「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2004年6月号
障害者基本法の一部を改正する法律案新旧対照表(第一条関係)
改正案 | 現行法 |
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目次 | 目次 |
第一章 総則(第一条―第十一条) | 第一章 総則(第一条―第九条) |
第二章 障害者の福祉に関する基本的施策(第十二条―第二十二条) | 第二章 障害者の福祉に関する基本的施策(第十条―第二十六条) |
第三章 障害の予防に関する基本的施策(第二十三条) | 第三章 障害の予防に関する基本的施策(第二十六条の二) |
第四章 地方障害者施策推進協議会(第二十四条) | 第四章 地方障害者施策推進協議会(第二十七条) |
附則 | 附則 |
第一章 総則 |
第一章 総則 |
(目的) | (目的) |
第一条 この法律は、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策に関し、基本的理念を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策の基本となる事項を定めること等により、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進し、もつて障害者の福祉を増進することを目的とする。 | 第一条 この法律は、障害者のための施策に関し、基本的理念を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、障害者のための施策の基本となる事項を定めること等により、障害者のための施策を総合的かつ計画的に推進し、もつて障害者の自立と社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動への参加を促進することを目的とする。 |
(定義) | (定義) |
第二条 この法律において「障害者」とは、身体障害、知的障害又は精神障害(以下「障害」と総称する。)があるため、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう。 | 第二条 この法律において「障害者」とは、身体障害、知的障害又は精神障害(以下「障害」と総称する。)があるため、長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう。 |
(基本的理念) | (基本的理念) |
第三条 すべて障害者は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有する。 | 第三条 すべて障害者は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有するものとする。 |
2 すべて障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられる。 | 2 すべて障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会を与えられるものとする。 |
3 何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。 | |
(国及び地方公共団体の責務) | (国及び地方公共団体の責務) |
第四条 国及び地方公共団体は、障害者の権利の擁護及び障害者に対する差別の防止を図りつつ障害者の自立及び社会参加を支援すること等により、障害者の福祉を増進する責務を有する。 | 第四条 国及び地方公共団体は、障害者の福祉を増進し、及び障害を予防する責務を有する。 |
(国民の理解) | |
第五条 国及び地方公共団体は、国民が障害者について正しい理解を深めるよう必要な施策を講じなければならない。 | |
(国民の責務) | (国民の責務) |
第六条 国民は、社会連帯の理念に基づき、障害者の福祉の増進に協力するよう努めなければならない。 | 第五条 国民は、社会連帯の理念に基づき、障害者の福祉の増進に協力するよう努めなければならない。 |
2 国民は、社会連帯の理念に基づき、障害者の人権が尊重され、障害者が差別されることなく、社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加することができる社会の実現に寄与するよう努めなければならない。 | |
(削除) | (自立への努力) |
第六条 障害者は、その有する能力を活用することにより、進んで社会経済活動に参加するよう努めなければならない。 | |
2 障害者の家庭にあつては、障害者の自立の促進に努めなければならない。 | |
(障害者週間) | (障害者の日) |
第七条 国民の間に広く障害者の福祉についての関心と理解を深めるとともに、障害者が社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に積極的に参加する意欲を高めるため、障害者週間を設ける。 | 第六条の二 国民の間に広く障害者の福祉についての関心と理解を深めるとともに、障害者が社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に積極的に参加する意欲を高めるため、障害者の日を設ける。 |
2 障害者週間は、12月3日から12月9日までの一週間とする。 | 2 障害者の日は、12月9日とする。 |
3 国及び地方公共団体は、障害者週間の趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めなければならない。 | 3 国及び地方公共団体は、障害者の日の趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めなければならない。 |
(施策の基本方針) | (施策の基本方針) |
第八条 障害者の福祉に関する施策は、障害者の年齢及び障害の状態に応じて、かつ、有機的連携の下に総合的に、策定され、及び実施されなければならない。 | 第七条 障害者の福祉に関する施策は、障害者の年齢並びに障害の種別及び程度に応じて、かつ、有機的連携の下に総合的に、策定され、及び実施されなければならない。 |
2 障害者の福祉に関する施策を講ずるに当たつては、障害者の自主性が十分に尊重され、かつ、障害者が、可能な限り、地域において自立した日常生活を営むことができるよう配慮されなければならない。 | |
(障害者基本計画等) | (障害者基本計画等) |
第九条 政府は、障害者の福祉に関する施策及び障害の予防に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、障害者のための施策に関する基本的な計画(以下「障害者基本計画」という。)を策定しなければならない。 | 第七条の二 政府は、障害者の福祉に関する施策及び障害の予防に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、障害者のための施策に関する基本的な計画(以下「障害者基本計画」という。)を策定しなければならない。 |
2 都道府県は、障害者基本計画を基本とするとともに、当該都道府県における障害者の状況等を踏まえ、当該都道府県における障害者のための施策に関する基本的な計画(以下「都道府県障害者計画」という。)を策定しなければならない。 | 2 都道府県は、障害者基本計画を基本とするとともに、当該都道府県における障害者の状況等を踏まえ、当該都道府県における障害者のための施策に関する基本的な計画(以下「都道府県障害者計画」という。)を策定するよう努めなければならない。 |
3 市町村は、障害者基本計画及び都道府県障害者計画を基本とするとともに、地方自治法(昭和22年法律第六十七号)第二条第四項の基本構想に即し、かつ、当該市町村における障害者の状況等を踏まえ、当該市町村における障害者のための施策に関する基本的な計画(以下「市町村障害者計画」という。)を策定するよう努めなければならない。 | 3 市町村は、障害者基本計画(都道府県障害者計画が策定されているときは、障害者基本計画及び都道府県障害者計画)を基本とするとともに、地方自治法(昭和22年法律第六十七号)第二条第四項の基本構想に即し、かつ、当該市町村における障害者の状況等を踏まえ、当該市町村における障害者のための施策に関する基本的な計画(以下「市町村障害者計画」という。)を策定するよう努めなければならない。 |
4 内閣総理大臣は、関係行政機関の長に協議するとともに、障害者及び障害者の福祉に関する事業に従事する者の意見を代表すると認められる者並びに学識経験のある者の意見を聴いて、障害者基本計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。 | 4 内閣総理大臣は、関係行政機関の長に協議するとともに、障害者及び障害者の福祉に関する事業に従事する者の意見を代表すると認められる者並びに学識経験のある者の意見を聴いて、障害者基本計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。 |
5 都道府県は、都道府県障害者計画を策定するに当たつては、地方障害者施策推進協議会の意見を聴かなければならない。 | 5 都道府県は、都道府県障害者計画を策定するに当たつては、地方障害者施策推進協議会の意見を聴かなければならない。地方障害者施策推進協議会を設置している市町村が市町村障害者計画を策定する場合においても、同様とする。 |
6 市町村は、市町村障害者計画を策定するに当たつては、地方障害者施策推進協議会を設置している場合にあつてはその意見を、その他の場合にあつては障害者その他の関係者の意見を聴かなければならない。 | |
7 政府は、障害者基本計画を策定したときは、これを国会に報告するとともに、その要旨を公表しなければならない。 | 6 政府は、障害者基本計画を策定したときは、これを国会に報告するとともに、その要旨を公表しなければならない。 |
8 第二項又は第三項の規定により都道府県障害者計画又は市町村障害者計画が策定されたときは、都道府県知事又は市町村長は、これを当該都道府県の議会又は当該市町村の議会に報告するとともに、その要旨を公表しなければならない。 | 7 都道府県又は市町村は、都道府県障害者計画又は市町村障害者計画を策定したときは、その要旨を公表しなければならない。 |
9 第四項及び第七項の規定は障害者基本計画の変更について、第五項及び前項の規定は都道府県障害者計画の変更について、第六項及び前項の規定は市町村障害者計画の変更について準用する。 | 8 第四項及び第六項の規定は障害者基本計画の変更について、第五項及び前項の規定は都道府県障害者計画又は市町村障害者計画の変更について準用する。 |
(法制上の措置等) | (法制上の措置等) |
第十条 政府は、この法律の目的を達成するため、必要な法制上及び財政上の措置を講じなければならない。 | 第八条 政府は、この法律の目的を達成するため、必要な法制上及び財政上の措置を講じなければならない。 |
(年次報告) | (年次報告) |
第十一条 政府は、毎年、国会に、障害者のために講じた施策の概況に関する報告書を提出しなければならない。 | 第九条 政府は、毎年、国会に、障害者のために講じた施策の概況に関する報告書を提出しなければならない。 |
第二章 障害者の福祉に関する基本的施策 |
第二章 障害者の福祉に関する基本的施策 |
(医療、介護等) | (医療) |
第十二条 国及び地方公共団体は、障害者が生活機能を回復し、取得し、又は維持するために必要な医療の給付及びリハビリテーションの提供を行うよう必要な施策を講じなければならない。 | 第十条 国及び地方公共団体は、障害者が生活機能を回復し、又は取得するために必要な医療の給付を行うよう必要な施策を講じなければならない。 |
2 国及び地方公共団体は、前項に規定する医療及びリハビリテーションの研究、開発及び普及を促進しなければならない。 | 2 国及び地方公共団体は、前項に規定する医療の研究及び開発を促進しなければならない。 |
3 国及び地方公共団体は、障害者がその年齢及び障害の状態に応じ、医療、介護、生活支援その他自立のための適切な支援を受けられるよう必要な施策を講じなければならない。 | (施設への入所、在宅障害者への支援等) |
4 国及び地方公共団体は、第一項及び前項に規定する施策を講ずるために必要な専門的技術職員その他の専門的知識又は技能を有する職員を育成するよう努めなければならない。 | 第十条の二 国及び地方公共団体は、障害者がその年齢並びに障害の種別及び程度に応じ、施設への入所又はその利用により、適切な保護、医療、生活指導その他の指導、機能回復訓練その他の訓練又は授産を受けられるよう必要な施策を講じなければならない。 |
5 国及び地方公共団体は、福祉用具及び身体障害者補助犬の給付又は貸与その他障害者が日常生活を営むのに必要な施策を講じなければならない。 | 2 国及び地方公共団体は、障害者の家庭を訪問する等の方法により必要な指導若しくは訓練が行われ、又は日常生活を営むのに必要な便宜が供与されるよう必要な施策を講じなければならない。 |
6 国及び地方公共団体は、前項に規定する施策を講ずるために必要な福祉用具の研究及び開発、身体障害者補助犬の育成等を促進しなければならない。 | 3 国及び地方公共団体は、障害者の障害を補うために必要な補装具その他の福祉用具及び障害者の補助を行う犬の給付又は貸与を行うよう必要な施策を講じなければならない。 |
4 国及び地方公共団体は、前三項に規定する指導、訓練及び福祉用具等の研究及び開発を促進しなければならない。 | |
(年金等) | (重度障害者の保護等) |
第十三条 国及び地方公共団体は、障害者の自立及び生活の安定に資するため、年金、手当等の制度に関し必要な施策を講じなければならない。 | 第十一条 国及び地方公共団体は、重度の障害があり、自立することの著しく困難な障害者について、終生にわたり必要な保護等を行うよう努めなければならない。 |
(教育) | (教育) |
第十四条 国及び地方公共団体は、障害者が、その年齢、能力及び障害の状態に応じ、十分な教育が受けられるようにするため、教育の内容及び方法の改善及び充実を図る等必要な施策を講じなければならない。 | 第十二条 国及び地方公共団体は、障害者がその年齢、能力並びに障害の種別及び程度に応じ、充分な教育が受けられるようにするため、教育の内容及び方法の改善及び充実を図る等必要な施策を講じなければならない。 |
2 国及び地方公共団体は、障害者の教育に関する調査及び研究並びに学校施設の整備を促進しなければならない。 | 2 国及び地方公共団体は、障害者の教育に関する調査研究及び環境の整備を促進しなければならない。 |
3 国及び地方公共団体は、障害のある児童及び生徒と障害のない児童及び生徒との交流及び共同学習を積極的に進めることによつて、その相互理解を促進しなければならない。 | 第十三条 削除 |
(職業相談等) | (職業指導等) |
第十五条 国及び地方公共団体は、障害者の職業選択の自由を尊重しつつ、障害者がその能力に応じて適切な職業に従事することができるようにするため、その障害の状態に配慮した職業相談、職業指導、職業訓練及び職業紹介の実施その他必要な施策を講じなければならない。 | 第十四条 国及び地方公共団体は、障害者がその能力に応じて適当な職業に従事することができるようにするため、その障害の種別、程度等に配慮した職業指導、職業訓練及び職業紹介の実施その他必要な施策を講じなければならない。 |
2 国及び地方公共団体は、障害者に適した職種及び職域に関する調査及び研究を促進しなければならない。 | 2 国及び地方公共団体は、障害者に適した職種及び職域に関する調査研究を促進しなければならない。 |
3 国及び地方公共団体は、障害者の地域における作業活動の場及び障害者の職業訓練のための施設の拡充を図るため、これに必要な費用の助成その他必要な施策を講じなければならない。 | |
(雇用の促進等) | (雇用の促進等) |
第十六条 国及び地方公共団体は、障害者の雇用を促進するため、障害者に適した職種又は職域について障害者の優先雇用の施策を講じなければならない。 | 第十五条 国及び地方公共団体は、障害者の雇用を促進するため、障害者に適した職種又は職域について障害者の優先雇用の施策を講じなければならない。 |
2 事業主は、社会連帯の理念に基づき、障害者の雇用に関し、その有する能力を正当に評価し、適切な雇用の場を与えるとともに適正な雇用管理を行うことによりその雇用の安定を図るよう努めなければならない。 | 2 事業主は、社会連帯の理念に基づき、障害者の雇用に関し、その有する能力を正当に評価し、適当な雇用の場を与えるとともに適正な雇用管理を行うことによりその雇用の安定を図るよう努めなければならない。 |
3 国及び地方公共団体は、障害者を雇用する事業主に対して、障害者の雇用のための経済的負担を軽減し、もつてその雇用の促進及び継続を図るため、障害者が雇用されるのに伴い必要となる施設又は設備の整備等に要する費用の助成その他必要な施策を講じなければならない。 | 3 国及び地方公共団体は、障害者を雇用する事業主に対して、障害者の雇用のための経済的負担を軽減し、もつてその雇用の促進及び継続を図るため、障害者が雇用されるのに伴い必要となる施設又は設備の整備等に要する費用の助成その他必要な施策を講じなければならない。 |
(住宅の確保) | (判定及び相談) |
第十七条 国及び地方公共団体は、障害者の生活の安定を図るため、障害者のための住宅を確保し、及び障害者の日常生活に適するような住宅の整備を促進するよう必要な施策を講じなければならない。 | 第十六条 国及び地方公共団体は、障害者に関する各種の判定及び相談業務が総合的に行われ、かつ、その制度が広く利用されるよう必要な施策を講じなければならない。 |
(公共的施設のバリアフリー化) | (措置後の指導助言等) |
第十八条 国及び地方公共団体は、障害者の利用の便宜を図ることによつて障害者の自立及び社会参加を支援するため、自ら設置する官公庁施設、交通施設その他の公共的施設について、障害者が円滑に利用できるような施設の構造及び設備の整備等の計画的推進を図らなければならない。 | 第十七条 国及び地方公共団体は、障害者が障害者の福祉に関する施策に基づく各種の措置を受けた後日常生活又は社会生活を円滑に営むことができるよう指導助言をする等必要な施策を講じなければならない。 |
2 交通施設その他の公共的施設を設置する事業者は、障害者の利用の便宜を図ることによつて障害者の自立及び社会参加を支援するため、社会連帯の理念に基づき、当該公共的施設について、障害者が円滑に利用できるような施設の構造及び設備の整備等の計画的推進に努めなければならない。 | (施設の整備) |
第十八条 国及び地方公共団体は、第十条第二項、第十条の二第一項及び第四項、第十二条並びに第十四条の規定による施策を実施するために必要な施設を整備するよう必要な措置を講じなければならない。 | |
3 国及び地方公共団体は、前二項の規定により行われる公共的施設の構造及び設備の整備等が総合的かつ計画的に推進されるようにするため、必要な施策を講じなければならない。 | 2 前項の施設の整備に当たつては、同項の各規定による施策が有機的かつ総合的に行なわれるよう必要な配慮がなされなければならない。 |
4 国、地方公共団体及び公共的施設を設置する事業者は、自ら設置する公共的施設を利用する障害者の補助を行う身体障害者補助犬の同伴について障害者の利用の便宜を図らなければならない。 | (専門的技術職員等の確保) |
第十九条 前条第一項の施設には、必要な員数の専門的技術職員、教職員その他の専門的知識又は技能を有する職員が配置されなければならない。 | |
2 国及び地方公共団体は、前項に規定する者その他障害者の福祉に関する業務に従事する者及び第十条の二第三項に規定する福祉用具等に関する専門的技術者の養成及び訓練に努めなければならない。 | |
(情報の利用におけるバリアフリー化) | (年金等) |
第十九条 国及び地方公共団体は、障害者が円滑に情報を利用し、及びその意思を表示できるようにするため、障害者が利用しやすい電子計算機及びその関連装置その他情報通信機器の普及、電気通信及び放送の役務の利用に関する障害者の利便の増進、障害者に対して情報を提供する施設の整備等が図られるよう必要な施策を講じなければならない。 | 第二十条 国及び地方公共団体は、障害者の生活の安定に資するため、年金、手当等の制度に関し必要な施策を講じなければならない。 |
(資金の貸付け等) | |
第二十一条 国及び地方公共団体は、障害者に対し、事業の開始、就職、これらのために必要な知識技能の修得等を援助するため、必要な資金の貸付け、手当の支給その他必要な施策を講じなければならない。 | |
2 国及び地方公共団体は、行政の情報化及び公共分野における情報通信技術の活用の推進に当たつては、障害者の利用の便宜が図られるよう特に配慮しなければならない。 | (住宅の確保) |
第二十二条 国及び地方公共団体は、障害者の生活の安定を図るため、障害者のための住宅を確保し、及び障害者の日常生活に適するような住宅の整備を促進するよう必要な施策を講じなければならない。 | |
3 電気通信及び放送その他の情報の提供に係る役務の提供並びに電子計算機及びその関連装置その他情報通信機器の製造等を行う事業者は、社会連帯の理念に基づき、当該役務の提供又は当該機器の製造等に当たつては、障害者の利用の便宜を図るよう努めなければならない。 | |
(相談等) | (公共的施設の利用) |
第二十条 国及び地方公共団体は、障害者に関する相談業務、成年後見制度その他の障害者の権利利益の保護等のための施策又は制度が、適切に行われ又は広く利用されるようにしなければならない。 | 第二十二条の二 国及び地方公共団体は、自ら設置する官公庁施設、交通施設その他の公共的施設を障害者が円滑に利用できるようにするため、当該公共的施設の構造及び設備の整備、当該公共的施設を利用する障害者の補助を行う犬の同伴等について配慮しなければならない。 |
(経済的負担の軽減) | 2 交通施設その他の公共的施設を設置する事業者は、社会連帯の理念に基づき、当該公共的施設の構造、設備の整備等について障害者の利用の便宜を図るよう努めなければならない。 |
第二十一条 国及び地方公共団体は、障害者及び障害者を扶養する者の経済的負担の軽減を図り、又は障害者の自立の促進を図るため、税制上の措置、公共的施設の利用料等の減免その他必要な施策を講じなければならない。 | 3 国及び地方公共団体は、事業者が設置する交通施設その他の公共的施設の構造、設備の整備等について障害者の利用の便宜を図るための適切な配慮が行われるよう必要な施策を講じなければならない。 |
(文化的諸条件の整備等) | (情報の利用等) |
第二十二条 国及び地方公共団体は、障害者の文化的意欲を満たし、若しくは障害者に文化的意欲を起こさせ、又は障害者が自主的かつ積極的にレクリエーションの活動をし、若しくはスポーツを行うことができるようにするため、施設、設備その他の諸条件の整備、文化、スポーツ等に関する活動の助成その他必要な施策を講じなければならない。 | 第二十二条の三 国及び地方公共団体は、障害者が円滑に情報を利用し、及びその意思を表示できるようにするため、電気通信及び放送の役務の利用に関する障害者の利便の増進、障害者に対して情報を提供する施設の整備等が図られるよう必要な施策を講じなければならない。 |
2 電気通信及び放送の役務の提供を行う事業者は、社会連帯の理念に基づき、当該役務の提供に当たつては、障害者の利用の便宜を図るよう努めなければならない。 | |
(経済的負担の軽減) | |
第二十三条 国及び地方公共団体は、障害者及び障害者を扶養する者の経済的負担の軽減を図り、又は障害者の自立の促進を図るため、税制上の措置、公共的施設の利用料等の減免その他必要な施策を講じなければならない。 | |
(施策に対する配慮) | |
第二十四条 障害者の福祉に関する施策の策定及び実施に当たつては、障害者の父母その他障害者の養護に当たる者がその死後における障害者の生活について懸念することのないよう特に配慮がなされなければならない。 | |
(文化的諸条件の整備等) | |
第二十五条 国及び地方公共団体は、障害者の文化的意欲を満たし、若しくは障害者に文化的意欲を起こさせ、又は障害者が自主的かつ積極的にレクリエーションの活動をし、若しくはスポーツを行うことができるようにするため、施設、設備その他の諸条件の整備、文化、スポーツ等に関する活動の助成その他必要な施策を講じなければならない。 | |
(国民の理解) | |
第二十六条 国及び地方公共団体は、国民が障害者について正しい理解を深めるよう必要な施策を講じなければならない。 | |
第三章 障害の予防に関する基本的施策 |
第三章 障害の予防に関する基本的施策 |
第二十三条 国及び地方公共団体は、障害の原因及び予防に関する調査及び研究を促進しなければならない。 | 第二十六条の二 国及び地方公共団体は、障害の原因及び予防に関する調査研究を促進しなければならない。 |
2 国及び地方公共団体は、障害の予防のため、必要な知識の普及、母子保健等の保健対策の強化、障害の原因となる傷病の早期発見及び早期治療の推進その他必要な施策を講じなければならない。 | 2 国及び地方公共団体は、障害の予防のため、必要な知識の普及、母子保健等の保健対策の強化、障害の原因となる傷病の早期発見及び早期治療の推進その他必要な施策を講じなければならない。 |
3 国及び地方公共団体は、障害の原因となる難病等の予防及び治療が困難であることにかんがみ、障害の原因となる難病等の調査及び研究を推進するとともに、難病等に起因する障害があるため継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者に対する施策をきめ細かく推進するよう努めなければならない。 | |
第四章 地方障害者施策推進協議会 |
第四章 地方障害者施策推進協議会 |
第二十四条 都道府県(地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)を含む。以下同じ。)に、地方障害者施策推進協議会を置く。 | 第二十七条 都道府県(地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)を含む。以下同じ。)に、地方障害者施策推進協議会を置く。 |
2 都道府県に置かれる地方障害者施策推進協議会は、次に掲げる事務をつかさどる。 | 2 都道府県に置かれる地方障害者施策推進協議会は、次に掲げる事務をつかさどる。 |
一 都道府県障害者計画に関し、第九条第五項(同条第九項において準用する場合を含む。)に規定する事項を処理すること。 | 一 当該都道府県における障害者に関する施策の総合的かつ計画的な推進について必要な事項を調査審議すること。 |
二 当該都道府県における障害者に関する施策の総合的かつ計画的な推進について必要な事項を調査審議すること。 | 二 当該都道府県における障害者に関する施策の推進について必要な関係行政機関相互の連絡調整を要する事項を調査審議すること。 |
三 当該都道府県における障害者に関する施策の推進について必要な関係行政機関相互の連絡調整を要する事項を調査審議すること。 | |
3 都道府県に置かれる地方障害者施策推進協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、条例で定める。 | 3 都道府県に置かれる地方障害者施策推進協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、条例で定める。 |
4 市町村(指定都市を除く。)は、条例で定めるところにより、地方障害者施策推進協議会を置くことができる。 | 4 市町村(指定都市を除く。)は、当該市町村における障害者に関する施策の総合的かつ計画的な推進について必要な事項及び障害者に関する施策の推進について必要な関係行政機関相互の連絡調整を要する事項を調査審議させるため、条例で定めるところにより、地方障害者施策推進協議会を置くことができる。 |
5 第二項及び第三項の規定は、前項の規定により地方障害者施策推進協議会が置かれた場合に準用する。この場合において、第二項中「都道府県に」とあるのは「市町村(指定都市を除く。)に」と、同項第一号中「都道府県障害者計画」とあるのは「市町村障害者計画」と、「第九条第五項(同条第九項において準用する場合を含む。)」とあるのは「第九条第六項(同条第九項において準用する場合を含む。)」と、第三項中「都道府県」とあるのは「市町村(指定都市を除く。)」と読み替えるものとする。 |
障害者基本法の一部を改正する法律案新旧対照表(第二条関係)
改正案 | 現行法(第一条による改正後) |
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目次 | 目次 |
第一章 総則(第一条―第十一条) | 第一章 総則(第一条―第十一条) |
第二章 障害者の福祉に関する基本的施策(第十二条―第二十二条) | 第二章 障害者の福祉に関する基本的施策(第十二条―第二十二条) |
第三章 障害の予防に関する基本的施策(第二十三条) | 第三章 障害の予防に関する基本的施策(第二十三条) |
第四章 障害者施策推進協議会(第二十四条―第二十六条) | 第四章 地方障害者施策推進協議会(第二十四条) |
附則 | 附則 |
(障害者基本計画等) | (障害者基本計画等) |
第九条 1~3 (略) | 第九条 1~3 (略) |
4 内閣総理大臣は、関係行政機関の長に協議するとともに、中央障害者施策推進協議会の意見を聴いて、障害者基本計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。 | 4 内閣総理大臣は、関係行政機関の長に協議するとともに、障害者及び障害者の福祉に関する事業に従事する者の意見を代表すると認められる者並びに学識経験のある者の意見を聴いて、障害者基本計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。 |
5~9 (略) | 5~9 (略) |
第四章 障害者施策推進協議会 | 第四章 地方障害者施策推進協議会 |
(中央障害者施策推進協議会) | |
第二十四条 内閣府(現 総理府本府)に、障害者基本計画に関し、第九条第四項(同条第九項において準用する場合を含む。)に規定する事項を処理するため、中央障害者施策推進協議会(以下「中央協議会」という。)を置く。 | |
第二十五条 中央協議会は、委員31人以内で組織する。 | |
2 中央協議会の委員は、障害者、障害者の福祉に関する事業に従事する者及び学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が任命する。この場合において、委員の構成については、中央協議会が様々な障害者の意見を聴き障害者の実情を踏まえた協議を行うことができることとなるよう、配慮されなければならない。 | |
3 中央協議会の委員は、非常勤とする。 | |
4 前三項に定めるもののほか、中央協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。 | |
(地方障害者施策推進協議会) | |
第二十六条 (略) | 第二十四条 (略) |
障害者基本法の一部を改正する法律案新旧対照表(第三条関係)
改正案 | 現行法(第一条及び第二条による改正後) |
---|---|
(障害者基本計画等) | (障害者基本計画等) |
第九条 1・2 (略) | 第九条 1・2 (略) |
3 市町村は、障害者基本計画及び都道府県障害者計画を基本とするとともに、地方自治法(昭和22年法律第六十七号)第二条第四項の基本構想に即し、かつ、当該市町村における障害者の状況等を踏まえ、当該市町村における障害者のための施策に関する基本的な計画(以下「市町村障害者計画」という。)を策定しなければならない。 | 3 市町村は、障害者基本計画及び都道府県障害者計画を基本とするとともに、地方自治法(昭和22年法律第六十七号)第二条第四項の基本構想に即し、かつ、当該市町村における障害者の状況等を踏まえ、当該市町村における障害者のための施策に関する基本的な計画(以下「市町村障害者計画」という。)を策定するよう努めなければならない。 |
4~9 (略) | 4~9 (略) |
障害者基本法の一部を改正する法律案新旧対照表
(附則第二条関係・内閣府(現 総理府本府)設置法の一部改正)
改正案 | 現行法 | ||
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(所掌事務) | (所掌事務) | ||
第四条 1・2 (略) | 第四条 1・2 (略) | ||
3 前二項に定めるもののほか、内閣府(現 総理府本府)は、前条第二項の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる。 | 3 前二項に定めるもののほか、内閣府(現 総理府本府)は、前条第二項の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる。 | ||
一~四十四 (略) | 一~四十四 (略) | ||
四十五 障害者基本計画(障害者基本法(昭和45年法律第八十四号)第九条第一項に規定するものをいう。)の策定及び推進に関すること。 | 四十五 障害者基本計画(障害者基本法(昭和45年法律第八十四号)第七条の二第一項に規定するものをいう。)の策定及び推進に関すること。 | ||
四十六~六十一 (略) | 四十六~六十一 (略) | ||
(設置) | (設置) | ||
第三十七条 1・2 (略) | 第三十七条 1・2 (略) | ||
3 第一項に定めるもののほか、別に法律の定めるところにより内閣府(現 総理府本府)に置かれる審議会等で本府に置かれるものは、次の表の上欄に掲げるものとし、それぞれ同表の下欄に掲げる法律(これらに基づく命令を含む。)の定めるところによる。 | 3 第一項に定めるもののほか、別に法律の定めるところにより内閣府(現 総理府本府)に置かれる審議会等で本府に置かれるものは、次の表の上欄に掲げるものとし、それぞれ同表の下欄に掲げる法律(これらに基づく命令を含む。)の定めるところによる。 | ||
(略) | (略) | (略) | (略) |
独立行政法人評価委員会 | (略) | 独立行政法人評価委員会 | (略) |
中央障害者施策推進協議会 | 障害者基本法 | (略) | (略) |
(略) | (略) |
平成16年5月27日/参議院内閣委員会
障害者基本法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に向け万全を期すべきである。
一、障害者施策の推進に当たっては、障害者の個人の尊厳にふさわしい生活を保障される権利を確認した法第三条第一項の基本的理念を踏まえ、障害者が、社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に、分け隔てられることなく参加できるようにすることを基本とすること。
二、障害者の雇用・就業、自立を支援するため、障害者の地域における作業活動の場の育成等を推進するとともに、併せて精神障害者の雇用率の適用・復職支援、在宅就労支援を積極的に推進するため、これらについて法的整備を含め充実強化を図ること。
三、障害者に対する障害を理由とする差別や権利利益侵害が行われた場合の、迅速かつ効果的な救済のために必要な措置を検討すること。
四、情報バリアフリー化の推進は、障害者等のコミュニケーションの保障に資するべきものであることにかんがみ、情報通信機器やアプリケーションの設計面のみならず、コンテンツや通信サービスについても、手話、文字、点字、音声等の活用による改善及び充実を促進すること。
五、障害のある児童・生徒とその保護者の意思及びニーズを尊重しつつ、障害のある児童・生徒と障害のない児童・生徒が共に育ち学ぶ教育を受けることのできる環境整備を行うこと。
六、「障害者」の定義については、「障害」に関する医学的知見の向上等について常に留意し、適宜必要な見直しを行うよう務めること。
また、てんかん及び自閉症その他の発達障害を有する者並びに難病に起因する身体又は精神上の障害を有する者であって、継続的に生活上の支障があるものは、この法律の障害者の範囲に含まれるものであり、これらの者に対する施策をきめ細かく推進するよう努めること。
七、国連における障害者権利条約の策定等の動向を踏まえ、制度整備の必要性について検討を行うこと。
右決議する。