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視覚障害の立場から
支援費について

名取陸子

 耳に馴染みのない支援費制度が開始されてから6か月が経過した。発足前に私たちは幾度も説明会に出席し、そのたびごとに理解しにくいものを感じていた。
 この8月1日、岩手県花巻市で、全国盲女性代表者会が開催された。全国大会を兼ねて毎年開催され、今年は第49回大会であった。その際、各ブロックから一題ずつの議案が提出されたのであるが、全国9ブロック中、実に9ブロックすべてから「支援費制度の自己負担金の算定基準が不合理である」という意見が出された。つまり、家族の総合所得を算定基準とせず、利用者本人のみの所得を算定基準とすることを要望するものである。
 さらに、自己負担の減免措置が各自治体によって、千差万別であるとしたら、ここにもまた福祉の地域格差が生じ、不平等性が生まれるといった問題がある。
 また、障害者の団体が居宅介護支援等の事業所を開設していることもあるので、団体の中に利用者とサービス提供者の両者が存在する場合があり、運動の進め方に課題がある。
 いずれにしても経過を踏まえたうえで、しばらくは注意深く経過を見るのが最善であると思う。
 新しい靴は履きにくいけれど、履き慣れたらとても快適になるというような、そんな制度になることを切に望むものである。

(なとりむつこ 日本盲人会連合女性協議会会長)