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資料
障害者の人権に関する条約
バンコク草案の構成

※以下のバンコク草案の構成は、「DPI―われら自身の声」Vol.19―4(DPI日本会議発行、http://www.dpi-japan.org/)より転載しました。

国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)主催 障害者の権利条約地域ワークショップにて採択(修正後2003年10月30日発表)

前文

 全部で21段落

第1部 総則

第1条 条約の目的と根本的な原則

  • 自立生活を送る上での自己決定、完全なインクルージョン、男女の平等などが盛り込まれた

第2条 定義

  • 「アクセシビリティー」「仲間(associate)」「コミュニケーション」「障害」「差別」「機会の平等」「言語」「合理的配慮」について、定義が示された。
  • 「ユニバーサルあるいはインクルーシブデザイン」に関しては、定義が必要であるという意見は付されたが、定義自体はされなかった。
  • 「障害」に関しては3つの提案が併記されている。

第3条 基本的な人権と自由

  • 既存の条約から28の権利が箇条書きされている

第4条 締約国の一般的義務

  • 私人間における差別についても対象とした
  • 社会権部分について、即時実施が可能な権利については、締約国は即時に影響を及ぼすことが書かれた

第5条 救済に関する義務
第6条 平等と非差別
第7条 権利の享受における男性障害者と女性障害者の平等
第8条 障害に対する意識の変化

  • 偏見やステレオタイプな障害者観などを除去していくための施策を実施する

第9条 農村もしくは遠隔地、島嶼、過疎地に暮らす人の権利
第10条 重度障害者の権利

第2部 市民的および政治的権利

第11条 生命に対する権利
第12条 拷問または残忍な、非人道的なもしくは品位を傷つける取り扱いもしくは刑罰を受けない権利

  • 強制医療についての言及

第13条 自由と安全に対する権利

  • 司法手続きと行政手続きにおいて、必要とする障害者に適切なコミュニケーションや介助、補助具を使う権利があると具体的な記述

第14条 自由を奪われた者が人道的に取り扱われる権利
第15条 移動、移民及び亡命の自由
第16条 アクセシビリティー

  • 対象としてあげられたのは、「公共建築物や道路」「公共交通」「公営住宅(民間についても努力を求めている)」「特に保健・教育を目的とする公共・民間サービス」「雇用と職場」「通信、電子バンキング、マスメディアなどの情報コミュニケーションサービス」

第17条 移動に対する権利

  • 補装具など支援技術を低コストで障害者に提供する
  • 障害者の移動に適した形で建築環境をデザインする など

第18条 意見および表現の自由、および情報コミュニケーションへのアクセスの権利
第19条 言語領域における平等

  • 手話を国の言語の一つとして認めること
  • 国内における標準手話の開発や手話通訳者の養成
  • テレビ、映画などでの字幕もしくは手話通訳の提供

第20条 私生活および家庭が尊重される権利、家族の保護に対する権利および結婚に対する権利

  • 「性への権利」「生活の方法について自己決定する権利と決定を有効にするための財政その他の支援に対する権利」「子を産み育てる権利」など11項目

第21条 地域に住み、地域の一員である権利

  • 障害者を施設収容しないための施策
  • 地域での支援サービスを保障する施策
  • 一般的な地域サービスを保障する施策
  • 施設に住まない権利

第22条 障害児の権利

  • 普通教育にアクセスする権利など

第23条 政治的および公的な活動に参加する権利

  • 選挙のメカニズムについて、適切でアクセシブルかつ理解の容易な手段を用いることで選挙権・被選挙権を保障するなど

第24条 少数者の権利
第25条 財産を所有し管理する権利

第3部 経済的、社会的および文化的権利

  • 自立生活の権利を盛り込むべきとの意見があったので脚注として付けられた

第26条 保健とリハビリテーションの権利
第27条 教育の権利
第28条 労働の権利

  • この権利を実現するための施策として、差別禁止法と雇用割当制などが列記されている

第29条 社会保障と適切な生活基準の権利
第30条 文化的活動、レクリエーション、レジャーへ参加する権利
第31条 ユニバーサルもしくはインクルーシブなデザインに対する権利
第32条 経済的、社会的および文化的権利の制限

第4部 その他の締約国の義務

第33条 統計とデータの収集
第34条 国内実施の枠組み
第35条 条約および委員会の業務の広報
第36条 本条約と他の条約ならびに国内法との関係

第5部 実施措置

第37条 委員会の設置
第38条 締約国による報告
第39条 報告の審査
第40条 委員会の運営
第41条 委員会が個人通報の受理を行う権限の許容

  • 複数の参加者から38条から47条について留保が表明されている

第42条 国内的救済措置の終了と個人通報受理の条件
第43条 暫定的措置の要請
第44条 締約国に対する照会
第45条 情報の審査、見解の採択ならびにフォローアップ
第46条 調査手続
第47条 調査報告のフォローアップ
第48条 調査手続に関する締約国の選択権
第49条 脅迫からの保護
第50条 委員会の年次報告

第6部 最終規定

第51条 条約の寄託
第52条 署名、批准および加入
第53条 条約の効力発生
第54条 条約の改正もしくは改訂
第55条 留保
第56条 締約国間の紛争
第57条 正文