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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2012年5月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●靴選びの工夫~きれいに履く~、他●

提案者:竹田幸代 イラスト:はんだみちこ

竹田幸代(たけだゆきよ)さん

視覚障害となってから資格取得した、消費生活アドバイザーとして消費者啓発に、視覚障害者施設ではパソコン利用支援を、そして、見えない・見えにくい人が、必要な時に必要なリハビリテーションが受けられるようにが合言葉の「きんきビジョンサポート」では、現在、代表をしています。きれい・快適生活を目指す、大雑把(おおざっぱ)O型です。


靴選びの工夫~きれいに履く~

おしゃれは「私らしくあること」という意味でも重要です。特に、靴は大好きなファッションアイテムのひとつ。見えづらくなったので、ヒールのある靴はやめたという声も聞きますが、もう一度、トライしてみてはいかがでしょう。おしゃれは気分を明るくします。

私にとって、履き慣れたヒールの高さは7cm、9cmも平気。だからといって、見えづらくなった今、デザイン重視だけでは危険すぎます。そこで、靴を選ぶ時は、ヒールの形を重視します。体の重心が左右にぐらつかない安定した形のもの、たとえば、横から見ると細くても、左右に幅のあるものを選び、キズがつきやすい革巻きヒールは、なるべく避けます。また、ヒールの高さにかかわらず、段差につま先をぶつけてしまうことやサイドを擦ってしまうこともよくあるので、淡い色は我慢。スエードや布地素材は、キズがつきにくく、ついても目立ちにくいのでお気に入りです。


日用品の工夫~ポンプ式容器を活用~

メークをしていて、クリームを出しすぎたり、継ぎ足したり、チューブから適量を出すことは簡単ではありません。そこで活用しているのがポンプ式容器。1(ひと)押しで定量が出せるものです。もともと、ポンプ式容器に入ったファンデーションもありますし、市販のかわいい空容器を利用するのも楽しいですね。

私が利用しているのは、美容液が入っていたもの。1押しがだいたいファンデーションの使用量と同じなので便利に使っています。乳液の蓋をポンプ式につけ替えたりもします。

最近、視覚障害者のサロンで、洗濯用液体洗剤は分量が測りづらくこぼしてしまうので使わない、という声が多数ありました。その時に紹介されていたものも、ポンプ式容器の衣料用柔軟剤です。最近のコンパクトタイプの洗濯用液体洗剤の使用目安量は、30リットルに対し10グラム、シャンプーボトルの3押しと同じぐらいでしょうか。利用できそうですね。


そうじの工夫~軍手の活用でぴっかぴか!~

私のおそうじバイブルは『タオル一本で家中ピッカピカ』(沖幸子著)です。この本では、家中のお掃除をタオル1本で簡単にしてしまうというものですが、私が活用、常備しているのは、束で売られている綿100%の軍手です。

割れ物が並んだ棚の拭き掃除は危なっかしいものですが、両手で確認しながらの軍手拭き掃除なら意外に安心です。ぞうきんで拭くよりも、手に汚れを感じるので、拭き残しも少ないです。CDケースや本棚を触る時、電話をする時、テレビを楽しむ時、乾いた軍手をちょっとはめて、なで回すだけでも、ほこりが取れてつるっとします。ついでに、家具やドアノブなども、さっとなでて、あとは、風呂掃除に使って、洗濯機にポイ。

軍手は乾いたまま、少し湿らせて、濡らして、洗剤をつけて、汚れに合わせて使います。複雑な形の置き物や蛇口、サッシのレールの掃除も簡単、習慣になると家中ぴっかぴかですよ。