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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2012年4月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●玄関ドアは自動開閉に、他●

提案者:猿渡達明 イラスト:はんだみちこ

猿渡達明(さるわたりたつあき)さん

1973年東京都足立区生まれ。脳性マヒとADHD傾向。地域の学校と養護学校に通う。1998年保険会社退社後、2010年3月から、文京区のスタジオIL文京で働く。今年の4月から文京区の地域福祉推進協議会委員。自分らしく生きることを考えている。


玄関ドアは自動開閉に

障害のある人が家を借りるのは、大変です。借りることができても段差やドア、バス・トイレなど暮らしやすくするための改造が必要です。

私の家はマンションの3階で、エレベーターを出てすぐ左側に玄関ドアがあります。左側が開くドアで廊下も広くないため、いったん廊下に出てドアを開くと、車いすを使っている私は部屋の中に入ることができません。良い方法はないかと考え、玄関ドアを自動開閉できるようにしました。

まず、1階でエレベーターに乗る時にリモコンスイッチを押して、エレベーターが3階に到着する頃に玄関ドアが開くようにしました。おかげでエレベーターを下りたらすぐに部屋に入れます。ドアにはドアオープナーを付けて、一定の時間が経つと閉まり、ロックするようになっています。

私は手が不自由なので、この自動開閉式のドアはとても便利です。また、車いすをドアや壁にぶつけても傷が付かないようマットを貼っています。


安心してお風呂に入る工夫

マンションのお風呂はユニットバスなので、浴室に入るには大きな段差があります。私は足が上がらないため段差を少なくするために、入り口手前に踏み台を置きました。

浴槽には、股関節が開きにくくまたぐことができないので、おしりを乗せて回転するバスベンリーを付けています。

それからお風呂に入る時は、入浴用介助ベルトを使っています。腰に付けるもので友人が使っていたので、一度使わせてもらい、使い方を教えてもらいました。コツを覚えるとすごく便利で、移動したり身体が不安定な時に役立ちます。

ベルトには持ち手がたくさんあって、四つん這いや湯船に浸かっている時に介助者にベルトをつかんで支えてもらっています。これを使えばおぼれる心配はないし、仮にバランスが崩れても平気です。


トイレの工夫

私の家のトイレの床はドアから一段下がっています。一段でも段差があると膝立ちや歩いた時に転倒の可能性があるので、トイレの床の高さを底上げしてキッチンと同じ高さに変えてもらいました。

引っ越す時に元の状態に戻しやすいように、木を組んで高さをそろえてもらいました。それに合わせてトイレの高さも変えてもらったので、トイレの使用感は変わりません。また、床のシートは転倒防止用の滑りにくい素材のものを貼ってもらいました。

それから交渉をして、ウォシュレットをつけてもらいました。ウォシュレットは手が不自由な私にとってとても便利です。手すりも握りやすいものを設置してもらいました。これで安心してトイレが使えます。