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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2007年4月号

編集後記

東京マラソンの取材では、さまざまな人たちに出会った。車いすの男性は、アテネパラリンピックに日本代表として出場。通常、車いすマラソンは障害の程度によってクラス分けがあるが、東京マラソンは「車いす」の区分のみ。今回はクラスが違って競うことができない選手と一緒に走ることができるのですごく楽しみにしている、思い切り走りたいとあつく語ってくれた。10キロ車いすの部に参加した女性は障害がないが、車いすマラソンを始めて3年。スピード感が好きだという。障害のない人が参加できる大会は数が少ないそうだ。視覚障害の男性は、フルマラソンは体力的にまだ自信がないが、10キロを完走できてよかったと笑顔で答えてくれた。また、知的障害者の部の表彰式では、メダルと賞状を手渡されてちょっとはにかんだ受賞者の笑顔が印象に残っている。

昨年末のハンドサイクルでマラソンに挑戦している中王子さんに続き、マラソンの取材が続いた。早朝の公園ではマラソンで汗を流す人を多くみかけ、東京マラソンの申込者が9万人を超すなど、マラソンを楽しんでいる人は結構多い。ニューヨークシティマラソンに参加した中王子さんは、障害者用のレーンが設けられていて走りやすかったと話してくれた。東京マラソンもハンドサイクルでの参加ができるようになるだろうか。障害のある人もない人も楽しんで参加できる市民マラソンとして発展していくことに期待したい。(K)