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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2011年5月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●こまめな水分補給に役立つグッズ、他●

提案者:中塔昌宏 イラスト:はんだみちこ

中塔昌宏(なかとうまさひろ)さん

私は23年前に頸椎の5・6番を骨折・頸髄を損傷し、車いすの生活を送るようになりました。現在は家族と同居し、日中は作業所や同じ障害をもった人たちで作る団体の活動に参加しています。頸髄完全損傷、残存機能レベルC6A。


こまめな水分補給に役立つグッズ

私は尿管理のために膀胱ろうを増設したのですが、膀胱ろうの管が尿中の結合物で詰まらないようにするためと、尿路結石(腎臓・尿管・膀胱)を防ぐために、こまめな水分補給が欠かせません。家族やヘルパーさんがいない時でも一人で水分補給ができるように、ペットボトルのキャップに穴をあけ、そこにストロー状の長く柔らかい管を差し、それをベッドと一体化しているリフトの支柱にくくりつけた百均で買ったカゴの中に入れています。ストロー管が柔らかいので、管の半分くらいまで針金を巻き付けています。こうすることで管が垂れ下がり、床に落ちてしまうのを防いだり、手で管を引き寄せやすくなります。家族が出かける時や就寝前、ヘルパーさんが帰る前にはお茶を入れてセットしてもらいます。

現在は一人でいる時間が少ないため、ペットボトルを入れるカゴも小さな物を使用していますが、一人暮らしを想定して大型化しようと考えています。


ヘルパーさんとより良い関係を構築するために

私は現在、家族と同居していますが、日々の生活や活動を中心的に支えてくれているのは、事業所から派遣されるヘルパーさんたちです。気持ち良く介助してもらうため、かつヘルパーさんたちが仕事がしやすいように、自分自身、試行錯誤しながら4年近くの日々を過ごしてきました。幸い私のもとに派遣されるヘルパーさんたちの努力もあり、これまで、特に何事もなく充実した日々を過ごすことができました。

介助を受けるにあたって私が心掛けていることは、ヘルパーさんたちが仕事がしやすいような雰囲気を作ることです。具体的にはいろんな話題を投げ掛けて、ヘルパーさんの人となりを早く知ること、また自分自身のことを話して、私という人間を理解してもらうようにしています。そして、指示はできるだけ具体的、かつ簡潔に、理由も付けて、言うようにしています。

常に、自分の言葉や行動を客観的に省みて、世間の一般的な常識と照らし合わせることで、独(ひと)りよがりな思考や権利の乱用に陥らないように心掛けています。


寝ていても携帯電話を使える自助具

私は手は多少動くのですが、マヒして動かない部分も多く握力もないため、携帯電話(携帯)を握ることができません。でも、ベッドで寝ていても携帯が使えるように、携帯に自助具を装着しました。

自助具といっても簡単にできます。ホームセンターなどで売っている長方形の薄い鉄板を、親指が入るくらいのスペースを開けてくの字に曲げます。携帯の長さに合わせた面の方に、マジックテープを貼り付けて出来上がりです。マジックテープの代わりに輪ゴムで固定する方法もありますが、ゴムは二重巻きまで・真ん中より上に巻きつけないようにしてください。電池がすぐに無くなってしまいます。携帯との接触面はすべるので、薄いゴムを貼り付けておくと固定しやすくなります。

使い方は、曲げた部分に親指を引っ掛けて操作しやすい位置まで引き寄せて、もう一方の親指の爪で携帯を開き、人差し指の第2関節を使って文字を打ちます。私の場合、OTの先生に作ってもらったので、オルフィットという特殊な材料を使っていますが、一般的ではないため、身近にある代用できるもので紹介させていただきました。