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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2011年11月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●普段の調理は炊飯器で、他●

提案者:川中昌世 イラスト:はんだみちこ

川中昌世(かわなかまさよ)さん

私の障害は、両上肢分娩マヒ(身体障害1種2級)です。平成22年2月に娘を出産して、周りの協力のもと一人で子育て奮闘中です。子育てに奮闘する中でピアカン講座に出会い、それまでの価値観ががらりと変わりました。出産で仕事を辞めていましたが、現在、勉強して資格を取りながら求職活動中です。大阪市在住。


普段の調理は炊飯器で

私は両上肢マヒのためお鍋やフライパンが使いにくいので、主に炊飯器で調理しています。ご飯を炊きながら一度におかずが作れて楽ちんです。

まず、白米をセットしてその上にケーキづくりに使うシリコンの型をのせます。シリコンの型の中に野菜やお肉を入れて蒸して料理や豆腐ハンバーグを作ります。最近は、煮物やシチュー、ケーキも作ります。

油を使わなくて良いのでヘルシーで、ボタンを押したらご飯が炊きあがる間に他のことができるし、また洗い物が減って助かっています。


首が座らない赤ちゃんは、手作り簡易スリングで移動

首の座らない赤ちゃんを抱っこできず、なんとかベビーカーに乗せることはできないかと、出産先の病院の看護師さんと試行錯誤して作りました。

ひし形で片方が長い形に布を切り、強度のある布とバスタオルとガーゼを重ねて縫い合わせて、2方向向かい合せに取っ手をつけます。赤ちゃんをその布の上に寝かせて、取っ手をカバンのように手を通して、赤ちゃんの頭の上部分の布を片方の手で下から抱えるように持って移動しました。布に沿って体がまるまって、ハンモック状になります。赤ちゃんの成長に合わせて大きく作り直したり、赤ちゃんを包む側には軟らかいガーゼを使い、外側には可愛い布を貼っていました。

どうしても泣き止まない時は、これに包んで2、3回ゆらしてあやすとすやすや眠りました。布の上に寝かせたままで、端を引っ張って移動したり、お着替えの時にはころんと横に寝返りさせて洋服の袖を通したりと、重宝しました。長い時間の移動は無理ですが、一人で移動させなければいけない時はすごく助かりました。


離乳食中期からはキッチンばさみや泡だて器が大活躍!

一つ一つ細かく材料を切る時間がおしいのと、腱鞘炎になって包丁を握るのが辛くなってきたので、最初に電子レンジで材料をチンして、キッチンばさみで切るようにしました。

たとえば、バナナを温めてお皿の中に入れて泡だて器で押しつぶすと、力もいらなくて簡単に細かくなります。ペースト状にしたい時は、材料をジップロックのビニール袋に入れて足で押しつぶします。ミキサーやミルを使うと、大きな音でせっかく寝た赤ちゃんも起きてしまうし、後片付けの洗い物が面倒です。

ビニール袋でつぶすと微妙な感触がわかるので、自分で食べ物の大きさを微調節できて、赤ちゃんの食べやすい大きさと食感にできました。少しずつ形を大きくしていって、離乳食も早めに終わったと思います。