「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2007年9月号
お知らせ
ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業
第9期生の紹介
本事業は、財団法人広げよう愛の輪運動基金から委託を受け、当協会が1999年より実施しています。各国・地域の障害者福祉の向上に寄与する人材育成を目的とし、これまで21の国と地域から61人の卒業生を輩出し、今年は6人の研修生を迎え、合計67人となります。
この研修のユニークな点は、1.選考が完全公募であること、2.約10か月にわたる研修は原則として日本語(日本手話)で実施されること、3.研修生が作成した計画を元に個別研修が行われること、です。
ここで8月末に来日した第9期生6人の研修生をご紹介します。
(1.性別、2.出身地、3.年齢、4.障害、5.日本で学びたいこと)
ダイ シレスタ アムリット(Dai Shrestha Amrit)
1.男性 2.ネパール 3.26歳 4.聴覚 5.ネパールのろう運動を発展させるため、日本からその方策を学ぶ。未就学ろう児を支援するためのアイディアを得る。
ヴゥ トゥイ リン(Vu Thuy Linh)
1.女性 2.ベトナム 3.26歳 4.聴覚 5.日本のろう教育について学ぶ。手話通訳者の養成について知る。
アイリーン バブルス(Aileen Bables)
1.女性 2.フィリピン 3.25歳 4.視覚(弱視) 5.他の障害者のロールモデルになるために、自身のリーダーシップを向上させる。自立生活やアクセシビリティについて知る。
ユッパ スリポーン(Yupa Sureeporn)
1.女性 2.タイ 3.27歳 4.肢体(ポリオ)電動車いす使用 5.自立生活運動や日本のアクセシビリティについて学ぶ。行政交渉の方法について知る。
サムニエン タマボング(Samnieng Thammavong)
1.男性 2.ラオス 3.27歳 4.肢体(ポリオ) 5.障害者の自立を促す施設を作るための情報や方法について知る。日本の社会保障サービスについて知る。
チョロンダワ オンダラフバヤール(Chuluundavaa Undrakhbayar)
1.男性 2.モンゴル 3.26歳 4.肢体(脊髄損傷) 5.車いすに関する団体や会社の活動内容を知る。若い障害者の就労や教育について知る。
研修生がそれぞれの研修目標を達成しようとする時、机上の学習だけでなく、自ら経験することが求められます。能動的に研修に取り組むために大切なのは日本語です。今回来日する研修生のうち5人が日本語の初心者です。日本語研修は9月3日から開始され、12月初旬まで続きます。約3か月間という短い期間ですが、日本語の基礎をしっかりと身に付け、続く個別研修に弾みをつけてくれることを期待しています。来年7月の帰国時には、いろいろな経験を積み、精神的にひと回りもふた回りも大きくなった彼らの姿を見ることができるでしょう。
彼らが日本語をどれだけ使いこなせるようになるか、そしてどんな経験を積んでいくのか、本事業ホームページで紹介していく予定です。また、自国で活躍している卒業生の情報も随時掲載していきますので、時々のぞいてみてください。
財団法人日本障害者リハビリテーション協会
ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業