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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2008年1月号

政令指定都市首長

さいたま市長(埼玉県)
相川宗一(あいかわそういち)

皆様、新年あけましておめでとうございます。

本市では、「障害のある人もない人も、すべての市民がともに学び、働き、暮らす都市(まち)『さいたま』をめざして」を基本方針とした『さいたま市障害者計画』を平成18年3月に策定いたしました。この計画に基づき、福祉、保健、医療、雇用、教育、まちづくりなど各分野にわたる障害者施策を総合的かつ計画的に推進しております。

さて、障害者自立支援法では、障害種別にかかわらずサービス利用の仕組みが一元化されたことをはじめ、福祉施設から一般就労への移行を進める事業に重点を置いた改革がなされました。私のマニフェストには「養護学校卒業生の就労率を1.5倍増」と掲げており、本市の障害者計画でも、「障害者就労支援システムの構築」を重点プログラムとして位置付けるなど、本市では、特に障害者の就労支援に力を入れております。

平成19年4月には、就労支援体制の拠点として、市が直営するさいたま市障害者総合支援センターを開設し、障害者の雇用の場の拡大、就労相談、就労支援、離職予防や生活支援など、総合的な支援を展開しております。

昨年度、サービス提供体制の整備計画として策定した『さいたま市障害福祉計画』では、「福祉施設から一般就労への移行」の平成23年度の数値目標として、それまでの年間移行実績の5倍という国の基本指針を上回る高い目標を設定いたしましたので、目標達成に向けて引き続き努力してまいりたいと考えております。

また、障害者自立支援法では、利用者負担の方法が利用したサービス量に応じて負担する仕組みとなったことから、これまでの支援費制度において、食費等を含めてゼロであった方の負担感は大きく、法施行後に本市が独自で行った調査でも、サービス利用はいずれも減少しており、その影響を受け、施設の収入も減収となっていました。

本市では、独自の負担軽減策を実施しておりますが、法施行後、この利用者負担の他にも所得保障の問題や施設の新体系への移行の問題、さらには施設に対する報酬の問題など、さまざまな課題が明らかになってきております。これらの課題について、本市は八都県市首脳会議において、共同で法の調査研究を行うことを提案し、現在、取り組んでいるところです。今後の制度改正にあたっては、利用者負担のあり方や施設報酬のあり方など、利用者の生活実態に即した、分かりやすい恒久的な制度を構築していただくことを、国に提案してまいりたいと考えております。

最後になりますが、本市では、来年度策定予定の次期障害者計画・障害福祉計画策定のためのアンケートを実施いたしましたので、できるだけ当事者、事業者の声を反映した計画策定に努めてまいりたいと考えております。