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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2011年4月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●便利な音声式リモコン、他●

提案者:王崢(伊藤さよこ) イラスト:はんだみちこ

王崢(おうじょう)(伊藤さよこ)さん

中国遼寧省瀋陽市出身で、2001年に第3期ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業の研修生として初めて来日し、帰国後、遼寧省障害者連合会の視覚障害者理事として、盲人協会の仕事を担当していました。2007年12月、5年間かけて、障害者と健常者の間の見えないバリアを乗り越え、日本人の夫と結婚しました。現在、富山県に住んでいます。


便利な音声式リモコン

視覚障害者の私は、エアコンを使う時、いつもリモコンの操作で困っていました。暖房になっているのか冷房になっているのか分からない上に、温度の調節もかなり難しいです。しかし昨年、夫が特別なリモコンを買ってくれたおかげでこの問題が解決しました。

エアコン専用のリモコンですが、普通の電卓くらいの大きさで、大きいボタンが6つしかありません。上側にある3つの丸いボタンは、左が暖房、右が冷房、そして真ん中のボタンを押すと、暖房か冷房のどちらになっているか、それに設定温度も音声で教えてくれます。右下の矢印のボタンで温度調節をし、もちろん音声案内もします。そして、左下の四角いボタンはスタート/停止ボタンです。このリモコンはすべてのメーカーに対応しています。この便利なリモコンを使って、冬は暖かく、夏は涼しく生活をしています。


簡単な点字シールで電化製品を操作

表面が平らなタッチパネル式の電子レンジはボタンも多く、位置も分かりにくいと感じる視覚障害者は私一人ではないでしょう。

わが家にある古いタイプの電子レンジには、簡単な点字シールを貼って見分けています。「お」「と」「○」「か」の点字シールは、それぞれ「オーブン」「トースター」「解凍」「加熱」のボタンの位置。そして、「1」「2」「3」のシールは「10分」「1分」「10秒」の位置を示しています。「す」と「け」のシールは、「スタート」と「取り消し」のボタンで、晴眼の人と同じようにこの古い電子レンジを使うことができます。

それから、できたてのパンを食べたくて、家庭用パン焼き器を買いました。説明書に書いてある設定や操作方法が難しくて、私には使えないと思っていたのですが、夫が操作順に「1」「2」「3」の点字シールを貼ってくれたおかげで、毎晩、粉と水を容器に入れ、数字の順番どおりにボタンを押せば、毎朝6時に美味しいパンが焼き上がります。


小さなFM発信機

私はラジオや音楽を聞きながら、家事をする習慣があります。特に、時々中国語の番組を聴きたくなります。でも普通のラジオやテレビでは、中国語の番組をやっていないので、パソコンを使わなければなりません。

そこで私は、家事をしながらでも聴けるように、小さなFM発信機を利用して、パソコンの音を電波の形にして家全体に出しています。ポケットラジオとイヤホンを付けていれば、家の中のどこにいても、パソコンから出ている音を聴くことができます。

私はいつも、インターネットラジオやテレビ番組を聞きながら、英語のヒアリング練習をしながら、また、スクリーンリーダーで小説を読みながら、料理や洗濯、部屋の掃除をしています。

このFM発信機は、弱い電波で10メートル以内でしか聞こえないので、他人の迷惑にもなりません。これで快適な家事の時間を過ごしています。同じような習慣がある方々には、この方法をお勧めします。