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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2008年8月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●飲み物用スポーツボトル、他●

提案者:首藤健太 イラスト:はんだみちこ

首藤健太(しゅとうけんた)さん

1984年7月1日生まれ。脳性マヒ。大学卒業後、1年前よりNPO法人自立支援センターおおいたに就職する。就職をきっかけに一人暮らしを始めた。普段は電動車いすを使用している。


飲み物用スポーツボトル

私は飲み物を飲む際に体が思うように動かずに、コップを倒して床にこぼしてしまったり、ペットボトルでは中の飲み物を全部顔に掛けてしまうことがよくあります。私は長年、この問題で悩んできました。一人暮らしを始めてからは、ヘルパーさんがいる時はストローを挿してもらい、飲むことが可能ですが、ヘルパーさんがいない時間や就寝中などに飲みたくなった時はどうしようかと考えていました。

そこで、物は試しと買ってみたのがスポーツボトルです。サッカー選手やマラソン選手が試合中に水分補給をしているもので、容器の部分を押すだけで中の飲み物が出てきます。これなら倒してもこぼれることはないし、顔に掛かってびしょ濡れになることもありません。また、500ml~1lと量もたくさん入るので、ヘルパーさんがいない時でも水分補給はバッチリです。


夜のトイレ用尿器スタンド

私は電動車いすを使いヘルパーさんに手助けしてもらいながら生活をしています。就寝の際のベッドへの移乗はヘルパーさんがやってくれます。24時間介護ではないため、就寝時は一人です。やはり就寝時にネックとなってくるのは排泄行為です。ヘルパーさんが帰る前に1回排泄をして寝るものの、心配なため、一人暮らしを始めた当初は尿器を太ももの横に置いてもらっていました。したくなった時は尿器に取り、床に置いていましたが、2回目がしたくなった際は、床から取る時にこぼしてしまう可能性もあります。

そこで、何かいい方法はないかと考え、ホームセンターへ出かけた際に、S字フックが2つ付いたプラスチックのボックスを購入しました。これが意外に優れもので、ベッドの柵にS字フックを取り付け、ボックスに尿器を入れるようにしました。これにより、尿器を床に置く手間もなくなり、またこぼす心配からも解消され、今では安心して眠れる生活を送っています。


携帯電話のおサイフ機能

みなさんは出かけて買い物をした際に、店員さんにサイフを渡して支払ってもらった経験はありますか?私は日常茶飯事です。私はお札は出せるのですが、小銭を出すのに時間が掛かってしまいます。レジが空いている時はよいのですが、混んでいる時はみなさんに迷惑を掛けていました。店員さんにサイフを渡すと心配されつつ、「開けていいのですか?」と聞かれてしまいます。

そんな時に見つけたのが、携帯電話に付いているおサイフ機能です。このおサイフ機能は電子マネー(コンビニや電子マネー対応の店で自分のサイフから金額を入金する)で買い物ができるのです。携帯を機械にかざすだけなので、店員さんにサイフを渡すことがなくなり、時間の短縮にもなり、店員さんや他のお客さんに気を使うこともなくなりました。クレジットカードと違って、多額の金額を請求されることがないので、コンビニでちょっとした買い物に使っています。