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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2009年9月号

私の子育て体験
世話人さんの支援で安心して子育てできます

山崎幸枝

1 自己紹介

私は、山口県宇部市に住んでいる山崎幸枝と言います。主人はガラスサッシの会社に勤め、私は老人介護施設のリネン関係の仕事をしています。私たちはY通勤寮で出会い、当時、通勤寮職員だった西村夫妻の仲人で結婚しました。そして現在、西村夫妻経営の「てご屋ホーム」(注1)で支援を受けています。

2 子育てと支援

1.平日の支援

私には現在2人の子どもがいます。上は女の子で今年3歳。下は男の子で2歳です。子育て支援は、主にグループホームの職員から受けています。

朝は保育園に主人の車で一緒に行って2人を預けます。それから私は近くのバス停まで送ってもらい、職場へは30分のバス通勤をしています。

夕方はホームの職員が保育園に2人の子どもを迎えにいき、私の職場まで(片道13キロ)迎えに来てくれます。子守りをしながら帰宅し、時には小児科によって診察を受けたり、薬をもらったりすることもあります。

帰宅して、結婚組の夕食を作ってくれる世話人さんの所(自宅前のアパート)へおかずを取りにいきます。おかずは3品くらいあり、量も多く、翌日の弁当のおかずにも少し取れるぐらいです。後は、電気釜のスイッチをいれるだけです。

夕食は子ども2人を一緒に食べさせるのは大変なので、上の子はホームで食べています。夕食後、世話人の西村さんにフロに入れてもらって、夜9時ごろ帰宅してきます。

2.土曜日の支援

土曜日は主人が休みで、私は午前中の勤務です。お昼の12時半ごろ職場まで迎えに来た主人と買い物に行き、帰宅して昼食を食べ、午後3時ごろ子どもを保育園に迎えにいきます。

3.日曜日、祝祭日の支援

日曜日、祝祭日は原則として主人は休み、私は祝祭日のみ交替で出勤することがあります。出勤する時は、下の子は主人が見て、上の子は世話人の西村さん家族(自宅の隣)が夕方まで見てくれます。そして夕方、主人が2人の子どもを連れて迎えに来てくれ、買い物に行って帰宅します。

また休みの日には、午前中は洗濯・掃除・家の片付けをし、その間は下の子は主人が見て、上の子は「じいちゃん・ばあちゃんへ行く」(注2)といって、朝食後は隣の西村家へ遊びに行きます。そして昼前に家族そろってスーパーに買い物に行き、昼食を済ませ、子どもたちは昼寝をします。

午後4時から、ホーム利用の8組の結婚組の奥さんが集まり、世話人さんに作ってほしい献立を話し合い、1週間の献立表に記入していきます。主なメニューを決めておくと、後は世話人さんが献立のうち野菜、味噌汁等補足をしてくれ、献立を完成してくれます。しかし、日曜日だけは、世話人が休みで自分たちで夕食を作ることになっています。

4.通院・入院支援

わが家では、上の子は比較的元気ですが、下の子は喘息気味で、1か月に一度世話人と大学病院に通院しています。そして実は今(8月17日現在)、大学病院に1週間の入院をしています。入院中は私が付き添い、夕方、ホームの職員が付き添いを交替してくれ、別の世話人が私を家まで乗せて帰ってくれ、入浴し、洗濯、家の片付けをして、病院に戻ります。夕食は主人が、世話人が作ったものを運んでくれます。上の子はホームで夕食、入浴を済ませて夜10時ごろ帰宅して、主人と一緒に家で寝ます。

3 自分の子育て経験を振り返って

自分たちの子育ては3年間ですが、共稼ぎをしていて毎日忙しく、ホームの職員の支援がなければ、やっていけなかったと思います。朝晩、夜中でも困ったことがあれば携帯電話で相談をし、そして世話人が隣に住んでおり、緊急の時にはすぐ来てもらえるので安心です。むしろ、主人がもう少し、子育てに協力してくれるとよいと思っています。

(やまさきゆきえ 山口県宇部市在住)

(注1)西村信正夫妻経営の(有)「てご屋ホーム」

  • 障害者自立支援センター30人(就労移行10人定員・生活訓練10人定員・就労継続B型10人定員)
  • グループホーム・ケアホーム29人
  • 高齢者通所介護10人

(注2)「じいちゃん・ばあちゃんへ行く」

仲人の西村夫妻のこと。結婚生活、妊娠、出産、子育て等、家族的にケアを受けている。子どもらは本当のじじ、ばばと慕っている。