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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2009年4月号

責任感を持って働いています

増田治子

息子の圭介(21歳)は、平成18年3月に東京都立王子養護学校を卒業しました。障害は、自閉症です。

現在、第一生命チャレンジド株式会社東戸塚事業部でクリーニングの仕事をしています。勤務は、月曜日から金曜日まで、朝9時から夕方5時までフルタイムで働いています。もともと体を動かすことは苦にならないので、毎日元気に働いています。

卒業してすぐにパン工場で1か月研修を受け、その後3か月試用期間として仕事をしましたが、工場が移転する計画などもあり、不採用となりました。

その後、就労移行支援でスワンベーカリー赤羽店に7か月お世話になりました。その間、「就労支援センター北」に現在の会社を紹介していただき、平成19年4月から勤務しています。

この仕事に就いてから1年間は、ジョブコーチの支援を受けていました。私からは、通勤に時間がかかるので2、3回は通勤の様子を見守ってほしいことと、息子は言葉で伝えるよりも目で見たほうが覚えが早いことを伝えました。

会社では「リーダー」の方に仕事の仕方や休憩時間の過ごし方など、本人に分かりやすく教えていただいています。行動に表れた問題だけでなく、どこに原因があるのかをよく見ていただき、適切に判断して指導してもらえました。また、池袋から東戸塚までは通勤距離があるので、慣れるまで同じ路線に住んでいる方に支援をしていただきました。早出など通勤時間の変更やその他大事な連絡事項は、自分でノートにメモをとっています。

仕事がうまくできたとほめてもらった時は、だいたい帰った時の様子で分かるのですが、「じょうずにできました」などと話してくれます。

仕事を始めてから以前より落ち着いてきました。また、毎日仕事に行かなくてはならないという責任感が出てきたように思います。

現在は少し仕事にも慣れ、リフレッシュ支援として月1回、就労支援センター北が企画している夕食サロン会に参加しています。JR十条駅近くのカフェレストランに集まり、それぞれの職場や家のことなどを自由に話す会です。息子も休まずに参加しています。また、豊島区の日曜教室にも参加し、調理や宿泊研修を楽しんでいます。運動も好きで、走ったりバスケットをしたりしていましたが、今はなかなか時間が取れません。

職場では、息子のこだわりをうまく仕事に生かしていただいています。今の仕事をこれからも続けていってほしいと願っています。

(ますだはるこ 東京都豊島区在住)