音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2008年1月号

県知事

神奈川県知事
松沢成文(まつざわしげふみ)

「施設・病院から地域へ」という地域生活移行は、今日の障害福祉の大きなテーマであります。平成18年12月に国連で採択され、昨年9月にわが国も署名をした「障害者権利条約」は、障害のある人の社会への参加等を一般原則として定め、その人権や基本的自由を確保し、促進するための「合理的配慮」を締約国に求めています。これは、障害を個人の問題ではなく、社会の問題として捉え、障害者の地域生活移行の流れを一層確かにするものと考えています。

神奈川県では、障害者やその家族、支援者、行政が理念を共有しながら、障害者の地域生活を支える神奈川らしい施策を展開するため、平成18年7月に「かながわの障害福祉グランドデザイン」を策定し、障害福祉のあるべき姿を「すまい」「いきがい」「ささえあい」の3つの視点から提示いたしました。また、障害者が日常で直面する「生きにくさ・暮らしにくさ」に着目し、地域生活を支えるための障害福祉サービスを「必要な人に、必要なサービス」が届くよう整備していくことを重要な課題と位置付けました。

そして、昨年3月には、このグランドデザインの理念を踏まえ、障害者自立支援法に基づく「神奈川県障害福祉計画」を策定しました。この計画では、「すまい」の視点からのグループホーム・ケアホームの整備促進、「いきがい」の視点からの就労・社会参加の促進、「ささえあい」の視点からの重層的な相談支援体制の充実などについて、平成23年度の数値目標を設定するとともに、サービスの計画的な提供体制の確保について定めています。現在、この計画に基づき、障害者の「生きにくさ・暮らしにくさ」に配慮したさまざまな施策を、市町村や関係機関・団体と連携しながら推進しています。

障害者やそのご家族、支援者の皆様、そして県民の皆様とともに今後も障害の有無にかかわらず、すべての人が住み慣れた地域で安心して暮らすことのできる「ともに生きる福祉社会かながわ」の実現に向けて、全力で取り組んでまいる所存です。

図 『かながわの障害福祉グランドデザイン』2006拡大図・テキスト
(出所:『かながわの障害福祉グランドデザイン』2006)