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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2012年9月号

知り隊おしえ隊

東京スカイツリーと浅草周辺の観光バリアフリーポイント・ドンドン出現!
―基本情報を押さえて、あなたなりにレッツエンジョイ!

今福義明

2012年5月22日(火)開業の「東京スカイツリー」は、開業より72日目の8月1日(水)、来場者数通算100万人を突破しました。

私は、電動車いす使用者ですが、この「東京スカイツリー」と東京スカイツリータウンの各施設(東京ソラマチ、コニカミノルタプラネタリウム“天空”、すみだ水族館)およびスカイツリーの足下の親水公園「おしなり公園」と「おしなり橋」〔北十間川護岸の親水テラス、歩行者専用橋〕、さらには、「押上駅前交通広場」や墨田区新設の「2階建ての押上駅前自転車駐車場の屋上テラス」などをいずれも数回以上訪れていますが、行くたびに新たな発見があります。

まず一番にご紹介したいのは、これらのスポットへのアクセスの良さと多さです。

これらの施設には、すべての鉄道と地下鉄で、駅直結で、雨風炎天下を気にしないで、車いす使用者でもアクセスできます。また、これらがいずれもすべてバリアフリーです(※1)。さらに、路線バスやコミュニティバス・「東京スカイツリー」直行シャトルバスも複数運行されていています。シャトルバス便の路線によっては、バリアフリーではない車両運用があることは残念ですが、「東京スカイツリー」発着の路線バスおよびコミュニティバスすべてと2路線のシャトルバスすべてが、ノンステップバスであるということは、車いす使用者には安心と便利なアクセス・ルートが確保されていると言えそうです。この二つのシャトルバスの車窓からの東京プチ観光ルートアクセスもお勧めです。

それでは、肝心の見どころ楽しみどころを順番にご紹介します。

「東京スカイツリー」は、世界最高の高さ634メートル「634=むさし」、自立式電波塔世界一(2011年11月17日ギネスワールドレコーズ社認定)で、東京スカイツリー天望デッキ(350メートル)と東京スカイツリー天望回廊(450メートル)からの眺望は、私が見た日は、雨降る直前の曇り空だったのですが、まさに雲の上からの眺望で、「東京がまるい」と感じることができました。電動車いす使用者目線の眺望も良く、各フロアに安心の自動扉多機能トイレありで、エレベーター内装や動く動画絵巻の中のおもしろ描写探しなど、一見の価値ありで太鼓判です。

次は、私のお気に入りのスポットとなった「すみだ水族館(5階・6階)」です。電動車いす使用者観覧動線はグッドで、それぞれの趣向がとても良く、クラゲやペンギン・アザラシ・海水魚の観覧が、2回行きましたが、とても落ち着いた雰囲気で、気楽にお勧めできる度ナンバーワンです。

「コニカミノルタプラネタリウム 天空 in 東京スカイツリータウン(7階)」は、残念ながら、一般リクライニング式座席へ移乗できないほどの障害をおもちの車いす使用者にとっては、ほとんどスクリーン天空が見えず、しかも狭めのドーム会場にもかかわらず、ユニバーサルデザイン「車いすスペース」座席を設定していなかったことが分かりましたが、みなさんが行かれると良くなるかもしれませんので、試し見に行ってみてください。

「東京ソラマチ」は、1階東側は「ソラマチ商店街」、2階西側は「フードマルシェ」、3階西側は「ソラマチタベテラス」、6階・7階は「ソラマチダイニング」となっています。何回行っても混雑していて、どの階も見応え十分で、6階・7階の「ソラマチダイニング」は、いつも並び客待ちながら、全店バリアフリーで、4店舗飲食してみましたが、いずれも店員さんの接遇が良くて料理もとても美味しかったです。

スカイツリーの足下の親水公園の「おしなり公園」をぜひ散策してほしいです。車いす使用者でもアクセスできる展望テラスがあります。「おしなり橋」の両端バリアフリー・スロープで、北十間川護岸の親水テラスは、夕方、彩噴水もあり落ち着けます。しかし、車いす使用者等が横断するにはちょっと危ない浮き桟橋もあるので、ご用心ください。

超意外なお勧めは、「墨田区新設の2階建ての押上駅前自転車駐車場の屋上テラス」です。車いす対応エレベーターか折れ線スロープのどちらでもアクセスでき、「押上駅前交通広場」を一望見下ろし、「東京スカイツリー」を見上げ、右手に東武鉄道伊勢崎線(東武スカイツリーライン)の電車の通過や車両基地を見渡せます。しかも無料で気軽です。1階には、公衆手動扉多機能トイレありです。

「押上駅前交通広場」を基点に3路線運行されている墨田区内循環バス「すみだ百景 すみまるくん・すみりんちゃん」(全便小型ノンステップバス)(障害者手帳を提示すれば障害者と介護者は無料)に、ぜひ、お時間のある方は、墨田区内の下町情緒を味わうためのご乗車をお勧めします。沿道区民の方の生活路線ですが、観光気分でもOK路線です。

さて、「とうきょうスカイツリー駅」から東武鉄道伊勢崎線(東武スカイツリーライン)で1駅乗車すれば、東武浅草駅です。

「とうきょうスカイツリー駅」も実は、大規模リニューアル駅で、国内旅客施設9400駅中、駅ラッチ内エレベーターサイズ部門トップの(30人乗り)大型エレベーターです。

東武浅草駅も大規模リニューアルされて、駅舎外観が、昭和初期を偲ばせています。コンコースや駅ビルの松屋浅草店にも直結エレベーターが新設され、同店の地下惣菜売り場階を経由すれば、東京メトロ銀座線の浅草駅、そして、同駅を経由させてもらえれば、都営地下鉄浅草線の浅草駅へも地下通路伝いで、半(階段斜行昇降機)バリアフリーで、車いす使用者でもアクセスできます。

東武浅草駅から、西側すぐに浅草寺の雷門があり、仲見世通りを抜ければ浅草寺境内に入り、車いす対応エレベーターで拝観できます。雷門の通りを挟んだ向かい側に、「浅草文化観光センター」が、2012年4月20日(金)オープンしました。開館時間は、午前9時~午後8時(年中無休)で、だれでもトイレ(1階自動扉・4階と7階手動扉)が、開館時間内に使用できるのは、車いす使用者が浅草観光をプランする上でとても安心です。

また、午前9時~午後10時(年中無休)の展望テラスや喫茶室(8階)(浅草展望カフェ「みはらしや」)からの「東京スカイツリー」と浅草寺の眺望は抜群です。超お勧めスポットです。

東武浅草駅から、東側すぐに隅田川に架かる吾妻橋とそのたもとに、「浅草(吾妻橋)水上バス(川航路/川船)乗船場」があります。ここは、2010年7月に大規模リニューアルされて、車いす使用者的には、大きくバリアフリー化されました。階段斜行昇降機がエレベーターになり、ガタガタの急勾配のスロープがゆったりとしたスロープになり乗降船できるようになりました。多機能トイレも屋外ですが、1階に設置されました。また、2階の無料休憩待合室スペースが、隅田川に面したガラス張りで、スカイツリーや浅草のランドマークのオブジェ「フラムドール」(金の炎)が見られます。この乗船場から、東京都観光汽船水上バスが『お台場海浜公園』、JR浜松町駅近くの『日の出桟橋』、ららぽーと豊洲のある『豊洲』などに運航していて、バリアフリー仕様客船「ヒミコ」以外にもデッキ乗船ながら、車いす使用者乗降船時「渡り板」接遇サービスで、隅田川観光遊覧を楽しめます。

これまでご紹介したように、「東京スカイツリー」および浅草周辺は、車いす使用観光客も、入りたい店全部に入れるというわけではありませんが、かなりノーマライゼーション的観光ができる状況になりつつあります。

ぜひ、このお誘い案内にその気になられたら、ご自身のお気に入りスポットを見つけてください。こころよりお待ちしております。

(いまふくよしあき DPIバリアフリー部会)


(※1)東武鉄道伊勢崎線(東武スカイツリーライン)の「とうきょうスカイツリー駅」・京成押上線、東京メトロ半蔵門線、都営地下鉄浅草線の「押上〈スカイツリー前〉駅」といずれもエレベーター・多機能トイレによるバリアフリーで、屋根伝いで行ける通路と直結状態です。

(※2)「押上駅前交通広場」発着路線は、都営バス3路線・墨田区内循環バス「すみだ百景 すみまるくん・すみりんちゃん」3路線(障害者手帳提示すれば障害者と介護者は無料)です。近接の「押上」バス停発着路線は、都営バス6路線です。この近接に京成バスと京成タウンバスが1路線ずつ運行されています。

シャトルバスのノンステップバス路線は、東武バスセントラル「スカイツリーシャトル-®上野・浅草線」と日立自動車交通〔直通シャトルバス「AKIBA with 634」(秋葉原駅~東京スカイツリータウン)〕です。