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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2008年1月号

市区町村首長

新宿区長(東京都)
中山弘子(なかやまひろこ)

その人らしくいきいきと

新宿区は、多くの企業や法人の活動が集積する街です。私は、この街の特性を活かしながら、障害者の就労支援を進めたいと考えています。

区は平成6年度に新宿区障害者就労福祉センター(チャレンジワーク)を設立し、障害の種別を問わず一元的に、多様な就労の場や支援を提供しています。

障害者就労支援事業では、就労を希望する障害者に対し、就労スキル訓練、通勤支援、生活支援等を行っています。

企業就労に向けた多様なステップについても工夫しています。区役所内では昨年度までに約80人の障害者が就労実習し、8人が就労に結びつきました。区内にある目白大学とは、障害者が学生のジョブサポートを受けながら学内売店で販売実習を行うための協定を結びました。

チャレンジワークが指定管理者である区のリサイクル活動センターでは、リサイクル品の仕分けや接客販売の作業等を障害者就労の場として活用しています。

また、歌舞伎町と、高田馬場の商店街の一角に、地方物産のアンテナショップ「ふらっと新宿」を開設し、公募した区民ジョブサポーターによる支援を受けながら、車いすの方等が元気に販売実習などを行っています。

他方で、企業と在宅の中間的就労の場として、企業と連携しながら、サテライトオフィスの運営を試行しています。

就労支援をはじめとして障害のある方に対する施策については、特定の場所での専門的な支援はもちろん大切ですが、このようにさまざまな場所で、さまざまな人との係わり合いの中で、お互いの違いを認め合い、支えたり支えられたりを地道に行うことも大切だと考えています。

そこで、障害者、高齢者、若年非就業者など、就労に結びつきにくい方を対象とし、地域貢献をめざす団塊世代の方や、時間を有効に活用したい子育て世代の方等をはじめとする、地域の中の幅広い人材をその支え手とした、総合的な地域型就労支援の仕組みづくりを目的として、(仮称)新宿仕事センターの設立を予定しています。

こうした施策の積み重ねにより、障害のある方も含め、それぞれが持てる力を生かしながらその人らしく社会参加ができるコミュニティタウン新宿を目指しています。