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工夫いろいろエンジョイライフ

実用編
●コンサートをもっと楽しく! 他●

提案:新井昭子
イラスト:はんだみちこ

新井昭子(あらいあきこ)さん

 私は、電動車いすを使用しています。痛みのある体で、とくに腰から足先の痛みと痺(しび)れが強いです。現在は、東京都調布市で自立生活をしながら、まちづくりやアクセス全般に取り組む毎日です。旅やコンサートへ出かけるのが大好きなのですが、そこでもアクセスチェックばかりしています。

近くのホールを狙おう

 お気に入りのアーティストのコンサートに行くぞ! と気合を入れてコンサート会場へ。コンサートが終わってしばらく余韻に浸りたいけど、帰りの電車のことを考えるとさっさと帰らなくちゃいけないですよね。また、待ちに待ったコンサート当日に天気が悪いとその準備もしなきゃならないので、準備だけで疲れてしまいます。
 そこで私のオススメは「近くのホールを狙おう!」です。さらにそこの会員になれば、コンサート情報が届いたり、割安でチケット購入もできます(ホールやアーティストなどによって割引のないこともあります)。お目当てのアーティストのコンサートも何年か待つとそのホールでやることもあります。
 移動に時間もかからず、身体的・精神的にも楽なので私のオススメです。

希望の席をきちんと伝えよう!

 一般のホールでの車いす使用者のチケット購入は、ホールや主催者などによって違います。まずホールに車いす席(スペース)があるのかを確認します。車いす席があっても一般席を購入しておき、当日会場に行って車いす席に案内されることもあります。車いすから座席に移ることができるかどうかもポイントです。でも、前もって(できればチケット発売前に)ホールや主催者に電話を入れて車いす使用であることを伝え、席を確保できるときには、どの辺りの席がいいのか、自分の希望をはっきり言いましょう。車いすだと移動のことを考えてか、ホールの隅の席に追いやられてしまうことも多いのです。端だとコンサートの間中、体をひねっていないといけないので、結構疲れます。そうならないためにも私は、ホールの中央あたりで、移動しやすい通路側といったようにあらかじめはっきり希望を伝え、確保してもらうようにしています。もちろん、車いすスペースを希望の人も前もって伝えておくと安心です。

旅行に行くときは忘れずに…

 旅行に行くときは元気と天気が大切です。旅行中元気でいるためのちょっとした工夫があります。
 まず、タオルを必ず1枚持っていきます。これは防寒にも役立つし、暑いときはもちろん汗をふいたり、陽射しよけ、そのほかに折りたたんで体位調節やひと眠りのときも便利です。食事のときにひざの上に置けば汚れを気にすることもありません。汚れたら宿で洗えばきれいになるので、オススメです。
 それから、いつも飲んでいる薬と一緒に保険証のコピーも持っていきます。薬は量が多ければ、大きな荷物と手荷物とに分けて入れることをオススメします。旅先では何が起きるか分かりません。以前、大きな荷物の中に入れてしまって薬が飲めなかったことがありました。また具合いが悪くなって病院に行ったとき、保険証がなくてそのとき一定の料金を払い、後日正式な料金の支払いをしました。そのやりとりは面倒なので、保険証のコピーは必ず持っていくようにしています。