重くなるというのが常だったのです。
 聴覚障害者のなかには金額表示板が見えにくいので、半ば強引に自分のほうに向けさせるという強者もいますが、電卓や仮のレシートを作ってもらうやり方もあります。いずれにしても、すべてのレジに金額表示板がついてほしいものです。しかし、やがてくるだろうカード社会がこれらの不便を解決してくれるかもしれませんね。

補聴器の雑音対策

 日頃、補聴器をつけない私が言うのも変ですが、最近はデジタル技術を使ったいい補聴器がたくさん出てきています。しかし、やはり補聴器は基本的に音を拡大する装置なのです。人間の耳は、聞きたい音だけを選別して聞こうとしますが、補聴器は音を差別しません。すべての音、聞きたい音も雑音もすべてひっくるめて大きくしますので、雑音の中ではほとんど役に立ちません。
 ある小学校の難聴学級では、先生や生徒の声が聞こえるようなるべく周りの雑音を小さくするその工夫に、机や椅子の脚の先に古くなったテニスボールをかぶせることを思いついたそうです。
 テニスボールのゴムがクッション代わりとなって、机や椅子を引くたびに出る不快な音を吸収してくれます。
 うーん、見た目にもかわいくていいかも。ねっ。

便利な電化製品(お風呂・コンセント・警報器etc)

 「気をつけてはいるんだけど、つい(失敗を)繰り返してしまうのよね~」「うちなんかしょっちゅうだよ。お風呂の水なんかいつもあふれさせてる」と、さもあらばあれといった会話風景。
 生活のなかで水道水や換気扇などの電化製品の消し忘れは聴覚障害者には日常茶飯事のようです。それらの音が聞こえないために(見えないために)、なかなか気がつかないんですね。
 お風呂は、市販の「バスピッターL」や「バスピタ2」を取り付けると自動的に止めてくれます。換気扇やクーラーなどにはリボンを取り付けて、それがハタハタとはためいているかどうかで、ついているかいないかが一目でわかります。市販の電源タイマーも活用するといいですよ。
 他に、友人が使っているものに大変便利なのがありました。スイッチ付き電源タップ(安全コンセント)です。つなげた各器具の電源を手前のスイッチでオン・オフ切り替えできるコンセントなのですが、スイッチ自体がオンすると光るので、どの器具が使用中なのかがわかります。それから最近知ったのですが、火災・ガス漏れ複合型警報器で、感知すると光と音声で警報を発してくれるものもあるそうです。使ってみてはいかがですか~?