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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2013年4月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●普段から笑顔で、他●

提案者:畑俊彦 イラスト:はんだみちこ

畑俊彦(はたとしひこ)さん

NPO法人メインストリーム協会スタッフ。自立生活歴15年。高校卒業と同時に自立生活をはじめ、メインストリーム協会のスタッフとしてさまざまな活動を行なっている。特に、海外の障害者に対して自立生活を伝えている。東日本大震災直後、西宮市を中心に街頭募金隊長として募金活動を行い、障害当事者派遣プロジェクトで岩手へ行き、障害者の目線で活動を行なってきた。兵庫県西宮市在住。


普段から笑顔で

私の障害は脳性まひです。不随意運動(緊張)が時に激しくなります。外出時は特に緊張が強く、手や足が他人に当たってしまうことがしばしばあります。でも、そうは言っても他人に気を使っていては外出すらできなくなってしまいます。

そこで編み出したのが「笑顔」です。笑顔を見せていて、手や足が当たった時には、申し訳ないと思い、笑顔から申し訳なさそうな顔をして、「ごめんなさい。痛くなかったですか?本当に申し訳ありませんでした」と素直に言いますが、心の中での自分の声は『しゃーないやねん。障害がやってんねん!!』と言っています。

だからこそ、普段から笑顔を絶やさずに、街に出ていきます。

本当に笑顔は素晴らしいものです。


飲みニケーションは大事!!

私の趣味でもあるお酒。お酒を飲みながらのコミュニケーションは最高に有意義です。近所の飲み屋は、ほぼ制覇しています。行きつけのお店では、店員との交流はもちろんのこと、お客さんとも欠かさずにコミュニケーションを取っています。

どんなコミュニケーションを取っているかというと、日頃の活動の話や障害者が地域で当たり前に暮らせる社会づくりについてなど、堅苦しい話から芸能界の話までいろんな話をしています。自分のように、自立生活を送っている障害者がいるという話をすることで、災害等で困ったことが起きた時には何かお互いに助けあうことができるのではないかと思います。

こうして、飲み屋をウロウロしながら近所の人との関係を作るということは、大事だと思います。

みなさんも地域の人たちとぜひ、飲みニケーションをしてはどうでしょうか?


体調管理で二次障害予防

私は手足が不自由なので、原稿を書いたり、メールを打ったりするのは口に割りばしをくわえてパソコンやケータイを操っています。この方法は、私が幼稚園に通っている時(28年前)に、担任の先生から可能性は伸ばしたほうが良いということで始まりました。

当時はパソコンもケータイもなかった時代だったので、ワープロを打っていました。そのワープロ打ちを完全にマスターして小学校から高校までの授業は、ノート代わりにしていました。

しかし、15年前から自立生活を始めて、介助者に打ってもらうことが多くなりました。パソコンを打つスピードも落ちたので、大切な原稿以外は介助者に打ってもらっています。

やはり、二次障害が心配ですからね。楽ができる時は楽をして、自分を追い込む時は追い込む。これも、自立生活を続けるコツの一つなのです。