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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2011年10月号

体験
グローバルに活躍できる仕事の実現

巽万里子

自己紹介

生まれつき“弱視”という視覚障害がありますが、「障害があっても、可能性は無限にある」と信じて幼い頃より、さまざまなことにチャレンジしてきました。大学時代は、社会福祉を学び、またカナダに1年間語学留学しました。

就職活動について

留学の経験から、将来はグローバルに活躍できる仕事がしたいと強く望んでいた私は、世界に技術を誇る日本の電機メーカーに的を絞りエントリーしました。

就職活動自体は、他の学生らとさほど変わりませんでした。しかし、周囲に障害をもちながら活動する人があまりいなかったため、分からないことを尋ねることができず、手さぐりの中での活動で不安に思うことが多くありました。

企業側の対応はさまざまで、障害を全く配慮してくれないところ、障害者専用のセミナーを実施し、障害があっても活躍している先輩社員の紹介をしてくれるところなど、障害者雇用への取り組みにはかなり差がありました。企業の障害者に対する考え、社員の意識に違いが感じられ、企業選びをする重要なポイントともなりました。

就職活動で1番苦労したことは、自身の障害をどう伝えるかということです。「これができない」ではなく、「こういう配慮があれば、これができる」、「障害のある私にしかできないことがある」とできるだけ前向きに、かつ正直に伝えるよう心がけていました。

ただ、障害者であってもそうでなくても、就職というのは出会いであり、人と人との縁だと思います。自分の限界を簡単に決めることなく、広い視野を持ってほしいです。私は、ありのままの自分を受け入れてくれる企業に出会え、本当にうれしかったです。

現在の私

今年で入社2年目になる私は、パナソニック株式会社コーポレート情報システム社人事グループの人事チームの一員として、採用活動、教育・訓練を担当しています。「ものをつくる前に人をつくる」というすばらしい経営理念のもと、人材育成にとても力を入れている企業です。そのような企業の人事として勤められていることを誇りに思います。

近年は、海外展開に伴い、グローバルな人材の登用、グローバルな人材の育成に非常に力を入れています。自分にしかできない方法でいろいろな意味で多様性のある職場にしたいと思っています。

就職活動している皆さんへ

障害者は、とても強い心を持っていると私は信じています。障害があるからこそ、他の人の何倍も努力し、困難も乗り越えてきました。自信を持って、チャレンジしてください。

(たつみまりこ)