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みんなのスポーツ

みるスポーツ

 スポーツというと、自分が何かの運動種目を行う(「するスポーツ」)といったイメージが中心になりますが、本誌2002年4月号の52~53頁にも書いたように、これからの障害者のスポーツ(障害者のスポーツに限ったことではありませんが)は「するスポーツ」以外の方向も視野に入れる必要があるでしょう(図参照)。図に示したように、「みるスポーツ」・「つくるスポーツ」・「つたえるスポーツ」という新たな視点が考えられますが、ここでは「みるスポーツ」についてふれたいと思います。

図 スポーツ するスポーツ●従来型の自ら行うもの みるスポーツ●他者の行うものを観戦して楽しむ、など つたえるスポーツ●他者の行うものを文章や写真で表現する、など つくるスポーツ●チームに所属しマネージャーでチーム運営に関わる、など

 そもそもスポーツには見て楽しむという側面があります。シーズン中にテレビでナイターのプロ野球中継を見ながらビールを飲む、などというのはあまりにも普通の光景なので、改めて「みるスポーツ」などと言わなくても多くの人が楽しんでいることでしょう。また、昨年のFIFAワールドカップ大会では日本や韓国で行われた試合が世界中の人々に配信され、テレビで見た人だけでも延べ数十億人という途方もない数字になると思います。
 障害があるからスポーツなんてできません、とか重度の障害なのでスポーツには縁がありません、といったことを時々耳にしますが、これはスポーツを「するスポーツ」という側面でしかとらえていないからではないでしょうか。自分の好きな選手の一挙手一投足に一喜一憂し、共に喜び共に悲しむ、といった経験はたとえ自分がスポーツをできなくとも、その人の人生を豊かなものにすることでしょう。つまりQOL(人生の質)を高める、というわけです。みなさんも「みるスポーツ」をエンジョイしてみませんか?

(田川豪太 横浜ラポール)