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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2008年1月号

市区町村首長

金沢市長(石川県)
山出保(やまでたもつ)

金沢のノーマライゼーション

「障害のある人もない人も誰もが安心して、いきいきと暮らせるまち、金沢をそんなまちにしたい。」そのような願いから、「まず市民の声をお聞きし、そして、その声を市政に反映したい」と考えています。

~障害者計画の策定~

本市では、平成10年に障害者計画「ノーマライゼーションプラン金沢」を策定しました。その際、もっとも重視した点も障害のある方々の声でした。アンケート調査の実施や障害のあるご本人とご家族、その団体、そして福祉関係で仕事をされている方々への聞き取り調査の実施を重ね、さらに5回の市民フォーラムで貴重なご意見を受け、完成に至りました。

また、障害のある人の生活を大事にしたいという思いから、この計画を「住まう」「働く」「学ぶ」などの生活の10の場面からの施策体系としています。このことは、行政の施策体系に基づくお仕着せのような障害者計画にしたくないという市民の皆様の声によるものです。この熱い思いは今日も続いています。

~市民フォーラムから施策を~

次に、市民フォーラムですが、半数が障害のあるご本人、またはその家族である金沢市施策推進協議会委員に公募委員を加えたフォーラム実行委員会での運営により開催を重ね、昨年12月の開催で20回目を数えることとなりました。

市民フォーラムでいただいたご意見から、いくつかの施策が生まれています。そのひとつが福祉防災台帳の作成です。平成16年に本市の身近なところで起こった福井豪雨や新潟豪雨では、河川の堤防が決壊し、多数の建物に浸水被害があり、お体の不自由な方々が亡くなられました。その年の12月に開催しました市民フォーラムでは、「災害弱者の地域支援を考える」がテーマとなり、このことが、福祉防災台帳の作成につながりました。

さらに、平成18年には障害者自立支援法をテーマとして開催しました。その際のご意見を金沢市施策推進協議会の場でさらに検討を深めていただき、「地域生活支援事業において重度障害の方の利用料を無料とする」との提言を受け、本市独自の支援策を実現するに至りました。

結びに、今、「ノーマライゼーションプラン金沢」の次の新しい計画を策定する準備を進めていますが、障害者自立支援法での影響調査とプランの基礎資料とするためのアンケート調査とを併せて実施しています。これらの結果を次の計画に十分反映し、ノーマライゼーション社会の実現に向けてさらに邁進してまいりたいと考えています。