「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2008年1月号
市区町村首長
東海市長(愛知県)
鈴木淳雄(すずきあつお)
障害者が地域で自分らしく暮らすまちづくりに向けて
はじめに、東海市の紹介をさせていただきます。特徴的なことは、鉄鋼産業の基地であり、また、県下でも有数な生産量を誇る洋ランや全国第1位のフキの産地であります。人口(表1)は、現在、10万6千人余であり、近年は、年間千人余の増加基調でございます。まちづくりの方針につきましては、市民の視点から解決すべき生活課題を設定し、施策を事業化していくこととしています。
昭和44年4月1日 | 78,883 |
平成17年12月1日 | 104,612 |
平成18年12月1日 | 105,710 |
平成19年12月1日 | 106,869 |
面積43.36平方キロメートル
障害者の方とは、お話を伺う機会が定期的にありまして、現在の皆さんの活動状況や困っていることに加え、施策のご提案をいただき、市の施策の組み立てに役立てております。
障害福祉が大きく変更となった障害者自立支援法の施行にあたり、市の施策を見直しいたしました。東海市のまちづくりに自立支援法をどう生かしていくのか、市だけではなく、障害のある方、ご家族の方、支援事業者の方と話し合いをしながら対応いたしました。その結果、障害者の就労支援と相談支援、居場所づくりの3点を中心に組み立てをいたしました。
この中で、相談支援と居場所づくり(地域活動支援センター)につきましては、近隣市町と共同で、民間の社会資源である社会福祉法人の力の活用を図り、三障害一括対応できる体制で実施に至っています(表2)。障害者自立支援協議会につきましても相談支援事業の委託事項の一つとして昨年2月から活動を始め、5部会(相談、地域生活、権利擁護、発達支援、就労支援)で課題に取り組んでいます。個別支援会議は、昨年の上半期で97回開催されています。この会議の対象となるご家族や個人は重層的な障害をもつ方が多くみられ、必要な支援やより使いやすい施策の運用のあり方が浮き上がっており、市の施策に反映しております。
表2 相談支援事業、地域活動支援センター事業の状況(4つの市町で協定して実施)
市町名 | 相談支援事業(強化事業含む) | 自立支援協議会 | 地域活動支援センター事業 (強化事業含む) |
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実施方法 | 利用対象者 | 利用者負担 | 実施方法 | 実施方法 | 利用対象者 | 利用者負担 | |
東海市 | 共同委託拠点2箇所 | 身体 知的 精神 発達障害 |
無 | 共同設置相談支援委託事項の1つ | 共同委託2箇所 | 身体 知的 精神 発達障害 |
無 |
知多市 | |||||||
阿久比町 | |||||||
東浦町 | |||||||
4つの市町の人口:265千人 (体制) 相談:常勤8人 内訳:コーディネーター3人、専門職員2人、生活支援員3人(各拠点4人ずつ配置) 地活:常勤5人 内訳:精神保健福祉士1人、生活支援員4人(各事業所2人ずつの配置とし、事業管理者1人) |
市といたしましては、一人ひとりの市民が、東海市で元気に暮らしていくために、今後とも、広域的な取り組みも含めまして、東海市に関わる方々の力が連携できる仕組みづくりを進め、住みよいまちづくりに取り組んでいくこととしています。