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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2013年6月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●ゴムひも付きスリッパ、他●

提案者:横田清 イラスト:はんだみちこ

横田清(よこたきよし)さん

私は元千葉県の高校の商業科教員です。平成2年11月に脳出血で倒れ、右マヒで失語症を併発しました。生きる張り合いを失いましたが、失語症の全国大会(長野)がきっかけで徐々に元気を取り戻しました。数年前から「私の日常生活の工夫」のブログを作りましたが、そのうち反響が大きなものを3つご紹介します。


ゴムひも付きスリッパ

このスリッパは、長男・長女が幼い時にスリッパが脱げないようにと妻が工夫して作ったものですが、それを私のために作ってくれました。

私は、日中は右足に装具を付けていて、帰宅すると装具を付けたままスリッパを履きます。しかし、装具を付けたままスリッパを履くと脱げてしまいます。そのため、スリッパの右側だけゴムひもを付けて、脱げないようにしています。ゴムひもはいろいろな太さのもので試しましたが、太くて丈夫なものをつけるのがベターです。

今では家の中は装具を付けずにスリッパを履いて、いろんなものにつかまって伝い歩きをしています。

毎日履いていると次第にゴムひもが緩んできます。油断するとつまずいて危険です。そこで緩んだ部分を輪ゴムで止めておくと快適に歩けます。


片手でタオルを絞る

この方法は、脳出血で入院していた時に作業療法士さんから教えていただきました。右手の訓練もしていましたが、将来のために左手で何事もやれるよう訓練をしたそうです。当時は、「右手があるのに…右手が治れば…」と不満でしたが、訓練のおかげで今では左手で何でもやれるようになりました。

タオルの絞り方ですが、まず、汚れたタオルを水につけよく洗います。そのタオルを蛇口にかけます。左手だけでタオルの両端を持ち、タオルをひねって絞ります。水気が無くなるまでどんどん絞ります。

絞り方は左手の指で左に少しずつ位置を変えるとできます。ここが片手の難しいところです!絞り切ったらあとは取り出して干します。

蛇口以外でも固定された棒状なもの(縦または横)があれば、それに引っ掛けてタオルを絞ることができます。


片手できれいに封を切る

以前、届いた郵便物の封を開ける時は、封筒の上の部分を手で少しずつ破っていましたが、切り口がぎざぎざになって見た目がよくありません。そこで、きれいに切る方法がないかなと思い、いろいろ工夫を重ねてやっと今の切り方にたどり着きました。

まず、封筒を本にはさみます。その本の上に重いもの(文鎮等)を置いて、封筒の切り口を少し出してハサミで切ります。本のとじ目はハサミの向こう側にするとストップが効きます。また、本は厚い方が封筒が動きにくいので切りやすいです。

また、身近に重しになるものがない時の別の方法を思いつきました。封筒を本にはさんで床に置いて左足を本にのせます。すると、足の重みが重し代わりとなって封を切ることができます。