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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2009年4月号

僕たちの夢と提案

角谷勝己

働いている知的障害のある人に大変なことや楽しいことをうかがいました(個人情報は主旨を変えない範囲で変更しています)。

原さん:男性33歳。鉄道会社で駅の清掃を担当。通勤寮。
中村さん:男性26歳。スーパーで商品出しを担当。通勤寮。
八田さん:男性25歳。園芸会社で花の世話を担当。
植田さん:男性29歳。オフィスビルの清掃に従事。一人暮らし。

▼今の職場に就職した経緯

原:ハローワークから就職した。面接の時に施設の職員さんが一緒に行ってくれたので安心だった。

中村:別の店が閉店になったので今の店に来た。朝が早くてえらい。

八田:お母さんが知り合いに相談して紹介してもらった。

植田:前の会社で苛められていて、雇用支援センターに相談して転職した。

▼仕事で大変なこと

中村:仕事は大変だよ。緊張するし失敗するし何回も謝った。

原:悪い人が切符の販売機を壊してお金を取ろうとするから怖い。

植田:人間関係が大変。けんかしたり上司が厳しくてちゃんと仕事してても怒られるし、もう限界って感じ。

八田:僕も仕事中に他の人に殴られてずっと険悪ムード。でも仕事はちゃんとやってる。

▼働いていて楽しいこと

植田:ビルがきれいになったねと声をかけてくれること。

原:僕も駅がきれいになったねと言われるとすごくうれしい。

中村:僕もパートさんに頼りにしてるよと言われるとすごくうれしい。

植田:僕は会社では笑顔になれない。

中村:笑顔で仕事しないと、君いらないよって言われるよ。

八田:僕は花が売れるとうれしい。

▼将来の夢や目標

中村:店長になること。

原:貯金して家を建てたい。

八田:将来家族がいなくなったら転職する。花も虫も嫌い。

植田:夢は結婚かな。障害者は結婚できないって言われるのがイヤ。

一同:うん、結婚したい。

中村:子供がほしい。大変そうだけど。

八田:年下で背が高くて入れ墨とピアスしている人が好き。

原:キレイで優しい人がいいな。

植田:優しくて甘えられる人がいいね。

▼支援者に言いたいこと

植田:ヘルパーとか支援センターの人はできないことを言わないでほしい。

原:職員さん厳しいもんな。

一同:うん厳しい。

原:僕たちは汗を流してがんばっとるもんで、支援する人たちもがんばって支援してほしい。

植田:僕らは一人ひとり違うから一人ひとりを見て相談に乗ってもらいたい。何を思っているかとか、障害の悩みとか真剣に考えてほしい。

原:仕事で辛いことがあっても職員はいつも忙しくて相談できない。役所の人も相談にのってほしい。

(まとめ・かくやかつみ 名古屋市障害者雇用支援センター)