音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2005年12月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編 ●ICカードの普及、他●

提案:横井謙 イラスト:はんだみちこ

横井謙(よこいけん)さん

1976年生まれ。千葉県在住。先天性表皮水泡症。皮膚が非常に脆く、手足の指などが癒着している。現在はCG映像などの制作をしていて、在宅で仕事を請けている。


ICカードの普及

手先が不自由だと小銭を取り扱うのがなかなかの手間です。くちが大きく広げられたりして、小銭を取りやすく工夫された財布もいろいろありますが、それでも指の使えない僕の場合はあまり有効ではありません。コインそのものを複数持ったり拾ったりすることが容易ではないからです。

ここ数年に出はじめた電子マネーカード(主に非接触型ICカード)を使うと、このような煩わしさがかなり解消されて清々しいものがあります。たとえばJRのスイカやEDYカードといったものです。非接触型というのはカードを読み取り機にかざすだけでよいので、電車やバス等に乗る時、またコンビニで小さな買い物をする時など、小銭を扱わなくて済むということはとても助かります。おサイフケータイも広がりつつあります。今後より多くの場面で、このような電子マネーサービスが安全に普及してくれることに期待しています。


重宝なドライメッシュTシャツ

僕は皮膚に障害があるのでとても汗をかきやすい体質です。そして傷ができると血液などが衣服(とりわけ下着類)にしばしば付いて汚れてしまいます。

このごろはメッシュ素材で乾きやすいTシャツが、各衣料品メーカーから多く出ています。おそらく運動する時や夏場に向けて売っているものだと思いますが、色やサイズなどのバリエーションも多く、値段も手ごろになっています。僕の場合、このようなドライなメッシュTシャツがとても重宝しています。とにかく汚れ自体があまり染み込みにくく、洗えば落ちやすく乾きやすい、頻繁に洗濯しても生地がしっかりしている、肌に密着しにくい点などが良い具合です。

店頭に多く並ぶのは夏で、秋冬にはあまり見なくなってしまいます。僕は年中着てもいいと思い、夏に色違いで複数まとめて買っておきました。


携帯ストラップの大活躍

携帯電話向けストラップは、単体でさまざまなものが売り出されたり景品になったりしています。人形などの付属品が無いシンプルなストラップも多く、同様の形で首から下げるための長いストラップもあります。

指で物をつかむことが困難な僕の場合、これらストラップを携帯電話以外のところに付けて便利に使っています。はじめはバッグを開閉するファスナーの引っ張る部分に付けました。手を通して引けばいいのでとても楽です。それから携帯オーディオプレイヤーにもカバーに通して付けています。たとえば鞄の中の物で、つかんで取り出すことが難しい時、このような輪状のひもが付いていると便利なのです。ただ付ける際、外観のデザインもありますのでどれにでも容易に付けられるわけではありませんが、うまく適合するとスマートです。通す穴などが無い場合はちょっと工夫が必要です。そもそもあちこちからもらったストラップが、家にいくつか余っていて仕方がなかったのが始まりでした。